ではダイレクトアクセスのトレードで成功するには、いくらの資金が必要なのだろうか?
もちろん多くのブローカーでは、1万ドル、つまり120万円くらいから口座を開くことができる。
米国株の世界では、2001年9月28日から、すべてのNASDAQメンバー企業、ブローカーに対しての、デイ・トレーディングに関する規制が大きく変更されることになった。
いわゆるデイトレーディングをするためには 2万5千ドルが必要となった。
詳細は、口座をお持ちのブローカーへ直接問い合わせていただきたい。
今回の新しいレギュレーションでの大きな変更点としては「パターン・デイ・トレーダー」が定義されたことがあげられる。
そしてその条件に当てはまれば、最低資金・バイイングパワーやトレード方法に影響する「マージン規制」についての新しいレギュレーションが適用される。
つまり、これらの新しい規制は、「パターン・デイ・トレーダー」にのみ適用されるということだ。
「パターン・デイ・トレーダー」とは、5営業日内に4または5トレード以上のイントラデイトレード(1日内に売買を終了するトレード)を執行、または口座内で実行される全トレードの6%またはそれ以上がイントラデイトレードであるトレーダーのことを指す。
こうした、規制の変更は大歓迎だ。
「1万ドルでデイトレードができなくなった」なんていう、ちょっと的外れな意見も出てくるだろうが、そもそも1万ドルでイントラデイのトレードをして確実に利益を出そうとするのは非常に危険で、私に言わせれば自殺行為だ。
プロのトレードをするトレードフロアでは、少なくとも5万ドル以上ないとトレードできないという条件を決めているところが多い。
これは、いってみれば成功するための最低条件なのだ。
バイイングパワーが10万ドル以上はないと、プロとして生活して行くのは難しいという背景があるからだ。
理想を言えば、成功するためには、バイイングパワーは20万ドル、今までのレギュレーションで言えば、口座開設時には10万ドルは欲しいところだ。
今回のレギュレーション変更は、こうした危ない条件でのトレードをしようとするトレーダーをマーケットから遠ざけるという効果があると思う。
そのかわり、バイイングパワーは4倍になった。
これは素晴らしいことだ。
5万ドルで口座を開けば20万ドルのバイイングパワーになる。
理想を言えば、成功するためには、バイイングパワーは20万ドル欲しいという基準に、5万ドルで到達できるのだ。
このマージンの4倍という変更は、トレードを実際にしている人なら、大歓迎のはずだ。
ただし、基本がわかっていない人にとっては、すこぶる危険な誘惑となる。
イントラデイトレードは、基本を知らずに参加して、簡単に儲けが出るほど甘い世界ではないのだからね。
危険な部分には、きちんと制限を設けるかわりに、真剣に取り組む人にはチャンスをさらに与える。
4倍パワーという「アメ」と最低金額が2万5千ドルという「ムチ」を上手に組み合わせた、アメリカらしいレギュレーションの変更だといえるだろう。
経済を活性化させる方法は、知恵を使えばいくらだってあるだろう。
日本の証券界も、見識のある規則の改定をすれば、個人投資家にとって魅力のあるマーケットにできると思う。
その鍵を自分たちが持っているのだ、ということをもっと自覚することから、真の改革が始まるのではないだろうか。
新しいデイトレードの規則変更に伴い、よくある質問を掲載しておく。
詳細は、直接口座を開設されているブローカーへ、お問い合わせいただきたい。
確なことを、責任を持って答えることができません。
私はブローカーではありませんので。(笑)
マージン規制変更に伴うQ&A
Q.
新しいマージン規制が導入されるのはいつからですか?
A. 2001年9月28日からです。
Q. 新しいマージン規制における「デイトレード」の意味とは?
A. デイトレードとは、同じ銘柄を同日内に購入して売却、または売却して購入することを意味します。
デイトレードの用例:(以下の全てがデイトレードとみなされます)
2001年8月31日 MSFT 500株 買い そして 500 MSFT 500株 売り
2001年8月31日 MSFT 500株 買い そして 500 MSFT 200株 売り
2001年8月31日 MSFT 300株 空売り そして 500 MSFT 300株 買戻し
マージン規制変更に伴い、オーバーナイトポジションの反対売買はデイトレードと見なされなくなりました。
今までは、オーバーナイトポジションを売り、もしくは買い戻した(ショートの場合)場合、それはデイトレードとして見なされ、その分の購買力が差し引かれていました。
新しいマージン規制では、既存のポジションの処分はただの清算として見なされます。
Q. パターンデイトレーダーとは何ですか?
A. マージン口座で5営業日内に4もしくはそれ以上のデイトレードをするトレーダーのことを指します。
もし、5営業日間における総取引数の6%を越さないのであれば、そのトレーダーは、パターンデイトレーダーには該当しません。
もしパターンデイトレーダーとみなされれば、口座は自動的にデイトレード・マージン口座として設定されます。
例: 5営業日間における総取引数が100回のトレーダーが、その5営業日内に4デイトレードを執行した場合
デイトレード数が総取引数の6%を下回っていることからパターンデイトレーダーとみなされません。
Q. デイトレード・マージン口座の最低資金はいくらですか?
A. パターンデイトレーダー口座の最低資金は2万5, 000ドルです。
Q. デイトレーディング・バイイングパワー(DTBP)はどのように計算するのですか?
A. パターンデイトレード口座における、その日の購買力は、資金の4倍です。
もし、パターンデイトレード口座内でデイトレードコールやその他のマージンコールが発生した場合、コールが解消されるまでの間、購買力は総計で資金の2倍までとなります。
総計で資金の2倍まで、というのは、反対売買をしてもその分の購買力は戻らないため、朝の時点で決められた購買力分しか売買ができない、という意味です。
Q.
もしパターンデイトレード・マージン口座が最低資金の2万5,000ドルを下回った場合どうなりますか?
A.
もし、その日の取引を最低資金の2万5,000ドルを下回って始まった場合、口座は強制的にCASH口座に設定変更されるため、購買力は資金×1倍となります。
キャッシュ口座の場合、反対売買をしても購買力は戻ってきません。
また、口座を維持するために必要な最低管理資金を下回った場合は、最低資金(Minimum Equity)コールが発生します。
Q. Equityコールとは何ですか?
A. Equityコールとは、口座資金が最低資金の2万5,000ドルを下回っているのに関わらず、マージンを使って取引をした際に発生します。
例: 資金が2万ドルなのに、マーケットバリュー2万5,000ドルの銘柄を取引した場合にEquityコール発生
Q. Equityコールが発生した場合のコール解消法は?How do I meet an
equity call?
A. 追加資金送金、または証券移管にて口座資金を2万5,000ドル以上にまで引き上げる必要があります。
Q. 2万5,000ドル以下の口座でデイトレードはできますか?
A. 購買力の資金×1倍内であればデイトレードが可能です。
この購買力は反対売買をしても戻ることはありません。
例: 資金が2万ドルの場合=キャッシュオンリー口座
購買力は資金×1倍の2万ドル
・ DELLを20ドルで500株買い=$10,000
・ DELLを20ドルで500株売り=$10,000
・ AAPLを25ドルで400株買い=$10,000
・ AAPLを25ドルで400株売り=$10,000
上記の買いの総計金額は$20,000なので、この場合、マージンコールは発生しません。
もしこれ以上の取引(買い、空売り)を執行した場合、オーバーした分がデイトレードコールとして発生します。
Q.
2万5,000ドル以下の口座で、オーバーナイトポジションを清算し、同じ日に同銘柄を取引した場合、どうなりますか?購買力は?
A. 新しい規制では、オーバーナイトの清算分はデイトレードとして見なされません。
例: 資金が2万ドルの場合
・ 1日目: Buy $40,000 CSCO
・ 2日目: Sell $40,000 CSCO
・ 2日目: Buy $40,000 CSCO
新しい規制では、同日の上記例ではデイトレードコールは発生しません。
オーバーナイトポジションを売った分と、同日に買った分が1売買として見なされ、自動的に清算されます。
Q.
もしパターンデイトレード・マージン口座の資金がイントラデイで2万5,000ドルを下回ってしまった場合、どうなりますか?
A.
もしイントラデイで2万5,000ドルを下回ってしまったとしても、その日の終わりに清算する証券を保有している場合、Equityコールは発生しません。
Q. 資金が2万5,000ドル以上で購買力以上の取引をしてしまった場合、どうなりますか?
A. 2万5,000ドル以上の口座で購買力以上の取引をしてしまった場合、デイトレーディングコールが発生します。
例:
資金が5万ドルの口座で、マーケットバリュー25万ドル分のポジションを購入した場合、1万2,500ドルのデイトレーディングコールが発生します。
資金5万ドルの口座では、購買力20万ドル分(5万ドル×4=20万ドル)のポジションを保有することができます。しかし、25万ドル購入してしまった場合、購買力を超えてしまった5万ドルの4分の1である1万2,500ドルがデイトレーディングコールとなります。
Q. デイトレーディングコールとは何ですか?
A.
デイトレーディングコールとは、2万5,000ドル以上のパターンデイトレード・マージン口座で購買力以上の取引が執行された際に発生するコールです。
コール額は、購買力を超えた分の25%となります。
Q. デイトレーディングコールの解消法は?
A. コール額と同額、またはそれ以上の追加資金、マージンを使える証券の移管でコールを解消することができます。
保有しているポジション清算では、デイトレーディングコールは解消されません。
Q. デイトレーディングコールの期限は何日ですか?
A. コールが発生した日から5営業日間です。
例: もし月曜日にコールが発生したのであれば、コール解消の期限は次の月曜日まで、となります(マーケット祝日がなかったと考えて)?
Q. コールが解消されるまでの5営業日の間、トレードはできますか?
A. コールが発生した翌日から、そのパターンデイトレード・マージン口座は強制的に購買力が資金の2倍へと設定されます。
例: 月曜日にコールが発生した場合、翌日の火曜日から購買力は資金の2倍となります。
また、購買力は反対売買をしてもその分は戻ってきません。
例: コールが発生した翌日、資金が1万5,000ドルでスタートした場合(購買力は3万ドル)
・ Buy 300株 MSFT $50 total cost $15,000
・ Sell 300株 MSFT $51 total cost $15,300
・ Buy 200株 AAPL $20 total cost $4,000
・ Buy 300株 CSCO $15 total cost $4,500
・ Sell 200株 CSCO $14 total cost $2,800
上記のトレードの総計額は$24,500です。
これらのトレードを執行するには最低$12,250の資金が必要となります。($24,500÷2=$12,250)
Q. もし5営業日内にデイトレーディングコールを解消出来なかった場合、どうなりますか?
A.
期限の5営業日内にコールが解消されない場合、コールが解消されるまで、もしくは90日間、口座は強制的にキャッシュオンリー口座に設定されます(資金×1倍=購買力)。
Q.
デイトレーディングコール、またはEquityコールを解消するために送金した分の追加資金を再度引き出すことができますか?
A. デイトレーディングコール、またはEquityコールを解消するための追加資金は、2営業日間引き出すことはできません。
また、小切手を郵送した場合は、最低10営業日間、引き落とすことはできません。
例: 月曜日に口座への追加送金をした場合、木曜日まで資金バックはできません。(祭日がなかったと考えて)
充分な資金が手元にない場合は?
元手の250万円が、今ない人はどうすればいいのか?
トレードで儲けて、250万円を作る?
そうではない。
250万円を貯めるまで、一生懸命に働くことだ。
そういう努力をできない人が、トレードで、成功させるための努力ができるだろうか。
私は50歳をとうに、じゃなく、少しだが越えている。
多分ここのサイトをご覧になっているほとんどの方は、私よりうんと若いはずだ。
だから、トレードをするチャンスは、これからいくらでもあるはずだ。
でも、トレードが好きだし、やりたいし、「熱意があればできるはずではないですか?」といわれるかもしれない。
たしかに、できるかもしれない。絶対という事はないのだから。
しかし、確率からいうと非常に少ない。
現実を見ても、10万円ぐらいから始めたり、借金をしてトレードを始めて、成功しているトレーダーは、少なくとも私のまわりにはいない。
非常に少ない確率ということは、リスクが高い取り組み方をすることにつながる。
資金が少ないと、つい早く大きく増やしたいという「欲」が強くなりすぎて一発勝負的なトレードをしてしまう。
どうせ千ドルだから失敗しても大したことはないと考えてしまう。
これが1000万円なら、「一発勝負をしてやろう、なくしてもまあいいや」とは考えないはずだ。
資金が少ないからといって大きなゲインを狙うな
元手を早く何倍にもしたいというのは、トレードだからそう考えるのでは
ないだろうか。
普通に仕事をしていて、元手を何倍にもしようと考えるだろうか。
何倍にもするためには何倍も働かなくてはならず、そんな事をしていては体をこわすだろうし、現実には不可能に近いことだ。
トレードだって、確実に何倍にもしようと思えば、普通の仕事以上に、驚異的な努力をしないと無理なのだ。
しかし、大資本という大きな努力の結果があればより簡単になる。
しかし、その資本を作るまでに、すでに大きな努力をしているのだ。
そういう自分なりの「努力の方法と実践の経験」を持っている人は、トレードでも、それなりの努力ができる可能性が高くなる。
資本というお金がたくさんあるから、儲かるように見えるが、それだけではない。
資金が多ければ、成功する確率は高くなる
資本というお金がたくさんあると何故、成功の確率が高くなるのだろうか?
1000万円を貯める努力をしてきた人は、100万円を貯めた人より、真剣に増やそうという意志がより強く働き、損失のリスクを下げることにつながるのではないだろうか。
貯めた金額は借金をした250万円と同じであっても、借金と貯金とではその、投下資本というお金に対する、その人の感じる価値が、全く違うのだ。
成功したトレーダーは、そうして250万円をつくって、スタートラインに並んだのだ。
それでも成功率は25%以下かもしれない。
普通に仕事をして250万円を貯めるより、おそらく、少ない確率のレースに参加しようというのだ。
それができないのに、75%が損をするトレードというレースで、儲けようというのは、少し考えが甘いとは思わないか?
一度だけの人生だから、もちろんどういう選択もありだ。
だが、ベストの結果を残せるように、まず下準備をしっかりとすることだ。
若い方は、特に十分に下準備をしてからでもけっして遅くはない。
あせりは禁物だ。
余裕のある資金で始めること
親戚や親を説得できる説得力という熱意で、お金をかき集めて、トレードを始めるというのはどうだろうか?
しかし、この場合お金を借りるということになるだろう。
どうせでも難しいトレードに、そういう失ってはいけないという意識、いってみれば「人のお金」というプレッシャーをかかえてトレードをするのは、至難のワザだ。
借りたにしろ「借りた以上自分のお金だ」という意識を、どういう精神状態でも保てるだけの強い人間なら、あるいは成功するかもしれない。
しかし、普通は無理だろう。
それでもそう言い張るなら、あえて、それは長期間、現実の心理的なプレッシャーを体験したことがない人の「屁理屈」のたぐいに思えると、言ってしまおう。
金額は借金をした250万円と同じであっても、借金と貯金とではその、投下資本というお金に対する、その人の感じる価値が、全く違うのだ。
トレードは自分へのチャレンジ
プロのレーサーは、始めてのサーキットを走るときは、車で走る前に、まず自分の足でコースを歩いてみるといわれている。
ル・マン24時間レースのように、トレードというレースでは、完走することが、まず難しいのだ。
アクシデントに巻きこまれて優勝目前にリタイアというケースもある。
問題が起こったときの優秀なメカニックに相当するのが「あなたの人生経験」。
問題が起こればピットに入って修復しなければならない。
ピットに入るのか、それとも入らずにこのまま走るのかを決めるのは、ドライバー。
資金という車を運転するドライバーが、あなたなのだ。
レースに参加して、いきなり優勝を狙って無理をすれば、スピンをして順位を下げてしまうということにもなりかねない。
まず完走を狙う。リタイアしたのでは、チャンスはない。
「考え方」・「姿勢」・「お金」というメンバーが優秀であれば、トレードというレースで、よい成績を上げる確率が高くなる。
そのレースに参加するだけでも、このようにある程度の、経験と強い信念や情熱が必要だ。
安いところで買って、上がったら売るという一見非常に簡単そうに見えるトレードが、何故これほどまでに難しいのかという答えは、やはり自分の「エゴ・自分勝手・欲」があるからなのだ。
トレードとは自分へのチャレンジなのだ。
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