1作目に引き続いての続篇で今回演じるのは、タクシードライバーに転職している、マッコールと言う設定。
理解者スーザンが何者かに殺されたため、独自に捜査を開始。
最後には身内であるCIAの元仲間と闘うというストーリー。
冒頭部分から、キレのいい必殺仕置人ぶりをデンゼル・ワシントンが魅せてくれます。
ナメた相手が実は凄かったという、水戸黄門的な快感。
トムクルーズのジャック・リーチャーも似た設定です。
彼がシリーズものに出演するのは今回が初めてだそうです。
本人の弁によると「単に続編に出演する機会がなかっただけ」ということのようですが・・
続編映画は前作と全く違えるか、設定やお約束をひっくり返すなどのアプローチがありますが、こイコライザー2は前作と同じトワーン・フークア監督のため、テイストは同じままでたぶんパワーアップしているだろう・・
という期待と共に出かけました。
封切りの日に行ったというのは、この作品なら、という勝手な期待の高さの、あらわれかもしれません。
相手側へ与える損傷も「ビビらせた」から始まり「骨折・打撲」最後には「死」に至るまで、バラエティーがあり、さらに、主人公がどこで止めるのか、あるいは止めないのかも、楽しめる要素になっています。
一般的なアメリカンヒーローは、自己顕示欲が強く、周りには強さをアピールするというパターンですが、この作品の主人公は真逆。
ただのタクシー運転手という地味さで、自分がホシと悟られない姿勢。
一見屈強なイメージに見え隠れする寂しさや深みを、表情の細やかな変化で、そのシーンにジャストフィットさせる感情として、観客に感じさせる演技力には、恐れ入谷です。
それだけではなく、腕時計のカウントがスタートしたら、あとは無敵という要素を、絶大な安心感として魅了させることができるのも彼の大きな魅力ではないでしょうか。
この手のアクション物は主人公はやたらめっぽう強い設定になっています。
というのは主役が途中で死ぬとまずいからですが・・(笑)
そのため負けるかもしれないというドキドキハラハラ感がなくなるというジレンマがあります。
そこでこの作品では友人が殺されてしまうかもしれない、という設定。
今回の敵は自分と同じ特殊訓練を受けたスペシャリスト。
ですが途中までそうとはわからないため、正体を暴く謎解きという仕掛けがあったりします。
ただ前作と違って、いわゆる復讐劇の要素という部分が、前作とは違うのですが・・
このあたりをどう感じるかで、多少評価が変わるかもしれません。
クライマックスの舞台はハリケーンが吹き荒れる街のシーン。
撮影では、巨大な送風機を12カ所に設置。
壁を乗り越えてくる波を再現するため高さ10メートル級の巨大なタンクも用意されたそうです。
そして雨や波のしぶきは24台のをリンクさせ、カメラの位置に合った方向に放水できるという仕掛け。
しかも台風の中ということなのですが、撮影は当然日中に行うわけです。
そのため太陽が映り込まないように撮る必要があり、このシーンだけで1ヶ月かかったといいます。
制作費は6200万ドル。(68億円)
公開初週末に2600万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたようですが、実際の数字はそれを上回るもので2018年7月20日時点では、全米3388館で公開され、公開初週末に3601万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となったようです。
前作を知らない人でも十分楽しめますが、前作を観ていればさらに、その「味わい」は深くなるはず。
映画のタイトルである「イコライザー」は、自己中心的な正義を貫くヒーローではなく、起きたことに対して対価を支払わせ、対等(イコライズ)するという意味。
そのため人を殺しても!、見ている側の納得度が高くなる、という寸法です。
映画を見に行ったあとの満足度は大事。
感動を胸に帰宅できる、という作品ばかりではありませんからね。
デンゼル・ワシントンのファンのみならず、必見の作品ではないでしょうか。