ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)に掲載された最新の論文をご紹介。
18ヵ国の13万5千例以上を約7年半追跡した研究結果。
ということで、信頼度は極めて高いリサーチ。
どういう内容かというと・・
1)炭水化物摂取量の多く摂取すると全死亡リスクが上昇する。
2)総脂質および脂質の種類別を摂取すると全死亡リスクが低下する。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連していない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。
Lancetの論文
提供元:ケアネット公開日:2017/09/08
Lancetオンライン版2017年8月29日号。カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、5大陸18ヵ国35~70歳の13万5,335例で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)、中央値7.4年(IQR:5.3~9.3)追跡した結果。
主要アウトカムは、全死亡(total mortality)および主要心血管イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)。副次アウトカムは、心筋梗塞、脳卒中、CVD死、非CVD死であった。追跡期間中に、死亡が5,796例、主要心血管イベントの発生が4,784例記録された。
炭水化物は、摂取量が多いほど全死亡リスクが高く、最低5分位群(エネルギー比中央値46.4%)に対する最高5分位群(同77.2%)のHRは1.28(95%信頼区間[CI]:1.12~1.46、傾向のp=0.0001)であった。CVDまたはCVD死のリスクとの関連は確認されなかった。
脂質は総脂質および種類別のいずれも、摂取量が多いほど全死亡リスクは低下。最低5分位群に対する最高5分位群のHRは、総脂質が0.77(95%CI:0.67~0.87、傾向のp<0.0001)、飽和脂肪酸は0.86(95%CI:0.76~0.99、傾向のp=0.0088)、一価不飽和脂肪酸は0.81(95%CI:0.71~0.92、傾向のp<0.0001)、多価不飽和脂肪酸は.80(95%CI:0.71~0.89、傾向のp<0.0001))であった。
飽和脂肪酸は、摂取量が多いほど脳卒中のリスクが低い関連が認められた(最高5分位群 vs.最低5分位群のHR:0.79、95%CI:0.64~0.98、傾向のp=0.0498)。総脂質、飽和および不飽和脂肪酸の摂取量は、心筋梗塞またはCVD死のリスクと有意な関連はみられなかった。
つまり炭水化物を摂取し続けると死ぬ確率は高くなってゆくということです。
一方で脂肪類を沢山摂取すると、死ぬ確率は低くなる。
これは炭水化物や砂糖に含まれる糖質が、体にどのように作用するかが分かれば納得できるハナシです。
日本人の多くは、脂肪の取り過ぎは健康に良くない思っているはず。
ですが事実は実は逆なんですね。
いってみればそれは「都市伝説」。(笑)
シャリなし寿司は健康的か? 「糖質制限が日本人を救う」への疑問
「あまり運動もせず1日ご飯茶碗5杯以上を食べる女性は少しご飯を減らしましょう」という提言のほうが適切と言えるだろう。
今時そんな女性が居るのか?(笑)
日本は先進国では珍しく、若い女性のやせすぎが問題になる国である。体型を気にするやせ気味の女性が、「糖質は太る」、「糖質は身体に悪い」というメッセージを日々浴び続け、その結果、糖質に対して過度な恐怖感を抱くことの弊害はないのだろうか。
凄いすり替え理論だ。(笑)
この記事は、文化人類学者・磯野 真穂 によるもの。
そしてこれが反応・・
例の回転寿司店のシャリなし寿司については、酢の物が好きで刺身自体が好きな私はきっと美味しく食べると思いながら、健康な人がそこまで糖質制限をするという風潮に気持ち悪さを感じていましたので、この記事を読んでスッキリできました。(エコノミスト、著述家)
風潮の気持ち悪さで勝負ですか・・(笑)
ドクター江部の糖尿病徒然日記 2017年09月12日 (火) によると・・
下が内容のまとめ。
糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少で、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙。
冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになる。
ずっと増え続けていた炭水化物摂取比率が、2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減少。
ずっと減少傾向だった脂質摂取比率が、2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増加している。
20007年から2012年にかけて糖尿病の増加は急減し、糖尿病予備群は220万人も減少している。
保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、数十年来不変。(笑)
なので今更この影響はないと思われる。
炭水化物摂取が減って脂質摂取が増え、糖尿病の激増に歯止めがかかっているという事実。
糖質制限食の影響の可能性がありえる。
ちなみに2000年~2012年まで日本の人口は1億2000万ちょっとで大きな変化はない。
この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったが、それに歯止めがかかったというわけだ。
焼け石に水
とはいえ、世の中の大半の人はすでに糖質中毒になっているわけだ。
これは食べ物のテレビコマーシャルを見れば一目瞭然。
中毒状態に火を注ぎ、拍車を掛けようというわけだ。
合法なのだから儲けて何が悪い。
ということなんでしょうか。
しかし日本は凄いことになっているよねえ・・
関連記事
炭水化物ジャンキーで溢れる日本
旅と食事
糖質制限の誤解
錦織圭選手と怪我
ジョコビッチ選手と錦織選手の食事と怪我予防効果
広まる糖質制限
スタミナがつくと世界が変わる
糖質制限の大きな誤解
スポーツも糖質制限食
糖質制限なう