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アドリブ練習


月曜日はO氏が電子トランペット、こちらの日記で書いた「イージートランペット」で参加された個人レッスン?の様子をご紹介。

全く初めての楽器でここまでやるのは、なかなかタイヘンなのですよ。ホントに。

というのは、楽器を演奏したことがない人は、アドリブというと、なんだかデタラメにやっているように思うかもしれません。

ですが、試しに全くデタラメに3分間演奏できるかというと、やってみればわかりますが、なかなかできるものではありません。

 

たとえば猫が鍵盤の上を歩いて、音が鳴ったからといって、猫を使ってフリージャズができるでしょうか?

それは無理でしょう。

猫は演奏をするという意思がないため、いつ鍵盤から飛び降りてやめてしまうかはわかりません。

それに、猫が歩いたからといって、完全にランダムにフリーな演奏になるのかというと、それははなはだ疑問です。

猫にも歩幅や歩くリズムがあるため、そこには何らかの規則性が生まれてしまうことになるからです。

ですからこのように突き詰めて考えると「規則性がない演奏をする」というのは、そうした意図を持って演奏する必要があるのです。

完全にランダムな、いわばメチャクチャに聴こえるようにあえて演奏するというのは、意外にできないものなのです。

 

みなさんご承知のように音楽には、リズム、メロディー、ハーモニーがあります。

ジャズのアドリブというは、この3つの要素に対して何をやってもいいワケで、ここがクラシック音楽との大きな違いのひとつです。

3つの要素が調和したバッキングにあわせて演奏する場合、一人がホントにデタラメに演奏をすると、ものすごい違和感のあるものになってしまいます。

当然のことながら、聞いている側の耳にとっては、不快にしか聴こえないはずです。

 

バンドには「調和の快感」という禁断の世界があります。

お互いが演奏している場合「相手に対して合わせる」という意思のもとでの「音が溶け合う」体験は、非常に心地よく、それこそがバンドとして演奏をする醍醐味であり、一緒に演奏をする大きな理由なのだと思います。

バックのリズムに対して、楽器で自由にメロディーを作りながら、どんどん展開をさせて演奏ができるようになれば、体力の続く限り、あたかも無限に演奏をすることができるかのような、一種独特の「ハイ」な気分を味わうことができるのです。

 

その「自由さのレベル」は、普段の練習量に比例するため、その「おいしさ」を報酬として手に入れたければ、一定量の練習をする必要があります。

こうした仕組みによる「おいしい」体験を一度でも体感すると、機械的な「楽しくない忍耐」を伴う練習は、それほど苦にならなくなってくるものなのです。

ですから、楽器を始めてアドリブをやろうと考えるならば、そうした「おいしい」体験を味わってもらうことが重要になります。

つまりある程度の「物量練習」をする必要があるというわけです。

ですが経験がないと、こうした「楽しくない忍耐」を一人でやり通すというのは、なかなかできないものなのです。

 

そのためにはコーチをしながら、最初はなかば無理やりですが、一定量の練習をこなしてもらうのが一番だろうと、今回練習することにしたのです。

この手の体験を味わえば、頭の中の「あるスイッチがオン」の状態になり、あとは自分で率先して練習したくなる可能性が高くなるだろう、というわけです。

ということで彼は、集中力が途切れることなく2時間にわたってチャレンジしたわけですが、トレードで鍛えた精神力の強さは、なかなかのものだと思います。

2時間以上の集中練習はタイヘンだったと思いますが、さすがです。いやあー・・ホントお疲れさまでした。

 

こういうのってなかなか聴く機会がないと思うので、その一部を特別にご紹介?!

録音はソニーの「ICD-SX66」。
ICD-SX66は、512MBのフラッシュメモリーを内蔵、独自の高音質圧縮技術“LPEC(エルペック)”によって最長約45時間のステレオ録音が可能。

 

長いのでいくつかのファイルに分けてあります。

練習テイク1 MP3   12分45秒 11,968KB

まずは、テンポを遅くして練習。まずはアドリブへの考え方と、アプローチの方法について。つまり必ずフレーズを考えて創るということを少しずつやる ということ。間違ってもかまわないからとにかく恐れずに演奏をすることだ。やったもの勝ちだからね。^^


練習テイク2 MP3   11分56秒 11,202KB

耳で演奏するというアプローチへ変更。ドレミファソラシドを使って演奏する練習。 楽譜を見ないで、耳に頼って練習をする。4小節ごとに演奏。フレーズの終わりの音に注意。
 

練習テイク4 MP3   12分03秒 11,313KB

ドシラソファミレと下降する音階を使ったアプローチ。頭で考えた音を楽器を使って表現する。4小節を単位で考える。フレーズは吹きっぱなしではなく必ず止める。音のかたまりで反復させる。4小節ごとに交代で吹く。試行錯誤モード。ドレミファソラシドの一部分を反復させて吹く。指が覚えるまで繰り返す。


練習テイク5 MP3   11分02秒 10,353KB

このレベルでは楽譜を見ないで、完全に耳だけに集中。お互い4小節ごとに演奏しながら、最後に落ち着く音に注意する。かなりまとまってきました。
 

練習テイク6 MP3   15分43秒 14,738KB

スケールとフレーズとリズムを組み合わせる。リズムを意識。突っ込んだり遅れたりという感覚をつかむ。


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