Boxter S

 



2006年



COOLに過ごそう


0101 Sun.

A ピラーの角度

今まで、Boxter S のインプレッションを書かなかったのにはワケがある。

それは慣らし運転中で、エンジンを5000回転以上に上げられなかったからだ。

ポルシェの持ち味は何といっても、毎日の生活という実用性を犠牲にすることなく、高い性能を楽しめると言う点だろう。

車体の幅や最低地上高による制限で駐車場が利用できなかったり、フロンとスポイラーが地下の駐車場へのバンク角をクリアできなかったりという車では、実用としては使えないからだ。

フェラーリを費用的には購入することはできても、やはりポルシェに落ち着くのはこうした理由からだ。

そのため、エンジンのある程度おいしいところを味わえないと、エンジンの魅力部分に影響される割合が高いポルシェのインプレッションとしては、不完全なものになってしまいがちだ。

なんだかんだと理由をつけながら40才台から911に続いてボクスターS、そしてまたボクスターSという遍歴は、ポルシェには車としての魅力がてんこ盛りになっているからに他ならない。

 

一番最初の、ポルシェとの出会いは1987年にまで遡る。

その当時の候補はアルピーヌA610V6ターボと911カレラに絞り込み、両者とも試乗してみたのだ。

まず、試乗して印象的だったのは、911カレラの A ピラーの角度だった。

アルピーヌは、Aピラーつまりフロントウィンドウの枠の部分が、頭のかなりそばまで伸びているのに対して、カレラの A ピラーは、遥か向こうに位置していたのだ。

A ピラーの角度の違いが、これほどまでに、大きな影響を受けるとは、想像していなかっただけに、これは衝撃的な体験だった。

A ピラーの角度が立っていると、前を向いている限り、心理的にとても大きな車に乗っているかのような気分になる。

このとき以来、購入する車はこの A ピラーの角度が大きな比重を占めることになる。

 


我が家のもう一台の車であるミニクーパーSカブリオレは、この点から見ると、まさに理想的な A ピラーのアングルを保っている。

あれだけ見た目は小さい車なのに、たとえ幌を上げていようとも乗車している間の閉所感のなさは、ボクスターSよりも立った A ピラーの角度の恩恵そのものだと言い切っていいだろう。

そのためにミニクーパーSカブリオレの幌を下ろしたときの開放感には、比類のない素晴らしさが満ち溢れている。

自動車雑誌でこうした点について、言及しているものを目にすることがほとんどないのは、ライターの「自動車慣れし過ぎた弊害」かもしれない。

ほとんどのドライバーには無縁の領域での些細な性能上の違いや、フィーリングに言及するしかないほど、最近の車のほードウエアの性能というのは向上しているから、ライターを責めるのも気の毒な気もするが・・

とにかく、A ピラーの角度の立った、サーブをはじめとする、ポルシェ、ミニなどの数少ない車が、末永くその角度を変えずに存続することを願うばかりだ。

 

 

2005年

 

1202 Fri.

オーディオのチューンアップ

911は997になってから劇的に進化したことは、車好きの方なら多くの内外の雑誌で絶賛されているのを目にされているはずで、すでにご存知のことだろう。

ことからもわかるように、基本パーツを共用する2シーターオープンのボクスターの人気は911より高いらしく、半年待ちという状況。

つまりボクスターは、非常によく売れているのだ。

「即納できる車の在庫リスト」といっても、もともとこの車はオーダーが基本なのだという。

 


だから好みの仕様を希望するとなると、半年は待たなければならない。

そのためディーラーには「これならいいだろう仕様」でオーダーをしてある分があるのが普通なのだが、それさえもこれから入ってくるのは来年の1月になるのだという。

ティプトロで即納ということになると選択肢は一つだけ。

ボクスターではなく S になるという。

で、付属しているオプションを見ると・・

シートヒーター・PASM・スポーツクロノパッケージ・バイキセノンヘッドライトというところで、さらにシルバーメタリックとトップカラーブラックさらにフロアマットというのもオプションらしく、車両本体価格の770万円にこれらのオプションがつくと約860万円。

というわけで今年中に手に入れたいのなら、選択肢はないわけで「じゃあこれください」ということになったのだが、キャッシュで払うから値引きしてくれと交渉。

結構あっさりと負けてくれたのは、意外だった。

カミサンのミニのときは値引きがなかったからなあ。

ただ値引き分がいくらかは、ここでは書けないので悪しからず。

納車整備のため納車は一週間後。

だがナビはついてないので、納車後アルパインのNAVIとオーティオシステムを、オートバックス東雲でインストール。

しばらく聴いてみると最初からついてきたオーディオスピーカーの性能がよくないために、すぐに腰砕けになる。

後方からの快音に負けないためには、ある程度の音圧が必要なのだが、そのためにボリュームを上げると、低域がすぐに割れてしまうのだ。



というわけで、予算は特に制限をつけず、とにかく素晴らしい音を!という条件でオートバックス東雲で相談。

ボクスターは、車室の空間が小さいので、量感はそれほど必要でなく、2ウェイで十分だろうとのことで、専門のスタッフへ任せることにした。

プロセッサーを追加し、上質のケーブルで強力なスピーカーと接続し、ドアの内張りを補強して、デッドニングするというのが基本方針だという。

そのためにはドアへしっかりとマウントするためのカスタムパーツを制作する必要があるので、期間は2週間ほどかかるという。

 


結局アルパインのプロセッサーへ、QRCのテフロンケーブルで接続し、ドアの内張りを補強して、フォーカルのスピーカーを追加することに。

フォーカルというブランドは始めて聞くので、JBLとかアルテックとかはどうかと尋ねると、車のオーディオは、家庭用と違って、環境が悪くノイズが多いため、家庭用のブランドメーカーは専業メーカーに比べて弱いのだという。

でそのフォーカルというスピーカーメーカーだが1980年にフランスのサンテ・チェンヌ街のジャック・マユール社長が設立。

つまりフランス製。こちらに詳細がある。

もちろん試聴させてもらった。



 

予定より少し早くできあがったため、ピットへ早速ピックアップに出かけたが、ダッシュにある操作部の外見は何も変わらず。

エージングでかなり音は変わるので、パワーを入れてしばらく聞いてくれとのこと。

チューニングは、あらかじめ念入りにしてあるため、トーンコントロールをいじる必要はないらしい。

取り付けられた高音部のユニットには、ベリリウムが使われている。

ベリリウムというのは強度がチタンやアルミの7倍という高い内部ダンピング特性を持つうえ、超軽量というカーステレオのための夢のトゥイータードーム素材なのだという。

これらの特性により周波数特性は5オクターブをカバーし、1.2kHz〜40kHzというこれまでの「スーパートゥイーター」を過去のものとする性能を持っているらしい。

上の周波数までカバーするシングルドライブユニットを採用することにより、完璧なインパルスを達成し、位相も変化しないのだというが、果たして能書きどおりなのだろうか?

 

助手席の後ろのスペースに追加取付けされたユニットが、それまでと唯一の外見上での違いだ。

iPod が接続できるシステムなので、早速いろいろなジャンルのものをかけてみる。

自宅のシステムで聞き慣れている曲ばかりだから、音の違いを聞き分けるのは簡単だ。

まず、ピアノトリオから。

Louis Van Dike Trio のような音空間が十分にあるソースは、カーステレオが最も苦手とするジャンルだ。

まずは音量をかなり上げてみる。驚くべきは、ボリュームをいくら上げても、音の腰が砕けないという点だ。

音量を上げるにつれアンプの性能とスピーカーの性能の限界へ近づくと、一般的に音は硬くなる。

つまり伸びがなくなり、柔らかさや伸びやかさが失われ、暖かさが消えてゆくのが普通なのだ。

音圧がある一定以上高まり、耳が耐えられなくなるまでのレベルまで上げても、すべての帯域が同じ割合のレベルで上昇する様は圧巻だ。



 

特に高音はリリカルで美しい。

ピュアTbeベリリウムトゥイーターの持つ、音の透明感は、密度の高い粒子感とあいまって、高音のピークのエッジはあくまでも冷たく、研ぎ澄まされている。

正直言ってm車の中でこういう音が聞けるとは思わなかった。

ブラシの音と空間へ響く音が、きちんと分離され、エコー成分が空間に消え去る情景が展開されるのだ。

銀行へ寄るときに、ほんの3分ほどカミサンに車で待っていてもらったときのこと。

少し大きめの音量のままで車を離れたのだが、車に戻っても音量は小さくなっていなかったのだ。

その理由は全く「うるさくない」からだという。

それどころか、誰の演奏で何と言うアルバムかと、いたく興味を持ったようで、「音楽を聴こう」という積極的な感覚を取り戻すきっかけになったようだ。

 

ユニットの説明と値段を言うと、「そんなにするのなら、いい音で当然ね」と納得の様子。

すべての曲が違って聞こえるという。

この出来事で、このシステムへの投下資金は取り戻し、お釣りがきたといってもいいだろう。

音の持つ説得力は只者ではない、ということがよくわかる出来事だった。
 



透明感という一言で代表される澄んだクリアな音は、歪感の少なさから来るものだろう。

Acoustic Alchemy の Shelter Island Drive は、エレキギターの弦をミュートしたパーカッシブなフレーズが特徴だが、このカッティングの「音離れ」のよさはどうだろう。

しかもハイハットの刻みをバックにした量感と力感に溢れた、カッティングは、パワー感を溢れさせた色合いで縁取られている。

自宅のシステムは見通しのいい、繊細な音をベースとした軽さが魅力なのだが、軽さとは対極のこの重量感は、はっきりとした「音作り」を感じさせるものだが、これを魅力の領域まで持ち込む音の魅力は大したものだと思う。

さらにこの高域を支える低音域が只者ではない密度量を持っているから、堪らない。

低域は量感で勝負するのではなく、音量を上げても解像度の高さは十分に保たれるため、低音域の密度が高いままで音が潰れないのだ。

ベースのエッジの力感が太目の芯や筋なで縁取られているため、図太い印象を受けるが、この二つの乖離しがちな関係を相殺することなくバランスさせている音作りは賞賛に値するものだ。

この量感と力感のどちらが欠けても、低域としてよい音とはいえないだろう。

おまけにこの低域は、ナビの画面で、入力ソースごとにレベルを4段階に設定しておくことができるのだ。

もちろんリアルタイムで切り替えることもできるから、ボリュームとの組み合わせで、低域、中域、高域を好みにバランスさせることができるようになっている。

高域もかなり細かくレベルを変化させることができるが、いまのところ、あらかじめ設定してくれているバランスを変えてみようという気にはならない。

そういうレベルにまで、追い込まれてセッティングされていることにも驚いた。



ダイナミックレンジの広さ、スケール感、音場とも、車の中の音とは思えないレベルで、どの帯域もコモリ感のない抜けの良さで、オープンにするとさらに際立つのだ。

特に中低域は、ソースによっては、いやな共振帯域が生まれることが多いのだが、見事なまでにそうした兆候が見られないのだ。

音の輪郭やシルエットは、映像の表現に置きかえられるほどで、音により喚起された視覚的イメージは、聴き手の想像力と音を聞き分ける能力によっては、形、色、動きの領域までの表現を与えてくれるかもしれない。

アルバムのレビューは、iPod による車中の方が、いいかもしれないと思わせてくれる。

「原音に忠実」や「ニュートラル」という世界とは無縁だが、はっきりとした主張の色づけ、味づけに溢れた世界がもたらす魅力には何かが潜んでいるような気がする。

ピュアTbeベリリウムトゥイーターの持つ、音の透明感、ディテール、柔らかさ、エネルギー感を一度聴けば、 もう二度と他のものは聞けなくなるという。

何を隠そう、実を言えばこれを書きながら聴いている自宅のシステムが、すでに薄味に思えるようになってきているのだ。

ちょっとヤバイかもしれない・・

 

 

1016 Sun.

ポルシェ2006年モデル展示会

招待状が来たので、天気がよかったこともあって、13日金曜日にカミサンと恵比寿にあるウェスティンホテルの会場へ。

目的は、5Dの試し撮り。ほとんどは EF24mm F2.8 単焦点レンズで撮影。 

到着した時、ホテルの前はすでにポルシェだらけ。(笑)

ホテルの前でクルマを預けると1000円かかるが、3時間までは無料だというが、女性同伴のときはやはりこのスタイルがいいよね。

ということでキーを渡して颯爽と会場へ。
 

会場は地下二階。

中は暗めだが、2.8の明るいレンズなので、手ブレ補正機能がなくても

IS01600だと、ほとんどブレずに撮れるようだ。

 

中は欧米風の重厚な雰囲気のインテリアだ。

ちなみに宿泊のレートは、日-月でお一人17000円。

通常は24000円、正月は5万円というランク。



東京にあるポルシェディーラーによる共催のようだ。
 

会場の目玉は発表直後のケイマン。

ケイマンSで770万ということはオプションをつけると・・

何だかんだと100万ほど上乗せされるはず。

 


会場では人気のなかったカイエン。(笑)

 

でもやっぱりオープンがいいな。

エレガントだよね。



華やかさの演出でカップカーも展示されていた。
 

こういうときはやはりズームだ。
EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM


どちらのヒップがお好みだろうか?

 

会場はポルシェのロゴだらけで、テーブルクロスまでポルシェ。(笑)


一通り写真を撮ったので、向かいの恵比寿ガーデンプレイスへ。
 


平日の昼前なので人は少なくガラガラ。
 

ビューの見えるレストランでランチ。
 

バイキング形式で食べ放題。
 

EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM

左が広角側で右が望遠側

レストランからは会場のウェスティンホテルが真下に見えているので

クルマが盗まれていないかどうかをズームでチェック。(笑)

 


EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM

左が広角側で右が望遠側


左が24ミリで右が28ミリズーム

135ミリへズームするとこうなる。


こうして撮影してみると、こういうシーンだと寄って撮ることができるから、24ミリの単焦点レンズでも全く問題ない。

装着するとサイズが大きくなってしまうズームレンズとは違って、単焦点レンズだと、カメラを構えた時に目立ちにくいというのも、気に入った点だ。
 

 

0930 Fri.

2005年モデルボクスター試乗記

試乗車は濃紺のティプトロ仕様のボクスター。インテリアの質感は高く、豪華というよりも、簡潔な高品質さが伝わるデザインとフィニッシュだ。

ドライビングポジションは、この2005年モデルからはシートの位置がさらに低くなっているという。

もちろん座面左側横のレバーを押すことで、手動だがその位置を高くすることもできる。

シート関係の調整は背もたれの角度調節だけが電動で、あとはすべて手動。

ドアミラーを折りたたむのも、モーターの重量増を嫌ってなのだろうか、手動になっているほどで、軽量化に対してはかなり徹底しているようだ。

3回目の試乗では「高速になるとほんといいですよ・・中央高速へ乗ってしばらく走ってきてもらってもかまいませんから・・」というセールス担当のお言葉に甘え、八王子まで足を伸ばすことにした。

 

 

幌の上げ下げは、最初だけ手動でレバーの操作が必要だが、50キロまでならスイッチを押すだけで走行中でも幌を上下させることができるから、実用上非常に便利だ。

フルオートにしなかったのは、重量増を嫌ってのことらしいが、このあたりがポルシェたるゆえんか。

試乗車は、5000回転まで回してもいいだけの距離を走っていた。

3000回転を超えると、背後のエンジンは低域寄りので密度の高い、それでいてかすかに高周波の入り混じったサウンドを奏で始める。

車好きのハートを痺れさせてくれる音質へ、注意深くチューニングされているのだろうか?。

そうでなければ、こんなサウンドは出せないだろうと思わせてくれるほど魅力のあるサウンドで、背後にあるフラット6の存在を強く主張するのだ。

これは以前のボクスターとは全く違う点だ。

どの雑誌の試乗記でもこの点については、ほとんど触れられいないのがちょっと不思議。

街中でオープンにしていると、背後からの咆哮を聞きたいがために、ティプトロのマニュアルモードを選択したくなるほどで、そのサウンドを浴びるたびに、思わず頬が緩むのがわかるほど だ。

加速感は911のようなリアエンジン独特のトラクションにはわずかに及ばないが、その代わり911にはない軽さが魅力だ。

ミッドシップならではの回頭性のよさによってもたらされる軽快感は、まるでエンジンがセーターを着ているかのように、都内を駆け回る際のドライブを 、軽くそしてとても楽しいものにしてくれる。

 


相変わらずブレーキのタッチを含めた効き具合は秀逸で、踏んだ分がリニアに車に反応することが、ブレーキを踏むたびに靴底から伝わってくる。

ブレーキ、ステアリング、各種スイッチのタッチは少し重めだけれど、その感触が見事に統一されている ことがドライバーにわかるようにはなっているのが、また憎い。

特にステアリングフィールと、絶妙なブレーキのタッチに加え、背後からのサウンドにがダイレクトに五感へ訴えてくるため、渋滞で停止している時でさえ、自分がどういう類の車に乗っているのかということを、常に意識させてくれるのだ。

これは堪らん。目から鱗が落ちるわけだ。

ティプトロニックは2速発進がデフォルトで、アクセルペダルをほぼ床まで踏み込まないかぎり1速でスタートしないが、これは普段使用する用途での日常の使用という点では、スムースな発進に貢献するため、とてもよいアイデアだと思う。

以前の2000年モデルのボクスターSは 252ps だったが今回の試乗車は S ではない「素」のボクターにもかかわらず 240ps ものパワーを持っている。

そのため、ティプトロニックの2速発進でも、3000回転まで踏むまでもなく周囲の車を軽く置き去りにできるほどの加速力を持っているから、通常は1速からのスタートは全く不要だ。多分サーキットなどでしか使わないだろうね。

 


平日の昼間の中央高速を郊外へ向かうルートは、非常に空いていた。

3500回転ほど回すと速度計は160キロを越えるのだが、その領域では当然のことながら、今までレンタカーで借りたいかなる車とも違う世界が展開されたのだ。

150キロを越えると、車は矢の様に直進し始める。

このあたりの速度域からはあたかも「より強く路面に吸い付く」ように感じるほど安定がよくなり始め、コーナーであろうと全く不安感がない のは特筆に価する。

一瞬速度計の見間違いかと思ったほどだ。

そうこうしているうちに、あっという間に八王子についてしまった。

こんなに近かったかなあ・・

仕方ない。一旦降りて今度は都心方面へ戻る帰路へノーズを向けることにした。

 

これは欲しい!と思う反面、心の中には「今ならまだ引き返せるかもしれない」という漠然とした葛藤も生まれ始めていたため、帰路では少し冷静になって欠点を見つけることにした。

最初の興奮が冷めて、少し心の中にも余裕ができ始めたから可能なはずだ。

シートポジションは完璧で、ステアリングは上下するうえに前後にチルトする機能まで備わっているから、この部分でケチをつけることはできなかった。

都心方向は車の流れが遅目のため、走っている車をスラロームしながら追い抜くという少々下品なこともやってみたが、ティプトロのマニュアルモードでステアリングのスイッチを使えば、思うがままに操ることができてしまう。

これがポルシェの 240ps の力なのか・・

さらに言えば、こうした走り方はブレーキに絶大な信頼を置けるからこそできるわけで、日本の高速程度のハイスピードからの強めのブレーキングングでは、文字通り思うがままに速度を「殺して」くれる。

結局ディーラーへ戻るまでに見つけた欠点は、幌の上げ下げは走っている限り、スイッチをワンタッチするだけでOKだが、停車している時の操作ではスイッチを押し続けなければならないという一点だけだった。

こうなるとセールスマンに言うべき言葉は自動的に決まってしまう。

「即納できる車の在庫リストを見せてくれ」

 

 

0929 Thurs.

Boxter again

カミサンの車は4人乗りなので、もう一台は二人乗りでもOKという公式が成り立つ。もちろん屋根なしが条件だ。

前のボクスターは6速だったのだが、ちょっと動かす時にもウチのオンナどもは手が出せなかったため、今回は娘もカミサンも運転できるようにATを選択するというのが条件に入るので、ATのないロータス・エリーゼは自動的にリストから消えることになる。

で残る二人乗りとなると、メルセデスのSLK350BMWZ4、ポルシェBoxterといったところからの3択問題になる。

操縦する喜びが最も高そうなのは Boxter
 


調べてみると、997が飛躍的によくなったのと同時に、ボクスターも前に乗っていた2000年モデルからはずいぶんとよくなっているようなので、まずは試乗してみようということで、都内のディーラーへ出向くことにした。

最も近いところにある銀座へ行ってみたが、試乗車どころか、展示車もない状態のため、当然セールスも売る気なし。(笑)

ディーラーの話では、ボクスターは今年の分が完売してしまったため、そもそも売る車がないのだという。

次に近い目黒のディーラーも回ったが事情は同じ。

で食い下がると浜田山にもディーラーがあるというのだが、どうも反応が悪い。

でダメもとで、直接浜田山へ行って見ると、試乗車もあるし、在庫も数台あるではないか。

あとでわかったのだが、新橋、目黒のディーラーは同じ系列で、浜田山のディーラーはまた経営者が違うのだという。

なーるほど、そういうことね。

浜田山のディーラーの屋上の看板を見ると、どうやらここは以前スバルのディーラーだったようなのだが、それはそうとして、そもそもセールスの「やる気」が違うということが店内から伝わってくる。

で、「ATですけど試乗してみますか?」というセールスの言葉を聞いた5分後には、幌を下げアクセルを踏んでいたというわけだ。

普通試乗というとセールスの人が横に乗って「エンジンの回転を上げ過ぎないように」見張っていることが多いのだが、ここはまるでアメリカと同じ。

「適当に走ってきてもらってもいいですから・・」と日本らしくないフランクさ。

わかってるね。

走り出してものの1分も経たないうちに、目からウロコが落ちたため、10分ほどで戻ることにした。

というのは試乗できるというのは全くの予定外だったのと、すでに夕方になっていたため時間がなかったからだ。

翌日また出直してじっくり試乗しようと、スピードファイトに跨り、混み始めた街を銀座へ向かうことにした。

不思議なことに、ここのディーラーはスピードファイトを買った店から至近距離にあるのだ。

これも何かの巡り会わせなのだろうか?

 

 

0917 Sat.

 

先週の土曜日に納車されて約一週間。

実はこの5月のカミサンの誕生日プレゼントは4人乗りの車だったのだけれど、オーダーなので、9月下旬になるという。

仕事の方が好調なことはカミサンも知っていたので、「頑張ったのだから、あなたも好きなのを買ったら・・」という優しさについ甘え、それでは・・という予期せぬ顛末。

まあ大蔵省はこっちなんだけどね。(笑)もちろん両方ともキャッシュです。こんなものをローンで買うと高いものにつくからね。

で納車の関係で、私のが先になってしまったというワケ。

ガソリンが高い時にもかかわらず、どちらかというと燃費優先の車ではないのだが、あくまでも趣味のものなので、というお気楽モード。

NAVI を装着したり、いろいろやることがあったのでちょっと疲れたが、馴らしの途中なのでまだ実力は発揮できず。

だけどそういう期間が長いと困るので、ウィークデイに河口湖の温泉まで、約300キロほど走ってきました。

1000キロまではエンジンをあまり回したくないので、何度か遠出をしたいのだけれど、そういう時間がここんところ取りにくいのがちょっと悩みかな。

というわけでまた改めて書きますが、何の車かとうるさいのがいるので、今日はヒントを。



トレードと同じで、優先順位として「ブレーキのよく効く車」を選択したというわけです。

 

Back Number  2001年02月

Back Number 2000年12月

COOLに過ごそう


Boxter