1999 07 01-


990714  Wed.

トレーダーの探し物

昨日のCOOLについてのメールを何通かいただきました。好意的なというか、それどころか、こちらが感動するようなメールもあり、今日も昨日のCOOLに関連したことの、補足として書いてみようと思います。

ああいうのを書くのは難しい。

読む人に、どう受け取られるかはわからないうえに、いろいろな価値観の人がいるからだ。家の自慢をして、嫌味なヤツだと思う人がいても不思議ではない。

当然かもしれない。

トレードというのは、みんな儲けるためにやるのだから、金銭に関することはみんな興味があるだろう。

私が逆にここのサイトをROMする立場で、もう20年ほど若いとしたら、やはりどれくらい儲けているのかということには興味を持つと思う。

ないといったらウソになるだろう。

でもこういうことは聞きにくいことだ。

私だって、実は年収はこれこれでということは積極的に書きたいとは思わない。

別に税務署がどうのとかそういうことではなくてもだ。

だが、親友からあまりにも率直に聞かれたので、そうだなあ、別に隠すことでもないし・・とうことで親友に書く気分で書いたものだ。

何もきっかけがなくていきなり書くのも変だしね。

だから私の収入について大体のことを推測されるかもしれないということはわかっていたけれど、何となく書いてみただけ・・まあ前にすでに書いているしね。

それだけのこと。それ以上でも、それ以下でもない。

日本語のセミナーも同じことだ。

こういう教えるということは、それほど儲かるものではない。

Oさんもレポートで、オールテック側のコメントを書かれていたが、時間と労力を損得で考えれば、トレードをしていた方がラクに儲かるだろう。

もともとは自分用にトレードする場所が欲しかったことが始まりで、そのついでといっては語弊があるかもしれないが、まあそのうれしい気分のお裾分けと、要望が多かったという事情で、セミナーをやってみようということになった。

Reikoさんからも協力しますよというお申し出があり、トレーダーのMも、手伝ってくれる・・というように、いわゆる周りのスタッフの協力がなければ、実現できないことだ。

だからこそタダでお願いするわけにもいかない。

一人4000ドルといっても、人数分のパソコンやオフィスを考えると、これでいくらかの費用が補填できるだけだ。

もちろん大のオトナだから損をしてまではやらないが・・

トレーダーにとって、トレードはいつでもできる。

だが、自分の能力を人に喜んでもらえるために使うという機会はそう頻繁にあるものではない。

そういう機会があれば積極的に協力するという、アメリカ社会の持っている素晴らしい伝統に加え、トレーダーを続けるために大変な努力をしてここまでやり遂げた人に共通する、人に対する暖かさや、やさしさがなければ、損得だけでできるものではないと思う。

大変な思いをしてきた人は、これからその大変なことに挑戦しようとする人の気持ちがよくわかるものだ。

といっても、経済的にも精神的にも余裕があるからできることでもあると思う。

話は少し本題からそれるが、本当の幸せは、精神的にも経済的(物質的・金銭的)にも満たされていることだろう。

そういう幸せな人なら、損得抜きで人を幸せにすること、あるいは、幸せになれるようなきっかけを人に与えることは、それほど難しいことでも特殊なことでもないだろう。

精神的に満たされただけで、経済的に満たされなければ、他人を思いやり、そのうえアクションを起こすということはとても難しいことになる。

「よしこれで金儲けをしてやろう」という魂胆だけで、損得抜きに人に喜んでもらえるようなことができるわけはない。

経済的にラクでなければ、そこで何とかして得をしようとするのが人間だ。

だから人のために善意から何かをしてあげようというケースは、今の日本ではそんなに多くはないかもしれない。

美談といわれる話の裏には何かがある場合も多く、またそう思うのが大多数の人間かもしれないし、それが普通の感覚かもしれないが・・

だからといって、損得抜きで人のために何かをしたいという人間が、いないと思うのは間違っていると思う。

だから、こういう気持を感じてもらえて、トレードの基礎もきちんとわかれば、経済的にも精神的にも満たされたトレーダーがまた増えることになると思う。

そしてその幸せを人に分かち与えることの、素晴らしさを伝えることのできるトレーダーが、今回のセミナー受講者の中から生まれれば、それこそが、トレーダーとしての私が求める大事な生きがいの、一つなのかもしれない。

こうして考えてみると、結構しっかりと計算してるなあ。(笑)

おまけに、何となく新興宗教の勧誘みたいになってきたし・・

というわけで、この件は今日でおしまいです。

 

 



990713  Tues.

家と生活

シアトル・ウィークエンド・ドライブ」の写真は好評をいただいたようで、苦労のかいがありました。というほどの苦労ではないのですが・・

株式関係のことは、いろいろな角度からかなり書いていますから、もう書くことがないなあ・・って思いながらも、皆さんからのレスポンスをヒントに何とか毎日続けることができています。

もし写真を付けたら、また書く事のハバが広がるかもしれないということで、写真ガイド的なものを試してみたのですが、写真は結構面倒なのですよ。

が、新しいカメラは使い心地がいい。

画像の取り込みが、うんとラクなので、これからは、テーマを見つけて、時々写真付で書こうと思ってます。

とにかく新しいのは便利。

Eメールモードというのがあるので、それだとメールに添付して送ることもできるのであります。

オープンカーについて、親友からメールをもらった。

彼は今、ポルシェに乗っている。

私と同い年だが、誕生日が2日違い。彼のほうが2日若い。大学時代からだから、もう30年以上のつきあいになる。

最近はほとんど会うことはないのだけれど、マックでパソコンを始めたらしく、慣れないタイプでメールをくれる。ありがたいことだ。

親友なので、聞きにくいだろうことも聞いてくれる。

なので、今日は彼への返事のメールをヒントにして書かせてもらおう。

いいよね?

ダメっていわれても書くけど・・m(_ _)m

日本に住んでいたときは、オープンカーに乗りたいとは思わなかった。

日本はまず湿気が多いという気候の問題や、オープンで走りたいような景色がほとんどないという点、そのうえ空気が汚れているといった多くの障害がある。クローズにならざるを得ない理由があるのだ。

しかし、非難されることを承知で書かせてもらうと、オープンカーに乗ると、オープンカーに乗ることのない人生って、つまらないと思いはじめる。不思議だ。こういうことを、あえて書いてまで説明したくなる何かがあるようだ。

乗る機会がなかったときは、こういうことを考えたこともなかった。

でも、一度頭の上に青空と太陽を広げると、言葉では説明できない何かを感じる。だから、髪の乱れやそういった細かいことを超越した、「オープンにしたい」という、理屈を超えた気持ちが湧き上がってくるのだと思う。

日本では、こういう楽しみよりも効率を優先してきたツケが、オープンカーの楽しさを奪い取っているのだろう。

環境が先か取り組む姿勢が先かという議論はさておいて、日本に40年以上住んだ人間が、たかだか8年くらい住んだだけで、こういう点だけを考えても、アメリカの魅力に虜になるって、ある意味ではすごい国だと思う。

こういう物言いはキライだけれど、私くらいの年になってくると、そう遠くない将来に、天国へ行くにしろ、地獄へ行くにしろ、どのみちお金を持っては行くことができないことになるのだなあ・・と、ふと考えることがある。

人生は一度しかないのだから、自分がやりたいと思う気持ちに正直に生きたいと、若い時よりうんと強く思うようになってきた。

だから、日本語のセミナーを含めて、これから始めようとすることも、自分が毎日トレードをするなら、自分にとって最高の環境とスタッフを揃えて、残りの人生を楽しく、そして、人の役に立ちながら、過ごしたいと考えたからだ。

家族も賛成してくれたしね。

もう50をとっくに過ぎたのだし、これくらいの贅沢をしてもバチはあたるまい。

いってみれば、トレードで儲けたお金を、つぎ込む先が見つかったということは、幸せなことなのだと思う。

お金だけを増やしても、自分の幸福感は満たされなくなってきているようなのだ。

でもこれは、私にとって自然な成り行き、つまり後ろから押されて、ここまで来たというのかな・・

そういう意味では、このサイトを訪れてくださる、皆さんのパワーなしでは起こり得なかったというのも事実だ。ROMパワーを、あなどるなかれだ。

写真の最後に写っていた自宅について、興味をお持ちの方も多いようですから、以前のCOOLで書いていたのを引用しておきます。



990227  Sat. 

今日からホーム・ショーがキングドームで開催されます。シアトルに住んでいてまだ行ったことのない人には、特にお勧めします。

中国の給料で、日本の家に住み、英国料理を食べて、休暇は北朝鮮へ行き、妻はアフリカ人でクルマはロシア製というのが世界で一番ひどい生活だそうですが、アメリカの家は、住み心地とコストパフォーマンスを考えると、とてもバランスがいいと思います。

ちなみに、昨年夏に引越した家は、築10年ですから、新しい設計です。以前の築25年と比べると、住み心地はダントツ。

ロケーションは、日本で同じようなカンジでいうと、神戸の東灘の高級住宅地といったところでしょうか。

値段は、建坪を書くとわかってしまいますね。

約38万ドル。(今のレートだと4,560万円くらいかな?)敷地は19,922Sqftですから、1,793平方米、540坪。建坪は総床面積で2,420Sqft、217.8平方米、66坪。

建物の敷地自体は、2階建てなので、35坪、115平方米。と対値段でいうとちょい高め。

理由はロケーションと中の設備がいいため。

4ベッドルームで、トイレは3つ、風呂2つ。左右方向へ特に広い庭で決めました。

家はアメリカでも高額な投資対象の一つですから、家探しには時間をかけました。

何故って前の家は、4年でかな値上がりをしました。

アメリカでは、よほどひどい家をつかまされた場合は別ですが、利回りで言えば、大体年8%くらいでは行くようです。

The Wall Street Journal のNational Association of Realter の1999年資料によると、1997年から1998年の値上がり率トップは、イリノイ州の18.4%、リストの最下位はCA州のサンディエゴで9.0%。

もっともこれは比較的高い値段帯なのですがね。( by Metros with Greatest Home Price Growth )

シアトルでも、10万ドルクラスだと、1996年が3%くらいで1997年が4%と、値上り率は低いようです。
( by Median Sales Price of Existing Single-Family Homes )

最新鋭の住宅機器と中で生活をする人の動線を考えた新しい設計で作られたアメリカの住宅は、毎日の生活を快適に過ごすことについてとてもよく考えられています。

最新鋭のものはどれくらい進歩しているのか?

ウィークエンドは混みそうなので、平日にでもちょっと覗きに行ってこようと思います。


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ということでしたが、今の家に暮らし始めて一年が過ぎました。

私達には、広くてとても暮らしやすい。

台所回りやガレージの出入りなど、ヒトの動きをよく考えて造られている。

もちろん建売です。

これは実際に住んでみないと、そのよさはわからないだろうけれど・・

今の家の広さと機能を持つ家を、日本で建てるとなると、多分5倍以上のコストをかけても無理かもしれない。

それだけ違う。そういう意味では、コストパフォーマンスは抜群だといえるだろう。

ここには、自分で努力して目標に向って頑張れば、夢を実現することができる社会がある。

こういう社会で、家族と一緒に自分の残りの人生を過ごすことができるということは、とても幸せなことだ。

だから、人のために何かをしろと、誰かが後ろから押しているのだと思う。

 



990712  Mon.

業績発表

今週は好業績ラッシュが続くマーケットが始まる。

最近の傾向として、業績がアナリストの予想よりよくても、株価が下がるということが頻繁に起きている。

トレードを始めた頃、業績発表があれば、ギャップアップがあるははずだと血眼になって業績予想を見ながら、スウィングで確実に儲けようと、ひたすら研究をしたこともあったが、結局この作戦はボツとなった。

デルで、これは絶対に上がると思って、値段がじりじり上がってきたところでさらに買い増したところが、翌日には見事にギャップダウン。

詐欺に会ったような気分だった。

回復するのに数ヶ月かかり、チャンスにも指をくわえて見ていなければならないといった、苦い日々を過ごした思い出がある。

何回かはそれで儲けても、数回引っかかってしまうと、結局はそういうギャップアップを狙わずに手堅く行った方が、パフォーマンスは高くなることに気がついたのだ。

自分でトータルの収益を分析したら、いやでも認めざるを得なくなってしまったのだ。

トレードは、儲かった時は印象に残り、損をしたケースは早く忘れてしまいたいというのが、正常な普通の人間の感覚だ。だから余計に始末が悪い。

こういったフィードバックは、ともすると甘くなり、自分にとって都合のいい方向へ流されがちだ。

業績が悪いと思われていた時に、発表がよければ上がる場合が多い。が、そういうのは、怖くてなかなか手が出せない。

今日もCNBCでやっていたがAMGNは、予想より4セントよかっただけで、アフターマーケットでは6ポイント以上の上昇をしたと報じていた。

こういうニュースを見ると、予想なんてわからないものだとつくづく思う。

特に、インターネットの普及で、業績予想専門のサイトなどが増えるにつれて、業績の予想が誰にでもわかるようになり、業績予想が、株価にあらかじめ織り込まれてやすくなっているのは間違いないだろう。

だからニュースによる予測は、情報過多というデータの氾濫によって、もともとはアナログな処理が得意な人間にとって、より予測が難しくなるという、思わぬ事態が生まれてきているのかもしれない。

仮に業績発表を利用したトレードが成功したとしても、年に4回しかないのだ。それよりも基本的なトレード能力、つまり基礎体力をつけるのが先決だろう。

そうした能力が備わって、なおかつ余力があれば、こうした業績発表を利用したトレードに挑戦するのも、悪くはないかもしれない。

「真実は、リアルタイムのマーケットの中にしかない」といわれるが、まさにそのとおりだと思う。

さらに、こういうギャップアップなどの、一発で手に入る大きな利益がもたらす弊害として、トレードが「不感症」になりやすいという、大きな落とし穴がある。

例えば、MCOMのように、15ドルの銘柄を1000株買って、40ドルになれば、数日で2万5千ドルが転がり込むことになる。

そうなると、一日500ドルなんて目標が、バカらしく思えてくるのは当然だ。

そうなると、こういう大きく化ける銘柄を探してさまよう事になる。

だが、ロスという逆のケースが皆無であるはずはない。

トレードを始める頃には、一日500ドルも儲ければ御の字だと思っていたのではなかったのか?

あの時にあれほど決意したのに、同じ人間だとは思えないような、心境の変化が起こり始める。

結果として、最初の「真摯なトレードに対する気持ち」と「大きな利益に対する欲望」をトレードすることになる。ある種の「不感症」の始まりだ。

そうしたトレードを続けることで、トレードがギャンブルにすりかわって行く。気がつかないうちに、泥沼へはまり込む。

一発の大きな利益は、一発の大きな損失とまさに紙一重だ。

よい業績発表は、毎日大変な努力をして働いた、その企業の労働者への褒美であって、けっして私のようなトレーダーに対しての褒美ではないはずだ。

人間の持つ「欲望」に対抗して、誘惑を絶ち切るためには、勇気を持って、時には全く違ったアプローチで戦い抜かなければならない時がある。

企業の「業績発表」に対するトレーダーの姿勢は、そのトレーダーの次の四半期の「業績発表」に大きな影響を与えると思う。

 


990711  Sun.

ソニー・デジタルマビカ

少し前からこのサイトの写真が変わったのにお気づきの方がおいでだろうか?実は2年ぶりにデジタルカメラを変えた。

機種はソニーのデジタルマビカ MVC-FD88K という種類。

130万画素CCD&光学8倍ズームレンズ付き。


image

前のリコーは、画像ファイルの転送が、シリアルポートを使うため、面倒なのだ。

スキャナーもシリアルポートを使うので、ポートの争奪戦になる。

そのうえ途中でバッテリーがよく切れる。単三を4本持ち歩かなければならないし、35枚くらいしかとれないので、それ以上の枚数を撮ろうとすると、一度パソコンへダウンロードしなくてはならない。

ダウンロードした後は、一枚一枚消さなければならない。

おまけにこのダウンロードが遅いのだ。

また、ズームがあまり効かない。

初期の製品だったので35万画素だが、サイトに使う大きさならこの点はそれほど気にはならなかった。

せっかっく買ったのだからと、サイトに画像をアップしたりで随分使っていたのだが、最近友人が MVC-FD91 を買った。

で、これがなかなかよさそうなのだ。

よほど同じものを買おうかと思ったのだが、レンズ部分の厚みが結構あるうえに、フロッピーへの書きこみが遅いようなのだ。

迷っているうちにこの新機種が発売になった。

MVC-FD91の85万画素から130万画素に増え、フロッピーへの書きこみ速度が2倍になって4倍速となった。

ズームは14倍対8倍だが、デジタルズームを使うと16倍になる。

MVC-FD91は、カラービューファインダーがついているが、友人が使うのを見ていると、背面の液晶だけを使っているようだ。

実売価格は MVC-FD88K が100ドルほど安い。でも、そのうちMVC-FD91の新型が出るんだろうなあ・・

なんてことをいってるといつまでたっても買えないので、思いきって買うことにした。

3.5型フロッピーディスク さえ何枚か持っていれば、バッテリーがあるだけ撮れるし、画像の取り込みが、フロッピーディスクだと本当に便利だ。

片手でも持ちやすいし、ズームも右手の親指でできるから慣れれば、車を運転しながら撮れるほどだ。

前と後ろとカメラの液晶をちらちら見ながらだが、ズームもしっかり効くし、何かあったときにはスクープ写真が撮れそうだ。

ただ何もしないでいると3分ほどで自動的に電源が切れるので、寝ないように起こしておくのが面倒といえば面倒だけれど、まあバッテリー寿命を考えると、これは仕方ないだろう。

あえて短所を探すと、フロッピーへの書きこみが遅い。
4倍速を買ってよかったと思うほどだ。

実際にはまあ支障はないのだが、念のために同じショットをもう一枚撮っておこうという時には、一呼吸置くことになるので、シャッターチャンスを逃すことがありそうだ。

バッテリーはやはり、予備が必要だ。いざというときのためにはいつでもスタンバイしておきたいのだが、そうするとバッテリーはどんどん減って行くが、液晶画面に残り時間が表示されるので、予備さえあれば問題ないだろう。

で、肝心の画像は、「シアトル・ウィークエンド・ドライブ」をどうぞ。

写真が多いので、少々重いですが・・

しかし、ふと気がつくと、ノートブックもSONYだし、何となくSONY製品がじわじわと増えてきているなあ・・SONYの作戦に見事にはまっているようだが、まあいいか。
 




990710  Sat.

ニューズウィークの記事その3

みんな金持ち(私だけ違う!)

株高と好景気のアメリカにも、思わぬ悩みが生まれているのか?

アメリカの年収3万ドルから4万9千ドルの世帯の67%が、現在の株高の恩恵に乗り損ねたと感じているという。つまり、自分抜きでゲームがすすんでいるという焦燥感を抱くアメリカ人が増えているという。

見栄と言う社会的プレシャーで焦りを感じる人が72%。年収5万ドルを超えるリッチな家庭の約半分が、自分より知人の方が金持ちになったと感じているらしい。

好景気を背景に、アメリカでは、ここ1995年から1998年の3年間で、100万ドル(1億2千万円以上)の資産家が100万人以上誕生している。

金持ちの数よりその「方法」が大きく変わったということが大きく取り上げられている。努力と忍耐より、運とタイミングで、多くの富を手に入れることのできる時代に、多くの人が戸惑いを感じているのだろう。

今の仕事で金持ちになれると考えている人は13%。

無理だと思っている人は71%。

核物理学の修士号を持つドン・ロバーツ(29歳)は、デイ・トレーディングに自分の学識を振り向け、ヨットで5年間航海できるほどの金を手にしたというが、彼の親は忍耐の大切さを、彼に教えることができるだろうかとも結んでいる。


今週号のニューズウィークを読むと、記者までもが焦燥感を抱いているように思えてくる。

一つ気になったのは、億万長者になった人がみんな「簡単に、忍耐や努力をしないで」リッチになたという前提で、書かれていることだ。

だが果たしてそうだろうか?

そう簡単に、運とタイミングだけで億万長者になれるものだろうか?

そんなに簡単なら、みんなが億万長者になれるのではないだろうか?

結果だけ見れば、億万長者だが、それまでには、人には分からない種類の努力や勇気をしているのではないだろうか?

マスコミは、こうしてみんなを煽っているのではないか?

日本もアメリカも、マスコミのやることは、大して違わないのではないかというのが、私の正直な感想だ。

たかがマスコミ、されどマスコミ。


990709  Fri.

ニューズウィークに興味のある記事があったので、要約をご紹介。

まず1本目は、Y2K問題だが、なかなかユニークな説だ。

2000年問題など神話に過ぎない

コンピュータ科学者ダニー・ヒルズ氏のコラムだが、実際に起こる2000年問題とは、一部のホテルでモーニングコールを受けられなくなったり、飼い犬の登録証が期限切れにならなかったりする程度で、大問題が発生するなんてことは、怪しいものだと、一喝している。

実際の社会は、専門家やマスコミが騒ぐほど、正確無比なテクノロジーに依存しているわけではないというのが、彼の主張だ。

多くの汎用コンピュータは、地球を大混乱に陥れるほど、重要な役割は担っていない。ほとんどの産業機械に埋め込まれたマイクロプロセッサのほとんどは、時間に関係なく動いているし、時間が正確かどうかなどは関係ないという。

ただ、噂が広がりやすい要素が多いだけだ。

「説得力のあるディテール」「協力的な専門家」「奥が深そうな真実」を最悪のケースで想定すると、「何が起こるか分からない」ことになってしまう。

テクノロジーが誰にも理解できないほど複雑になっていることも、不安に拍車をかけている。

すでに自分たちでは、自分たちの創造物を完璧には操作できずにいる。

テクノロジーに囲まれた社会を操作して何らかの影響を及ぼすことはできるが、それを完璧にコントロールことはできない時代だという。

Y2Kの真の専門家などは存在せず、パズルの断片を理解する人がいるだけで、全体像は謎に包まれ、真実は誰にもわからないのだという。

だから、できるだけのことをしておくことくらいしか、現実には対策はないのかもしれない。

漠然とした心理的な「不安」こそが、本当の2000年問題なのかもしれない。

2本目は、株の話題。



こんな投資家が株で損をする

活況に沸くウォール街で、たまたま「当たりくじ」を引いた友人や隣人を見ると、自分もマイクロソフトの株をあの時買っておけばよかったという気分になり、悔しくて仕方なくなるのが人の常だ。

しかしこうした他人の富を「ねたむ」感情が芽生えると、投資家としては最悪の本能が頭をもたげるという。こうした投資家の行動に関する研究は、最近随分と進んでいる。

研究によると?自分では理性的な判断ができるつもりでも、実際には欲望と不安の板ばさみになって、肝心なときに、その理性が働かなくなることが多いという。

特に最近のような強気のブルマーケットでは、希望や不安がますます大きくなり、経験の少ないトレーダーは、弱気なベアマーケットになることを、必要以上に恐れるという。

損失を嫌悪する

損を出したり、損したことを認めることを避けようとする。

自尊心もあるから「値を戻す」ことを信じて下落株を売ろうとしない。

頭の中で「含み損を別建てにした」都合のいい収支を考えるようになり、損失がなかったふりをする。

ブルマーケットで人に負けまいとして大きなリスクを犯してトレードを続けることになる。

自分は大丈夫という幻想

自分が実際にトレードの判断をしているから、手遅れになる前に有効な手が打てると考えてしまう。

オンラインによるトレードでは、プロのトレーダーと同じ情報を共有できるため、こうした先入観を抱きやすいという。

自信過剰

数回儲ければ、それだけで「権威」になったように思い込み、株価が上がればうぬぼれ、下落すれば運が悪かったと弁解する。

ヒトはみんな、自分が少しでもましに思えるような世界をでっち上げるものだから余計にこの傾向に拍車がかかるのだという。

こういう判断のまずさは、「初心者特有のもの」で、経験を積めば、より「慎重に決断を下すようになり、収益も向上する」が、経験を積むためには時間がかかる。

自分のトレード能力を過大評価している場合はなおさらだ。また、ほとんどのトレーダーが長期的な収支がどれくらいかを、きちんと計算して知ろうとしない傾向にあるという。

弱気なベア・マーケットや乱高下のマーケットをも経験すれば、貴重な経験を積むことができる。

何故なら、初心者のトレーダーは「選択肢が尽きて、始めて賢明に振舞う」ことができるのだという。

現在の株式市は、オンライントレードの普及で、株価の大幅下落を経験していない初心者が多く、そういう初心は、ともすれば他のトレーダーへの嫉妬心も強いが、大きな不安も抱えているから、不安定な心理状態でトレードを続けなければならなくなる。

こうした心労が重なるとトレードを続けることに疲れてしまい、結局は短期間で脱落することにもつながるのだろう。

私の今までの経験や、脱落していったトレーダーの実態を考え合わせると、このニューズウィークの記事には、納得できるものがあるように思うのだが・・いかがだろうか。

 



990708  Thurs.

回転寿司

今日は、シアトルから東へ20分ほどのベルビューにある、回転寿司をご紹介。

日本からトレーニングを受けに来られた、スタさんとNさんもお気に入りだった回転寿司は、正式には Marinepolice という名前だ。

シアトルタイムスが、Spinning sushi in Bellevue という見出し付きの記事で紹介してからは、日本人だけではなく、多くの人に知れ渡って盛況のようだ。

たまたまシアトルタイムスの記事が出た2日ほど後に行ったらアメリカ人ばかりでびっくりしたことがある。記事では、ベルトコンベヤー・スシなどという表現があって面白い。


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後ろに見えるのが高層ビル


平日のランチタイムは1時半を過ぎた方が、空いている。

または、午前11半頃がお勧め。

店内は蛍光灯で明るく清潔だが、ディナーにはちょっとねえ・・

でも、土日は行列でかなり待たなければ座れないらしい。


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スシ・ランド・・


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紙ナプキン・ガリ・わさび・醤油・醤油皿はセルフ

皿の柄の色分けで値段が違うのだが、衛生上の問題から、透明なプラスティックの蓋がかぶせてある。

値段は一皿1ドル・1ドル50セント・2ドルの3種類。寿司は普通の握りについては2握りで1皿。2ドル50セントのもあるらしいが、食べたことがないなあ。

特注かな?

皿にはバーコードが印刷してあり、コンピュータでPOS?のようなことをしているらしい。

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スシ・シェフも、インターナショナル!

材料は、高級レストランが仕入れているところから仕入れているから新鮮でうまい。

シャリは機械が握り、シェフは素手ではなく、プラスティックのフィルムでできた手袋をしているのが、アメリカらしい。

チップ不要でいってみれば、寿司のファーストフードという感覚で、ベルビューのビジネスマンのランチにまた一つ選択肢が増えて、とにかくみんなハッピー。

うまい・安い・早いと三拍子揃った「メリーゴラウンド・寿司」はシアトルエリアの人気者となっている。


 


990707  Wed.

トレーダー Watch

トレードフロアにはいろいろなトレーダーがいる。個性的なキャラクターが多いのでご紹介。すぐにいなくなってしまう人が多いのが玉にキズ?


テクニカル分析教授B

まずは、いつもチャートで銘柄を分析していた教授からご紹介。

PCQuart についている機能を駆使して、何とかしてパターンを見つけようとしていたが、単純な必勝パターンが簡単に見つかるとは思えないのだが・・。

とにかく熱心だ。朝方の乱高下の幅を観測したりして、時々「Hajime すごいことを発見したぞ」と説明をしてくれる。

が、その割にその新発見の法則に従って、買っているのかといえばそうではないのだ。不思議。冷静でいい人なんだけれど、Jに言わせると、「あれはゲイかもしれないぞ」。

そういわれればそうかもしれないなあ。でも肝心な時に買えないというか、気が小さいようで、こわごわ買うのだが、その割には儲かっていないようで、半年ほどでいなくなってしまった。

根アカのコメディアンおじさんA

彼は明るい。

常に楽しそうに大声で話してるから、かなり向こうで話していてもこちらまで聞こえてくる。特に彼が買った銘柄が上がって来る時はテンションが高くてすごい。

話しているうちに興奮して最後は笑い声になってしまうという、凄いエネルギーの持ち主。

場が明るくなるので、みんなの人気者。

でも半年ほどであまり来なくなり、その後時々笑わせに来ていたけれど、最近はバッタリ見かけなくなってしまった。

でも彼はいいキャラだったのになあ。

残念。


韓国の勝負師R

何でもあり。

オプションから、ヤフーから、得体の知れない銘柄まであらゆるものに手を出すが、アップダウンが激しいようだ。かなりの資金があるようだ。

一時大きなマージンコールを出して、オールテックシアトル店の社長マイクが怒ってた。

結構長く続いているが、最近はちょっと良くないようだ。

ただそれでも平然としている。

「今日はどうだい」と時々声をかけ合うが、私は大体「今日もいいよ」とワンパターンの返事が多いので、「いつもいいんだなあ!どうしてなんだ?」と、彼もワンパターンで応答する、という感じだ。

個室でトレードをしているのだが、いつもガールフレンドのRと一緒で、彼女もトレードをしていたが、どうやら喧嘩をしたみたいで、ガールフレンドのRは個室からいなくなり、別の若い男と並んで、皆のいるフロアでトレードをしている。


美人トレーダーE

彼女もトレード歴は長い。

韓国の勝負師Rの元ガールフレンドのRと並んでトレードをしている。

背は結構高いし、金髪でなかなかの美人。スタイルもいいしね。

ただ、トレードの回数がやたら多い。ということは、オールテック側から見れば、手数料をどんどん払ってくれるいいトレーダー。

私なんかは比較的トレードの回数が少ないから、そういう意味では悪いトレーダーか。

彼女の成績はまあまあのようだ。独身のようだけれど、トレードばっかりしてると、ボーイフレンドが見つからないよ。

とオヤジのノリになってしまった。まあ、いるのかもしれないし、どちらにしても余計なお世話ですね。


中国の石油商おばさん

特に愛想がよかった。

いろいろ教えてあげたこともあるからね。トシも近いし、同じ東洋人だからだろう。

中国で石油関連の仕事をしているようで、結構お金持ちのようだが、株のことはあまりよく知らないというか、大丈夫かな?という印象だった。

こわごわトレードしているようで、時々アマゾンをやったりしてロスを出すとメチャ弱気になる。

気の毒になってシスコの買い時を教えてあげたりしたけれど、買わないんだよね。

混乱してしまって、結局リタイヤしたようだ。中国へ戻るともいってたしなあ。


元マイクロソフトのH

彼は儲かっているようだ。

私がワイヤレスモデムのリコシェを使っていたら興味を持ち、デカイIBMのラップトップとリコシェという組み合わせで使い始め、私を紹介者として登録してくれたため、私のリコシェの使用料が数ヶ月タダになった。

ありがとうね。

彼のデスクにはキーボードがスルスルと出てくるトレイが付いている。

自分でとりつけたようで結構器用だ。

椅子とキーボードの高さをアジャストするためにこのトレイをセットしたという。

キーボードの使い過ぎのため、腕の肘関節を手術したそうで、見たくなかったけれど、わざわざ両手の手術跡を見せてくれた。

頭は禿げかかっているけれど、インテリっぽくていい人。


リッチ(過ぎる)フレーバーのゴージャスおばさん

いつも香水をつけすぎだけれど、臭いよりはいいか。

トレード前の見学の時にはキツーイ香水を付けていたため、気分が悪くなりかけたことがあって、よく覚えている。

いつもラップトップで計算しながらトレードをしているので、トレードをしようかどうかを決めるために見学に来る人の、どうやら巡回コースに入れられているのだが、このおばさんは熱心だった。

トレードをするようになったら、私が使っているエクセルの計算ソフトを売ってくれという。適当に作ったものだし、「コピーしてあげるよ」といったらとても喜んで、おばさんがトレーニングを受けている時も、よくそばへ来ては挨拶をしてくれたこともあり一応気になってはいたのだ。

トレードを始めたら、エクセルの計算ファイルをあげようと思っているうちに、すぐにいなくなってしまった。ちょっと化粧も濃かったな。


ウガンダのJ

アフリカから来ているが、アメリカは長いようだ。

ちょっと発音にクセがある。まあ、オレだってクセがあるからおあいこかな?

でも黒人のトレーダーは珍しい。

彼もフレンドリー。一度ランチを一緒にどうだってことで、奢ってくれることになって出かけたけれど、朝の10時頃だと時間が早くて、どこも開いてない。

しかたなく近くのモールでホットドッグ!。

どうもトレードがうまく行かないので、「お金を貸してくれるか、どうすればいいかを教えてくれ」というなかなか率直な提案。で、お金は貸せないけど・・

とトレードについてポイントになることを話すと、結構熱心にメモをしていた。

奥さんがアコーディオンを弾いている写真や、ウガンダの大統領と一緒に写っている写真を見せてくれた。

結構ウガンダ人会?では名士のようだ。

メルセデスに乗っているから、まあお金持ちなんだろうなあ。

最近は、韓国の勝負師Rと同じ個室でトレードをしているが、あまりよくないようだ。


せっかく、仲良くなったらと思ったら、いなくなってしまうというのは、結構淋しいものがあるけれど、こればかりはどうしようもない。これがトレード。

人が良すぎたり、喜怒哀楽が激しかったりすると、冷静な自己コントロールが難しいのかもしれない。

だから、トレードフロアに残っているのは、冷徹なトレーダーばかりなのか?

でもそうではないと思う。成功しているトレーダーの共通像としては、あまり口数は多くない。

けれど話してみると、結構みんな情熱家だ。集中しているから、ウロウロと人のところへ来たりはしないけれど、だからといって人間的に冷たいというわけではない。

でも雰囲気はどちらかというとCOOLかな。

 



990706  Tues.

暴落幻想

いよいよサマーラリーの季節になってきたが、今年は、今のところ波瀾のないマーケットだといえるだろう。何故か?

1997年・1998年と比較すると平穏無事だということがよくわかる。

この97年と98年は南米やアジアの経済不安で、いわゆる動乱の年になったのだが、そういう環境の中でトレードをすることができたのは、ある意味では、またとない経験ができたということになるのだから、ものは考えようだ。

Dow Jones & Co. 98年9月30日時点でのデータだが、ダウの下落幅
のベスト10だ。

Days with Greatest Net Loss

1997年10月27日 -554.26 Points
1998年08月31日 -512.61 Points
1987年10月19日 -508.00 Points
1998年08月27日 -357.36 Points
1998年08月04日 -299.43 Points
1998年09月10日 -249.48 Points
1997年08月15日 -247.37 Points
1998年09月30日 -237.90 Points
1998年01月09日 -222.20 Points
1998年09月17日 -216.01 Points

1998年は何と7回の大幅下落。
1997年は2回で、後は1987年が唯一の例外だ。


では大幅下落のあとはどうなっているだろうか?

Days with Greatest Net Gain

1998年09月08日 +380.53 Points
1997年10月28日 +337.17 Points
1998年09月01日 +288.36 Points
1997年09月02日 +257.36 Points
1998年09月23日 +257.21 Points
1997年11月03日 +232.31 Points
1998年02月02日 +201.28 Points
1997年12月01日 +189.98 Points
1987年10月21日 +186.84 Points
1998年09月11日 +179.96 Points


下落ベスト10と上昇ベスト10を照合してみると、暴落のあと、ほとんどが翌日には大幅に戻していることがわかる。

1997年10月27日 -554.26 Points
1997年10月28日 +337.17 Points

1998年08月31日 -512.61 Points
1998年09月01日 +288.36 Points

1987年10月19日 -508.00 Points
1987年10月21日 +186.84 Points

1998年09月10日 -249.48 Points
1998年09月11日 +179.96 Points

1998年09月17日 -216.01 Points
1998年09月23日 +257.21 Points

つまり下がった後は、かなりの値幅で戻っていることがよくわかる。

不必要に恐れることはないことがよくわかるだろう。だから、日頃からロスカットをきちんと実行して、戻るところをきちんとゲットすることが大事なポイントだ。

大幅な株価の下落は恐れるどころか、むしろ利益を出す絶好のチャンスなのだ。

今年のマーケットは、400ポイント以上もの大きな下落には一度も遭遇していない(でしたよね?)が、それだけマーケットをとりまく環境が安定しているということなのだ。

だから、1999年は安定した成績を残しやすい年だといえるだろう。

今年の唯一の不安材料はY2K問題だが、下落してもすぐに戻るということは、今までのマーケットの歴史が物語っているのだから、きちんとした銘柄選択をして、ロスカットをきちんと身につけていれば、全く恐れることはない。

さらに、アメリカ政府の絶妙の経済運営能力を考え合わせると、アメリカの株式市場がいかに安全で、また信頼のおけるマーケットかということがよくわかる。

アメリカマーケットがそのうち暴落するなどという、不安を煽るような無責任な発言をすることが、どれだけナンセンスかがよくわかると思う。

こういう発言は、マーケットで実際にトレードをしているものにとっては「だから何なのだ」以外の何物でもない。

その後どうなったかの検証をすることもなく、こういった野次馬的な思考パターンしかできないというのは、自らの無知を宣伝しているようなもので、日本の掲示板で、いまだにこういう意見を見かけるのは、全く残念なことだ。

 



990704  Sun.

独立記念日

July Fourth というと、映画 Independence Day を思い出す。

シアトルの海や湖では大きな花火大会が繰り広げられるが、シアトル・サイドウォークでもこの花火が見えるレストランガイドなどを掲載している。

このサイトは、よくできている。実用になるサイトだ。マイクロソフトもあれだけ儲けているのだから、サイドウォークが赤字でも(黒字?)社会に対する貢献として、これくらいのボランティアはしてくれないとね?

最近峠を下りる道とは全く違う道が開通した。

シアトルは、アメリカの西海岸では最北の都市だ。

だからこのエリアをノースウェストと呼ぶのだが、このシアトルからアメリカの内陸部、つまり東海岸へ伸びる道があるのだがこの I−90 こちらでは、アイ・ナインティンと呼んでいるフリーウェイへの最短コースが一週間前に開通した。


RoadD.JPG (18171 バイト)
開通!高速ワインディング・下りは一車線
左側は上り2車線

峠を反対へ走って高級住宅地を下り、5分ほどでフリーウェイへ進入することができるのだ。

長い間工事をしていたのは前から知ってはいたのだけれど、なるほどこういうことだったのか・・今までのように、峠道を下るよりうんと早い。

ハイウェイへできるだけ短時間で到着できるようにという目的のために設計されているが、実に見事だ。

昇りは2車線、遅い車は右を走り、急ぐ車は左を走るようになっている。が、フリーウェイから帰る時に気がつくのだが、勾配がキツイ。

道がアスファルトで道幅が広いから、それほど急勾配には見えないが、RVやミニバンは実に遅い。皆フルスロットルだが、スピードが出ない。

それほど勾配がキツイのだが、ミアータも、もちろんフルスロットル。

フリーウェイを抜けたら、10分間フルスロットルという道だ。


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自宅周辺では、こういう超遅く、古い車が走っている

制限速度は確か、30マイルだが、下りはスロットルをあまり踏まなくても勝手に60マイル以上出てしまうという道だが、下りは一車線。

人が出てこないし、衝突事故は起こりにくい構造だが、勝手に飛び出したりスピンをするという、いわゆる自損事故が多そうな道だ。

だが、ドリフトしながら走るには、スピードが出すぎるし、スピードの割には道幅が狭すぎるから、ここをドリフトで走らせることができるのは、プロのレーシングドライバーしか無理だろう。

残念だが、私にはそこまでの腕はないし、何しろ公道ですからね。

最近は、90%まで、この道を通る。

今までの道は、ファクトリアというモールがある道なので、ここへ行くには今まで通りの峠を下る。

ドリフト寸前の状態で走ることのできるグネグネ曲率度の大きい道だが、距離は結構ある。

やはり5分くらい。

そしてT字路を左折するのだが、車がいなければ、ドリフトができるので、カウンターを軽く当てることができるので、公道では貴重なポイントだ。

この高速新しくできた高速峠道の昇りを、ごぼう抜きで走っていると、モア・パワー!状態になる。以前はこういう欲求がなかったのだが、この新しい高速峠道ができたことによって、思わぬ展開になってきた。もっとパワーを!


BBuster.JPG (18806 バイト)
このビデオ屋の右側にスターバックスがある

そして、自宅とフリーウェイの途中くらいのところに、スターバックスとブロックバスタービデオといういわゆるレンタルビデオ屋ができたのだ。

家の前から、ビデオ屋まで2分5秒くらい。ガレージへのドアからビデオ屋のドアまで5分以内。どこでもドアに近い感覚だ。

今日の夕食は、まずボーリンジャーのシャンパン。この日のためにラリーズマーケットで仕入れたおいたハーフボトルサイズ。

結局2本空けることになって、これならフルボトルを買っておけばよかったな。銘柄?は、Bollinger 。作者イアン・フレミングが007が飲むと設定しているシャンパンだ。Special Cuvee というグレードで十分。

この上もいいが、コストパフォーマンスでいうとこれがベストだろう。

あとは、話術。007もこの話術がキモ。

口下手なスパイがサマにならないのは、世の東西を問わないようだ。

今日のメニューは、身欠き鰊(ニシン)と味噌。

モロキュウ。ひじきの煮付け。デザートはアイリッシュクリームのコーヒーと、サクランボつまりチェリーとイチゴ。うちは、話術という余計なことを考えなくていいのでラク。

これが、年季のよさかな。息子のために、刻み生キャベツと豚肉を油抜きにしたものがメインディッシュ 。

突然だが、無人島に命からがら流れ着いたときに、忘れてはならないのは醤油。

日本人には、どんなまずいものでも、これをかければ何とかなるという、リーサル・ウェポンだ。特にアメリカでは欠かせない。?

余談でした。


CHouse.JPG (12025 バイト)
シアトルで一番高いゴルフ場とのこと

わが家から5分ほどの山頂に、Newcastle というゴルフ場が最近オープンした。

そこの展望台というか、クラブハウスからだと、シアトルが180度で見渡せる。

プレー料金は、175ドルくらい。

私はゴルフはやらないのでこのグレードで、割高かどうかはわからない。


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左がクラブハウス・右側に展望台がある

広大なコースだが、芝の生えた段段畑にも見える。

ここのバーなら予約なしで座って、飲んで食べることができる。雰囲気はリッチだしね。

料理は安くもないが高くない。がうまい。

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中央に小さく見えているのがシアトルの高層ビル群

さて夕食が終わると、花火大会の時間となる。

午後10時ごろにようやく暗くなる。

バンクーバーではミシシッピ川より西では最大の花火大会があったようでシアトルとポートランドの間の花火大会との2ヶ所を同時に中継していたが、このセットアップの様子をドキュメンタリー風に放送していた。花火はアメリカでも作られ、見事に管理されているのを見ると、もはや日本だけの技術ではないようだ。

花火は、Fireworks と呼ぶが、このWORKは、すべてパソコンで制御され、音楽をリンクさせて秒刻みで制御されているがここもハイテクが活躍している。

だから進行というか爆発の制御が素晴らしい。2大花火大開の最大のスポンサーはMCIとTCIそれにAT&T。大手のスポンサーがついているから予算も十分。

この2大花火大会をテレビで中継していたが、アメリカの花火は通信がコントロールする時代になっているようだ。


FWorks.JPG (10524 バイト)
雰囲気だけでも・・

ゴルフ場の展望台から見ると、各家庭やコミュニティー単位で、様々な規模の花火が上がっている。アメリカ中の家庭の何割かが花火を一斉にはじめるから壮観だ。

シアトルダウンタウの2大花火も遠くに見える。カミサンと息子と犬の4人で、この山頂からの眺めの美しさを堪能。(娘は別行動)

来年は、どんな独立記念日を迎えることになるのだろうか・・
 




990703  Sat.

アメリカで氾濫している無謀なデイ・トレーダー

アメリカでは5千人以上が、プロフェッショナル・デイ・トレーダーとしてトレードをしているという書き出しで始まる特集が、掲載されているが、デイ・トレードで利益を出すことができるのは、約三分の一だけだとも報じているMSNBCで、デイ・トレーダーの典型的なケースが3例紹介されている。

このリンク先は、翌日以降には変更されるかもしれないので、要約してご紹介。


まず、最初のケース。

Chris Lorenzen 氏は、年齢層で分類すると、25歳から35歳のグループに属するというが、年間12万ドル以上の利益を出すことができる、いわば成功したトレーダーのようだ。

大学教育を受け、きちんとした職業にもついていた彼は、多くの成功したトレーダーの平均年収12万ドル以上を上回り、1998年は50万ドル近くを稼ぎ、今年は100万ドルを目標にしているという。

シカゴ商業会議所で事務員として働いていた4年前の彼の年収は1万2000ドル。

ビジネスを勉強し、本で得た知識で、親から6万ドルを借りてトレードを始め、1年半の胃が痛くなるような戦いの末に、彼はようやく利益の出せるトレードが、できるようになったという。

今や彼は9万5千ドルのポルシェに乗って、高級レストランで食事をする生活を手に入れたようだ。

彼はシカゴにある La Salle Street Trading でトレードをしている。もちろんここでのトップトレーダーの一人だろうが、La Salle Street Trading の創業者の一人である Michael Rubenstein 氏は、彼が「非常に自制心があり、ルールをよく守り、毎日欠かさずトレードをする」トレーダーだと評価している。

一日の平均取引は15万株だというが、平均的なデイ・トレーダーの一日約35トレードより相当頻繁にトレードしているようだ。

大きいロスを出さないために、少しのポジションしかホールドしないというが、1ヶ月で損失を出す日は3日程度で、今までの、一日の最大のロスは8000ドルだという。

成功の秘訣は、「この仕事に向いていたことと、運がよかったからだ」という。


次のケース

Aaron Newman 氏、若干23歳は、EdgeTrade.com を通して自宅からフルタイムでトレードを始めたようだ。

EdgeTradeで3週間2500ドルのトレーニングを受けたという。

彼は初日から、あまりにも「アグレッシブ」にトレードをするため、EdgeTrade の CEO、 Joe Wald 氏は、千株単位から百株単位のトレードに落とすようにアドバイスをしたというが、それでも安定した利益を出すことはできなかったようだ。

ほとんどのトレーダーは、最初の6ヶ月で、1万ドルから10万ドル以上の損失を出すという。


3番目のケース

John Skiersch 氏、33歳は、Johnny Vegas という芸名の芸人だったというが、何と彼は20万ドルの損失を計上した。

一日半のトレーニングだけで、遺産相続で得た資金12万5千ドルをもとにしてトレードを始めたが、コンドミニアムを売って資金を作り、クレジットカードで借金をして、トレードへ、「のめりこんで」行ったようだ。

記事では最後に、証券取引委員会(SEC)のコメントとして、デイ・トレードはリスクが高いという事実を十分認識してマーケットを良く知りきちんとしたできるだけ良い教育を受けることが、絶対に必要だと強調して結んでいる。

詳細は、原文を読んでいただくとして、感想は「無謀」という一言につきる。

教育は大きな要素で絶対不可欠。それでも成功する保証はないという世界だ。

3番目の彼は、一日半のトレーニングだというが、この程度の期間のレベルの教育では、ロスをするのは当たり前だろう。

またこれほど「のめり込む」のはセルフコントロールができないということになるだろうし、これは2番目の「アフレッシブ」過ぎるトレーダーにも共通して見られる、失敗するトレードのスタイルだ。
 

 


990701  Thurs.

Ask Jeeves

こういうことをやってしまうのが、アメリカのネットに対する取り組み方のスゴさだ。この姿勢が日本と違う。

これは「究極の検索エンジン」こちらに説明がある。

今日の株価は、52ポイント以上のアップ!ティッカーシンボルは、ASKJ。

大化けならこういうのが狙い目かな。


Diana Krall

さて、Diana Krall という女性歌手をご存知だろうか?

ダイアナ・クラールはカナダ出身。で、カナダといえばあのタイタニックの主題歌でブレークした、セリーヌ・ディオンもカナダの出身地でしたね。

こちらは、ジャズなので少し地味かな。

祖母がプロの歌手で父もピアノを弾くという家庭で育ち、15歳から歌い始め、奨学金で名門バークリー音楽院へ。プロを目指して中退し、アルバムを2枚出したがヒットせず、で今年34歳(ニューズウィーク説)と31歳(Smooth Jazz)というデータがあるが、まあそのあたりのようだ。

一時は「実力のない美人歌手」呼ばわりをされたというが、アルバムを聞けば、20年近い下積みが無駄ではないことが、納得できるだろう。

なかなかの美人。Ask Jeeves を使って写真を探して見た。

シアトルのFM局・Smooth Jazzのサイトで発見。ここここにもある。

ファンの掲示板がある。ここがホームページだがなかなかきれいなサイトだ。ただインタビューのリンクが切れていたりするのがちょっとね。

ここにたくさんの写真がある。

その5枚目のアルバムは、ウイスキーの香りを思わせるセクシーな歌声だと絶賛され、グラミー賞にもノミネートされたのも当然だろう。

スタンダードを、新しい感覚でこなしているが、選曲が保守過ぎるという声にも、「古いのはハーモニーが面白い」とピアノを弾く彼女ならではの考えと解釈で歌うスタイルが、評価を受けているようだ。

When I look in your eyes がダイアナの最新アルバム。

Verv. IMPD-304

マイケル・フランクスの、Popsicle Toes は、ミディアムの4ビートで彼女のピアノが、カウンターソロなどで聞けるがなかなかのもの。コール・ポーターの名曲 I've got You Under My Skin では、かなりスローなボサ風で、ストリングスもからんで、ゴージャスでロマンティックだ。

歌手の実力は、スローな曲でよくわかるといわれるが、その実力が伝わってくる。

この2曲だけのために買っても損はないアルバムだ。ピアノも、思い切りお洒落。

声はキンキンとした日本で流行る声とは違って、ハスキーっぽいので、Ippulse から、2年ほど前にリリースした Love Scenes あたりのアルバムになると、日本では受けないだろうなあと思う。

ピアノ・ギター・ベースを中心としたサウンドは一見地味過ぎてちょっとつらい部分があるのは確かだが。

でも好きな人には、こたえられないだろう。

最新作は、ウイントン・マルサリスより売れているというが、そりゃそうだろう。

と同時に、こういうアルバムが売れる、つまり、その感性がわかって楽しむ聞く人達、それも大ヒットするだけ売れる一般のリスナーの層の厚さには、日本の音楽界の現状を考えると、言葉を失ってしまう。

ダイアナに、天はニ物を与えたようだ。

人生は不公平のように思えてくるが、それも人生?


1999 07 01 -

 

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