アメリカンドリーム、という言葉がある。家を買って、良い車を運転し、子どもには最高の教育を与え、そして老後は快適な隠居生活をおくる。そんな夢なら私たち日本人も持っているから、ジャパニーズドリーム、と言うこともできる。こんな統計がある。約50%の働くアメリカ人の預金高は2万5000ドル(282万5000円)以下であり、20%の人たちには全く預金が無い。これではアメリカンドリームを実現できない。
何故このようなことになってしまったのか。「それは間違ったアドバイスに従ったからです」、と言うのは「金持ち父さん貧乏父さん」の著者、ロバート・キヨサキ氏だ。先ず、この間違ったアドバイスを紹介しよう。「一生懸命働いて、こつこつ金を貯め、借金はしないで優良株やミューチュアルファンドに長期投資しろ。」一見すると適切なアドバイスに思われるのだが、キヨサキ氏の話を少し聞いてみよう。
「2000年から2003年の株式市場の暴落で、何百万という多数のアメリカ人は、7兆から9兆ドルの金を失ってしまいました。しかし現実は単に資金を無くしただけでなく、ほとんどの人たちは、二つの経済ブームに乗ることができなかったのです。二つのブームというのは不動産と商品市場ですが、アドバイザーたちは全くこれらのブームを、個人投資家たちに知らせることができなかったのです。間違ったアドバイスを繰り返しただけでなく、現在の投資テーマをつかめなかったのですから、これ以上悪い話はありません。」
今では5年連続でベストセラーリストに入る「金持ち父さん貧乏父さん」だが、元々は自費出版だった。言うまでもないが、どの出版社もキヨサキ氏の本は売れる見込みゼロ、と判断したからだ。何故予想に反してベストセラーになったのだろうか。キヨサキ氏はこう語る。「本の人気の秘密は、金持ちが何故さらに金持ちになるかが説明されているからだと思います。読者の方々は、時代遅れのアドバイスの危険性を理解してくれたことでしょう。」
キヨサキ氏の話を聞いていたら、「人の行く裏に道あり花の山」、という相場の格言が頭に浮かんできた。人と同じことをしていたのでは儲からない。それよりも大衆の逆を行け、というわけだが、こう書いたら「投資苑」の著者、アレキサンダー・エルダー氏を思い出した。チャートと言えば、日足や週足ばかりが利用されるが、何故そうしなければいけないのだろうか。それらを使ったら確実に利益が上げられるからだろうか。チャート無視を勧めているのではない。たまには見方を変えて、45分足チャートなどどうだろうか?違ったものが見えるかもしれない。