新人トレーダーが、最も頻繁に犯す過ちは何だろうか?「単に金銭的な報酬だけでなく、トレードはやりがいのある仕事です。大きな夢を抱いて、トレーダーとしての人生を踏み切るのはいいのですが、多くの人たちが同じ間違いを繰り返しています」、と語るのはアンジュリル・アナリティクスでヘッド・トレーダーを務めるジョン・フォーマン氏だ。話を続けよう。
「とにかく頻繁なのが、売買執行の間違いです。買わなければいけないのに、売りのボタンを押してしまう。持ち株以上の株数を売ってしまう。シンボルを打ち間違えて、全く予定していなかった株を買ってしまう。ようするに不注意なのです。売買を執行しようとすると、画面には必ず確認のページが表示されますから、よく読んで間違いがないかを確かめでください。最初から、オーダーで失敗していたのでは話になりません。
資金的に余裕が無い人は、トレードを始めてはいけません。生活費の一部でトレードなどしようものなら、大きなプレッシャーとなって、利益を上げることなど無理です。それから、トレード資金は多ければ多いほど有利になります。当たり前のことですが、株が10セント上がっても、持ち株が100株なら利益はたったの10ドルです。しかし、1000株トレードできる人なら10セントでも利益は100ドルですから、豊富な資金はトレーダーの強い味方です。
ここで指摘したいのは、最初から1000株でトレードしてはいけません。先ず、少なめの株数で始めてください。リアルタイムでのチャート分析、それに売買執行方法を完全に身に付けてください。できれば、最初の数週間はペーパートレードにして、自分の売買方法で本当に良い結果が出るかを確かめてください。
感情的になってはいけません。早く損を取り戻したいのは誰でも同じですが、感情的になりすぎると、完全に冷静な判断ができなくなってしまいます。明らかにチャートはダウントレンドなのに、頭に血がのぼると、そんな簡単なことも見えなくなり、狂ったように買ってしまうのです。トレードは復讐ゲームではありません。
新人は、取引回数が多すぎます。少し株価が動くと、直ぐに買ってしまうのです。これを防ぐには、自分の売買ルールを確立することです。プロトレーダーで、毎日100回以上の売買をする人たちがいますが、これは決して頻繁すぎる売買ではありません。彼らは自分のルールに従い、その結果が100回のトレードになったわけですから、感情的な売買とは性質が違います。
多くの新人は、あまりにもトレード知識が不足しています。本を1冊や2冊読んだだけでは、トレードの勉強をしたとは言えません。セミナーなどにも参加して、徹底的にペーパートレードをしてください。実トレードはそれからです。ペーパートレードは、自分のスタイルを確立するのに、大きく役立つことも付け加えておきましょう。
ペーパートレードを繰り返していると、自分がどんなトレードに向いているかが分かってきます。ある人は、自分は1分足チャートを使ったスカルピングに向いていることを発見し、ある人は、数日間ポジションを持ち続ける、スイングトレードに向いていることに気がつくでしょう。
トレードできるのは、単に株だけではありません。株が性に合わなくても、先物や商品に向いている人たちもいますから、ペーパートレードで、色々なマーケットを試してください。現に私の知人は、株ではパッとしませんでしたが、為替に切り替えたらうまく行っています。」
US Market Recap
ペーパートレードのススメ
広報担当官の目
これ以上すばらしい決算を発表することはできない。正にゴールデンだ、とアナリストたちは巨大インベストメント・バンカー、ゴールドマン・サックス(GS)の第4四半期決算をベタ褒めしている。そんなに見事な結果なら、株は棒上げ、と思うかもしれないが、13日、ゴールドマン・サックスは1ドル69セント安(マイナス0.85%)で取引を終了した。と書いたからといって、ニュースを聞いてからでは遅すぎる、と結論したいわけではない。
多数の人たちが、ゴールドマン・サックスの好決算ニュースを聞いたことだろう。実際に株を持っている投資者なら、さぞ嬉しかったに違いない。それでは、もしあなたが、ゴールドマン・サックスの内部関係者(インサイダー)なら、はたしてニュースをどう受け取っただろうか?たとえ最高経営責任者や、最高財務責任者ではなくても、現にその会社に勤務している人なら、外部の人たちとは決算発表に対する反応が違うはずだ。
ここで紹介したいのが、米国企業で20年以上の広報担当官の経験があるジョージ・グトウスキー氏だ。ニュース発表、記者会見だけに限らず、株主に対する情報サービスもあるから、広報担当官は企業の重要なスポークスマン、と言うこともできる。スポークスマンは、会社の代弁者のような立場だから、決して企業イメージを傷つけるようなことは口にしない。もちろんウソは言わないにしても、たとえどんなに悪いニュースでも、うまく包装して投資者たちの耳に届けるわけだ。
さて、ニュース発表の術を心得ているグトウスキー氏、ゴールドマン・サックス決算に関して、こんなことを語っている。「とにかく膨大な収益です。天文学的な数字、と言っても差し支えない結果です。経営陣たちには、莫大なクリスマス・ボーナスが支払われることでしょう。この決算発表を受けて、株はギャップダウン(窓を開けての下げ)で始まり、90日平均の出来高を上回って大引けをむかえました。
こんなに素晴らしい決算を発表しているのにもかかわらず、ゴールドマン・サックスの内部関係者たちは、最近6カ月間、まったく自社株を買っていません。それでは、逆に自社株売りが目立っているのでしょうか?調べてみると、売られたのはたったの21万5000株ですから、内部者たちは買いにも売りにも積極的ではありません。ついでに、機関投資家のようすも見てみましたが、内部者と同様に売っても買ってもいません。
好調に上げを展開してきましたから、投資者にとって、ゴールドマン・サックスは楽しいパーティーのようなものです。とにかく皆、このパーティーが永遠に続くことを願っています。問題は、今回のような決算発表を繰り返すことは、極めて難しい、ということです。空売り残も、2.25%から3%に増えています。まだわずかですか、たしかに先行き不安が見え始めています。」
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オシュコッシュ・トラック
2007年はトラックだ、とジョン・マークマン氏(ストラテジック・アドバンテージ)は言う。「軍用トラック、セメント・トラック、ごみ回収トラック。とにかく、2007年の投資テーマはトラックです。」話を続けよう。
「ガソリン価格の安定、それに据え置きが続く金利はトラックメーカーに好材料です。過去2年間、売上が低迷していた業界ですが、そろそろ底打ちになって、収益が上向きそうです。
2007年、ブルマーケットは5年目を迎えます。ビリニ・アソシエーツの調べによれば、上げ相場の5年目は、素晴らしい成績を記録しています。具体的な数字で言えば、S&P500指数の平均伸び率は22.6%です。更に、S&P500指数は、大統領任期3年目が最も好調ですが、来年はブッシュ大統領の任期3年目です。
トレーダーズ・アルマナックの、大統領任期3年目の統計を見ると、S&P500指数は第1四半期+7.5%、第2四半期+5.3%、第3四半期+1.9%、そして第4四半期+2.8%の平均成長率があります。(1945年から2005年までのデータ)
それでは、実際にどのトラックメーカーを買うかですが、オシュコッシュ・トラック(OSK)が行けそうです。株価の方は1996年以来+3000%ですから、主要マーケット指数を30倍ほど上回っています。これだけ素晴らしい成長ぶりですから、投資者たちは、収益がアナリストの予想を、常に大きく超えることを期待しています。現に、第3四半期の決算の一株利益は、アナリストの予想を上回ったのですが、たった1セントだけ、ということで株価が10%もの下落になりました。
オシュコッシュ・トラックが製造しているのは、セメント・トラック、ダンプ・トラック、ごみ回収用トラック、軍隊輸送用防弾鋼板トラックです。主な取引先は、米軍と外国の軍関連機関で、それらが全売上の約40%を占めます。
日足チャートを見ると分かりますが、オシュコッシュ・トラックの株価は、5月から30%ほど下がっています。大きな原因は、JLGインダストリーズの買収です。あまりにも売られ過ぎですから、この辺で買うのは良いアイディアだと思います。
たしかに、JLGの買収が売りを呼びましたが、この買収は将来の収益を大きく伸ばすことでしょう。私の予想ですが、向こう数年間、オシュコッシュの年間平均収益成長率は16%から20%になると思います。2007年の目標株価は70ドルです。(現在48ドル70セント)
他のトラック・メーカーには、Paccar(PCAR)やNavistar(NAV)がありますが、一番魅力的なのは、何と言ってもオシュコッシュ・トラックです。」
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隠れた有望株の選び方
さっそく、筆頭のフォーメックス・インターナショナルを少し調べてみたが、とにかく肝心の情報がほとんど無い。ポリウレタンを扱う化学銘柄、ということは分かったが、追っているアナリストがいないから、とうぜん収益予想や、買い売り推奨なども無い。こんな状態だから、マスコミのレーダー網にキャッチされることも無いから、もちろんほとんどの投資者はこの銘柄を知らない。さて、カーク氏の話に戻ろう。
「ピーター・リンチ氏が、こんなことを言っています。「ファンドマネージャーが、うちの企業に訪れるのは3年ぶりです、などと経営陣が言うなら、私は興奮を隠すことができない。」一理ある言葉だと思います。今年の大成長株に共通していることは、ウォールストリートのアナリストたちから無視されている、ということです。」
多数のアナリストが追っている銘柄は、マスコミの目につきやすいから、既に人気化し割高になっているものだ。見捨てられている株に投資するのは心細いが、割安株を手に入れる確率が高くなるのも事実だ。シンギュラー・リサーチのアナリスト、ハリス・ホール氏によれば、現在アメリカには約4000に及ぶ銘柄がアナリストたちから無視されている。
そこで問題になるのは、この4000の中からどうやって優良な物を選ぶかだ。一つ一つチャートをチェックして、良さそうな物を拾う、という手もあるが、肝心な銘柄名が分からなければチャートを見ることはできない。そもそも、皆が知らない物を、どうやって見つけるのだろう?
回りくどい言い方をしてきたが、実はそんな銘柄に簡単に投資する方法がある。答えは上場投信だ。たとえば、小売セクターが強い場合なら、いちいち個別銘柄を調べないで、上場投信のRetail HOLDRs(RTH)を買うのが一番手っ取り早い。上場投信は株と全く同様に取引できるから、デイトレードやスイングトレードにも利用することができる。
大きな成長を期待できる、まだほとんどのアナリストが追っていない株を中心に投資する上場投信は、The Claymore/Sabrient Stealth (STH)、という名前だ。投資対象になる銘柄は、追っているアナリストの数は最高で二人まで、というから徹底している。STH、投資リストの一つに加えると面白いだろう。
2007年度の焦点
あと2週間で2006年度の相場が終わる。来年は、どんなマーケットが展開されるだろうか?証券会社からは、次々と来年度の見通しが発表されているが、ここで紹介したいのが、投資ストラテジストのバイロン・ウィーン氏だ。「12月の楽しみの一つは、ウィーン氏のレポートを読むことです。これは単なる相場予想ではなく、来年度の注意点が記されていますから一読の価値があります」、とダグ・キャス氏(シーブリーズ・パートナーズ)は言う。それでは、レポートを少し見てみよう。
1、誤解されやすい政府からの統計は、2007年度第1四半期、住宅市場安定を示すデータを発表するだろう。その結果、多くのアナリストが住宅市場の底打ちを宣言し、同時に住宅建築関連銘柄も推されるから、3月までには住宅セクターが52週間ぶりの高値に戻るだろう。
2、誤解されやすい、と記した理由の一つは、政府が発表する住宅販売件数には、住宅購入契約の取り消しが含まれていない。現に、買い手が購入をキャンセルすることが顕著に増えているから、売れ残り住宅数も、大幅に増えていくだろう。早ければ春中に、極めて悪い住宅販売件数が発表されるはずだ。
3、ローンの支払いができなくなり、差し押さえられる住宅数も着実に増えるだろう。2006年度に差し押さえられた件数は120万だが、2007年には300万に達することになりそうだ。
4、住宅ローンの金融派生商品を専門にするヘッジファンドが、大きな打撃を受けるだろう。その結果、議会では公聴会が開かれ、連銀は金利を引き下げることになるだろう。
5、商品価格の大幅下落が予測される。特にクルード・オイルは1バレルあたり50ドルを割ることになりそうだ。
6、2007年度米国企業収益は、第1四半期+8%、第2四半期マイナス5%、第3四半期+2%、そして第4四半期マイナス4%が予想される。
7、株式市場のボラティリティが大きく増しそうだ。ミューチュアルファンドや、ヘッジファンドの取引が更に活発になり、S&P500指数は、毎日2%の値幅が当たり前になるだろう。
8、2007年、株式市場は力強いスタートを切る。2月、S&P500指数は1450ドル(現在1407)を突破することだろう。しかし、上記したように、金融派生商品で失敗したヘッジファンドが大きな問題になり、第2四半期の終わり頃、株式市場は15%近い下げを展開しそうだ。後半のマーケットはレンジ内での動きになり、S&P500指数は1250ドル付近で2007年を終えるだろう。
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少し変わった先物利用法
1月効果を誤解している人たちが多い、とマーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)は言う。「中途半端な投資知識は危険です。1月効果は、株式市場全体に起きる現象ではありません。対象になるのは、小型株だけです。現に、大型株の1月は平均以下の成績ですから、S&P500指数やダウ指数に属する銘柄は避けた方が無難です。」小型株だけ?それでは、どの株を買ったらいいのだろうか。氏の話を続けよう。
「1月効果は、小型銘柄だけに限られる、ということを知っている人たちでも、この現象を中々うまく利用できないのが現状です。その理由の一つは、選択できる株が、上場されている小型株の中で最も小さな10%に限定されるからです。このような株だけに投資する、DFA U.S. スモールキャップ(DFSTX)、というミューチュアルファンドがあります。DFAのウェブサイトで調べると、このファンドに属する銘柄の中間時価総額は2億6800万ドルです。
S&P500指数に属する銘柄で、一番時価総額が低いのは、PMCシエラの15億9000万ドルです。これで、いかに2億6800万ドルが小さなものか、理解していただけたと思います。
たとえ、適切な時価総額のある銘柄を見つけたとしても、一つ大きな問題があります。株価には、売値と買値がありますが、1月効果に利用できる株は、売値と買値が大きく離れているものが多いので、満足な利益を出しにくいのです。理論上の話ですが、解決策として、手数料が無料のミューチュアルファンドを使うことが考えられます。
そこで、手数料のかからないファンドを調べたのですが、小型株専門という名前がついていても、どのファンドも対象銘柄の時価総額がかなり大きいのです。それなら、DFA U.S. スモールキャップ(DFSTX)を買えば良い、と言われるかもしれませんが、ファンドの性質上、短期投資に向いていないのです。
20年以上前になりますが、カンザス・シティ商品取引所が、ユニークな1月効果用の投資を発表しました。先物指数を利用するのですが、先ずバリューライン(小型株の動きを示す指数)の3月限を12月20日の大引け直前に買い、そして同時にS&P500の3月限を空売ります。ポジションを処分するのは1月9日の大引けです。過去23年間、このやり方で損が出たのは2回だけです。
先物、と聞いただけで直ぐ敬遠する投資者が多いですが、それは先物の知識不足が原因になっているようです。先物には、先物専用の口座が必要になります。とにかく資料を集めて、先物市場の勉強から始めてください。」
国債バブル
火曜のFOMC(連邦公開市場委員会)では、現行金利の5.25%が据え置かれる、という見方が圧倒的に多い。金利引下げを期待するマーケット関係者もいるが、ハリス・プライベート・バンクのジャック・アブリン氏は、「どう考えても、現状況では据え置きしかありません」、と強調する。
金利と密接な関係にあるのが国債だが、この国債暴落を予想するのは、トレンド・マクロリティクスで投資アドバイザーを務めるドナルド・ラスキン氏だ。さっそく説明を聞いてみよう。
「全く疑う余地はありません。1990年代のナスダックのように、今日の国債市場は完全なバブルです。イールド・カーブ(利回り曲線)を見てください。10年物国債利回りは、短期金利のフェデラル・ファンズより0.75ポイントも低いのです。正常な状況なら、長期金利が短期を上回るのが当然です。
長期金利が低い原因は、アメリカ経済が冷えこみ、金利は引き下げられることになる、というのが多くのエコノミストやアナリストの説明です。しかし、現在の状況を見る限り、米国経済が急ピッチに減速しいている、という兆しはありません。たしかに、一部の地域では住宅市場が大きく下げていますが、連銀関係者たちは、相変わらずインフレの危険性を指摘しています。こんな状態ですから、先ず金利引下げは無いでしょう。
もし今の国債市場が、ナスダックが5000ドルを記録した2000年と同じ状況なら、暴落は間近です。私の顧客は、ヘッジファンド・マネージャーや銀行などの機関投資家です。一般個人投資家と違い、膨大な資金を持つ彼らは、情報量も豊富です。彼らの意見を総合すると、現在の国債市場はナスダックの1999年に似ています。ですから、暴落までは少し時間があります。
繰り返します。現在の極めて低い長期金利は、金利引下げを見込んで、国債が買われているためです。しかし、皆が予測するような大きな米国経済冷えこみは無いでしょう。ですから、金利引下げはありません。それどころか、インフレ対策として連銀は金利を引き上げることになるでしょうから、結果的には国債が大きく売られることでしょう。」
ラスキン氏は、更にこう付け加えている。「金や商品の価格が上がり、ドル安が進みます。ドルに対する信頼感を回復させるために、連銀は金利引き上げを実行します。これが国債売りを呼び、長期金利上昇を引き起こします。これらのことが全て起きればドルが買われ、金価格は下降します。覚えておいてほしいのは、どんな状況でもトレードチャンスがある、ということです。」
銘柄選びのコツ
ニューオーリンズから北へ車で1時間、と聞いても、何の景色も頭に浮かんでこない。「田舎です。隣の家は遠くに小さく見えます」、と言うのはヘッジファンド・マネージャーのデービッド・ランドリー氏だ。「人里離れた場所ですが、インターネットのお陰で、ビジネスには全く支障がありません。」
ある本の前書きの中で、ランドリー氏はたしかこんなことを書いていた。「新しいトレードの本が出版されると、どうしても買ってしまうのです。もちろん、既に知っている手法かもしれませんが、とにかく買わないと気がすまないのです。正真正銘の、トレード方法論ジャンキーです。」思わず笑ってしまったが、これで氏をぐっと身近に感じることができた。
ランドリー氏は、数日間で終わるスイングトレード、そして数週間におよぶポジショントレードが専門だ。先日、ストック・ティッカーに氏のインタビューが掲載されていたので、その一部を見てみよう。
「私が株を始めたキッカケですか?80年代の終わり頃、初めてミューチュアルファンドに投資しました。手書きチャートを壁に貼り付けて、毎日の値動きを追いました。しかし、動きがゆっくりなので直ぐ飽きました。そこで1990年、古くなったボートを売って株を買いました。いきなり1ドル50セント下げ、本当にハラハラしましたが、運良く株価は持ち直してくれました。
スイングトレードをするようになったのは、株や先物のデイトレード経験が土台になっています。デイトレードは、その言葉が示すように、今日買ったものは今日中に処分しますから、オーバーナイトでポジションを持つことはありません。しかし、はっきりとしたトレンドがある場合は、とうぜん数日間持ち続けた方が利益が大きくなります。ですから、私は短期トレンドが明確な銘柄だけを狙って、そのトレンドが終わるまで持ち続けることにしたのです。
スイングトレードの最も重要なことですか?値動きです。値動きしかありません。たまに移動平均線を入れて、トレンドを確かめることはありますが、私は指標を使いません。出来高も見ません。とにかくチャートをパッと見ただけで、直ぐにトレンドが分かる銘柄を選ぶのがコツです。
トレーダーとして長生きする方法ですか?多くのトレーダーは、自分のスタイルを持っていません。少し説明しましょう。マーケット状況に合わせて、トレード方法を使い分けることを勧める人が多いですが、私はそれは間違いだと思います。今日のマーケットは方向性がはっきりしないから、リバーサルトレードをやってみよう。これは行けそうだから、ブレイクアウトを狙ってみよう。これらは単に、マーケットを追い回しているだけです。そうではなくて、自分のパターンが現れた時だけにトレードするのが肝心だと思います。」
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人気ブロッガーの声を聞いてみよう
最近、ドル安という言葉を聞かないで一日を終えることはない。とにかく執拗なくらい報道されているから、ドル安を取り上げるブログが増えている。情報の正確さは別にして、ブログの面白いのは、ニュースでは得られない個人の感想を読めることだ。さっそく、人気ブロッガーたちの声を聞いてみよう。
「若い人たちは、ネズミのコスチュームが似合うかどうかを確かめるべきだ。ドル安が進んでいるから、たぶん最も有望な就職先はディズニーランドだ。海外から訪れる人が更に増えるだろうから、少なくとも「ニーハオ」「guten tag」くらいは言えるようにしておこう。」(ティム・アイアコノさん The Mess That Greenspan Made )
「アナリストやエコノミストの話をまとめると、アメリカの貿易赤字が最大のドル安原因だ。とにかく下げが続いているから、ドル強気論者の姿が見えなくなってしまった。一つ言えるのは、あまりにも弱気論者が多すぎるから、ここで積極的なドル売りをするのは危険かもしれない。どちらにしても、投資ポートフォリオの一部を外国株に当てることは有益だ。」(アブノーマル・リターンズ)
「ドル暴落を予想する人たちがいるが、世界経済におけるドルの役割は、そう簡単に説明できるとは思わない。たとえば、原油売買にはドルが使われているが、去年の春、イランとノルウェーがユーロで売買することを試みた。これがキッカケになり、他の国々もドルだけでなく、ユーロも使うことを検討し始めた。
このドル中心主義離れが、ドル安をいっそうひどくする、というのだが本当だろうか?膨大なドルを抱える中東の産油国や中国は、わざわざ自らの首をしめてドル売りを実行するだろうか?たぶん積極的に売るのではなく、これからはドル買い量を減らす、という方向で行くと思われるから、ドル安はゆっくりと進むような気がする。」(ランダム・ロジャー)
「ドル安が、経済誌の表紙を飾るようになった。覚えている人もいると思うが、去年、Newsweekがドル安を特集した1週間後、ドルは底を打った。いつもマスコミが騒ぐのは、マーケットが天井か底に近い時だ。ヨーロッパの金利上昇、そして米国利下げの可能性という材料だけでは、もうこれ以上ドルを下げることは難しいだろう。ドル指数の長期サポートレベル80は、今回も崩れることはないと思う。」(グローバル・エコノミック・アナリシス)
ブログではなく、今日のウォールストリートジャーナルからも引用しておこう。「アメリカとは正反対に、ヨーロッパから発表されている経済指数は強い成長を示している。中央銀行による、更なる金利引き上げも予想されているから、ドル下げ基調が続く、と言うアナリストが多い。」
意外な動きを展開する今年の相場
「もう一つ、投資者たちを驚かせたことがあります。今年は、ブッシュ大統領の任期2年目です。大統領任期の二年目、特に第2と第3四半期に株が落ち込むのは有名な現象ですが、今年そんなことは全くありませんでした。正確に言えば、マーケットは夏から上げ続けています。」
単に今年だけが例外なのかは分からないが、悪いはずの時期に上げてしまったわけだから、皆が当てにしている新年ラリーはどうなるのだろうか?カーン氏の話に戻ろう。
「夏に底を打った大きな理由の一つは市場心理です。色々な指標で、投資心理を見ることができますが、とにかく今年の夏、投資心理は最悪の状態でした。往々にしてあることですが、皆が超悲観的な時に、マーケットは上昇を開始するものです。
コントラリアン(人と反対の行動を取る人、逆張り投資家)の立場から見れば、皆が意気消沈なら、既に売りは済んでいることが予測できます。単に持ち株の処分が終わっているだけでなく、空売り残も最高に達している可能性もあります。こんな状況で買いが入り始めれば、売り手も買い戻すしかありませんから、上げ速度は増す一方です。
先月、プットオプションとコールオプションの比率を示すプット/コールレシオは、極端に高いレベルに達しました。(マーケットが上がると思うならコールを買い、下がると思うならプットを買う。)この数字が意味することは、大多数の投資者が、マーケットの下げを予想していた、ということです。これも往々にしてあることですが、皆の意見と反対に動くのがマーケットです。現に、マーケットの上昇基調は全く崩れていません。
そして今、興味深いことが起きています。プット買いで失敗した投資者たちは、コール買いに徹しているのです。まだプット/コールレシオは極端に低いレベルまで下がっていませんが、明らかに投資心理は強気に一転しています。
ここで気になるのが、急落しているドルです。豊富なドルを保持する外国人投資家にとって、ドルの下落は投資の含み損になります。株に利益が出ていても、ドル安では利益幅が減ってしまいます。ですから、外人投資家による売りが、いつ起きてもおかしい状況ではありません。」
結局カーン氏も、昨日紹介したジューバック氏と同様な見解だ。アメリカはドルを救うために、金利を引き上げることはあっても、皆が期待する利下げを実行することは有りえない、というわけだ。
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