US Market Recap

2007年、ファンドマネージャーが狙う株

2007年の買い候補として、キプリンジャー・フォーキャスツは3M(MMM)や保険会社のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)をあげていることを昨日紹介したが、ファンドマネージャーたちは、どんな株を狙っているのだろうか?いくつか見てみよう。

・ダニエル・マニオン氏(センティネル・アッセット・マネージメント):「エレベーター、エスカレーター、動く歩道、暖房システム、それに空気調節装置で有名なユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)に期待できます。来年も、中国の建築ブームは続きます。言い換えれば、UTXは中国関連銘柄の一つです。」

・マイク・ホランド氏(ホランド・ファンド):「今年のマーケットを振り返って分かることは、優良大型銘柄の活躍です。来年も大型株が中心に買われることでしょうから、ゼネラル・エレクトリック(GE)が良いと思います。収益を考慮すると、株価はまだ割安ですから、遅かれ早かれ、GEは投資者たちに再発見されることでしょう。」

・ドン・ホッジズ氏(ホッジズ・ファンド):「2006年、航空会社が買われましたが、サウスウエスト航空(LUV)が出遅れています。この業界で、サウスウエストほどビジネス・モデルが整っている企業はありませんから、来年は情勢が大きく変わることでしょう。石油掘削装置メーカー、トランスオーシャン(RIG)も注目です。供給量が需要に追いついていない状態ですから、オイル価格の上げ下げは関係ありません。」

・ケビン・シャクノフスキー氏(アルパイン・ダイナミック・デビデンド・ファンド):「株価の低迷が続くローワン・カンパニーズ(RDC)ですが、来年はカムバックの年になりそうです。ビジネスの多様化が、順調に進んでいますから、収益は大きく伸びるはずです。ゲートハウス・メディア(GHS)の配当金が魅力的です。現在の利回りは6%ほどです。しかし、キャッシュフローが更に良くなることが予測されるので、増配になる可能性があります。」

ジェーソン・キャンター氏(RBCキャピタル・マーケッツ):「ギリアード(GILD)で研究が続けられている、エイズ治療薬に良い実験結果が出そうです。また、ギリアードで製造されている薬品は、世界的に販売されていますから、他の米国中心の製薬会社より有利です。」

・ジェフ・クライントップ氏(PNCウェルス・マネージメント):グッドリッチ(GR)、と言えばタイヤメーカーと思う人が圧倒的に多いですが、ビジネスは多様化しています。飛行機の機体、エンジンなどの部門も揃い、ボーング社からの受注が大きく増えそうです。アジアでのビジネスも伸びることが予想されますから、グッドリッチは買いです。」

2007年の不安材料と狙える銘柄

住宅市場の低迷、企業収益成長率の低下、利下げに消極的な連銀、膨大な貿易赤字、など悪材料はいくらでもある。しかし、キプリンジャー・フォーキャスツは、2007年、S&P500指数に7%から12%の伸びを期待できる、と発表している。もちろん、それが実現するためには、起きては困る事柄がいくつかある。

1、地政学的要素: 言うまでもなく、私たちは危険な世界に住んでいる。イラン、北朝鮮の核問題だけでなく、イラク、レバノン、パキスタン、ベネズエラ、そしてロシアも不安な存在だ。これらの国々で一大事となれば、とうぜん世界の株式市場にダメージを与えることは間違いない。

2、オイル: テロ活動などが原因となって、もし中東からのオイル生産量が大幅に減るような事態も、世界の株式市場を混乱に巻き込む。場合によっては、オイル価格が1バレル100ドルを突破することもありえるから、中東情勢には常に注意を払う必要がある。

3、不況: オイル高、ガソリン高が現実化となれば、既に住宅市場低迷のアメリカは不景気に陥るだろう。個人消費が冷えこみ、企業収益も下降することになるから、株価にはマイナス材料だ。

4、インフレ: エネルギーと食品を除くと、2005年のインフレ率は2.2%だった。2006年(1月から9月まで)、この数値は2.4%に上がり、連銀は神経質になっている。更に悪化なら金利は引き上げられ、株安を引き起こすことだろう。

5、ドル安: 巨額な貿易赤字に嫌気をさした外国政府が、大きくドルを売る可能性がある。ドル安はアメリカ国内にインフレを起こし、連銀は金利引き上げ政策に戻る。株は高金利を嫌うから、とうぜん株式市場は低迷だ。

それでは、2007年に狙える銘柄は何だろうか?キプリンジャー・フォーキャスツの推奨を見てみよう。

1、3M(MMM):3M、と聞くとセロテープを思い出す人が多いが、3Mは6つのセクションで構成される国際大企業だ。2007年度の収益を考慮したPER(株価収益率)は16、と割安だから株価は95ドルに達しても不思議ではない。(現在の株価は78ドル39セント)

2、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG):企業スキャンダルも一段落となり、株主との信頼関係が回復している。収益も順調に伸び、現在11のPER(2007年度の予想利益で計算したもの)が、業界平均の15に追いつけば、株価は100ドルを達成できる。(現在の株価は72ドル25セント)

3、アーチ・コール(ACI、大手石炭会社): とにかく割安だ。主要電力会社は、電力発電原料として石炭を30%ほど増やす計画を発表しているから、アーチ・コールには大きな成長が期待できる。

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米国経済クイズ10問

クリスマスも終わり、今年の相場も大詰めだ。クイズ形式で、2006年度の米国経済ニュースを振り返ってみよう。

1、4四半期連続で、史上最高の収益を発表した企業はどれ?

A、バンク・オブ・アメリカ
B、エクソンモービル
C、グーグル
D、ウォルマート

2、連銀が景気の冷え込みを最も心配しているセクターはどれ?

A、自動車産業
B、住宅市場
C、製造業
D、小売業

3、史上最高値を記録した株式指数はどれ?

A、S&P 500指数
B、ダウ指数
C、ナスダック指数
D、ラッセル5000指数

4、7月、クルードオイルは史上最高値を記録したが、その価格は1バレル(159リットル)当たりいくら?

A、65ドル50セント
B、78ドル40セント
C、85ドル80セント
D、98ドル50セント

5、8月、ガソリン価格が高値を更新したが、その値段は1ガロン(3.785リットル)当たりいくら?

A、3ドル3セント
B、3ドル5セント
C、3ドル25セント
D、3ドル65セント

6、現在上場されている自動車メーカーの中で、非上場化を考慮しているのはどこ?

A、ゼネラルモーターズ
B、フォードモーター
C、ホンダ
D、ルノー

7、2008年、マイクロソフト会長ビル・ゲイツ氏は

A、更に10億ドルにおよぶ個人資産増が見込まれる
B、会長職を辞任する
C、マイクロソフトにおける毎日の任務から身を引く
D、ゲイツ・ファンデーションから引退する

8、大手小売店ウォールマートは、ジェネリック医薬品(ノーブランド医薬品)の値段を一律化したが、その値段はいくら?

A、10ドル
B、8ドル
C、4ドル
D、3ドル

9、フォードモーターの新最高経営責任者の名前は?

A、ビル・フォード
B、アラン・ムラリー
C、カーロス・ゴーシン
D、リック・ワゴナー

10、懲役24年以上の判決を言い渡された、元エンロンのトップ経営幹部はだれ?

A、リチャード・コーシー
B、アンドリュー・ファストー
C、ケネス・レイ
D、ジェフリー・スキリング

正解:(クイズはUSA Todayより)

1、Bのエクソンモービル

2、Bの住宅市場

3、Bのダウ指数

4、Bの78ドル40セント

5、Aの3ドル3セント

6、Bのフォードモーター

7、Cのマイクロソフトにおける毎日の任務から身を引く

8、Cの4ドル

9、Bのアラン・ムラリー

10、Dのジェフリー・スキリング

それでは、2007年、アメリカは不況に落ち込むだろうか?ダウジョーンズ社が、8人の著名エコノミストをインタビューした結果を見ると、不況予測はゼロだ。経済成長率は+2.6%ほどになるようだから、2003年以来の低成長になる。連銀も心配しているように、8人のエコノミストは、来年も住宅市場の低迷は続く、と回答している。

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あなたはトレード依存症?

好きこそものの上手なれ、と言われるが、好きの度合も過激なレベルに達すると中毒患者と変わりがない。寝ても覚めても頭の中は株だけ。マーケットの無い土日はイライラし、とにかく月曜が待ち遠しい。もし、あなたもこんな状態なら、正真正銘の株中毒、トレード依存症かもしれない。

ご存知のように、アルコール依存症の人は、ほとんどの場合、自分がアル中だとは思っていない。同様に、株中毒にかかっている人たちも、なかなかそれを認められないのが事実だ。ひょっとしたら、あなたはトレード中毒におかされているかもしれない。さっそく、トレード依存症の症状を見てみよう。

1、株に夢中になりすぎて、仕事に遅刻したり欠勤することはないだろうか?

2、あなたのトレードは、家族の迷惑になっていないだろうか?

3、トレードが原因で友人を失ったり、同僚からの信頼を失っていないだろうか?

4、トレードが終わった後、よく後悔したり、罪悪感に悩まされることはないだろうか?

5、住宅ローン支払い用の金や、子どもの教育資金を株に回すようなことはないだろうか?

6、トレード以外に、あなたは人生の目的があるだろうか?

7、トレードで損を出した時のことを考えてほしい。直ぐ損を取り戻そうとして、躍起になって何度も売買を繰り返さなかっただろうか?言い方を換えれば、復讐を誓ったような態度になっていなかっただろうか?

8、利益を上げた場合はどうだっただろうか?今日はラッキーだ、と信じこんで、無駄なトレードを重ねなかっただろうか?

9、あなたは、資金が無くなるまで徹底的にトレードをするタイプだろうか?

10、自宅を担保にしてトレードしていないだろうか?

11、高価なものを売り払って、それをトレード資金にしていないだろうか?

12、たとえどんなに儲けても、その金をトレード以外に使うことができない。

13、トレードに最善の注意を払っても、家族や友人、そして同僚の気持ちを察することができない。

14、トレードは1時間半だけ、と決めていても、けっきょく大引けまでモニターの前から離れることができない。

15、暇つぶしにトレードをすることはないだろうか?

16、銀行などから正当な方法で金を借りるのではなく、高利貸しから資金を借りてトレードしていないだろうか?

17、トレードのことで頭がいっぱいになり、不眠症になっていないだろうか?

18、妻と言い争ってムシャクシャする。子どもがうるさくてイライラする。そんな気分を転換するためにトレードをすることはないだろうか?

19、結婚記念日、誕生日などをの重要な日を、トレードをすることで祝うことはないだろうか?

20、トレードが原因で、自殺を考えることはないだろうか?

もし上の20項目のうち、7つ以上に心当りがあるなら、あなたは株中毒におかされている可能性がある。

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機関投資家の資金はどこへ向かう?

「どんなに慎重な準備をしても、バンジージャンプやスカイダイビングには危険が伴います。同様に、自動車での通勤にも交通事故に巻き込まれる危険性があります。しかし私たちは、自動車の運転よりスカイダイビングの方が危ない、と思っているのではないでしょうか?」、と切り出すジェイミー・ドルゴッシ氏(ラショナル・インベスター)だが、いったい何を言いたいのだろうか?話を続けよう。

「変な言い方になってしまいましたが、最近の株式市場を見ていると、ついそんな言葉が出てしまいます。ここ6カ月間で、マーケットの危険/報酬比(リスク/リワード比)が大きく変わっています。このレベルで、わざわざ危険をおかして株を買うことは、どうしても私にはできません。

今日のマーケットは、1990年代の終わりに似ています。インターネット銘柄が、毎日のように上げていましたが、私は買いませんでした。明らかに、正当評価額を大幅に上回っていましたから、少しずつ空売りを増やしていきました。実際に利益が出たのは2000年に入ってからですが、そんなことは、私には全く気になりませんでした。

今日も同じことが起きています。違いは、インターネット銘柄が、住宅建築銘柄に入れ替わっていることです。今の時点で、住宅建築銘柄を空売っても、たぶん直ぐには儲からないでしょう。しかし、明らかに異常な株価で取引されていますから、どちらにしても空売りで利益を上げることができるはずです。

住宅市場は最悪の事態を脱出した、と言うアナリストたちがいますが、そんなチアリーダー的な意見は無視してください。現在、有り余るほどの住宅が売りに出されています。それに、住宅価格が少しでも回復したら売りに出そう、と考えている人たちも多数います。既に需給バランスは完全に崩れているのです。アナリストには、そんな基本的なことが分かっていないのでしょうか?

率直に言えば、住宅市場の下げサイクルは、まだ半分ほど終了しただけです。2007年、アメリカが不況に落ち込むとは思いませんが、経済の成長速度がスローダウンすることは確かです。こんな状態では、先ず住宅市場が上向くことは無理です。

現時点で買えるものは何でしょうか?短期的に期待できる銘柄はありますが、総合的に見ると、国債、不動産、株、どれも割高で魅力がありません。ですから、私たち個人投資家が今することは、プロたちが資金をどう動かしているかを見ることです。

最近目につくのは、プライベート・エクイティ投資会社の活躍です。先ず、機関投資家から資金を集めて、将来有望な企業を買収します。経営陣の入れ替えなどをして、実際に会社の再建が済んだらを売却して、利益を機関投資家に分けるのがプライベート・エクイティ投資会社の仕事です。」

と言っても、個人投資家がプライベート・エクイティに参加するのは難しいから、PowerShares Listed Private Equity Portfolio(PSP)、という上場投信を利用すると面白いだろう。

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2007年、狙えるセクターはどれ?

長期投資としてだけでなく、スイングトレードやデイトレードにも使える、上場投信(ETF)が人気を集めている。ダイヤモンド(DIA)のような指数型から、BBHのように特定セクターに連動するもの、それに日本株だけを狙うEWJなどがあるから種類は豊富だ。ジム・ジューバック氏(MSNマネー、シニア・エディター)が、2007年に注目できる上場投信を紹介しているので、そのいくつかを見てみよう。

オイル:

2007年2月、OPEC(石油輸出国機構)はオイルの減産を開始する。とうぜん、アメリカ国内のオイル在庫量も減ることになるから、2007年の第1四半期には、オイル価格の上昇が既に予想されている。実際にオイルが上がり始めてからでは遅いから、今からオイル関連に投資することが好ましい。

利用できる上場投信は、オイル・サービス・ホールダー(OIH)だ。その他にも、エネルギー・セクター・スパイダー(XLE)に投資する手もあるが、オイル・サービス・ホールダーには海外のオイル銘柄も含まれているから、幅広い投資が可能になる。

住宅関連:

現時点では、住宅市場の下げが終了した、と結論することはできない。しかし、株式市場の動きが示しているのは、2007年後半の住宅市場回復だ。テクニカル的な観点から言えば、住宅市場に投資する上場投信は、8月に底を打っている。スパイダー・ホームビルダーズ(XHB)が狙いだ。

金:

ドル安のヘッジには金が最適だ。2007年、米国経済成長のスローダウン、それにヨーロッパや日本での金利引き上げが予測されるから、ドルが売られることになるだろう。もちろん、米国が抱える巨額な貿易赤字も、ドル安要因になるのは言うまでもない。

金投資専門の上場投信なら、マーケット・ベクターズ・ゴールド・マイナーズ(GDX)が良いだろう。直接個別'銘柄を狙うなら、バリック・ゴールド(ABX)、ニューモント・マイニング(NEM)、アングロ・ゴールド・アシャンティ(AU)などがある。

航空会社:

オイルの値上がりは、航空会社に悪影響を与えるが、売り叩かれた航空会社株を拾うことを忘れてはいけない。季節的に寒い冬に旅行者は減り、夏休みシーズンに大きく旅行者が増えるから、第1四半期が終了近くなったら、航空セクターに目を向けたい。

残念ながら、航空会社だけを扱った上場投信が無い。もし投資するなら、ダウジョーンズ輸送上場投信(IYT)が良いだろう。

日本:

最近、為替市場に不思議なことが起きている。ドルはユーロに対して安くなっているのだが、円に対しては高くなっている。具体的に言えば、5月から、円はドルに対して8%の下げだ。原因は、既に報道されているように、7月以来まだ日銀が金利を引き上げていないためだ。

日本の経済は、皆が思っている以上に強い。1月に金利の引き上げが無いにしても、2007年中には間違いなく金利が引き上げられるから、円高になるのも時間の問題だ。とうぜん円高は外国人投資家を呼ぶことになるから、株式市場にも好影響になるだろう。狙いの上場投信はMSCIジャパン(EWJ)だ。

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マーケット2連勝、三日目は買い?

マーケットが2日連続で上がったとしよう。3日めは買うべきだろうか、それとも売るべきだろうか?こんな質問をするのは、「The Psychology of Trading(トレードの心理学)」の著者、ブレット・スティーンバーガー氏だ。大学で助教授を務める氏は、単に机上の知識だけでなく、自らも先物指数のトレードをしている。それでは、質問の答えを聞いてみることにしよう。

「S&P500指数に連動する、スパイダー(SPY、上場投信)を使って調べてみました。2004年以来、スパイダーが2日連続で上がったことは233回ありました。さて三日後を見てみると、スパイダーは平均で0.02%の損が出ています。逆に、スパイダーが二日連続で下がったことは146回ありましたが、三日後は平均で0.25%の上昇になっています。明らかに、二連勝の後に買うのは不利です。

ナスダック100指数に連動する、QQQQでも調べてみましたが、結果は同様なことが言えます。二日連続で上げが展開されると、三日後は平均で0.01%の損です。しかし、二日連続で下げると、三日後の平均利益は0.07%です。繰り返しますが、二日連続の上げなら、三日目は買い手に分がありません。」

スティーンバーガー氏も自らトレードをしている、と上記したが、氏はこんなアドバイスをしている。「トレードの目的は利益を上げることですが、大切なことは、黒字で一週間を終える、ということです。プラスで週末を迎えるには、一回のトレードで大きな損を出すことは許されません。

マーケットは、あなたの計画など全く気にしていません。思惑どおりに行ったからといって、それはマーケットが、あなたに協力してくれたのではありません。空売りが成功した、と喜んでいても、突然の反転で利益が吹き飛ぶことなど珍しいことではありません。トレンドに乗り続けることは大切ですが、利益が出たら、一部を手仕舞う習慣を身につけてください。違った言い方をすれば、マーケットから利益を取ってやろう、という考え方ではなく、マーケットが与えてくれるものを受け取ることが肝心です。

移動平均線、MACD、ストキャスティクス、と様々な指標が売買判断に使われます。もし、それらの指標が逆方向に動くなら、利益の有る無しにかかわらず、直ぐポジションを手仕舞ってください。状況が変化したら、とにかく脱出です。間違っても、手仕舞わなくても良い理由探しをしてはいけません。信号が赤になったら、誰も道を横断しません。横断できる理由を探して、わざわざ道を渡るのは、自ら事故を求めるようなものです。」

クイズ7問

そろそろクリスマス、そして大晦日がやって来ます。2006年は、皆さんにとってどんな年だったでしょうか?11月の中間選挙では、ブッシュ大統領の共和党が破れ、任期の残り2年間、大統領は苦しくなりそうです。おっと、政治の話はやめましょう。年末です、今年のデータを振り返って、ここはクイズ、と行きましょう。

1、アメリカで最も治安の良い安全な市はどこでしょうか?(正解は下を参照)

A、ブリックタウンシップ(ニュージャージー州)
B、グリース(ニューヨーク州)
C、オレム(ユタ州)
D、アーバイン(カリフォルニア州)
E、トロイ(ミシガン州)

2、アメリカで最も治安の悪い市はどこでしょうか?

A、デトロイト(ミシガン州)
B、フリント(ミシガン州)
C、カムデン(ニュージャージー州)
D、メンフィス(テネシー州)
E、セントルイス(ミズーリ州)

3、アメリカで最も大卒者の多い市はどこでしょうか?

A、サンフランシスコ(カリフォルニア州)
B、シアトル(ワシントン州)
C、ロサンゼルス(カリフォルニア州)
D、ダラス(テキサス州)
E、バッファロー(ニューヨーク州)

4、アメリカで最も人口増加率の高い市はどこでしょうか?

A、ラスベガス(ネバダ州)
B、エルクグローブ(カリフォリニア州)
C、ロサンゼルス(カリフォルニア州)
D、マイアミ(フロリダ州)
E、シカゴ(イリノイ州)

5、アメリカで最も住宅の高い市はどこでしょうか?

A、パロアルト(カリフォルニア州)
B、サンフランシスコ(カリフォルニア州)
C、サンタモニカ(カリフォルニア州)
D、マイアミ(フロリダ州)
E、ビバリーヒルズ(カリフォルニア州)

6、アメリカで最も住宅が安い市はどこでしょうか?

A、ミントン(ノースダコタ州)
B、アーリングトン(テキサス州)
C、トピーカ(カンザス州)
D、コロナ(カリフォルニア州)
E、ワラワラ(ワシントン州)

7、アメリカで最も住宅の値上がり率の高い市はどこでしょうか?

A、ロサンゼルス(カリフォルニア州)
B、ビバリーヒルズ(カリフォルニア州)
C、セーレム(オレゴン州)
D、シカゴ(イリノイ州)
E、シアトル(ワシントン州)


正解
1、Aのブリックタウンシップ(ニュージャージー州)です。犯罪の被害を受けたのは、10万世帯中の55世帯です。

2、Eのセントルイス(ミズーリ州)。犯罪にあったのは10万世帯中の2405世帯。

3、Bのシアトル(ワシントン州)。52.7%が大卒です。

4、Bのエルクグローブ(カリフォリニア州)。11.4%の増加です。

5、Eのビバリーヒルズ(カリフォルニア州)。平均的な4寝室、2浴室付きの住宅価格は180万ドル(約2億1300万円)。

6、Aのミントン(ノースダコタ州)。平均的な4寝室、2浴室付きの住宅価格は13万2333ドル(約1560万円)。

7、Cのセーレム(オレゴン州)。住宅中間価格は24.7%の上昇です。

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消費者ムードが悪化するアメリカ

6月の底から、ダウ指数は16.2%の上昇だ。悪くない、と思われるかもしれないが、海外に目を向けると全く自慢できる成績ではない。同時期を比べてみると、オーストラリアの成長株に投資するファンドは+26.3%、ブラジルは+46%、そして中国は+53%だ。なぜ、米国株式市場はこうも遅れをとってしまったのだろうか?さっそく、マーチン・ワイス氏(MoneyandMarkets.com)の意見を聞いてみよう。

「アメリカは史上最大の貿易赤字を抱えています。それに、多額な財政赤字もあります。米国経済に重要な、自動車産業と住宅市場は低迷していますから、国内経済成長率は貧弱な+2.2%です。

これは、滅多にマスコミが取り上げることはありませんが、消費者のムードに変化が起きています。具体的に言えば、4月、110を記録した消費者信頼感指数は、11月、102.9に下落しています。2002年の2月、と言えば9月11日の惨事から、まだ回復ができていない状態ですが、60%の国民がアメリカ経済は良い方向に向かっている、と回答しています。しかし今日、この数値は、たったの25%にすぎません。

どうして消費者は、こうも悲観的になっているのでしょうか?長引くイラク戦争を指摘する人たちもいますが、大きな原因は二つあります。先ず、極めて低い貯蓄率です。そして、クレジットカードや車のローンなどの借金です。特に、ここ7年間の借金は異常なスピードで増えています。これだけの借金を抱えるには、普通なら200年ほどかかるはずです。

ブラジルとオーストラリアの株が好調ですが、両国には、広大な土地と豊な資源があります。しかし、オーストラリアには、一つ欠けているものがあります。労働力に必要な、人口が少ないのです。以前なら、ヨーロッパやアジアからの移民はアメリカに限られていましたが、最近はオーストラリアに人材が向かっています。この移民政策が成功して、ここ14年間、オーストラリアは不況に襲われたことがありません。

4年前、ブラジルに新政権が誕生した時、ウォールストリートはブラジル経済の大きな冷えこみを予想しました。しかし、現実は、その全く反対になったのです。ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は貿易に力を入れ、国内経済の再建に成功しました。それだけでなく、国際通貨基金から借りていた金も返済したのです。

ブラジル、オーストラリア、中国に投資する簡単な方法は、ミューチュアルファンドや上場投信を利用することです。注意したいのは、上げが続いている時に買うのではなく、利食いによる下げが来るのを待ってください。人気化しているものに飛び乗るのは、高値つかみになりやすいですから、気をつけてください。それから、資金の全部をブラジルやオーストラリアにつぎ込むのではなく、必ず一部を短期債券に回すことを勧めます。」

ウルトラ上場投信は来年の主役!?

次々と種類が増える上場投信(ETF)だが、最近ウルトラ上場投信という耳慣れないものが注目されている。先ず、簡単に説明しよう。NASDAQ 100 Trust Shares (QQQQ)をご存知の方もいると思うが、これはナスダック100指数に連動する上場投信だ。連動するわけだから、ナスダック100指数が1%上昇すると、QQQQも同様に1%上がるしくみになっている。

基本的に、ウルトラ上場投信もナスダック指数に連動するのだが、決定的な違いは動く幅だ。具体的に言うと、ウルトラ上場投信は、ナスダック100指数が1%上がると2%上昇する。だからデイトレードの場合、レバレッジが4倍あるから、ウルトラ上場投信をデイトレードするとレバレッジは8倍だ。

ナスダック100指数に連動するウルトラ上場投信は二つある。先ず、Ultra QQQ Proshares(QLD)。これは、ナスダック100指数が上がる、と思う時に買うものだ。繰り返しになるが、ウルトラ上場投信は動きが2倍になるから、ナスダック100指数が1%上がると2%上昇する。

次はUltre Short QQQ(QID)。Shortは「空売り」のことだから、もしナスダック100指数が下がる、と思う時にQIDを買う。言い方を換えれば、Ultra QQQ Proshares(QLD)がコール・オプション、そしてUltre Short QQQ(QID)は、プット・オプションのようなものだ。

ダウ指数に連動するウルトラ上場投信を記そう。上げ方向の予想なら、Ultra Dow30(DDM)を買い、下げの予想なら、Ultra Short Dow 30 (DXD)を買う。S&P500指数の場合も、二つのウルトラ上場投信がある。強気なら、Ultra S&P500 (SSO)を買い、弱気ならUltra Short S&P500(SDS)の買いだ。

投資心理の研究で有名な、ブレット・スティーンバーガー氏は、こんなことを発表している。「出来高を調べてみました。7月13日から先月末までを前半と後半で比較すると、Ultra QQQ Proshares(QLD)の出来高は+51%、そしてUltre Short QQQ(QID)の出来高は+217%です。明らかに、トレーダーや投資者は下げを予測しています。また、ファンドマネージャーたちは、ヘッジの意味でUltre Short QQQ(QID)、Ultra Short S&P500(SDS)、それにUltra Short Dow 30 (DXD)を利用しているようです。」

たしかに好調なマーケットが続いているが、スティーンバーガー氏の言うように、万が一に備えてウルトラ上場投信(空売り型)を買っておくのは良いアイディアだ。

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発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット