いよいよ来月に大統領選挙が迫った。10月2日(木)現在、intrade.comによれば、67.1対33.2でオバマ氏の当選を予想する人が圧倒的に多い。下がチャートだ。
(上がオバマ氏、そして下がマケイン氏。)
マケイン氏(共和党)のチャートを拡大してみよう。
10日移動平均線(1)割れ、MACDの売りシグナル(2)、この時点での下げは痛い。しかし、サポートゾーン(3)が迫り、売られ過ぎのストキャスティクス(4)を考慮すれば、そろそろ反発ラリーが展開されてもおかしくない。
オバマ氏(民主党)に移ろう。
10日移動平均線を突破(1)、MACDがクロスして買いシグナル(2)、とここまで順調に上げてきたが、直ぐ上にはレジスタンスライン(3)が控えている。それに、過熱気味のストキャスティクス(4)だから、ここでは買い難い。
残り一カ月。何としても、オバマ氏のブレイクアウトを防ぎたいマケイン陣営だ。
(参考にしたサイト: http://www.intrade.com/)
USA TODAYの調査によると、78%の米国市民は、政府による金融機関の救済が必要だ、と答えている。しかし回答者の多くは、ブッシュ大統領が提唱する7000億ドル救済案には懐疑的だ。
米史上最大の銀行破綻、と報道されているように、木曜夜、経営難に陥っていたワシントン・ミューチュアルが米貯蓄金融機関監督局によって業務停止が命ぜられ、連邦預金保険公社の管理下に置かれた。
破綻の大きな原因はサブプライム住宅ローンなのだが、このサブプライム住宅ローンは証券化され、モーゲージ担保証券という人気商品になった。しかし、住宅ブームが去り、最近倒産した大手証券リーマン・ブラザーズの例で分かるように、モーゲージ担保証券は金融業界に大打撃を与える結果になった。
そもそも、これだけ米国金融市場を混乱させる原因になったモーゲージ担保証券や不動産担保証券を、なぜ金融機関は積極的に投資家たちに勧めたのだろうか?
9月25日、ブルームバーグは非常に興味深いことを指摘している。下が要旨だ。
2004年8月、格付け会社ムーディーズは基準の甘い新しい格付け方法を導入し、これが金融機関でモーゲージ担保証券が優先されて顧客たちに販売される結果になった。2週間後、遅れては大変と、スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P社)も格付け方法を変更した。
2002年から2007年の間に、ウォール街は、3兆2000億ドルに及ぶサブプライム住宅ローン(主に低所得者を対象にした住宅ローン)をモーゲージ担保証券化し、AAAという最高の格付けをムーディーズとS&P社から得た。
「AAAという格付け無しでは資金が流れ込んできません。S&P社とムーディーズがしたことは、単に顧客を満足させただけでなく、顧客が要望する格付けを与えていたのです。」 ジョセフ・スティグリッツ氏(コロンビア大学教授)
「新格付け方法は、投資銀行に都合が良いように作られた、いい加減な方法です。言い換えれば、新格付け方法が、どん底へのレースを開始させたのです。」 トンコ・ガスト氏(ダイナミック・クレジット・パートナーズ)
さて、上記したように、木曜夜、ワシントン・ミューチュアルが破綻したわけだが、APがこんなことを報道している。
「金曜、S&P社は、連邦預金保険公社の管理下に置かれJPモルガンに吸収合併されたワシントン・ミューチュアルの無担保債を、更に格下げした。S&P社は、二日前にワシントン・ミューチュアルの無担保債をジャンク債(投資に不適格な債券)に格下げしたばかり。」
(情報源: http://www.usatoday.com/money/economy/2008-09-25-poll-results_N.htm?loc=interstitialskip
http://biz.yahoo.com/ap/080926/washington_mutual_s_p.html?.v=1
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601109&sid=ax3vfya_Vtdo&)
今日も議会で、バーナンキ氏(連邦準備制度理事会議長)が証言している。単純な言い方をすれば、ブッシュ政権のために、7000億ドルの経済救済案を議員たちに売り込んでいるわけだ。