US Market Recap

50のルール

オプション・マーケットのコンサルタントとして知られるウィリアム・エング氏は、トレードを成功に導く50の条件を、「Trading Rules: Strategies for Success 」という著書の中で説明している。さっそく見てみよう。

1、投資資金を10等分してリスクを分散すること。

2、1回だけで売買を成立させるのではなく2回に分けること。

3、頻繁な無駄なトレードをしないこと。

4、いったん出した儲けを損にしないこと。

5、トレンドに従ったトレードをすること。

6、状況を把握できない時はトレードしないこと。

7、耳より情報は金にならない。

8、適切な売買執行方法を使うこと。

9、気まぐれな手仕舞いをしないこと。

10、利益の一部を口座から下ろすこと。

11、配当金だけの目的で株を買わないこと。

12、難平買いはしないこと。

13、利益は大きく、損は最小限におさえること。

14、長期的な視野を持つこと。

15、買いと同様に空売りも積極的に利用すること。

16、単に低価格というだけで買わないこと。

17、買い増し、売り増しは適切にすること。

18、連勝する時はトレード回数を控えること。

19、マーケットの最中に、いままでやったことのない、新しい方法や考えを試さないこと。

20、大衆に従わないこと。

21、一度に多数の銘柄に手を出さないこと。

22、噂を買って、実際のニュース発表で売ること。

23、棚ぼた利益を逃がさないこと。

24、常に最新のチャートを使うこと。

25、資金を大切にすること。

26、マーケットに新しいことは起きない。

27、毎日儲けることはできない。

28、マーケットからシグナルが出たら、直ぐに対応できる資金がいつも手元にあること。

29、マーケットは間違っていない。間違っているのは、あなたの意見だ。

30、トレードが正しいなら、株価は思惑どおりの方向に直ぐ動く。

31、思っているとおりの方向に動いているなら、早まった手仕舞いをしてはいけない。

32、短期投資を長期投資にしてはいけない。

33、最初から儲け幅を限定してはいけない。

34、大きく下げた、というだけで買ってはいけない。大きく上げた、というだけで空売ってはいけない。

35、正常な状態で高値更新なら、その株は買いだ。

36、感情はトレードの妨げになる。

37、相場に甘い考えは通用しない。

38、大きな値動きは時間がかかる。

39、値動きの理由を、必要以上に詮索しないこと。

40、法外な利益を求めないこと。

41、リーダー株で儲けられない人は、指数トレードで儲けることはできない。

42、今日のリーダー株が、明日もそうである保証はない。

43、出来高の多い銘柄を売買すること。

44、仲間と共同出資した口座は勧められない。

45、ベアマーケットにサポートレベルはない。ブルマーケットにレジスタンスレベルはない。

46、売買判断を慎重にすること。

47、出動よりも、手仕舞いの方が難しい。

48、自分のトレードを他人に話さないこと。

49、サイクルが時間切れになれば、反転がやって来る。

50、全てのことをコントロールできない。その状況において、適切な対処をすること。

(注: 参照したサイトは下記。

http://www.amazon.com/Trading-Rules-Strategies-William-Eng/dp/0884629201

http://www.thekirkreport.com/2007/04/trading_rules_s.html

豪邸指数

最高経営責任者の自宅が、豪華であれば豪華であるほど、株価には悪影響になる。これは、アリゾナ州立大学のクロッカー・リュー氏と、ニューヨーク大学のデービッド・ヤーマック氏共著、「株主のマンションはどこ?」と題されたレポートに記されている結論だ。ということは、株を買う前に、先ず最高経営責任者の家を見る必要があるのだろうか?

実際にレポートを読んだマイケル・ブラッシュ氏は、こう語っている。トップが、あまりにも行き過ぎな金額で自宅を購入することは、株価下落を予知している。そもそも、莫大な金額を家に投入することは、自分の地位は永久に安泰、と最高経営責任者が安心しきっていることを示し、こんな状態では株主のことなど全く頭に無い。

実例を見てみよう。

パワー・ワン(PWER): 2000年8月、当時最高経営責任者だったスティーブン・ゴールドマン氏は、カリフォルニア州マリブに大豪邸を購入した。ベッドルームの数は6、浴室は7、そしてプール付きだ。ホームインフォマックスの見積もりによれば、購入当時の価格は330万ドル、そして現在の価格は1320万ドルほどになる。

ゴールドマン氏が豪邸を購入した時、パワー・ワンの株価は86ドル近辺で取引されていたが、年末には39ドル31セントまで下落した。しかし、それで終わったわけではない。2001年の9月には、なんと5ドル50セントの低レベルまで落ち込んだ。株価不振の理由は、インターネットバブル崩壊、と会社側は説明している。

ヒルトン・ホテルズ(HLT): 1990年末、最高経営責任者のスティーブン・ボレンバック氏は、カリフォルニア州ロサンゼルスに、約3エーカーの広大な土地を有する大邸宅を買った。このニュースで空売っていれば、45%ほどの利益を上げることができた。

ダラー・ゼネラル(DG): 最高経営責任者デービッド・パーデュー氏は、2004年、テネシー州ナッシュビルに6ベッドルーム、7浴室付きの大邸宅を建てた。株価は20ドル27セントで年末をむかえたが、翌年から下げが始まる。2006年の8月には、株価は12ドルを記録した。

逆例は、大投資家ウォーレン・バフェット氏が指揮をとるバークシャー・ハサウェイ(BRK.A)だ。1958年、ネブラスカ州オマハの普通の住宅街に、バフェット氏は3万1500ドルで自宅を購入した。株価の方は、1980年以来、+34820%の大成長だ。

ヤーマック氏によれば、に豪邸を買う最高経営責任者は、自分が完全に会社の主権を握ったと信じているから、役員たちの言うことなど全く気にしない。とうぜん、首を切られる心配などもしないから、全力で仕事をすることもない。

過去35年間を振り返って、実際に豪邸を買った最高経営責任者の株を空売り、バフェット氏のように、普通の家を買ったトップの株に投資したらどうなっただろうか?空売り、または買った6カ月後はS&P500指数の伸び率を15%上回り、1年後は29.2%、そして3年後は46%上回っている。「これほど優れた投資方法は、なかなか見つかるものではありません」、とヤーマック氏は付け加えている。

(上記の情報は、次のサイトから得たものです。

http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=970413

http://www.slate.com/id/2162989

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/CompanyFocus/CEOMansionsAStockIndicator.aspx

 

 

臨床心理学者からのアドバイス

「ウォール街」は好きな映画の一つだ、と臨床心理学者のアルデン・キャス氏は言う。パフォーマンス向上コーチとして、氏はヘッジファンド・マネージャーやトレーダーに、心理的な面からゴールの達成方法を指導している。更に、野球ファンの氏は、ヤンキースのアレックス・ロドリゲス選手を例にあげて、こんな話をしている。

8回二死満塁の場面で、一点を追うヤンキースは、強打者ロドリゲスがバッターボックスに立った。一発を期待するファンを裏切って、打球は平凡な二塁フライ。結局これがたたって、試合はヤンキースの敗戦で終了した。

野球の選手だけに限らず、私たちは、ここぞという重要な場面に直面することがある。勝負強い打者は「クラッチ・ヒッター」と呼ばれ、ファンを喜ばすものだが、トレーダーの陥る罠は、クラッチ・ヒッターをあまりにも意識しすぎることだ。

トレードの世界で、いつも重要な場面でヒットを打つことは不可能だ。それに、そのような現実的でない期待を自分にかけることは失望の原因になるだけでなく、必要の無いイライラ状態を引き起こすことにもなる。

現実を見てほしい。トップクラスの打者でも、10回打席に立てば7回は凡退だ。これは、トレーダーや投資家にも当てはめることができる。たとえ、あなたにどんなに経験があっても、トレードには好調なサイクルと、不調なサイクルがあることを事実として受け入れてほしい。

優秀なトレーダーでも、道理に合わない目標をたてて、自らパフォーマンスを崩してしまうことがある。そこで、次の点に注意してほしい。

・完全主義に陥らないこと。利益を上げる回数ではなく、トレードの質を重要視すること。一年を振り返ってみると、トレード利益のほとんどは、ごく限られたトレードから生まれている。

・シーズンは長い。またロドリゲス選手の例に戻るが、一度の凡退を必要以上に分析してはいけない。それは単に失望の度を大きくするだけだ。長いシーズン中には、とうぜんスランプもある。自分自身を信じて、今日の失敗は将来の成功につながることを覚えておこう。

・好調な波に乗っている時は、十分にそれを楽しむことも重要だ。更に、レバレッジを利用すれば、今までの損幅も低く抑えることができる。

パフォーマンス向上の専門家が、必ずしもトレードに好影響になるとは限らない。投資心理の研究家、ブレット・スティーンバーガー氏は、こんな実例をあげている。

何年か前、私は大手証券会社のトレーダーと話す機会があった。集中力に問題があると言うので、さっそく簡単な質問をしてみると、このトレーダーはトレード以外の状況でも、集中力に欠けていることが分かった。病院へ行って、詳しい健康診断を受けることを勧めたが、彼の集中力欠如は甲状腺機能の低下が原因だった。トレードコーチの助けを求める前に、先ず問題を正確に把握することが大切だ。

(上記は、http://traderfeed.blogspot.com/2007/04/what-you-should-think-about-before.htmlhttp://www.thestreet.com/_tsccom/newsanalysis/investing/10349224.htmlを参考にしています。)

 

社名はどこから来た?

セブン・イレブンがビジネスを開始したのは1927年。その時の店名は「トーテム・ストア」だった。店先にトーテム・ポールが建てられ、それが当時の、コンビニエンスストアのシンボルになった。そして1946年、朝7時から夜11時までの営業時間を反映させて、トーテム・ストアから「セブン・イレブン」に名前が変更された。ということで、今日は社名の由来を探ってみよう。

3M: Minnesota Mining and Manufacturing Companyというのが最初の社名だった。頭文字のMを取って3Mとなった。

Adobe Systems: Adobeは川の名前だ。会社を創立したJohn Warnock氏の家の裏に、Adobe Creekという川が流れていた。

Akamai: Akamai社のモットーはintelligent、cleverそしてcoolだ。Akamaiはハワイの言葉で、clever(賢い)という意味がある。

Alcoa: Aluminum Company of Americaを短縮したもの。

Amazon.com: 大河アマゾンから取られたものだ。大きな川のように成長したい、という願いを込めてCadabra.comから変更された。

AMD: Advanced Micro Devices の頭文字を取ったもの。

Apple : 創立者スティーブ・ジョブズ氏の好きな果物。当時コンピュータと言えば、IBMやDECなどの無味乾燥な名前が多かったため、他社との違いを強調する目的もあった。

BBC:  British Broadcasting Companyの頭文字を取ったもの。

BEA Systems: 三人の創立者、Bill Coleman、Ed ScottそしてAlfred Chuangの頭文字を取った。

Black & Decker: 二人の創立者、Duncan BlackとAlonzo G. Deckerから取ったもの。

BMW:  Bayerische Motoren Werke の頭文字を取った。

Boeing : 創立者William E. Boeingの名字だが、最初の社名はPacific Aero Products Coだった。

Dell: 創立者の名前、Michael Dellから取ったもの。

DKNY : Donna Karan New Yorkの頭文字。

FedEx: Federal Express Corporationを短縮したもの。

Google: Googolのスペルを意図的に変えたもの。Googolには「天文学的数字」という意味がある。

IBM: International Business Machinesの頭文字を取った。

JAL : Japan Airlines の略。

JVC: Japan Victor Company の頭文字。

Kinko's: 創立者Paul Orfalea氏は、大学時代「Kinko」というあだ名で呼ばれていた。

Kyocera: Kyoto Ceramicsの短縮形。

McDonald's: 創立者の名前。Dick McDonald、Mac McDonald

Microsoft: ビル・ゲイツ氏が命名した。microcomputer softwareという二つの言葉を合わせたもの。

Minolta:  1928年、日独写真機商店という名前でスタートした。Minoltaに変わったのは1934年。「実る田」という意味があるらしい。

Nabisco: National Biscuit Companyから取ったもの。

Pennzoil: Penn Oil とZapata Oilの合併で出来上がった社名。

Starbucks : 「白鯨」に登場するキャラクター。

Texaco : The Texas Company U.S.Aを短縮したもの。

Wal-Mart: 創立者Sam Walton から取ったもの。

(上記の情報は、下記サイトより集めたものです。

http://www.sej.co.jp/oshiete/rekishi/rekishi02.html

http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_company_name_etymologies

 

 

週末話題になった銘柄

先ず、多くの投資家に読まれるBarron'sから見てみよう。

PetSmart(PETM): ペットは単なる動物ではなく、いまや家族の一員だ。ペットフーズやペット用品の需要は伸び続け、PETMの株価も更に20%ほどの上昇が期待できる。

ヨーロッパ最大の保険会社、Allianz(AZ)の株価は正当な位置で取引されていない。ライバルのAXA(AXA)と比較すれば、Allianzの株価は低すぎる。

2007年度の予想される一株利益で計算すると、Gannett(GCI)の株価収益率は割安な12だ。これは、低迷するアメリカのニュース業界が反映されているが、Gannettはテレビ部門を分離独立させる可能性がある。更に、増配の話も出ているから、株価の方は現在の56ドルから65ドルほどに達する見込みがある。

1998年以来、毎年約16%の成績を上げているアル・フランク・アッセット・マネージメントは、Microsoft (MSFT)、Pfizer (PFE)、Cypress Semi (CY)、DR Horton (DHI)、IndyMac Banc (NDE)、そしてRowan (RDC)などが有望だと言う。

ストリート・ドット・コムを覗いてみよう。

買われ過ぎの上場投信: iShares S&P MidCap 400 Index (IJH)、iShares S&P MidCap 400 Growth Index (IJK)、Oil Services HOLDRs (OIH)

売られ過ぎの上場投信: iShares Lehman Aggregate Bond (AGG)、Biotech HOLDRs (BBH)、iShares Cohen & Steers Realty Majors (ICF)、iShares iBoxx $ Invest Grade Corp Bond (LQD)、Regional Bank HOLDRs (RKH) 

CNNにはこんな報道がある。大投資家のウォーレン・バフェット氏は、10%以上に相当するBurlington Northern Santa Fe Corporation (BNI)の株を買い占めている。

USA TODAYのコラムで、ジョン・ワゴナー氏は割安なクローズドエンド型投資信託を紹介している。(数字は割安率)

Equus Total Return, Inc. (EQS) 22.4%、Mexico Fund Inc. (MXF) 15.9%、DWS RREEF Real Estate Fund II, Inc. (SRO) 14.6%、DWS RREEF Real Estate Fund II, Inc. (SRO) 14.5%

さて、金曜に発表された雇用統計に、株式市場はどう反応するだろうか。ティム・ロジャーズ氏(ブリーフィング・ドット・コム)は、こんな見方をしている。

「低迷する住宅市場や製造業からの影響は全くなく、アメリカの雇用状況は相変わらず強い。失業率は4.4%、それに現在のコアインフレ率はここ12年間で最高の水準だから、連銀が金利引下げに踏み切ることは有り得ない。」

となると、月曜は売り手が活発になりそうだ。

雇用統計、議事録、物価指数、決算シーズン

グッドフライデイで株の取引は休みだが、米国の祭日ではないから、予定どおり3月分の雇用統計が発表された。非農業部門の新規雇用者数は+18万、と予想された+12万を上回り、失業率は2月の4.5%から4.4%に下がった。いったい、これらの数字には、どんな意味があるのだろうか?

先ず、強い雇用統計ニュースで国債が売られた。10年債価格は18/32下がり、利回りは木曜の4.67%から4.75%に上がった。予想以上に好調な雇用状況は、インフレ率上昇を引き起こす可能性があり、これで投資者たちが期待している、今年中の金利引下げは実施されそうもない。

株式市場の反応は、月曜まで待たなければならないが、利下げが望めなくなっただけでなく、逆に引き上げの恐れが出てきたのだから、トレーダーたちは売ってくることだろう。「マーケット関係者は、連銀による金利引下げが、近いうちに起きることを期待していました。この期待を裏切る材料は、全て株式市場に悪影響です」、とライデックス・インベストメントのスティーブン・サックス氏は言う。

新規雇用者数と、失業率以外を見てみよう。平均時給は予想どおりの+0.3%になり、年間ベースに換算すると+4%だ。12月の4.3%から減少しているとは言うものの、時間給に大きな関心を示す連銀にとって安心できない数字だ。

金利動向に関する読みは、フェデラルファンズの先物に表れる。雇用統計発表後の動きを調べてみると、5月の金利引下げの可能性は0%。そして、6月に金利が5.25%から5%に引き下げられる可能性は12%だ。アクション・エコノミクス社のアナリストは、こんな見方をしている。「夏の終わりまで、連銀は金利据え置き姿勢を変えることはないでしょう。しかし、年末までを考慮すると、引き下げではなく引き上げになる可能性の方が高い、と結論することができます。」

更に来週注目されるのが、水曜に公開される、先回のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録だ。インフレを懸念する連銀の態度が明確に記されているようなら、言うまでもなく株には悪材料になる。もちろん、金曜に発表される生産者物価指数も忘れてはいけない。もう一つ、火曜のマーケット終了後にはアルコアの決算を控え、本格的な決算シーズンも始まる。

さて、雇用統計と聞くと、職業という言葉が頭に浮かんでくる。Kiplinger.comが紹介する、2007年度、アメリカで最も有望な職業を見てみよう。

1、歯科矯正医: 開業すると、20万ドル以上の年収が見込める。

2、検眼士: これも独立開業することが可能であり、年収は10万ドル以上を期待できる。

3、オーディオロジスト: 補聴器を作るには、オーディオロジストに耳を検査してもらう必要がある。検眼士ほど年収はないが、伸びている職種だ。

4、図書館員: もはや古いイメージの図書館員を想像してはいけない。テクノロジーの発達に伴い、図書館は近代化しているから、図書館員には高度なコンピュータ知識が要求される。ほとんど図書館員には残業もなく、職も極めて安定していると言える。

(上記の情報は、次のサイトから集めたものです。http://www.marketwatch.com/news/story/jobs-report-set-weak-tone/story.aspx?guid=%7B5196E765%2D803C%2D4B25%2D9C8F%2DCC7F02E25932%7D

http://money.cnn.com/2007/04/06/news/economy/jobs_march1/index.htm?postversion=2007040612

http://www.kiplinger.com/columns/onthejob/archive/2007/job0402.html

 

 

会計士の声を聞いてみよう

4月17日は確定申告の最終日だ。所得税申告書に書き込んで、管轄税務署に届ければ済むことなのだが、この申告書がやたらと分かりにくい。下手に間違ったことを記入して、罰金など喰らっては大変だから、けっきょく会計士の助けを借りることになる。もちろん、今から会計士に電話をしても、時期が時期だけに会って相談するのは無理だろう。

考えてみれば、会計士ほど正確に、アメリカの一般家計状況をつかんでいる人たちはいないだろう。ひょっとしたら政府の発表する数字より、会計士の意見を聞く方が役に立つかもしれない。

そこで紹介したいのが、ハーブ・グリーンバーグ氏(ファイナンシャル・コラムニスト)へ送られたEメールだ。

私は高額所得者を専門にする会計士ですが、裕福な人たちの家計状況の悪化に驚いています。悪化の原因は、収入の範囲をはるかに超えた生活スタイルです。収入を超えると言っても、年収が下がっているのではありません。

家計を下降させた具体的な理由として、この会計士は、三つの要素を挙げている

1、あまりにも不注意、計画性の無い住宅担保ローンの利用。

2、頻繁すぎるクレジットカードの利用。月々の返済は、定められた最低金額のため残高は全く減らず、課される利子だけでも馬鹿にならない。更に、支払いが一日でも遅れると罰金も追加されるから、残高は増える一方だ。

3、月々の支払いをまかなうために、多くの人たちは、401K(企業年金制度)や個人退職年金から金を引き下ろしている。

会計士に限らず、ファイナンシャルアドバイザーなら、退職するまで絶対に年金には手をつけるな、と忠告する。しかし金持ちたちは、犯してはいけない掟を破っているわけだ。

税金のことなど書いたら、やはり気分が滅入ってきた。皆さんは、手軽な気分転換方法をご存知だろうか?特にトレードをされている方なら、気分転換の重要性を身をもって経験されたことだろう。それでは、7つの気分転換方法からいくつかを紹介しよう。

・先ず立ち上がろう。電話をする時は、部屋を歩きまわるのも良い。10分間、外で速歩きをするのも効果的だ。動作を速めることで、新陳代謝が高まり結果的に気分転換につながる。

・机の上を片付けよう。ゴミを捨てる、書類を整理する、メールに返答する。こんなことが気分転換に役立つ。

・楽しい計画を立てよう。週末はハイキングに行こう、あの本を読もう。心がワクワクする計画を立てよう。

・楽しそうにふるまうこと。ニッコリと笑ってみよう。とにかく笑みを浮かべ続けること。研究結果が示すように、たとえそぶりだけでも気分転換には大きな効果がある。

サブプライム融資とオートバイ

最近、サブプライム融資という言葉を聞かないで一日を終えることはない。サブプライムのスペルはsubprimeだが、これはsubとprimeに分けることができる。subには「下」という意味があり、primeには「第1級の、主要な」といった意味がある。だから、subprimeは「第1級以下」ということになり、サブプライム融資というのは、低所得者やクレジット歴の悪い人たちを対象にしたローンのことだ。

サブプライム融資問題が、低迷する米国住宅市場を更に悪化させる、という報道が毎日のようにされている。しかし、ファイナンシャル・コラムニストのマイケル・ブラッシュ氏は、「サブプライム融資問題は、既に他のセクターに広がっている」と言う。氏の話を要約しよう。

サブプライムが原因で下げたのは住宅銘柄だけではない。アメリカを代表するオートバイメーカー、ハーレーダビッドソン(HOG)もサブプライムの犠牲株だ。ハーレーダビッドソンは単なるオートバイメーカーではなく、融資会社も経営している。特別注文のオートバイは、2万5000ドル(296万円)もするから、どうしてもローンの必要性が生じてくる。現に、約半数がハーレーから融資を受けているのだが、最近毎月の支払いが不可能になっている人たちが増えている。

とうぜん、サブプライム融資に消極的になるわけだが、そうなるとオートバイの売上が低下することになる。結局ハーレーは、11%から17%増を見込んでいた2007年度の収益を、4%から6%増に下方修正した。もちろん、これは売り材料になり、70ドル以上だった株価は59ドルまで叩かれてしまった。

現在、ハーレーは60ドル70セント前後で取引されている。ブラッシュ氏は、59ドル以下の指値買いを計画し、更に下がるようなら買い足す方針だ。11月につけた75ドルが目標株価に設定され、30%近い利益を狙っている。言うまでもなく、氏のやり方はファンダメンタルに基いたものであり、チャートや指標に頼ったテクニカルな方法ではない。

ファンダメンタル的に、ハーレーが買える理由を、ブラッシュ氏はこう説明している。

・ハーレーには強力なブランドイメージがある。既存するファンを維持するだけではなく、女性、黒人、そしてラテン系市場開拓にも成功しそうだ。

・アメリカ国内だけでなく、海外市場への進出にも積極的だ。前四半期のヨーロッパでの売上は+29%、そして前々四半期の売上は+18%だった。更に、中国やインド市場への進出も計画している。

・キャッシュフローが良好だから、積極的な自社株買戻しが実行されそうだ。

参照したブラッシュ氏のコラムは下記。

How Harley stock could roar back

フェイバー氏の予言、今度も当たる?

米国株式市場は、ベアマーケットの入り口に立っている、と言うのは1987年の暴落を予想したマーク・フェイバー氏だ。過去100年間を振り返ってみると、ベアマーケットは3.3年に一度の割合で起き、1929年から1932年のベアマーケットでは、ダウ指数は89%の大幅下落を記録した。

言うまでもなく、下げ相場と仲良く持ち株を塩漬けにしてしまうのは面白くない。できれば、うまく乗り切りたい。良いアイディアはないものだろうか?さっそく、ダン・カプリンガー氏の意見を聞いてみよう。

投資者にとって、下げ相場を耐えることほど難しいものはない、と氏は言う。特に、暴落に怯えて株を完全にやめてしまおう、と決心する人もいるくらいだから、下げに対する恐怖は並大抵なものではない。しかし、カプリンガー氏は、次の暴落のことなど考える必要は無い、と主張する。

・下げ相場だからといって、全ての株が暴落するわけではない。前回のベアマーケットからも分かることだが、大きく下げたのはシスコ・システムズ(CSCO)やインテル(INTC)などの人気ハイテク銘柄だ。違った言い方をすれば、暴騰していた銘柄ほど、ベアマーケットでの下げは厳しいものになる。逆に、食品銘柄などは上げているから、下げ相場でも伸びる株は存在する。

・下げ相場を乗り切るためには、バランスのとれたポートフォリオを作成することだ。ベアマーケットだからといって、100%株を避けるのは正しい態度ではない。

・ほとんどの場合、下げ相場は思ったほど悪くならない。

さて、話を「米国株式市場は、ベアマーケットの入り口に立っている」、と言ったフェイバー氏に戻そう。

・経済の減速、悪化するインフレを考慮すると、マーケットは2月の高値を突破するより、下げ方向に動く可能性の方が高い。

・銀行、証券会社などの金融関連銘柄の低迷は、マーケットの暗い先行きを示唆している。

・米国政府から発表されるインフレデータには、食料品などの値上がりが、どう一般家庭に影響を与えているかが、適切に反映されていない。実際のインフレ状態は、政府が示すようなおだやかなものではない。

・中国も含めて、新興市場の下落幅は、米国株式市場より深刻なものになる。余剰流動資金が新興市場の大きな原動力になっていたが、反対に資金が引き締め方向に動くと、新興市場は簡単に崩れるおそれがある。

・1月の安値以来、クルードオイルは28%の上昇ラリーを展開した。安いオイルが、株上昇を助けていたが、これからはオイルの下落を見込むことができない。

・サブプライム融資問題の拡大が懸念される。

相性の良い銘柄を選べ

打率は7割5分。ストック・トレーダーズ・アルマナックのデータによれば、過去12年間を振り返ると、ダウ指数の4月初日の成績は12打数9安打だ。それでは、4月全体ならどうなのだろうか?1950年以来の結果を見ると、平均で+1.8%だから、4月はダウ銘柄が好調だ。

もう一つ付け加えると、ダウの調子が良いのは4月の前半になる。理由は、4月の後半に決算発表が集中しているためだ。言い換えれば、前半に決算の良さそうな銘柄を買って、実際の決算発表が売りのタイミングに使われる傾向がある。

さて、株を売買する目的は利益を上げることだが、皆さんは損を出した場合、その銘柄に復讐してやろう、と誓うリベンジ派だろうか?これに関して、デイトレーダーチーム・ドット・コムのアンディー・スワン氏が、こんなことをブログに書いている。

復讐トレードはこんな形で始まる。

1、XYZ株のトレードで損を出す。
2、この損を、XYZからの個人的な攻撃と受け止め、復讐を決断する。
3、XYZを再トレードし、結局また損を出す。
4、上記のステップを繰り返す。

もちろん、スワン氏は「そんな馬鹿らしいトレードは止めなさい」、と言う。

1、株は生き物ではない。あなたが、その株で勝っても負けても、株には何の変化も起きない。

2、同じ銘柄で損を繰り返す、という事実は、あなたには、その株のトレード方法が分かっていない。それよりも、自分と相性の良い銘柄を選ぶことが大切だ。

3、一日の終わり、月の終わり、年の終りに利益が出ていることが重要であり、どの株で勝った負けたは関係無い。今年を+45%の成績で終了できるなら、XYZで負けたことなど気にならない。

次に紹介したいのは、ストレートなコメントで人気のある、ジェフリー・サウト氏(レイモンド・ジェームズ)の意見だ。

住宅市場の低迷は、まだ他のセクターに悪影響を与えていない、と言う人たちに質問したい。家電製品の大手小売店、サーケット・シティーは3400人のトップセールスマンを解雇して、なぜ成績のパッとしないセールスマンと入れ替えたのだろうか?同様に、シティグループは、なぜ1万5000人の社員を減らすのだろうか?まだ有る。サブプライム融資問題が拡大していないなら、なぜサブプライム金融会社が、次々と倒産しているのだろうか?

サウト氏も指摘していることだが、何と言っても痛いのは住宅価格が下降している事実だ。以前のような住宅ブームなら、ローンの借り換えをして、好きなだけの現金を手に入れることができた。しかし、今日のような状態では、どこの銀行も借り換えに消極的だ。おまけに、変動利率で住宅ローンをした人が大勢いるから、月々の支払いが上がっている。もちろん、余分に金がかかるのだから、個人消費には悪影響だ。以上のようなことを考え合わせれば、住宅市場の低迷が他セクターに広がるのは時間の問題だ。

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