US Market Recap

売りを考えるのは早過ぎる?

ブルマーケットが始まってから既に4年以上が経過した。しかし、トウェデル・ゴールドバーグ・インベストメントのスティーブン・ゴールドバーグ氏は、まだこの上げ相場は続くと強気だ。氏の意見を聞いてみよう。

2月27日、株式市場は416ポイントの急落を経験したが、マーケットの上げ方向に変わりはない。このマーケットを空売ってはいけない。

たしかに、米国経済成長は減速し、住宅市場も更に下げが続くことだろう。しかし、アメリカが不景気に陥ることはない。連銀は、不景気よりもインフレを心配しているようだが、このインフレも大きな問題にはならない。現在の金利据え置き政策は、長期間にわたって継続され、結果的には金利引下げが実施されることだろう。

と言っても、株式市場が順調に進むわけではない。サブプライム融資問題、財政赤字と貿易赤字、それに地政学的問題などがあるから、これほど株の不安材料が多い時代はいまだかつて無い。

スタンダード・アンド・プアーズ社のマーク・アーベター氏が、二つの興味深いチャートを見せてくれた。一つは、2002年から始まった現在のブルマーケット。そしてもう一つは1982年から1987年のブルマーケットだ。時代は違っていても、ほぼ同様な動きだから驚かされる。覚えておられる方々も多いと思うが、1987年10月19日、ダウは22.6%の暴落を演じてブルマーケットが終焉となった。

「今回のブルマーケットも、1982年から1987年のブルマーケットと同様に、10%以上の下方修正をしたことがありません。2月の急落以来、マーケットのボラティリティは増大し、また鋭い下げに襲われても不思議ではありません」、とサム・ストボール氏(スタンダード・アンド・プアーズ社)は言う。

だが、ストボール氏は弱気論者ではない。「私たちは、現在のブルマーケットを過小評価していたようです。マーケットは、今年の経済と企業収益の下降を既に織り込み、来年の上昇を予測しています。」現に、トムソン・ファースト・コールの調べによると、アナリストたちは2008年の企業収益が、11%増になることを予想している。

チャック・ゼンダー氏(ルーソルド・グループ)はこう語る。「一般の投資家から、プロの投資家を調べて分かることは、皆あまりにも弱気です。これが意味することは、口座には、まだ十分な現金が残っているということです。いまだに投資者は、2000年から2002年のベアマーケットを忘れることができないようです。」

(参考にしたサイト: http://www.kiplinger.com/columns/value/archive/2007/va0423.htm

アーニングサプライズとゴキブリ

今日のマーケットを動かしているのは、投資信託、年金基金、それにヘッジファンドなどの機関投資家だ。いったい、ファンドマネージャー達はどのように株の売買判断をするのだろうか?さっそく、ハリー・ドマッシュ氏 (WinningInvesting.com)の話を聞いてみよう。

大量に株を保有するミューチュアルファンドは、一日や二日で、全ての持ち株を処分することができない。場合によっては、数週間に及ぶ時間が必要になる。私たち個人投資家は、ファンドマネージャーの考え方を理解することで、彼らよりも一歩先に行動することが可能になる。

毎年、大手証券メリルリンチは、約200人のファンドマネージャーたちからアンケートを取っている。各ファンドマネージャーに質問されることは、「株売買を判断する上で、最も重要な要素は何ですか?」というものだ。一番多かった回答を見てみよう。

アーニングサプライズ: 収益成長率を予想するのに役立つのがアーニングサプライズだ。発表された一株利益が予想以上ならポジティブ・サプライズ、そして予想以下ならネガティブ・サプライズと呼ばれる。好決算を発表した企業の株に買いが集まることで分かるように、アーニングサプライズは株価にモメンタム(弾み、勢い)を付ける。そこで、ファンドマネージャーは強い収益成長を継続することが可能な企業を中心に買う。

ファンドマネージャーたちは、「アーニングサプライズはゴキブリのようなものだ」と言う。もし台所に一匹のゴキブリを発見すれば、おそらく、まだ数百匹どこかに隠れていることだろう。アーニングサプライズもそれと同じだ。ポジティブ・サプライズやネガティブ・サプライズが一回だけで終わることはない。一回良い発表をすれば、それが長く継続する確率が高い。

一般的に、ポジティブ・サプライズの場合、予想された一株利益を2セント以上超えると株価に好影響になり、ネガティブ・サプライズの場合は、たった1セント下回っただけでも大きく売られる。

アーニングサプライズを調べるには、ヤフー・ファイナンスが役に立つ。マイクロソフト(MSFT)で見てみよう。Get Analyst Estimates forの右にMSFTと入れて、GOをクリックする。少し下へ行くとEarnings Historyがある。注目はSurprise %だ。2006年3月の決算は、マイナス3%のネガティブ・サプライズ。しかし、2006年の6月決算からポジティブ・サプライズが続いている。これが、「アーニングサプライズはゴキブリのようなものだ」、と言われる原因だ。

もう一つ、割高な株をつかまないために、PEGレシオも利用しよう。これも、ヤフーファイナンスで見ることができる。載っているのは、一番下(PEG Ratio (avg. for comparison categories) )だ。2を超えると割高になり、マイクロソフトはまだ1.43だから、株価は過熱状態ではない。

(参考にしたサイト: http://www.winninginvesting.com/

ナスダック100指数はマイナス50.51%

ダウ指数が新高値を記録した、と繰り返し報道されているが、少し違った角度から見てみよう。マーケットが天井だった、1999年の12月31日と比べてみると、ダウ指数は単に11.1%上がっただけにすぎない。先週、同様に高値を更新したS&P500指数は+0.15%、そしてナスダック指数はマイナス38.15%だ。

1999年12月31日以来、最も伸びた指数は+129.84%の成績を上げた、S&P 600 Small-Cap Value(小型割安株指数)だ。主な指数の結果を見てみよう。

S&P 600 Small-Cap Value............129.84%
S&P 600 Small-Cap......................115.01%
S&P 400 Mid-Cap Value...............109.02%
S&P 600 Small-Cap Growth..........98.15%
S&P 400 Mid-Cap...........................97.07%
S&P 400 Mid-Cap Growth..............84.92%
Dow Utilities...................................82.35%
Dow Transports..............................70.70%
Morgan Stanley Cyclical.................68.33%
Russell 2000...................................64.23%
Morgan Stanley Consumer.............36.02%
S&P 500 Value...............................29.95%
Dow.................................................11.10%
Russell 3000....................................8.19%
Wilshire 5000..................................7.95%
Russell 1000....................................4.60%
S&P 500...........................................0.15%
S&P 100........................................-15.04%
S&P 500 Growth...........................-23.75%
Nasdaq...........................................-38.15%
Nasdaq 100...................................-50.51%

さて、上の数値からどんな結論を引き出すことができるだろうか?テレビで取り上げられるのは、太字にしたダウ、S&P500、そしてナスダックの3指数だ。極めて限られた指数だけが報道されているわけだから、マスコミに頼っていると、正確なマーケット状況をつかむことができない。

投資するなら割安株が有利だ。(Valueは割安、Growthは成長株を表す)たとえば、S&P 600 Small-Cap Valueは+129.84%、そしてS&P 600 Small-Cap Growthは+98.15%。S&P 400 Mid-Cap Value(中型割安株)は+109.02%、そしてS&P 400 Mid-Cap Growthは+84.92%。大型割安株のS&P 500 Valueは+29.95%、そしてS&P 500 Growthはマイナス23.75%だ。

更に上の数字が明確に示すことは、危険だと言われる小型株の成績が、安全と言われる大型株を上回っている。「寄らば大樹の陰」、という諺があるが、くれぐれも老齢化した大樹には気をつけよう。

(データはhttp://www.crossingwallstreet.com/archives/2007/04/breaking_the_sp.htmlからです。)

5分で出来るファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析は、時間のかかる面倒なもの、と思っていないだろうか?しかし、「プロの銘柄選択法を盗め!」の著者ハリー・ドマッシュ氏は、7つの項目を調べるだけで良いと言う。さっそく見てみよう。

 

1、借金があり過ぎないだろうか?

大きな負債を抱える会社は、負債の少ない会社より投資リスクが高くなる。ここで、注目してほしいのが負債資本比率(D/E)だ。この数字は簡単に見つけることができる。まず、ヤフー・ファイナンスにアクセスする。GET QUOTESのところに、株のシンボルを入れてクリックする。ここでは、アップル(AAPL)でやってみよう。

株価が表示されているが、左側のCompanyの下にKey Statisticsがあるから、そこをクリックする。FINANCIAL HIGHLIGHTSから下へ進むと、Balance Sheetがある。その中の、Total Debt/Equity(mrq)が負債資本率だ。N/Aになっているが、これはアップルの借金が0であることを示している。もしそこが1以上の数字なら、借金の抱えすぎだ。

2、会社の規模は小さ過ぎないだろうか?

リスクを低くするには、時価総額が10億ドル($1 Billion )未満の小型株を避けよう。この数値も、同じウェブページで見つけることができる。Key Statisticsの直ぐ下に、VALUATION MEASURESがある。その中のMarket Cap(intraday)が時価総額だ。アップルは78.24B(782億4000万ドル)だから、全く問題ない。

3、利益は十分にあるだろうか?

株主資本利益率をチェックしよう。ほとんどの場合、5%から25%の範囲だが、15%未満は避けたい。株主資本利益率は、Management Effectivenessの下にある。Return on Equity (ttm)がそれだ。アップルは24.77%だから合格だ。

4、ミューチュアルファンドや年金ファンドが買っているだろうか?

銘柄の機関所有率を確かめよう。40%未満の数値は、機関投資家たちが、その銘柄に興味が無いことを示しているから避けたい。これは、Share Statistics の下、% Held by Institutionsだ。アップルは69.40%だから問題ない。

5、空売り残が多過ぎないだろうか?

現在ある空売り残を、全て買い戻すのに必要な日数をshort interest ratio という。この数値が10以上の銘柄は避けたい。これは、Share Statistics の下に、Short Ratio と記されている。アップルは1だから合格だ。

6、現金の無駄使いをしていないだろうか?

キャッシュフローがマイナスの企業を、投資対象から外そう。Cash Flow Statementの下、Operating Cash Flowを見てほしい。アップルは3.75Bというプラスの数値だから、全く問題はない。

7、株価は割高でないだろうか?

ここで役立つのが、予想される利益で計算した株価収益率だ。VALUATION MEASURESの下の、Forward P/Eというのがそれだ。40以上は割高を示し、アップルは23.14とまだ割安だ。

以上7項目を調べたが、アップルはファンダメンタル的に問題はない。あとはチャートを見て、買いのタイミングを探すだけだ。

(参考にしたサイト: http://www.winninginvesting.com/risk_score_sheet.htm

 

まだ中国関連株は買い?

サブプライム融資問題は、アメリカを不景気に陥らせることはないが、予想以上に深刻な事態に発展する、とケン・ヒーブナー氏は言う。CGMフォーカスのファンドマネージャーとして活躍する氏は、毎年19%の利益を上げ、これは年平均+13%のS&P500指数を上回る成績だ。Kiplinger.comに掲載された、氏のインタビューを見てみよう。

米国の一部の地域では、2000年から2005年の間に、住宅価格が倍以上になった。問題なのは、2004年から2005年までの上昇は、本来なら住宅ローンが不可能な人たちが、多数住宅市場へ参入し、住宅市場が超投機化したことだ。最初から無理なローンだから、とうぜん月々の支払いが苦しくなり、差し押さえになる物件が急増している。

こんな状態だから、あと1年ほど住宅市場の低迷は続くことだろう。個人消費も落ち込み、経済も減速することになるが、これで連銀は短期金利を引き上げる必要がなくなった。これは株に好材料だ。

外に目を向けると、中国やインドの例で分かるように、世界経済はここ30年間で、最も力強い成長を見せている。この世界経済の発展で、大きな利益を上げているのが投資金融業者(インベストメント・バンカー)だ。業界リーダーはゴールドマン・サックス(GS)、そしてモルガン・スタンレー(MS)とメリル・リンチ(MER)の収益が好転している。

さて、ヒーブナー氏の指摘する中国が、また経済ニュースのヘッドラインになった。APの報道によれば、第1四半期、中国経済は年間ベースで11%の伸びを記録し、インフレ率もここ2年間で最高の水準に達した。「急ピッチな成長は、経済の過熱を引き起こす心配がある」、という政府関係者のコメントは、近いうちに金利引き上げがある、と各国のマーケット関係者は解釈したようだ。

おだやかな成長は有益だが、悪性のインフレに襲われたのでは話にならない。こんな状態でも、まだ中国は魅力のある投資先だろうか?ストリート・ドット・コムのビデオで、ジム・クレーマー氏はこう語っている。

中国の速すぎる経済成長は、今日始まったことではない。更に、中国政府は効果的に経済速度を抑制することはできないだろう。とにかく今は、上がりすぎた中国関連株が、完全に下げきるのを待つ時だ。下げが一段落したら、BHP Billiton (BHP)、Lundin (LMC)、Freeport McMoRan (FCX)、Peabody (BTU)、Arch Coal (ACI)などのエネルギー、資源関連株が狙える。

中国以外に、クレーマー氏はこんなことを付け加えている。「手数料の割引は、Eトレード(ETFC)やアメリトレード(AMTD)に何の好影響も与えなかった。これで、2月のマーケット急落が、いかに大きなダメージを個人投資者たちに与えたが分かる。」

(参考にしたサイト: http://www.kiplinger.com/magazine/archives/2007/05/heebner.html?kipad_id=6

http://www.usatoday.com/money/world/2007-04-19-china-economy_N.htm

http://www.247wallst.com/2007/04/cramers_way_to_.html

言葉の罠

こんなに明確なチャートパターンなのに、なぜ買えなかったのだろう?とにかく、買うべきだった、と後悔することがある。しかし、この考え方の危険性を指摘するのは、「The Psychology of Trading(トレードの心理学)」の著者、ブレット・スティーンバーガー氏だ。正確に言えば、一つの単語が悪影響になるのだが、氏の意見を要約してみよう。

トレードするべきだった、と簡単に口にするが、この「するべき(should)」という言葉には気をつけないといけない。こうするべきだった、という表現は期待どおりに行動できなかった自分を示すだけだから、私たちに心理的なダメージを与えることになる。

更に、shouldというボキャブラリーは、間違った判断をする原因になる。例を挙げよう。

・The dollar is plunging, so we should get inflation and the market should drop! 「ドルが急落している。これはインフレを引き起こし、マーケットを下落させるにちがいない。」

・The market is in an uptrend, so we should rally today! 「マーケットは上昇基調だから、今日はラリーがあるはずだ。」

・We're in a growing deficit as a country; we're mired in Iraq; oil prices are skyrocketing, so we should have a bear market! 増大する財政赤字、長引くイラク戦争、急騰するオイル。株式市場は、ベアマーケットに襲われるにちがいない。」

少なくとも、こう結論することができる。優れたトレーダーになりたければ、自分の相場観に固執するのではなく、実際の値動きを観察することが大切だ。

違った例を使って、「WAY of the TURTLE」の著者、カーティス・フェイス氏(タートル・トレーダーとして知られる)は、こんな話をしている。

勝率の高いパターンが現れた時、トレーダーたちは売買を執行する。ベテラントレーダーなら、どんなに良いパターンでも、思惑が外れることがありえることを承知している。しかし、新人トレーダーには、そのことが理解できない。高勝率パターンで損を出すと、パターンそのものを疑い始め、せっかくのトレード手法を捨ててしまうのだ。

新人トレーダーは、マーケットは自分の見方どおりに動くと思っている。特に、時間をかけて出した分析結果なら尚更だ。ようするに、株は綿密な分析さえすれば、正確に値動きが予測ができる、と信じきっているのだから、完全に現実を無視しているとしか言いようがない。もちろん、こんな状態では損切りなどもってのほかだ。

ベテラントレーダーは、マーケットが常に正しいことを知っている。とにかく、自分が何をどう分析しようと、そんなことにマーケットは全く興味がないのだから。

(参考にしたサイト: http://www.wayoftheturtle.com/2007/04/18/truth-or-fiction/

http://traderfeed.blogspot.com/2007/04/most-dangerous-word-in-traders.html

 

5種類の愚かな投資家

サブプライム融資問題は、更に米国住宅市場を悪化させる原因になり、不動産投資は完全に冷え切っている。「単に下落する住宅価格に怯えるのではなく、賢明な投資家なら現状を正しく把握して、逆にこの悪い状態を利用することを考えるべきだ」、と「金持ち父さん、貧乏父さん」の著者、ロバート・キヨサキ氏は言う。氏の意見を聞いてみよう。

なぜサブプライム融資は、ここまで深刻になったのだろうか?

1、2001年初め、株式市場をベアマーケットから救うために、連銀は短期金利を結果的に1%まで下げた。しかし、この低金利政策は株式市場を直ぐに回復させることはなく、恩恵を受けたのは住宅市場だった。

2、株式市場が低迷していても、年金ファンド・マネージャーたちは有利な投資を見つけて、利益を上げなくてはならない。ここで注目されたのが、不動産ブームだ。年金ファンド・マネージャーは、資金をヘッジファンド、プライベート・エクイティ・ファンド、そして住宅ローン会社へ貸して投資成績を向上させる道を選んだ。

3、米国債券が、中国などの海外投資家によって積極的に買われた。こうして得た金で、アメリカは海外から品物を買い、イラク戦争の資金に割り当てることができた。言い換えれば、米国市民が今日のライフスタイルを維持できるのは、海外からの膨大な投資資金のお陰だ。

4、以上が主な原因となって、アメリカには5種類の愚かな投資家が誕生した。

5種類を説明しよう。

1、初めての住宅購入者: 典型的なのは新婚夫婦だ。低金利、それに簡単な審査で借りることができたから、ローンは住宅代だけでなく、家具などの資金も含まれている。もともと割高な住宅を、悪い地域で購入だから、住宅価格は下落するしかない。

2、住宅をキャッシュ・マシーンとカン違いしている人たち: クレジットカードの借金が払えなくなるたびに、住宅ローンの借り換えをして、必要な現金を手に入れる。短期的な借金を、長期的借金にする馬鹿らしいやり方だ。

3、別荘の購入: 自宅を担保にして、別荘投資に踏み切る。そのため、月々の支払いは二つになっただけでなく、物件は必ず上がるという安易な考えの間違いに気がつくことになる。

4、あまりにも高価な買い物: 大きく値上がった住宅を売り払って、高級住宅を購入する。最初から無理な買い物だから、現在の生活水準を維持することができない。

5、住宅を短期投資とカン違い: 買えば必ず儲かる、と信じきり、まだ建築中の住宅に投資する。住宅市場の冷えこみで建築は遅れ、けっきょく大きな損を出して物件を手放す。

株は暴落することがあるからといって、悪い投資だ、と結論することはできない。同様に、愚かな投資家が損を出したからといって、不動産はダメな投資だ、と言うことはできない。とにかく今は、割安な物件を買うために、現金を蓄えることに専念したい。

(注: 上記の情報は、http://finance.yahoo.com/expert/article/richricher/29458から得ています。)

米国不動産は買い?

有名な相場の格言に、「人の行く裏に道あり、花の山」というものがある。相場で儲けるためには、他人と逆を行くことの大切さが言い表されたものだ。もしこの考え方が正しいなら、低迷の続く米国不動産は買いだろうか?それとも、やはり大衆に従って住宅市場は避けるべきだろうか?

嫌われているのは、実際の住宅物件だけではない。ウオールストリート・ジャーナルの報道によれば、不動産の匂いのするものなら、投資信託、株も売られている。こんな状況にかかわらず、ジェフ・オプダイク氏(金融コラムニスト)は、今こそ不動産を考慮するべきだと言う。氏の意見を紹介しよう。

アメリカの多くの地域で、住宅価格が下がっているのは事実だ。しかし、商業用不動産は現在も伸びている。CBリチャード・エリス・グループの調べによれば、オフィスの賃貸料金は前年度4.25%の上昇となり、先月マンハッタンの賃貸料金は史上最高のレベルに達した。

ファイナンシャルプランナー的な立場から言えば、不動産はインフレ対策の一つとして、投資ポートフォリオに組み込まれていることが望ましい。多くのアドバイザーも、自宅を除いて、5%から20%の投資資金を不動産に割り当てることを勧めている。

しかし今日のような悪い状況で、どう不動産に投資したらよいのだろうか?いくつかの選択肢を見てみよう。

1、不動産投資信託(REIT): 様々な不動産分野に幅広く、そして簡単に投資するなら、Vanguard's REIT Index fundや上場投信のiShares Dow Jones U.S. Real Estate Index fundなどを利用することだ。両ファンドとも、住宅市場の低迷で値段が下がっているが、他のファンドほど下げ幅は大きくない。両ファンドの欠点は、幅広く投資されているため、急騰するようなことはない。

2、セクター別不動産投資信託: 住宅市場がダメな今日でも、オフィスビルの人気が衰えていないように、不動産の全てのセクターが同様に動くことはない。ニューヨークやボストンなどの都会では、土地やスペースに限りがあり、これらの地域を専門にするVornado Realty TrustやBoston Properties Incは有望な投資信託だ、とボブ・ギャズデン氏(Alpine Woods Capital Investors)は言う。

アパートを借りる人たちも増えているから、アパート専門の投資信託も狙える。ギャズデン氏によれば、Home Properties IncとArchstone-Smithが、アパート専門の代表的な投資信託だ。

3、国際不動産投資信託: 国際の文字が示すように、米国以外の不動産を対象にする投資信託だ。ファイナンシャルプランナーのジェレミー・ミッチェル氏は、Cohen & Steers International Realty Fundを顧客に推奨している。

4、住宅建築株: サブプライム融資問題が深刻な今日、まだ住宅建築株を買うのは早すぎるかもしれない。しかし、長期投資の立場なら、D.R. Horton Inc(DHI)、Toll Brothers(TOL)、そしてKB Home(KBH)などが考えられる。

(上記の情報は下記から得たものです。

http://www.realestatejournal.com/reits/20070411-opdyke.html?refresh=on

週末話題の銘柄

ふだん忙しい人でも、週末にはゆっくりと一週間の株式市場を振り返り、次週の計画を立てることができる。はたしてこの週末、アメリカの個人投資者たちは、どんな銘柄に目を向けたのだろうか。早速、いくつか見てみよう。

先ず、金曜の夜に放映された人気番組、「マッド・マネー」が取り上げた銘柄から紹介しよう。

Sotheby's (BID): Sotheby'sは競売専門会社(オークション・ハウス)だが、この業界にとって、5月は売上が最高になるという。番組担当のクレーマー氏によれば、現在アナリストたちが表示している予想一株利益は、あまりにも低すぎるようだ。

コカコーラ(KO): 火曜日に決算がある。クレーマー氏は、多くのアナリストが収益の上方修正をすることになるだろうから、55ドル85セントまで買えると指摘する。(金曜の終値は49ドル88セント)

United Technologies Corp. (UTX): 水曜の寄付き前に決算が発表される。65ドル以下で買えたら、すばらしい贈り物価格だ、とクレーマー氏は言う。(金曜の引けは65ドル5セント)

グーグル(GOOG)も週末の話題銘柄だ。AP通信の報道によれば、グーグルはプライベート・エクイティ会社から、31億ドルでダブルクリックを現金で買収する。月曜のGOOGの動きが注目される。

金曜、投資ストラテジストのチャールズ・ペイン氏は、Joy Global, Inc. (JOYG)の買いを勧めている。

「JOYGは採掘機器を製造する会社です。世界的に伸びているエネルギー需要は、JOYGに好材料です。現在の株価は、ファンダメンタル的な立場から見ると割安です。」

個別銘柄を選ぶ方法の一つとして、個別銘柄オプションの出来高を参考にする投資者が多い。たとえば、AACC株に買収の噂があると、AACC株のコールオプションが買い人気になる。24/7は下記の目立つオプションの出来高をあげている。

EDS(EDS): 6月限30ドルのプットオプションが、11675枚の大きな出来高を記録した。たった165枚のオープンインタレスト(未決済の契約総数、建玉)だから、この出来高は異常だ。(株価が下がると思う時にプットを買い、上がると思う時にコールを買う。)

Express Scripts(ESRX): 1月限85ドルのコールオプションが1761枚の大きな出来高。買収の噂だろうか?

Weatherford (WFT): 5月限55ドルのコールオプションが3804枚の大商い。これは不思議ではない。ハリバートンによる買収が噂されている。

Yahoo! (YHOO) : 7月限の20ドルと25ドルのコールオプションが、それぞれ5万枚を超える大きな出来高だ。オプションを利用して、ヤフー株を安く手に入れる方法と思われる。

S&P500指数は、2月の高値が目前になっている。決算シーズンも本番に入り、今週も忙しくなりそうだ。

買収の噂

マージャー・マンデー(Merger Monday)という言葉がる。Mergerは、吸収合併を意味するから、直訳すると「吸収合併の月曜」になる。こんな言葉が定着した理由は、大きな買収や合併のニュースは月曜に発表されることが多いためだ。ということで、買収が噂されている、いくつかの銘柄を見てみよう。

1、ハリバートン(HAL、オイルサービス業)が、ウェザーフォード・インターナショナル(WFT)を買収する。この噂で、ウェザーフォードは現在2.3%ほど上げている。

2、エアトラン・ホールディングズ(AAI、航空会社)は、ミッドウエスト・エアグループ(MEH)の買収計画を既に発表しているが、なかなかMEHから良い返事が来ない。しかし噂によると、今回AAIが提示している金額は十分なものであるという。

3、どの会社に買収されるかは分からないが、IPSCO(IPS、製鉄)は既にある企業から接触を受けている事実を発表した。もちろん、このニュースでIPSに買いが殺到している。

4、またか、と思われるかもしれないが、デル・コンピュータ(DELL)によるPalm(PALM)買収が噂になっている。

5、サブプライム融資問題で、ノバスター・ファイナンシャル(NFI、金融セクター)の株価は大きく下落した。もちろん、このままでは経営自体が危なくなってしまう。さっそく会社側は、全ての選択肢を考慮する、と発表しているから、買収ターゲットになることも考えられる。

6、ベル・カナダ(BCE、テレコミュニケーション・サービス)は、カナダの年金ファンドによって買収される、という噂が流れている。

7、ダウ・ケミカル(DOW、化学)が、プライベート・エクイティ・ファンドによって買収される、という噂がなかなか消えない。会社側は買収を否定し、無断で買収の話を進めていた二人の経営幹部を首にしている。

8、人気番組「マッド・マネー」を担当するジム・クレーマー氏は、ウィンダム・ワールドワイド(WYN、ホテル)が買収される可能性について番組で語った。

さて、クレーマー氏の名前を出したついでに、昨夜の「マッド・マネー」で取り上げられた銘柄を見てみよう。

不動産投資信託会社の、アナリー・キャピタル・マネージメント(NLY)は買いだ、とクレーマー氏は言う。アナリーの最高経営責任者、マイケル・ファーレル氏は、現在大きな問題になっているサブプライム融資を予測していた。もちろん、予測していたわけだから、投資信託の保有する銘柄は、既に調整済みだ。

(参考にしたサイト: http://www.cnbc.com/id/15838459

http://www.247wallst.com/2007/04/rumor_friday_ap.html

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