US Market Recap

高値更新は好材料?

好調なマーケットが続いている。マスコミは、「高値更新」という表現に飽きたらしく、こんな言い方をするようになった。「ダウ指数、最近25日中、22日は上げ。」ようするに、ここ25日間を振り返ると、88%の取引日は高く引けたわけだ。もちろん、だからどうした?と質問したくなるのは私だけではないと思う。

週末のコラムで、マーク・ハルバート氏(Hulbert Financial Digest )も、この「25日中、22日は上げ」を取り上げているので、さっそく見てみよう。

1896年から今日までのダウ指数の動きを調べた結果、こんなことが分かった。

1、ダウは、25日中23日上げたことは、いままで一度もない。ということは、現在の状況は、25日間という取引日数における新記録ではないが、歴史上の最高記録に匹敵するものだ。

2、最後に25日中22日上げたのは、1927年の7月終わりから、8月の初めにかけてだ。

たった2回だけ起きた出来事から、統計的に大きな意味のある結論を引き出すことはできない。そこで、少し数値を変えてみた。25日中22日の上げではなく、25日中少なくとも20日の上げという条件で調べた。結果は、それにあてはまる状況は1896年以来35回起きている。言い換えれば、111年間で35回だ。

それでは、25日中少なくとも20日上げることは、ダウ指数にとって良い結果になっているだろうか?平均を見てみると、25日中少なくとも20日上げた次の四半期、ダウは3.3%の上昇だ。年間に直せば13%ほどになり、平均的な伸び率を、やや上回っている。

次の四半期だけではなく、向こう12カ月間で調べると、ダウの伸びは歴史的な平均上昇率と変わりがない。ようするに、短期的には好影響だが、長期的には25日中少なくとも20日上げることは大した意味が無い。これは強気な人たちにはガッカリなデータかもしれないが、決して悪いニュースではない。あまりにもマーケットが好調だから、そろそろ大きな下げに襲われる、と言う人たちが多い。しかし、今回調べて分かったことは、上げが続きすぎている、という理由だけでマーケットが大幅に下落することはない。

好調すぎるから、そろそろ終わりが来る、というのは賭博者の錯誤と同じだ。コインを投げて、裏か表かを当てるのが良い例だ。だれでも、次に表が出る確率は半々であることを知っている。しかし、既に5回連続で表が出ている場合ならどうだろうか?ほとんどの人は、6回目は裏になることを予想するだろう。もちろん、この考え方は間違っている。過去に何回連続で表が出たからといって、半々という確率を変えることはできない。株式市場もコインの例と、さほど違いはないと思う。株が何日連続で上げたということに、大きな意味付けをするのは誤りだ。

と以上のようなハルバート氏の意見だが、やはりマスコミが作り上げるヘッドラインには、注意した方がよさそうだ。

参考にしたサイト: http://www.marketwatch.com/news/story/stocks-performance-over-past-25/story.aspx?guid=%7BB7C170F9%2D9816%2D4C00%2DB7ED%2D9DD71F0D8E3A%7D

ミリオネア四つの共通点

金曜マーケット開始前の時間外取引で、ヤフー(YHOO)が23%も上げている。何があったのだろう?振り返ってみると4月17日、32ドル9セントで終了した株価は、がっかりな決算が原因になって、翌日11%以上の下げで始まった。その後、パッとしない横ばいを続けていたところへ、今日いきなりこの上げだ。

おそらく人気アナリストによる買い推奨だろう、と思いながら調べていると、ヤフーに買い手が殺到したのは買収の噂だった。正確に言えば、先月インターネット広告会社のダブルクリックがグーグル(GOOG)に買収され、これでマイクロソフトが本格的にヤフー獲得に向けて動き出す、というニューヨークポストの記事だ。

どんなに叩かれている株でも、今日のヤフーのように、買収の噂は強力な買い材料になる。逆に、経営難の噂なら売り手が殺到することになる。両者に共通していることは、噂は人々を興奮させ、感情的な取引に走らせる。現に、ヤフーの寄付きは33ドル27セントだったが、大引けまであと30分の今、株価は31ドル30セントで取引されている。

噂に左右されて買ってしまう人たちは、別に頭が悪いからではない。ローラ・ローリー氏(Money & Happiness「お金と幸せ」の著者)が、なぜ賢い人たちが、つまらないお金の過ちを犯すかについて書いているので、少し見てみよう。

頭の良い人が中々財産を築くことができず、何の変哲も無い普通の人がミリオネアになってしまう。なぜ、彼らは富を手に入れることができたのだろうか?彼らに共通する、いくつかの点を挙げよう。

1、自分で自分のルールを作る:

多くのミリオネアは、学校の成績が悪かった。ようするに、彼らは学校という窮屈なルールにうまく適応することができなかったが、自分で自分のルールを作ってそれに従う、という独創性を持っていた。

2、倒れても必ず起き上がる:

勝ち目が無い、と分かっていても何度も挑戦し続ける闘志。

3、協力者を得ること:

自分の弱点を知り、それを補ってくれる人たちを味方につけること。

4、ある程度の危険を冒して大きな結果を手に入れる。

それでは、頭の良い人が、なぜ失敗するのだろうか?好例は、作家のマーク・トウェインだ。当時、中流階級の年間収入は1200ドルほどだったが、トウェインは「ハックルベリー・フィンの冒険」で10万ドルの金を手に入れた。しかし、トウェインの投資下手は定評がある。

何冊ものベストセラーを書き上げたトウェインは、おそらく頭の良い人だろう。しかし、頭の良い人たちは一般の人たちが見落としている大切なことを発見できる、と思い込んでいる。だから、どう見てもつまらないものに平気で投資してしまうわけだ。もちろん、上記の4点を守れないのも大きな失敗原因になる。

参考にしたサイト: http://www.nypost.com/seven/05042007/business/bills_hard_drive_business_peter_lauria_and_zachery_kouwe.htm

http://finance.yahoo.com/expert/article/moneyhappy/31052

ガソリン節約を迫られるアメリカ人

ガソリンが高くなった。このまま行けば、夏の旅行シーズンまでには、1ガロンあたり4ドル(1リットル127円)を突破するかもしれない。日本なら電車やバスを利用して、車を運転する回数を減らすことができるが、その点アメリカはひじょうに不便だ。電車のあるのは一部の都市に限られ、バスは30分に一本あれば良い方だ。

節エネしなければいけないのは誰にも分かる。しかし、肝心な交通網がこれでは今までどおり運転するしかない。そこで、多くのウェブサイトでは、様々なガソリンの節約方法を取り上げている。いくつか見てみよう。

1、タイヤの空気圧を適切に保つ:

空気が少なすぎると、単にタイヤの減りが早くなるだけでなく、余分にガソリンを消費する原因になる。定期的に、タイヤの空気をチェックしよう。

2、車の定期点検:

日本なら当たり前なことなのだが、定期的に車を点検するアメリカ人は少ない。適切にエンジンを調整することで、燃費が良くなる。

3、余分な物を積まない:

トランクの中に、あれやこれやと色々な物を積んでいる人たちがいる。車が重くなれば、その分ガソリン消費量も増える。もし、250ポンド(113キロ)の荷物を車に積むと、通常1ガロン(3.785リットル)のガソリンで走行できる距離から約1マイル(1.6キロ)失う。

4、ハイオクを使う必要はない:

エンジンがノックしない限り、わざわざ高い金を払ってハイオクを使う必要はない。

5、現金でガソリンを買う:

現金で支払うと、値段を割り引いてくれるガソリンスタンドが多いから、クレジットカードでガソリンを買うのをやめよう。

6、ガソリンを無駄にする急激な加速や急ブレーキを避ける。

7、スピードを落とせ:

言うもでもなく、速度が上がればガソリンの減りも早くなる。高速道路でのスピードを、65マイル(104キロ)から55マイル(88キロ)に落とすことで、1ガロン(3.785リットル)で運転できる距離が約3.2キロ増える。

8、ウォームアップは必要ない:

特に寒い朝、運転前に、数分間エンジンをウォームアップする人たちがいるが、これは全く必要ない。単にガソリンを無駄にするだけだ。

9、余分にエアコンを使わない:

快適に走っている時は問題ないが、交通渋滞でのエアコン使用を避けよう。のろのろ運転でのエアコン使用は、10%から20%のガソリンが浪費される。

10、車を買い換えるなら、燃費の良い車を選ぶ。

まだ、他にもあるが、画期的なアイディアは無い。ひどい言い方かもしれないが、ガソリン価格が上がるところまで上がらないと、アメリカ人は真剣にガソリン節約を考えないのではないだろうか?

参考にしたサイト: http://finance.yahoo.com/college-education/article/102967/fifteen-ways-to-save-money-on-gas

なぜ買ってしまうのか?15の業界秘密

小売業者は、どんな手段を使って、私たちに必要の無い物まで買わせるのだろうか?少し表現が悪かったかもしれないが、良い例はスーパーマーケットだ。ビールだけを買うつもりが、結局せんべい、コロッケ、刺身、野菜、ということになってしまう。どうしてだろうか?さっそく原因を探ってみよう。

1、ショッピングカート: 

ほとんどの客は、1つか2つの物を買うことしか考えていない。だから、店の入り口にショッピングカートが置かれているわけだ。もちろん、ショッピングカートのサイズも、必要以上に大きく作られているのは偶然ではない。

2、目玉商品を店の奥に置く:

広告の安売り商品は、入り口から一番遠い所にあるものだ。そこにたどり着くまでには、嫌でも様々な商品を通過しなけらばならないから、どうしても要らない物に手が伸びてしまう。

3、オモチャを店の入り口から遠い所へ置く:

子どもをつれてオモチャを買いに行く。ボールを買うのが目的だが、ほとんどの場合、オモチャ売場は店の一番奥か最上階だ。そこへ行き着く前に、親たちは要らない物を買うことになるだろう。

4、衝動買いをしたくなるような物をレジの近くに置く:

好例はDVD版映画や雑誌だ。

5、値段の高い品物を目の高さと同じ位置に置く:

高いというのは、高級品という意味ではない。たとえば洗剤。安い洗剤は棚の一番上か下に置き、高い洗剤を大人の目の高さと同じ位置に置く。

6、安売り商品でない商品を、さも安売りのように売る:

高い品物を店内に積み上げて、大きな文字で値段を表示する。全く割引されていないのだが、さも安売りのような雰囲気がある。

7、多数の類似製品で囲む:

靴下だけが目的でも、そのまわりにパジャマ、Tシャツなどを豊富に揃えて、類似品に手を伸ばさせる。

8、高いもの、安いものを交互に置く:

高いポテトチップはここ、安いポテトチップはここ、といった配置をしないで、品物を交互に置く。そうしないと、客は安いセクションだけに殺到してしまう。

9、客の立ち止まる回数を増やす:

客が店の中で立ち止まる回数が多いほど、品物を手に取る回数も増える。通路の幅が、カートの2台分しかないのはそのためだ。

10、よく売れる日用雑貨を通路の真ん中へ置く:

こうすることで、行きと帰りに品物を二度見ることになる。

11、簡単に比べられないように値段を付ける:

100グラム5ドルと200グラム5ドルなら、とうぜん200ドル5ドルの方が得だ。こんなことが起きないように、値段は100グラム5ドル99セント、200グラム10ドル89セント、といった形にする。

12、見せかけを利用する:

バケツのような容器に乱暴に入れられているからといって、その商品は安売りとは限らない。

13、高い品物に一流品のイメージを持たせる:

ある程度高い物は、特別なショーウィンドウで展示して、消費者のブランド指向を利用する。

14、最も利益幅の多い商品を店の入り口に置く:

アメリカのデパートの場合、最も利益が上がる化粧品売場が、店の入り口付近にある。儲かる商品を、店の一番人通りの多い場所に置くことで、更に売上が向上する。

15、トイレを店の奥に配置する: 言うまでもなく、行き着くまでに様々な商品を見せることが目的だ。

参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/SavingandDebt/FindDealsOnline/15WaysStoresTrickYouIntoSpending.aspx?page=all&f=25&MSPPError=-2147197912

無料から有料へ

運輸省の発表によると、アメリカ国内の平均往復航空料金は378ドル(4万5260円)になり、2000年以来の高水準に達した。しかし、経営の厳しい今日の航空会社を考えれば、航空券の売上だけでは生き延びることができない。旅行ニュースレターの編集長、クリス・マクギニス氏も述べているが、航空会社は常に新しい収入源を探している。

新しい収入源と言っても、別に新事業を始めるわけではない。ただでさえ経営難なのだから、ここで出費を増やすことなど論外だ。結局、各航空会社が思いつたことは、既存サービスを有料化することだ。消費者にしてみれば、今までタダだったものが有料になるのだから、決して面白い話ではない。腹立たしい気もするが、何が有料化の対象になったかを見てみよう。

座席予約料金: 窓際に座りたい。通路側に座りたい。出口の近くに座りたい。人それぞれ好みがあるが、席の予約を有料化する航空会社が出始めている。たとえばノースウエスト航空の場合、エコノミークラスの通路側座席を予約するには、15ドルの特別料金が必要になる。

手荷物チェックイン料金: 今年の初め、スピリット航空は、こんな発表をした。チェックインするスーツケースなどの手荷物は、一つだけなら無料だが、二つめは10ドル、そして三つめの荷物には100ドルの料金が課される。

ほとんどの航空会社は、一つの重さが50ポンド(約22.6キロ)までの荷物が二つまでなら無料だが、それを超えると25ドルから80ドルの料金が請求される。

ユナイテッド航空、アラスカ航空、そしてノースウエスト航空は去年の夏から、便利なターミナルの入り口での手荷物チェックインに、スーツケース一つ当たり2ドルの特別料金を設定した。もちろん、重量や個数制限を超えていれば、とうぜんその分も請求される。

燃油料金: オイルの値上がりで、各航空会社は特別料金として燃油料金を実施している。英国航空の場合は、フライト時間が9時間を超えると70ドルの特別料金がかかり(往復すると140ドル)、それ以下の飛行時間の場合は16ドルが課される。(往復32ドル)

成田、ロサンゼルスの往復を見ると、シンガポール航空は185ドル89セント、ユナイテッド航空は251ドル89セント、そして全日空は274ドル29セントの燃油料金が必要になる。

航空会社の苦しいことは分かる。しかし、繰り返しになるが、いままでタダだったものが有料になることは嬉しいことではない。

参考にしたサイト: http://biz.yahoo.com/hmoney/070430/043007_airline_fees_moneymag.html?.v=4&.pf=family-home

運転資金を効率的に使っている企業はどこ?

キャッシュ・コンバージョン・サイクル、という言葉を聞かれたことがあるだろうか?キャッシュは現金、コンバージョンは変換、サイクルは周期だから現金変換周期になる。こう漢字が並ぶと、なんとなく分かったような気分になるが、キャッシュ・コンバージョン・サイクルとは、企業がいかに資金を早く回収し、そして資金をいかに長く滞留させているかを示す指標だ。

このサイクルを株投資に応用する方法を、リッチ・デュプレイ氏(フール・ドット・コム )が説明しているので、さっそく見てみよう。

製品を作り小売業者へ渡す。実際に品物が売れた段階で、初めて製品が現金化されたことになる。このように、いかに早く製品が現金化されるかを指標化したものがキャッシュ・コンバージョン・サイクル(cash conversion cycle)であり、この数値は小さければ小さいほど、企業は少ない運転資金でビジネスを展開することができる。

キャッシュ・コンバージョン・サイクルには3つの要素がある。

1、在庫停留期間 Days Inventory Outstanding (DIO)

品物が、在庫として店に長く残っていたのでは、企業や投資者には全く利益にならない。言うまでもなく、企業は直ぐに製品が売れることを望んでいるわけだから、DIOの数値は小さいほど良い。

2、売上金が回収されるまでの日数 Days Sales Outstanding (DSO)

製品が、どんなにすばらしいスピードで売れても、小売業者から売上金がいつまでたっても送られてこないのでは話にならない。上のDIOと同様に、DSOの数値も小さいことが望ましい。

3、買掛金を実際に払うまでの日数 Days Payable Outstanding (DPO)

企業は製品が早く売れ、売上代金も直ぐ手元の入ることを望んでいるが、買掛金の支払いを急ぐ必要はない。そうすることで、企業の保有する現金が増え、利子稼ぎをすることもできるから、DPOの数値は大きい方が良い。

デュプレイ氏は、上記3項目を満たす企業として5社を挙げている。

1、Amazon.com (AMZN) 2、Audible (ADBL) 3、Blue Nile (NILE) 4、Palm(PALM) 5、Select Comfort (SCSS)

(注:これら5社は運転資金という観点から選ばれたものであり、ファンダメンタル全てが良好なわけではない。)

参考にしたサイト: http://www.fool.com/investing/small-cap/2007/04/30/5-more-stocks-for-fast-cash.aspx

注目セクターはどれ?

ダウ指数、ナスダック指数、S&P500指数はよく聞く名前だが、先週最も成績が良かった指数はConsumer Electronics Index(家電指数)の+13.29%だ。トップ10位を見てみよう。2位: Waste & Disposal Services Index(ゴミ処理関連)+6.67%。3位: Platinum & Precious Metals Index(プラチナ&貴金属)+6.60%。

4位: Durable Household Products Index(家庭用耐久消費財)+6.55%。5位: Commercial Vehicles & Trucks Index(商業用自動車&トラック)+5.48%。6位: Computer Services Index(コンピュータ・サービス)+5.17%。7位: Tires Index(タイヤ)+5.13%。8位: Forestry Index(林業)+4.97%。9位: Aluminum Index(アルミニウム)+4.56%。10位: Oil Equipment & Services Index(オイル機器、オイル・サービス)+4.33%。

次に、ここ1カ月間のトップ10指数リストと、先週のトップ10リストの両方に入っているのが下記だ。

Platinum & Precious Metals Index(プラチナ&貴金属)。Consumer Electronics Index(家電指数)。Commercial Vehicles & Trucks Index(商業用自動車&トラック)。Durable Household Products Index(家庭用耐久消費財)。

両方のリストに顔を出しているということは、投資家に注目されている証拠だ。それぞれの指数を構成する銘柄を調べて、一つ一つチャートをチェックしてみるのも面白い。それでは、どこからトップ10リストを拾ってきたかを、順を追って説明しよう。

BigChartsへ行ってほしい。上の左側から、Home、Quotes、Newsとならび、クリックしてほしいのはNewsの隣のIndustriesだ。出てきたのは、ここ3カ月間の上位10と下位10リストになる。小さなチャートの下に、3 monthsと出ているのが見えるから、そこを1-weekと1-monthに変えることで、1週間と1カ月間のリストをチェックできる。

それでは、1週間(1-week)のリストでやってみよう。一番上のConsumer Electronics Indexは、1カ月にも共通の指数だから、そこをクリックしてほしい。出てきたのは、この指数を構成する銘柄の、トップ10とワースト10だ。これでチャートを一つ一つチェックすることができるから、出来高や株価が自分の好みに合わないものを削除していけばよい。

もちろん、これだけが指数を構成する全部の銘柄ではない。全銘柄を見るには、Worst Performing Stocksの下にある、「Show All Stocks In This Industry 」をクリックすればよい。

こんなやり方では時間がかかり過ぎる、と言われる方は、ここでトップ100ワースト100を調べるとよいだろう。

次に買収されるのはどこ?

好決算、新製品発表などが株価を押し上げるように、買収の噂も株価に大きな影響を与える。どうやったら、買収ターゲットを見つけることができるだろうか?簡単な方法を、ハリー・ドマッシュ氏(winninginvesting.com)が説明しているので、さっそく見てみよう。

必要なのは、MSNマネーの「デラックス・ストック・スクリーナー」(無料)だ。下記の条件(パラメーター)を入れるだけで、買収ターゲット候補を探すことができる。

1、時価総額: SLMコープのような大型買収もあるが、ほとんどの場合、買収される企業の時価総額は100億ドル未満だ。

使うパラメーター: Market Capitalization <= $9,000,000,000

2、株価: 3ドル未満の株は避ける。

使うパラメーター: Last Price >= 3

3、一日の平均出来高が、2万株未満の株を避ける。

使うパラメーター: Avg. Daily Volume, last quarter >= 20,000

4、人気株を避ける。

52週間の高値から、25%から50%下げている株に焦点を合わせる。

使うパラメーター1: Last Price <= 0.75*52-week High

使うパラメーター2: Last Price >= 0.50* 52-week High

5、強い買い推奨が出されている株は避ける。

使うパラメーター: Mean Recommendation <= Moderate Buy

6、大きな成長が見込まれる銘柄を避ける。

使うパラメーター: EPS Growth Next 5 years <= 15

7、株価キャッシュフロー倍率(Price/Cash Flow Ratio )の低い銘柄を狙う。

使うパラメーター1:  Price/Cash Flow Ratio <= 10

使うパラメーター2: Price/Cash Flow Ratio >= 0.1

8、大きな成長が見込まれなくても、資本に対する最低限の利益率があること。

使うパラメーター: Return on Invested Capital >= 3

9、割安であること。

使うパラメーター1: Price/Sales Ratio <= 0.75*Industry Average Price/Sales Ratio

使うパラメーター2: Price/Book Value <=0.75*Industry Average Price/Book Value

10、借金の少ない銘柄を選ぶこと。

使うパラメーター: Debt to Equity Ratio <= Industry Average Debt to Equity Ratio

さて、上記の条件を全てスクリーナーに入れて調べると、こんな銘柄が出てくる。(4月27日現在)

FCGI、MGPI、SVR、FBN、KOMG、MTH、RNWK、DBRN、PDS、LCC、PTEN、KBH。

(参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/SimpleStrategies/12TopTakeoverTargets.aspx

米国住宅市場低迷で被害を受けるラテンアメリカ

住宅市場の低迷で、直接被害を受けるのは、不動産セールスマンや住宅建築業者だ。もちろん、風が吹けば桶屋が儲かる、という諺があるように、直ぐには影響を受けなくても、結果的に影響を受ける人たちがいる。そんなわけで、アメリカの住宅市場冷えこみが、どう他の業界に響いているかを見てみよう。

輸送運輸業: まだトウモロコシや石炭の輸送が好調だが、住宅建築に関連したセメント、材木、乾式壁などの輸送が減っている。現に第1四半期、CSXコープの全輸送量は4%減。そしてユニオン・パシフィックは2%減だ。

娯楽用ボート: ウエスト・マリーン社の売上はマイナス4%、そしてマリーン・マックス社は、2007年度の収益を60%下方修正した。住宅市場がホットな時は、住宅ローンの借り換えをして、消費者は好きなだけの現金を手に入れることができた。しかし、物件の値下がりでローンの借り換えは不可能になり、娯楽用ボートの需要が減ったわけだ。

ラテンアメリカ(中南米およびメキシコ): ラテンアメリカ諸国の、小売売上高が下がっている。アメリカの住宅市場が、なぜラテンアメリカに影響を与えるのだろうか?ジョエル・ミルマン氏(ウォールストリートジャーナル紙)によれば、アメリカの住宅建築現場に従事する多くの労働者は、ラテンアメリカからの出稼ぎだ。しかし、住宅市場の冷えこみで、これらの人々は職を失い、家族への仕送りができなくなってしまった。

BCP証券のウォルター・モラノ氏は、1997年から2005年までのデータを分析した結果、米国の住宅着工戸数と南米への送金額には、密接な相関関係があるという。更にモラノ氏によれば、2006年5月にメキシコへの送金額は最高に達し、ほぼ時期を同じくして、住宅着工戸数もピークに達している。このピーク時と比較すると、現在のメキシコへの送金額は約26%減少だ。

自動車: これも、理由は娯楽用ボートの売上減少と同じだ。住宅ローンの借り換えができなくなり、消費者には車を買う資金が無い。

サラブレッドのオークション: カリフォルニア州、メリーランド州、フロリダ州、そしてケンタッキー州では、サラブレッドの中間価格が下がっている。

イベント会場: 住宅がブームなころは、あちこちのコンベンションセンターやホテルで、住宅投資セミナー、ボートや車の展示会が開かれた。しかし、ブームが去った今日、それらの会場が頻繁に利用されることがなくなった。 

芝刈り機: 住宅セクターの下降は、芝刈り機の売上にも悪影響になった。ブリグズ・アンド・ストラットン社の発表によれば、シャベルや鍬などの売上も落ちているという。

家具: 住宅販売件数が下がっているから、家具の売上も減少だ。ただでさえ安い家具が海外から入ってくるだけに、米国の家具業者は頭が痛い。

(参考にしたサイト: http://www.slate.com/id/2164915

http://bigpicture.typepad.com/comments/2007/04/housing_impact_.html

http://bigpicture.typepad.com/comments/2007/04/more_on_equity_.html

 

アメリカ人は外国株が好き

そろそろ4月も終わりだ。毎年この時期になると、ある言葉を思い出す。「Sell in May and go away ! (5月に売ってどこかへ行け)」 1年を5月から10月、そして11月から4月に分けると、株は圧倒的に後者で伸びる。1945年以来、S&P500指数の、5月から10月の平均成長率は1.6%。11月から4月は7.1%だ。(注:1957年以前はS&P90指数だった)

ロサンゼルスの投資会社、ペイデン・アンド・ライゲルのクリス・オーンドーフ氏はこう語る。「私は、滅多に株式市場の季節性を気にすることはありませんが、このSell in May and go away !だけは別です。」

しかし、なぜこんなに明確な差が生じるのだろうか?ストック・トレーダーズ・アルマナックの編集長、ジェフリー・ハーシ氏はこう説明する。「5月から10月は、夏休みを含めて、休暇を取る人たちが集中します。ですから、レジャーの出費が増えて投資に回す資金が減ります。また、年末のボーナスを使った投資も、4月までには終わっています。」

インベストメント・カンパニー・インスティチュートの調べによれば、11月から4月に米国株式ファンドに流入する資金は、5月から10月の3倍に相当する。

面白い事実を紹介しよう。ファイナンシャル・リサーチ・コープのデータによれば、2005年、アメリカの投資者たちは、1630億ドルに及ぶ金額を外国株専門のミューチュアルファンドに回した。同年、米株専門フェアンドへ流れた資金は740億ドルだ。2006年、外国株ファンドは1930億ドル、米株は430億ドル、そして今年の1月2月では、外国株へ470億ドル、米株へ280億ドルだ。

個別銘柄だけでなく、大衆はミューチュアルファンドの投資タイミングも良くない。1993年、史上最高の金額にあたる、1140億ドルが国債専門ファンドへ流入した。そして1994年、国債市場はベアマーケットに襲われ、債券価格は大幅に下がった。株式ファンドにも、同様なことが言える。株式市場が天井だった2000年の2月、1カ月間で最大の金額に相当する540億ドルが、株式ファンドへ投入された。

資金の引き上げも、最悪なタイミングだ。2002年7月、ベアマーケットのほぼ大底で、投資者たちは530億ドルにおよぶ株式ファンドの解約をしている。

とうぜん疑問になるのは、大衆がいつも間違っているなら、外国株はここが天井だろうか?経済コラムニストの、チェット・クリヤー氏はこう述べている。「最近のレポートを見ると、米国投資家が外国株に当てている資金比率は26.5%だ。多くのアドバイザーは、20%から30%を外国株へ回すことを推奨しているから、現在の数値は多すぎるとは言えない。むしろ、海外の経済成長を考慮すれば、現在の数字は少なすぎる。」

(参考にしたサイト: http://www.nytimes.com/2007/04/22/business/yourmoney/22fund.html?_r=1&ref=business&oref=slogin

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601039&refer=columnist_currier&sid=aldarK5h0b7Q

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