欧州中央銀行は、金利を4%に引き上げ、これで米連銀による金利引下げの可能性がほぼ無くなった。現に、フェデラル・ファンドの先物オプションを見ると、5.25%から5.5%に金利が引き上げられる確率は41%を示している。3カ月前、来年1月の金利は4.5%が予測されていたわけだから、投資心理は180度の方向転換だ。
株を買うなら、満月の日が良いだろうか、それとも新月の日が良いだろうか?馬鹿らしい質問のように聞こえるが、2001年9月、ミシガン大学のキャシー・ユアン氏は、株と月に関するレポートを発表している。48カ国の株式市場が対象になり、株の上昇率が勝っているのは新月の日だ。
月を気にする人がいるくらいだから、星の動きを、投資に利用するファンド・マネージャーもいる。ヘンリー・ワインガーテン氏は、そんな一人だ。金融占星家、という言葉があるようだが、ようするに星占いを使って株や先物の値動きを予測するわけだ。
金融業界には、私たちが思っている以上に星占いが浸透している、とワインガーテン氏は言う。「非常に著名な人たちが星占いを利用しています。現に、アメリカやヨーロッパの大手ミューチュアルファンドには、星占いを取り入れているところがあります。この傾向は、インドや中国では更に強くなります。」
ワインガーテン氏の本拠地はニューヨークにある。ファンドマネージャーが専業の氏だが、金融占星家として、機関投資家たちに売買タイミングや企業買収のアドバイスなども行っている。
金融占星家、異様な響きのある言葉だが、惑星の並び方と金融市場には相関関係がある、という考え方が基盤になる。ようするに、過去の株式市場を調べて、こんなことが起きた時は、惑星配置がこうなっていた、というデータを集めて繰り返されるパターンを見つけるわけだ。
既に、20年以上星占いを研究しているワインガーテン氏は、こう語る。「私は他のファンドマネージャーと同様に、市場のテクニカル分析、そしてファンダメンタル分析もしています。星占いは、単に一つの道具として使っているだけにすぎません。」
更に氏は、これらのことを予測をしたと付け加える。
・1990年の東京市場暴落。
・1997年のホンコン市場暴落。
・正確な日付までは予測できなかったが、2001年9月のテロによる世界的株安。
・オイル価格は80ドルに達する。(そこまでは行かなかったが、78ドルを記録した。)
・米国住宅市場の低迷。
なかなか素晴らしい予想だが、いまだに大手ファンド会社からは、ワインガーテン氏に声がかからないという。
(参考にしたサイト: http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=283156
http://www.ft.com/cms/s/bdaf3202-0b25-11dc-8412-000b5df10621.html)
トレーダーと投資家の違いは何だろうか?デイトレーダーが損切りできず、株が塩漬けになると投資家が誕生する、というのはジョークだが、自分にも心当たりがあるだけに苦笑いしてしまう。「トレーダーと投資家は、手法が異なるだけでなく、心理的にも顕著な違いがある」、とブレット・スティーンバーガー氏(The Psychology of Trading の著者)は言う。少し氏の話を聞いてみよう。
トレードの時間(タイムフレーム)が、短くなれば短くなるほど、トレードの計画や分析をする時間も減る。その分、直感的な要素も入り込み、いかに素早くパターンを認識できるかが大切になる。私が接してきた、多くの金融機関のトレーダーに共通しているのは、彼らはマーケットの方向性に縛られることはない。彼らが注目しているのは、買い圧力と売り圧力だ。
長期投資家の目標は株の大きな値上がりだ。トレーダーと違って、投資家には、株の分析と戦略を検討する時間が十分にある。そして、この分析が、良い投資結果を得るための鍵になる。投資経験も重要な要素の一つだ。何度も上げ相場、下げ相場を経験した投資家は、どの手法が現在の相場に適しているかを正しく判断することができる。
投資家と、トレーダーの心理的な違いを説明しよう。素早い損切りは、トレーダーとして成功するための必須条件だ。トレーダー的な態度で交際するなら、相手が少しでも気にくわなかったら、さっさと次の相手を探す。仕事の場合なら、今の職が不向きと思ったら、すぐに会社を辞めることになる。
投資家的な態度での交際は、相手の欠点が少々気になっても、お互いに理解しあいながら成長していく。会社勤めの場合も、最終的なゴールに目を向けて、現在の仕事がつまらないくらいでは辞めることはない。良い実例は、2月の急落だ。あの時、投資家がトレーダーのように損切りしていたら、絶好の投資チャンス見逃しだ。 もちろん、逆に言えば、2月の急落は長期投資姿勢を貫く難しさを教えてくれた。
次に、チャールズ・カーク氏(カーク・レポート)から、トレーダーが犯しやすい7つの過ちを紹介しよう。
1、つまらない理由でトレードする。
2、株価を深追いする。
3、利食いが早すぎる。
4、100%確実なトレード方法を探し求める。
5、トレンドは直線的だとカン違いしている。
6、難平買いをする。
7、頻繁すぎるトレード。
(参考にしたサイト: http://traderfeed.blogspot.com/2007/05/psychology-of-investing-how-investors.html
http://www.thekirkreport.com/2007/05/seven_deadly_si.html)
時間をかけて選んだ株が、待てど暮らせど、一向に上げる気配がない。それどころか、信じられないことに下げ始めてしまう。投資者なら、誰でも一度はそんな経験があるものだ。どうして、そのようなことが起きるのだろうか?投資者は、いったい何を見落としたのだろうか?
「株は、羊のように群れをなして動くものです」、とハリー・ドマッシュ氏(winninginvesting.com)は言う。「あなたの羊が北へ行くには、群れ全体が北に向かっている必要があります。」もちろん、羊を株に置き換えることができるから、「あなたの選んだ株が上昇するためには、群れ全体が上昇している必要がある」、ということになる。
さて、株の「群れ」とは何だろうか?どんなに良い株を買っても、マーケットの大きな流れがダウントレンドなら、その株が上昇するのは難しい。しかし、マーケット全体では、あまりに範囲が広すぎる。既に、気がつかれている方もいると思うが、群れというのはセクター(産業部門、業種)のことだ。たとえば、KLA-Tencor Corp. (KLAC)に投資する場合なら、この株の属する、半導体セクターも強いことが好ましい。
投資者にとって大切なことは、ホットなセクター、冷え込んでいるセクターを、先ず見分けることだ。この見分け方を、ドマッシュ氏が説明しているので、さっそく見てみよう。
(手っ取り早く調べたい方は、下記が参考になる。
http://www2.barchart.com/sectors.asp?base=industry)
必要になるのは、デラックス・ストック・スクリーナー(無料)だ。
Downloadの文字をクリックすると、下記のようなものが出てくる。
I See the Chart をクリックすると、スクリーナーが出てくる。
スクリーナーに入れる条件:
ホット・セクター
1. Earnings Estimate Increased Since in The Last Week
2. Recent Qtr Surprise % >= 10
3. Industry Name Display Only
右上のReturn Topの数字を100にして、Run Searchをクリックすると、上記にあてはまる銘柄が出てくる。注目してほしいのは、Industry Name だ。ざっと見ていくと、Biotechnology、Business Servicesといったように業種名が出てくる。何度も、繰り返し現れるのが、ホットなセクターだ。
冷え込んでいるセクターを調べる場合は、先ず下記の条件をスクリーナーに入れる。
1. Earnings Estimate Decreased Since in The Last Week
2. Recent Qtr Surprise %<= 10
3. Industry Name Display Only
あとは、繰り返し出てくる業種をチェックするだけだ。
(参考にしたサイト: http://www.barchart.com/
http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/FindHotStocks/ZeroInOn7hotSectors.aspx)