US Market Recap

変貌する中国観

4月以来、毎日30万の新規口座が、証券会社に開設されている。アメリカではなく、中国の話だ。1日30万、1週間で150万、たしかに人口の多い国だが、まるで猫も杓子も、といった様相だ。とにかく、なにかと話題になる国だが、アメリカでは中国に対する反感が高まっている。

汚染されたペットフード、鉛を含んだ危険な玩具、それに有毒な練り歯磨き、と次々に中国からの輸入製品が回収されている。とうぜん、中国製品のイメージはガタ落ちになり、保護貿易主義者たちの声が、一段と大きくなった。

割安な中国製衣料品、家具、食品などは、主に安売り専門店に並んだものだが、最近は高級デパートも中国製品を輸入するようになった。しかし、ペットフードを始めとする一連の事件は、アメリカ国民に中国との貿易を再検討する機会になった。

ハリス・プライベート・バンクの、ジャック・アブリン氏は、こう語っている。「品質も大事ですが、今回問題になっているのは安全性です。この問題が解決しない限り、アメリカ消費者の中国製品に対する見方も大きく変化するでしょう。」言うまでもなく、また毒入り製品など発見されれば、貿易戦争に発展する可能性は十分ある。

ペットフードの事件以前から、米議会では、中国政府は元をコントロールして、不公平な対米貿易を展開していることが、たびあるごとに議論されていた。特に、アメリカが中国に対して抱える貿易赤字は2330億ドルもあるから、不当に低く抑えられた元に対する不満はつのる一方だ。

「中国は、アメリカの世論に注意を払うべきだ。早急な措置がなければ、米政府は報復として、反中国通商法案を通過させることになるだろう」、とアンドリュー・ブッシュ氏(BMOキャピタル)は言う。

アメリカは、中国に報復することはできない、と主張する人たちもいる。豊富に抱えるドルを使って、中国はアメリカに膨大な投資をしている。下手に仕返しなどしようものなら、中国は米国債や株を投げ売り、米国市場が混乱してしまう。

中国の対米投資は、1兆ドルを超えるといわれる。たしかに、中国が米国債を投げたら一時的な下落が起きるだろうが、多くのウォール街関係者は、こう語っている。「国債を投げて一番困るのは中国自身です。そんなことをするのは、わざわざ自分の投資ポートフォリオの価値を下げるのと同じです。」

対中貿易赤字を語らない人でも、毒入りペットフードや練り歯磨きは、多くの米国家庭で話題になった。中国政府は、180の食品製造業者を閉鎖したようだが、木曜、米食品医薬品局は中国から輸入された魚介類を安全性の検査のために差し押さえた。それだけではない、先週、ニュージャージー州政府は、45万の中国製タイヤの回収を命じた。もちろん、問題は安全面の欠陥だ。

アトランタの新聞の論説に、こんな一文があった。「中国の製造業者は不注意、無神経、非倫理的、、、」とにかく、マスコミの中国叩きは続きそうだ。

(参考にしたサイト: http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601109&sid=avEi.Ghsl1yQ&refer=exclusive

http://www.msnbc.msn.com/id/19489213/from/ET/

インサイダーの動きをつかめ!

内部関係者が買っている、と聞くと、私も買ってみようか、という気持ちになる。何と言っても、会社内の事情に詳しいインサイダー、彼らの動きは注目されるものだ。そこで今日は、内部関係者に関する、少し変わったサイトを見てみよう。

Stockpickr.com

毎週木曜日、Stockpickr.com(無料)は、インサイダーによる買いが最も目立った株を紹介している。少し、今週のリストを見てみよう。

・MYLAN LABS INC (MYL):

最高経営責任者、最高財務責任者、それに役員が59000株、109万4000ドルに相当する株を買っている。 最近、食品医薬品局は、MYLの開発した吐き気止めのジェネリック医薬品(既存の承認医薬品と同一有効成分を持つ薬)を認可している。

MYLAN LABS INCの下に、Proと書かれているが、これはMYLを買っているミューチュアルファンドだ。三つのファンドが挙げられている。

1、ProFunds Pharmaceuticals UltraSector

2、Intrepid Capital Management

3、ProFunds Pharmaceuticals UltraSector Inv

People owning MYL also tend to own:というのは、MYLに投資している人たちは、他にどのような株を買っているかを示したものだ。7銘柄ある。

ABT、AGN 、BMY 、BRL 、CEPH、 ENDP、 FRX 。

・EXPEDIA(EXPE):

オンライン旅行会社EXPEDIAは、35億ドルを投入して、発行済み株数の約42%に相当する、自社株の買い戻しを発表した。会長のバリー・ディラー氏は、27ドル50セントから30ドルの間で、1億1670万株の買いを予定している。

EXPEを買っているファンド

1、Legg Mason Opportunity Institutional

2、Munder Internet

3、Del Mar Asset Management

EXPEに投資している人は、下記の銘柄に投資する傾向がある。

IACI、 MCD 、VRTX 、XEC、 AMT、 CMC 、ADSX 。

(参考にしたサイト: http://www.thestreet.com/s/top-10-stocks-with-big-insider-buying-buybacks/newsanalysis/stockpickr/10365294.html?puc=_tsccom

http://www.stockpickr.com/port/Insider-Purchases-and-Buybacks-X/

 

政治銘柄?

7月4日は独立記念日。いよいよ、本格的な夏休みだ。とうぜん出来高が減り、株式市場は、やや閑散とする季節だが、狙える銘柄が無くなってしまうわけではない。そこで今日は、いったいどこからこんな株を見つけてきたのだろう、といつも評判の、ヒラリー・クレーマー氏が注目している銘柄を見てみよう。

Xethanol Corp (XNL)

皆さんもご存知のように、法案の可決で、好影響を受ける株がある。現在、議会で検討されているエネルギー法案が可決すると、代替エネルギー、特にエタノール関連銘柄が恩恵を受ける。

Xethanol Corp (XNL)は、エタノールの生産、販売を中心とする、ニューヨークに本社を置く企業だ。先週金曜、株価は大きく25%の上昇、そして週明けの月曜は、利食いが入って5%の修正となった。

チャートを見ると分かるが、XNLは、去年、10ドル50セントの高値をつけたことがあった。しかし、今日の株価は1ドル35セントという、魅力的なレベルだ。

こんな安い株は、あまりにも投機的すぎる、という声も聞こえるが、もちろんそのとおり投機的な株だ。しかし、法案が可決するなら、5ドルまで急騰しても不思議ではない。

ということなのだが、先ず、日足チャートを見てみよう。

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たしかにクレーマー氏の言うように、XNLは、先週金曜(A)大きく上げた。特別な理由はないのだが、その日、同セクターの銘柄が買われたため、つられ上げしたようだ。

現在(大引け30分前)、レジスタンスレベルに挑戦中だから、ブレイクアウト・トレーダーたちが出動サインを待っていることだろう。もう一つ面白いのは、XNLが50日移動平均線を突破したことだ。この移動平均線の突破で、中期トレンドが変わった、と見る人たちも多いことだろうから、明日の動きが楽しみだ。

(参考にしたサイト: http://journals.aol.com/hilaryonstocks/hilaryonstocks/

プロスポーツにも進出するプライベート・エクイティ・ファンド

9勝5敗、防御率は4.01、と聞いただけで松坂大輔を思い浮かべた人は、かなりの野球ファンだ。Dice Kのニックネームで大リーグにデビューした松坂、この勢いだと、20勝もあるかもしれない。いきなり野球の話で始めたが、経済誌フォーチュンは、シカゴ・カブスを取り上げている。少し内容を見てみよう。

1981年、トリビューン社は、成績の冴えないシカゴ・カブスを、超格安な2100万ドルで購入した。さっそく、トリビューン社の経営する新聞、シカゴ・トリビューンのスポーツ・コラムニストは、こう書いた。「なぜカブスを買ったのか分からない。うちの会社には、優秀なソフトボールチームがあるのに、、、」

そして、26年後の今日、チームは相変わらず低迷だが、大リーグ・コミッショナーからの許可が下りれば、シカゴ・カブスは、10億ドルを超える値段で、マジソン・ディアボーン・パートナーズに買収される。

さて、このマジソン・ディアボーン・パートナーズは、シカゴに本拠地を置くプライベート・エクイティ・ファンドだ。最高経営責任者はジョン・キャニング氏、最近では57億ドルでニュービーン・インベストメント、そして73億ドルでCDWコープを買収している。今回のカブス買収も、キャニング氏が個人的に計画したものだ。

キャニング氏が、次のカブス・オーナーになれる可能性が高い理由は3つある。

1、プライベート・エクイティ・ファンドにバックアップされ、資金面には全く問題が無い。

2、マジソン・ディアボーン・パートナーズは地元の会社だから、ファンからの理解を得やすい。

3、キャニング氏は、既にミルウォーキー・ブルーワーズの共同オーナーであり、野球業界に詳しい。更に氏は、アトランタ・ブレーブスの入団試験に失格した、という履歴もある。(注: もしカブスの購入が認められたら、キャニング氏は所有するブルーワーズの持分を、売却しなくてはいけない。)

アンダーソン・エコノミック・グループの調査によると、シカゴ・カブスには6億ドルほどの価値があるという。今回の買収対象になっているのは、チーム、球場(リグリー・フィールド)、そしてコムキャスト・スポーツネット(テレビ局)の25%だ。

カブスが最後にワールド・シリーズに出場したのは99年前。はたして新オーナーは、カブスに幸運をもたらすことができるだろうか?

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リグリー・フィールド

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/06/25/magazines/fortune/cubs.fortune/index.htm?postversion=2007062508

http://money.cnn.com/magazines/fortune/fortune_archive/2007/05/28/100033762/index.htm

ニュースはフィクション !?

ほぼ予想どおりだった、というのは良いニュースだろうか、それとも悪いニュースだろうか?先ず、実例を挙げよう。月曜のマーケット開始30分後、5月分の中古住宅販売件数が発表された。アナリストの予想は、年間通算で600万件、結果は599万件だった。さて、これは住宅関連銘柄の買い材料だろうか?

それだけでは判断できない、と言われる方々もいることだろうから、CNNからの報道を付け足そう。ヘッドラインは、「弱い住宅市場、販売件数は、ここ4年間で最低」。ブルームバーグの見出しも、CNNと同様に、「4年間で最低」が強調されている。となれば、住宅銘柄は売りだろうか?もう少し、ニュースを読んでみよう。

1991年以来、最悪の不況に直面している住宅市場は、回復の兆しを見せている米国経済の足を引っ張る可能性がある。「住宅市場は、相変わらず、ゆっくりと出血が続いています。市場に出たまま、売れずに残っている在庫住宅数が膨大な量ですから、これが完全に解消するには、かなりの時間がかかることでしょう」、とリーマン・ブラザーズのエコノミスト、イーサン・ハリス氏は言う。

PNCファイナンシャルのスチュアート・ホフマン氏は、こう述べている。「現状では、住宅市場の底打ちを宣言することはできません。サブプライム融資問題もありますから、底打ち、ということを考えることすら早すぎます。住宅ローンの金利が上昇する今日、売れ残っている住宅数は、あまりにも大き過ぎます。」

楽観的な見方で定評がある、全米不動産業協会からは、こんな見解が発表された。「強い雇用状況、回復の始まった経済、比較的まだ低い住宅ローンの金利、それに上昇の止まった住宅価格などを考え合わせると、今日の住宅市場は低迷している、と言うことができる。おそらく買い手は、住宅市場に、安定の兆しが見え始めることを待っているのだろう。」

こういう意見も出ている。「買い手は、現在の住宅市場を、もっと注意深く検討するべきだ。住宅の値段が、上がり始めるのを待っているのは、正しい姿勢ではない。そんな状況では、有利な条件で、売り手と交渉できなくなるからだ。」パット・コームズ氏(ミシガンの不動産業者)

もう一つ、ワイス・リサーチのアナリスト、マイク・ラーセン氏の意見も載せておこう。「2008年の中頃まで、住宅市場に、買い手は戻ってこないことでしょう。まだまだ住宅市場は悪化します。住宅ローンの金利が上がっているだけでなく、審査が厳しくなっていますから、以前のように、簡単に金を借りることができません。」

もう一度質問しよう。住宅銘柄は買いだろうか?

(参考にしたサイト: http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aTwky.4ib_u0&refer=home

http://money.cnn.com/2007/06/25/news/economy/existing_home_sales/index.htm?postversion=2007062511

インフレの心配は無用?

今週の焦点は、27-28日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)だ。多くのアナリストは、今回も金利据え置きを予想しているが、ブリーフィング・ドット・コムのディック・グリーン氏は、こう説明している。

インフレ率を適切に把握するには、CPI(消費者物価指数)とPCE(個人消費支出指数)が役に立つ。重要なのは、食品とエネルギーを除いた、コア指数を利用することだ。両指数の、最近の動きを見てみよう。

11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
コアCPI +0.1% +0.1 +0.3 +0.2 +0.1 +0.2 +0.1
コアPCE ±0 +0.1 +0.2 +0.3 ±0 +0.1 未発表\n


1月と2月に、ややインフレ圧力が上昇したが、全体的にはインフレを心配する必要は無い。もちろん、コア指数に含まれていない、最近のエネルギー価格上昇が、米国を結果的に悪性なインフレに陥れる、と言う人たちもいる。しかし、過去数年間を振り返ってみると、一時的なエネルギー価格の跳ね上がりが、広範囲に及ぶインフレを引き起こしたことはない。

金利が据え置かれる理由として、最近急騰した、長期金利(国債10年物利回り)を指摘するアナリストも多い。CNNは、こう報道している。

原油は、1バレル当たり70ドルが目前となり、インフレ懸念がいっそう高まっている。しかし、バーナンキ連銀議長は、短期金利を引き上げる必要は無いだろう。なぜなら、国債が大きく売られ、長期金利が上昇したからだ。

「国債市場が、連銀の代わりに、金利引き上げをしてくれました。大幅に上がった10年物利回りは、現在の短期金利5.25%が、6.25%に引き上げられたのと同様な効き目があります。長期金利の上昇は、米国経済を減速させ、失業率を悪化させることになるでしょう。ですから、2008年の初め頃、連銀は金利を引き下げる可能性があります」、とファースト・アメリカン・ファンズのキース・ヘンブレ氏は語っている。

さて、一つ質問しよう。最近、ニューヨークで大きく値上がっている物をご存知だろうか?正解はミルクだ。1ガロン(3.785リットル)あたり60セントの上昇だから、何と20%の大幅値上がりだ。もちろん、コア指数にはこの数値は反映されない。

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/06/22/news/economy/fed_walkup/index.htm?postversion=2007062215

http://money.cnn.com/2007/06/15/news/economy/cpi/index.htm

http://money.cnn.com/2007/05/02/news/economy/corn_milkprices/index.htm

http://www.briefing.com/GeneralContent/Investor/Active/ArticlePopup/ArticlePopup.aspx?SiteName=Investor&ArticleId=NS20070618081011TheBigPicture

株それとも国債、現状で有利なのはどれ?

株の比重を減らせ、とトップクラスの成績を誇るニュースレター、バリュー・ラインが警報を発した。といっても、ポートフォリオの80%を占めていた株を、75%に落とせということだから、いぜんとして株に対して強気な姿勢だ。しかし、こんな反論もある。「本当に強気なら、株の比率を下げる必要はない。ひょっとしたら、ここは天井かもしれない。」それでは、今こそ真剣に国債投資を考えるべきだろうか?

今日の情勢を検討すると、国債は株よりも分が悪い、とジム・ジューバック氏(MSNマネー)は言う。大きな理由は5つある。

1、世界の主要中央銀行による金利引き上げ。据え置き政策は、アメリカの連銀だけ。

2、世界的な、食品とエネルギー価格の大幅上昇。アメリカの場合、2007年第1四半期、それらの価格は7%ほど上がっている。

3、中国、インド、ベトナムといえば、デフレ輸出国だったが、今日はインフレ輸出国に変身している。

4、ドルを敬遠し始めた海外の主要銀行。

5、第1四半期、たった+0.6%の伸びだった米国経済は、急ピッチで回復している。とうぜん、予想を上方修正するアナリストも増え始め、たとえば、第2四半期の国内総生産(GDP)を+2.5%を見込んでいたJPモルガンは、+4%に見方を変えた。経済の急成長は、国債に悪材料となるだけでなく、期待された連銀による金利引下げもありえない。

もちろん、株式市場にも問題があるが、心配材料は一部のセクターだけに限られている。しかし、上の5項目で分かるように、今日の国債市場は、肝心な土台が脅かされている。

今年の株式市場には、リスクを冒して投資するだけの価値が、まだ十分に残っている。第1四半期のGDPが冴えなかっただけに、多くの投資家は慎重になっている。上記したように、第2四半期の伸びは予想以上になりそうだから、成長株に焦点を合わせることが大切だ。

ジューバック氏の推奨する銘柄をいくつか挙げておこう。

American International Group (AIG), Amgen (AMGN), Corning Incorporated (GLW),

Genentech, Inc (DNA), General Electric (GE), PepsiCo, Inc (PEP),

Procter Ganble (PG), Shulumberger (SLB), Valero Energy (VLO), Whole Foods Market (WFMI)

(参考にしたサイト: http://www.marketwatch.com/news/story/value-line-raises-its-cash/story.aspx?guid=%7BD599C864%2D03EE%2D4935%2DB42B%2DFD1D6BCA77E7%7D

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/JubaksJournal/WhyStocksAreSaferThanBondsNow.aspx?page=3

http://moneycentral.msn.com/articles/invest/jubak/fifty.asp

 

 

 

大切なのはクレジットカード

サブプライム融資問題を読み間違え、大手証券ベアスターンズの運用するヘッジファンドが、大きな損を出している。これで、ベアスターンズの四半期決算に悪影響を及ぼすことは間違いないが、結果的には一般消費者も被害を受ける可能性があるという。

ユーロ・パシフィック・キャピタルの、ピーター・シフ氏は、こう語っている。「2007年の終わり頃に、米国経済は不景気に陥ることを予想していましたが、ベアスターンズのヘッジファンドお陰で、もっと早く不景気がやってきそうです。」

少し説明すると、ベアスターンズのような信用の高い機関が、今回のような大損を出すと、銀行などの金融機関が、融資に対していっそう消極的になり貸付金利が上昇する。これは、企業の借入費用の増大につながり、以前のように簡単に資金が調達できなくなるから、最終的に米国経済が減速するというわけだ。

サブプライム融資問題が、最も深刻なのが住宅ローンだ。昔からアメリカでは、どんなに苦しくても、住宅ローンは毎月必ず払え、ということが言われてきた。しかし、ビジネスウィークの報道によれば、サブプライム融資を利用した消費者には、全くそんな考えは無いようだ。

サブプライム住宅ローンで、家を購入した人たちのほとんどは、頭金ゼロそしてローンは変動利率だ。度重なる連銀による金利引き上げ、それに最近の国債利回り急騰で、月々のローン支払いも更に上がり家計に大きな負担になっている。悪いことに、住宅市場も低迷だから、物件は買った時より値段が下がっている。

面白いデータがある。2003年、32%のサブプライム住宅ローンは、支払いが30日以上遅れていた。2006年、その数値は36%に上昇している。しかし同期間、クレジットカードには反対の現象が見られる。サブプライムローンを利用した人たちで、2003年、クレジットカードの支払いが30日以上遅れていたのは32%、そして2006年は24%だ。

なぜ住宅の支払いよりも、クレジットカードの支払いが重要視されるのだろうか?

・住宅の支払いが遅れても、最悪の場合は物件の差し押さえで済む。しかし、個人破産を申請しても、クレジットカードの借金は、そう簡単に帳消しにすることができない。

・住宅の支払いが遅れても、実際に家が差し押さえられるまでは、少なくとも4カ月間の猶予がある。(平均は6カ月から1年)しかし、一度でも支払いが遅れると、直ぐクレジットカードは金利が上がってしまう。

「消費者にとって、クレジットカードは、ますます重要になっています。給料ぎりぎりの生活を乗り切るために、消費者はガソリンから食料品まで、とにかく広くクレジットカードを使っています」、とスタン・オリアイ氏(エクスぺリアン・グループ)は言う。

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/06/21/news/economy/credit_crunch/index.htm?postversion=2007062114

http://www.businessweek.com/bwdaily/dnflash/content/jun2007/db20070620_271294.htm

マイクロソフト、巨人から凡人へ?

巨大な資金に物を言わせて、競争相手を叩いてきたマイクロソフトだが、グーグルだけはそう簡単にいかない。4月、マイクロソフトの新オペレーティングシステムVistaは、独禁法に違反するとして、グーグルは司法省に提訴した。そして今朝、多くの投資者は、マイクロソフト側が折れたことを知った。

具体的に言うと、Vistaは他社のソフトウェアによる、効果的なハードドライブの検索を妨げている。既に2002年、マイクロソフトは同様なケースで負けていただけに、今回もグーグルの要求を受け入れることになった。

マイクロソフトの市場独占が、確実に終わろうとしている今日、消費者たちは、マイクロソフトに代わるソフトウェアに興味を示し始めている。さっそく、人気代用ソフトを見てみよう。

1、モジラ・ファイアフォックス

あなたは、いまだにインターネット・エクスプローラの利用者だろうか?ブラウザとしては、ファイアフォックスの方が軽くて速い。

2、リナックス

マイクロソフトのオペレーティングシステムに次いでポピュラーなのがリナックスだ。今日、リナックスは個人だけでなく、学校や政府機関でも使われている。

3、Mac OS X

インターフェースなら、Mac OS Xはウインドウズよりずっと優れている。

4、iTunes

ウィンドウズ・メディア・プレーヤーをやめて、もっとパワフルなiTunesを使ってみよう。

5、Gメール

アウトルックやホットメールは、とうていGメールの機能にかなわない。

6、OpenOffice

ワード・プロセシング、スプレッドシート、プレゼンテーションソフトなら、OpenOfficeがマイクロソフト・オフィスの良い代用になる。

7、Launchy

プログラムやファイルの検索なら、Launchyがお勧めだ。

8、Audacity

マイクロソフト・サウンド・レコーダーより、Audacityの方が多くの機能を揃えている。

9、Disk Defrag

マイクロソフトのDisk Defragmenterよりも、Disk Defragの方が速い。

10、Gimp

フォトショップのような機能を求めているなら、Gimpがお勧めだ。

(参考にしたサイト: http://www.247wallst.com/2007/06/a_retreat_from_.html

http://biz.yahoo.com/bizj/070620/1479586.html?.v=1

http://www.lifehack.org/articles/technology/top-10-microsoft-alternatives.html

 

 

 

 

まだ比較的割安な航空券

夏休み、本格的な旅行シーズンだ。旅行といえば飛行機だが、アメリカでは、航空会社に対して苦情を訴える人が増えている。3月の統計を見ると、1000人中8人の旅客が、手荷物の紛失や破損に関する苦情を訴え、この数は去年、1000人中6人弱だった。

更に、定刻どおりに飛び立つ便数も減っている。航空業界では、15分までの遅れなら時間どおり、と定められているが、2002年、定刻どおりに運行された便数は82%だった。2006年は75%、そして今年最初の3カ月間は71%だ。

その他にも、いつも満員のフライト。テロ規制で警備が厳しくなり、チェックインに余分な時間がかかる、といったこともあるから、ますます空の旅は嫌われている。

原油価格の値上がりで、航空券が高くなった、と不平を言う人たちが多いが、こんなデータがある。

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(Myvacationpassport.comより)

上は、1982年と今年2007年の、アメリカ国内航空券料金を比較したものだが、先ず、見方から説明しよう。

どれも、ロサンゼルス発の往復航空券になり、一番左は目的地を表す。下から二番目の、ロサンゼルス/ニューヨーク間の例で見てみよう。

New Yorkの直ぐ右の数字、278は278ドルを示し、1982年に最も安かった、ロサンゼルス/ニューヨークの往復航空券料金だ。そして、この278ドルを、今日の金額に換算したのが真ん中の数字592ドルだ。一番右の278ドルは、今年最も安い、ロサンゼルス/ニューヨークの往復航空券の金額になる。一番安い航空券を比較する限り、安い航空券は、更に割安になったわけだ。

それでは、一番安い航空券ではなく、航空券の平均価格ならどうだろうか?交通局の調べによれば、1995年、米国内線の平均航空券価格は359ドルだった。インフレを考慮して、この金額を今日の金額に直すと484ドルになる。そして、去年の平均価格は380ドルだから、決して高くなったとは言えない。しかし、割安な航空券でも、手荷物紛失、おまけに大幅に定刻を遅れての到着なら、かなり割高に感じられることだろう。

(参考にしたサイト: http://travel.latimes.com/articles/la-trw-angryhamm27may27?single_page=y

http://www.myvacationpassport.com/login.php

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発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット