US Market Recap

ハンドル名と最高経営責任者

9割9分、掲示板に書き込む人はハンドル名を使う。本名でないから、失礼なことでも平気に書いてしまう人が多い。こんな報道があった。先ず、スポットライトが当てられているのは、ホール・フーズ・マーケット(WFMI)の最高経営責任者、ジョン・マッケイ氏だ。

1999年から2006年の間に、マッケイ氏は「rahodeb」というハンドル名を使って、競争相手のWild Oats(OATS)を攻撃していた。たとえば、こんな書き込みがある。「Wild Oatsは、経営破たんとなるだろう。おそらく、株価は5ドル以下で、どこかに買収されるはずだ。」問題は、買収を計画していたのは、掲示板に書き込みをしていたマッケイ氏自身だ。

けっきょく、米連邦取引委員会が中に入り、ホール・フーズ・マーケットに買収中止を命じた。しかし、マッケイ氏は簡単に引っ込むことを拒否し、現在法廷で争っている。

ハンドル名を使って、ライバルを非難する最高経営責任者は、全米でマッケイ氏だけだ、と断言することはできない。それに、自社の株価をつり上げようと、ハンドル名を使って、株価を煽るような書き込みをしている幹部連中もいるのではないだろうか。

さて、マッケイ氏は、ホール・フーズ・マーケットのウェブページで、こう書いている。

今回の件で、私に送られてくるメールは4種類に分けることができる。

1、米連邦取引委員会が間違っている、と私を支持する内容。

2、米連邦取引委員会が正しい。当然の報いが来たまでだ、と私を非難するもの。

3、率直な私の意見に驚きを示すもの。

4、政府に逆らうのは止めた方が良い、と忠告するもの。

政治的な正しさを気にするあまり、私たちは今日、自分が本当に思っていることを言うことができない。政治家たちの発言が、いつも退屈なのはそのためだ。私は政治家ではない。言いたいことを言う私のスタイルが気に食わないなら、私の書いたものを無視すればよいだけだ。

意気盛んなマッケイ氏、これでは、おそらく折れることはないだろう。

(参考にしたサイト: http://www.247wallst.com/2007/07/what-is-whole-f.html 

http://www.wholefoods.com/blogs/jm/archives/2007/06/questions_from.html

心配な小売セクター

決算シーズンが始まったばかりだが、Home Depot (HD)とSears Holdings  (SHLD)は、さっそく収益の下方修正をした。小売セクターの大手2社からの発表だっただけに、投資者たちのこのセクターに対する信頼度は、更に下落する結果となった。同セクターの、他社の様子を少し見てみよう。

Best Buy(BBY): アナリストは、BBYの第1四半期利益は、予想以上に悪くなることを予測し、2007年度の収益を下方修正した。

Circuit City(CC): 人員削減をして会社建て直しを計っているが、なかなか順調に進まない。既に発表された、2008年度の収益予想を取り消している。

 Starbucks(SBUX): 最高財務責任者は、アナリストが予想している2007年度の収益予想に達することは難しい、という見方を述べている。

Target(TGT): 6月の売上は、低めに予測された3%から5%の伸びになりそう。

Bed, Bath & Beyond(BBBY): 会社史上初めて、アナリストの予想を達成するのは困難、という発表をした。

パッとしない発表ばかりだが、なぜ小売セクターが下向きになったのだろうか?

先ず考えられるのが、低迷する住宅市場だ。不動産がブームだった頃は、積極的に住宅ローンの借り換えが行われ、消費者は簡単に多額な現金を手に入れることができた。しかし、金利上昇が悪影響となって住宅価格は下がり、借り換えが不可能になってしまった。それに、サブプライム融資問題で、月々の支払いができなくなる消費者が増え、住宅ローンに対して銀行は消極的だ。

住宅が資金源にならない今日、米国消費者は、どこから金を得ているのだろうか?答えはクレジットカードだ。現に、連銀の発表によれば、5月、リボルビング式の借金が、なんと9.8%も跳ね上がっている。

しかし、これだけクレジットカードの利用が増えているのに、小売セクターの見通しは冴えない。これは何を意味するのだろうか?おそらく、多くのクレジットカードが限度額まで使いきられてしまった可能性がある。となれば、マスターカード(MA)は既に高値をつけてしまった、とリットホルツ・リサーチの、バリー・リットホルツ氏は言う。

下はマスターカードの日足だ。(7月11日 大引け45分前)

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(参考にしたサイト: http://bigpicture.typepad.com/comments/

http://bigpicture.typepad.com/comments/2007/07/hows-retail-doi.html

客を無視するCircuit City

決して画期的なアイデアではないが、こんなニュースがあった。大手小売、Wal-Mart (WMT)はオンラインショッピングを応用することで、売上が伸びた。なんだ、オンラインショッピングか、と言われるかもしれないが、Wal-Mart が実行したのは、完璧なオンラインショッピングではない。

オンラインで買い物をすると、品物は指定された場所に配達される。Wal-Mart が実行したのは、インターネット上で、お客さんが品物を注文するところまでだ。ようするに配達がないから、お客さんが直接Wal-Mart へ足を運んで、品物を受け取らなければならない。

Wal-Mart側によれば、お客さんが節約した配達料金は、既に500万ドルにのぼるという。更に、品物を取りに来たついでに、買い物をしていく人も増えたというから、Wal-Mart には嬉しいニュースだ。

さて、小売で話題になっているのは、テレビ、コンピュータ、それにアイロンなどの家電製品を扱うCircuit City (CC)だ。先ず、日足チャートから見てみよう。(7月10日、大引け1時間半前時点)

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安値圏で横ばいが続いていたがブレイクダウン。これで、去年10月13日の高値(29ドル31セント)から半分戻したことになる。寄付き前、同セクターのHome Depot、Lexmark、それにSearsが収益の下方修正を発表し、Circuit City (CC)に悪影響となったようだ。ここまで安くなると、そろそろ買いを考える人もいるかもしれない。少し調べたら、Circuit City に関する、こんな記事が出てきた。

ビジネスをする上で、顧客をいかに維持するかは、経営者にとって重要な問題だ。新製品を、消費者に買ってもらうことが難しいのと同様に、顧客を維持し続けることも楽ではない。それなのに、なぜCircuit City は、この大切な要素を無視するのだろうか。どう考えても、Circuit Cityのしていることは、お客さんに競争相手の店に行くことを勧めているようなものだ。

人件費を節約するために、Home Depot (HD)がセールスマンを、既に退職した人たちと入れ換えたことがあった。製品知識の豊富なフルタイムのセールスマンを解雇して、安い時給で、引退者を採用したわけだ。とうぜん会社側の出費は減ったが、客は競争相手のLowe's(LOW)へ行ってしまった。言うもでもなく、知識の乏しいセールスマンに、客はウンザリしてしまった。

こんな前例があるのに、Circuit Cityはセールスマンの給料を削る、という愚策を実行した。ただでさえ、高いと言えない給料だったから、有能なセールスマンは会社を去り、残ったのは製品知識に欠けるセールスマンだ。

チャートを一目見れば、Circuit Cityが買いでないことは簡単に分かるが、ファンダメンタル的なことを少し付け足しておこう。最近の四半期を振り返ってみると、Circuit Cityのテレビ売上数は、二桁のパーセンテージで減少している。ノートブック型のコンピュータの売上は、二桁のパーセンテージの伸び、しかしデスクトップ型は去年とほぼ同じだ。また、マージンは1年前の24.5%から22.5%に下落している。コンサルタントのクレッグ・ジョンソン氏は、こう語っている。「Circuit Cityには、Best Buyのようなアフターサービスがありませんから、顧客を維持するのが難しい状況です。それに、Wal-Martと価格競争するような力もありませんから、暗い先行きです。」

(参考にしたサイト: http://www.thestreet.com/newsanalysis/dailymarket/10363702.html

http://www.thestreet.com/s/10-ways-to-retain-clients/newsanalysis/sbmanagement/10365885.html?puc=_tscs

http://www.247wallst.com/2007/07/the-internet-he.html

失敗こそ成功への近道

株の世界で、百戦百勝はありえない。損はトレードに付き物だ、と割り切った態度が必要なのだが、人間どうしても負けにこだわってしまう。場合によっては、復讐に燃えて、いたずらに損を繰り返すことになるから、負けた時ほど冷静にならないといけない。そこで今日は、失敗を成功に導く方法を考えてみよう。

1、失敗から何か学べることがあるだろうか?一見バカらしく、つまらない間違いに思えるかもしれないが、失敗の中には、あなたの将来を向上させる要素が含まれているものだ。とにかく失敗したら、直ぐにダメだと思うのではなく、これを将来に、どう役立てるかを考えてみよう。

2、失敗日記の利用

ヘマを犯したら、必ずそれをノートに書きとめよう。意外と思われるかもしれないが、失敗日記には大きな効果がある。大袈裟に言えば、失敗は多ければ多いほど良い。失敗の多さは、あなたのチャレンジ精神が旺盛な証拠だ。それに、失敗が多いほど、学ぶことも多いわけだから、失敗を恥だなどと思ってはいけない。

3、ゴールの再検討

損を出したら、ゴールをもう一度振り返ってみよう。法外な、利益目標を設定していなかっただろうか?ひょっとしたら、あなたは既に成功していたのかもしれない。適切な目標を立てよう。

4、生活スタイルの見直し

あなたは、健康管理に気をつかっているだろうか?失敗を跳ね飛ばすためには、強い精神力だけでなく、健康な体も必要だ。正しい食生活、それに週に何回かはスポーツで汗を流そう。

5、協力者はいるか?

特に失敗が重なる時、あなたには良い相談相手がいるだろうか?あなたと同じ目標を持つ人たちと、意見を交換するのも効果的だ。気をつけてほしいのは、悲観的な話は無視しよう。あなたに必要なのは、前向きな意見で、あなたを向上させてくれる人だ。失敗している人に暗い話をする人は、あなたの味方ではない。

6、謙虚に、冷静に

と言っても、低い目標を設定しろ、という意味ではない。勝ち負けに対して、極度に感情的になることを避けよう。失敗したら、これで成功に一歩近くなった、と気楽に考えることが大切だ。ウォール街には、やる気満々の態度は、株での失敗を約束する、という言葉がある。やる気満々の人に共通しているのは、直ぐに好結果を出そうと躍起になることだ。一夜で成功することなどありえない。常に冷静、そして謙虚な姿勢でトレードに臨もう。

7、反省し過ぎるな

一度失敗から学んだら、そのことでクヨクヨするのはやめよう。とにかく、間違いの分析は一度で十分。頭を切り換えて、次のトレードに集中しよう。

(参考にしたサイト: http://www.lifehack.org/articles/management/7-practical-steps-to-turn-around-a-bad-experience.html

ニュースレターとゴールド

金には、5700年の投資歴史がある、とキットコ・ブリオンのジョン・ナドラー氏は言う。先週水木の二日間で、約9ドルの下落となった金だが、金曜の取引では、その下げ幅の三分の一以上を取り戻した。先ず、金価格に連動する、streetTRACKS Gold Shares (GLD)の日足チャートから見てみよう。

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下降するチャンネル内での動きが続いているが、今のところ、長期トレンドを見る200日移動平均線は割っていない。もちろん、チャンネル上辺の突破を合図に、買いを計画している人たちもいることだろう。

金曜のコラムで、マーク・ハルバート氏は、こんなことを書いていた。

木曜、金は1オンスあたり更に4ドル80セントの下げとなり、きびしい状態だ。6月に指摘したことだが、あの頃、金専門のニュースレターは、皆が皆あまりにも強気だった。そんな時ほど天井になりやすいから、私は、金投資に対して消極的な態度を取った。あれから、金地金価格は3%ほど下げ、その間ダウ指数は0.2%の下げだ。

現在、金専門ニュースレターは、どんな推奨をしているだろうか?1カ月前と比較すると、警戒論がかなり増えている。しかし、皆が皆そろって超弱気論ではないから、まだ積極的に金を買え、と結論することはできない。

もちろん、金がここで反発ラリーを展開する可能性は十分ある。注目は、本当にラリーが起きた場合だ。少しの上げで、ニュースレターが一斉に強気に転じるなら、この上昇は長続きしないだろう。もし逆に、ラリーに対してニュースレターが半信半疑なら、ラリーは長続きすることだろう。

金曜、1オンスあたり653ドル89セント(+0.60%)で、金は取引を終了した。ゴールドシーク・ドット・コムの、ピーター・スピナ氏は、こう語っている。「ドル安、それにオイルは、1バレルあたり73ドルに達しようとしています。この二条件が揃った今日、金は上がるしかありません。」

(参考にしたサイト: http://www.marketwatch.com/news/story/gold-futures-rise-set-break/story.aspx?guid=%7B1BE26E01%2DAE00%2D4663%2DA6AD%2D9C757A94F6EB%7D

http://www.marketwatch.com/news/story/forget-futures-go-back-golds/story.aspx?guid=%7BB5C0738A%2D740E%2D457A%2D9B96%2D14E4D53AC7DD%7D

http://www.marketwatch.com/news/story/does-advisory-sentiment-support-rally/story.aspx?guid=%7BB238E26D%2D1613%2D484C%2D9E5E%2D9CEC6D18E9C9%7D

小売セクター、なぜ従業員を増やさない?

小売セクターの雇用状況が悪化している。CNNニュースによれば、2006年1月から2007年5月までの17カ月間を振り返ると、雇用者数が減った月数が、雇用者数が増えた月数を上回っている。同時期、低迷が続く不動産業界でさえ、2万4000を超える新規雇用があった。小売セクターは、不況に陥るのだろうか?

6月13日に発表された、小売売上(5月分)は、アナリストの予想を上回る+1.4%の好結果だった。PNCファイナンシャルのエコノミスト、スチュアート・ホフマン氏は、こう語っている。「3月、小売売上が強い数値を示したのは、感謝祭が大きく影響しています。4月、売上が悪くなったのは、ガソリンの値上がりです。今回5月の結果は、米国経済に明るいニュースです。低迷する住宅市場、高ガソリン価格にもかかわらず、個人消費に衰えの兆しはありません。」

個人消費に問題が無いのなら、なぜ小売セクターの雇用状況が悪くなっているのだろうか?「現在の状況を考えれば、どうして小売セクターが、もっと人を雇わないのかが不思議です。本当に、どう説明したらよいか分かりません。小売店経営者から、最近よく聞くのは、新しい従業員を雇うのが難しくなっている、ということです。労働力不足で、求人難が起きているのかもしれません」、とマイケル・ニーミラ氏(エコノミスト)は言う。

バーナード・サンズのアナリスト、リチャード・へースティングス氏は、こう見ている。「小売セクターの雇用が進まないのは、卸し売り値に近い値段で人気の、安売り店が成長しているのが原因です。特に、大型安売り店のビジネスモデルは、コストを節約するために、店員の数は最低限におさえられています。また、ソフトウェアが改善され、小売業者は、いつ従業員を増やすべきかを、統計的に把握しています。」

アウトソーシングも、従業員が伸びない一因だ。仕入れた品物は、小売店の従業員が店の棚に並べるのが普通だったが、最近は、品物の供給者にそれをやらせる店が増え始めた。「小売業者は、大量に在庫を抱え込むことを嫌います。注文する品物数を減らして、供給者に、ある程度の在庫管理を任せれば人件費を削減できます」、とへースティングス氏は言う。

ワコビアのエコノミスト、ジョン・シルバ氏は、オンラインショッピングも、従業員の数を減らす要素になっていると言う。最終的に、小売店に出向いて品物を購入する人でも、あらかじめインターネットで製品情報を入手していることが多い。これが意味するのは、消費者は何を買うかを既に決めているから、店員に聞きたいことは何もない。だから、店員の数を削減できる、とシルバ氏は説明している。

シルバ氏は、こんな質問をする。「皆さんは、最後に良いカスタマーサービスを受けたのは、いつだったか覚えていますか?おそらく、店員を見つけるのに苦労したことでしょう。おまけに、レジには長い列も出来ていたはずです。」

へースティングス氏の言葉を付け加えておこう。「小売業者は、いつも十分な数のレジを開けておく必要があります。少々悪いカスタマーサービスに消費者は我慢できても、レジの長い列を見て、店から出てしまう人もいますから、レジ係だけは、いつも十分な人数を配置することが重要です。」

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/06/13/news/economy/may_sales/index.htm?postversion=2007061311

http://money.cnn.com/2007/07/05/news/economy/jobs_outlook/index.htm?postversion=2007070510

原油高、注目銘柄はどれ?

原油が、1バレルあたり70ドルを突破した。航空会社には頭の痛い話だが、他には、どんな会社が影響を受けるだろうか?さっそく、幾つか見てみよう。

新聞社: ニューススタンドや、コンビニへの新聞配達はトラックが利用されている。主な銘柄は、Gannett Co., Inc. (GCI)、McClatchy Co. (MNI)。

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McClatchy Co. (MNI) (日足) ベアフラッグが形成されている。

船旅(クルーズ): 豪華船は、言うまでもなく大量に燃料が要るから、高い原油は嫌なニュースだ。主な銘柄は、Carnival Corp. (CCL)、Royal Caribbean Cruises Ltd. (RCL)。

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Carnival Corp. (CCL) (日足) サポートラインに迫る。

宅急便: 飛行機、トラックは宅急会社の必需品だ。主な銘柄は、United Parcel Service, Inc. (UPS)、FedEx Corporation (FDX)。

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FedEx Corporation (FDX) (日足) サポートラインのテスト。

食品小売業: チェーン店への配達に、トラックが欠かせない。主な銘柄は、Starbucks Corp. (SBUX)、McDonald's Corp. (MCD)。

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Starbucks Corp. (SBUX) (日足) ベアフラッグだ。

自動車: 原油高はガソリンの値上がりを引き起こし、トラックや大型自動車の販売数を減らす原因になる。主な銘柄は、General Motors Corporation (GM)、Ford Motor Co. (F)、Daimlerchrysler AG (DCX)。

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Ford Motor Co. (F) (日足) トレンドラインを割った。

航空会社で注目されるのは、最近、会社更生手続きを終結させ、再起を狙うデルタ航空(DAL)だ。単に他社との競争が厳しいだけでなく、オイル高を、うまく乗り切ることができるだろうか?

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デルタ航空 (DAL) (日足)

注: チャートは、7月5日、午後2時(ニューヨーク時間)時点のもの。

(参考にしたサイト: http://www.247wallst.com/2007/06/70-oil-who-gets.html

弱気論はゼロ

さて、独立記念日、休みになるのは嬉しい。しかし、木金は出勤の人も多いから、何となく中途半端な休日だ。今年も既に6カ月が過ぎ、トレードを振り返ってみるには、良い機会かもしれない。

昨日のコラムだったか、マーク・ハルバート氏が、業界トップのニュースレターは、いまだに強気、といったようなことを書いていた。少し読んでみよう。

ニュースレターの意見

・Blue Chip Investor: (ニュートラル)

6月の中頃、強気からニュートラルに投資姿勢が変わった。しかし、ポートフォリオを占める株の比重は、84%と相変わらず強気な姿勢だ。

・Bob Brinker's Marketimer: (強気)

最新号で、編集長のブリンカー氏は、こう書いている。「今年、マーケットがベアマーケットに陥る危険性は無い。」(注: この場合のベアマーケットは、S&P500指数が、20%を超える下げを意味する。)言うまでもなく、ブリンカー氏は、ポートフォリオの100%を、株に投資することを勧めている。

・Chartist and Chartist Mutual Fund Timer: (強気)

「マーケットの勢いに、頭打ちが見られる。もちろん、これは短期的な現象であり、まだ長期トレンドは株に有利な状態だ。」 ダン・サリバン氏(編集長)  株がポートフォリオを占める割合は95%。

・Investors Guide to Closed-End Funds: (やや強気)

約52%が株に割り当てられている。

・No Load Fund Investor: (やや強気)

ポートフォリオの70%が米株、そして15%が外国株だ。

・Timer Digest: (強気)

72%が株の比重だ。

・Vantage Point: (やや強気)

ポートフォリオの、92%が株で占められている。

・Vickers Weekly Insider Report: (ニュートラル)

編集長のコールマン氏は、最近加速している、内部関係者による売りを心配している。48%が株に割り当てられている。

ハルバート氏は、こう締めくくっている。「業界トップのニュースレターで、弱気論は一つもありません。」

(参考にしたサイト: http://www.marketwatch.com/news/story/mark-hulbert-top-performing-newsletters/story.aspx?guid=%7bDCF9C6DC-0F3E-479D-85CA-F0842A78E76D%7d&dist=bondheads

化石燃料は枯渇する?

高くなったガソリン。夏休みを待っていたように値上がった航空料金。全て欲の深い、オイル会社の責任だ、とアメリカの消費者は熱くなっている。しかし、米国石油協会の調べによれば、アメリカの消費者は、基本的なオイル業界の知識を欠くと言う。そこで、さっそくCNNマネーは、あなたのオイルIQに挑戦だ。

1、世界で上位10社の、オイルそして天然ガス会社の何パーセントは非米国系?

A、5%
B、50%
C、75%
D、100%

Dの100%が正解、と言ったら、皆さんは信じるだろうか?オイル会社の規模は、単に生産量だけではなく、まだ手のつけられていない、推定埋蔵量をどの程度保有しているかも考慮される。たしかにエクソンは、株が取引されている会社では世界最大に違いないが、世界の国有会社も含めると、トップ10リストに入ることができない。

2、化石燃料の枯渇、といったことが話題になるが、2030年には化石燃料で何パーセントのエネルギー需要を満たすことができるだろうか?

A、21%
B、41%
C、61%
D、81%

ほとんど人たちは、Cの61%を選ぶが、正解は81%のDだ。

3、米国で消費されるオイルの、何パーセントが海外からの輸入だろうか?

A、10から25%
B、25から40%
C、40から60%
D、60から80%

Dと答える人が最も多いが、正解は25から40%のBだ。

4、2006年、アメリカに最も多くのオイルを輸出した国はどこ?

A、サウジアラビア
B、ベネズエラ
C、カナダ
D、中国

正解は、おとなりの国カナダ。ほとんどの人は、サウジアラビアを選択している。カナダ、メキシコ、ナイジェリア、ベネズエラ、そしてサウジアラビアの順だ。

5、アメリカの東海岸西海岸沖には、大量な石油が海底に眠っているといわれる。しかし、米国政府は、その何%の開発を禁じているだろうか?

A、25%
B、45%
C、65%
D、85%

25%と思っている人が多いが、正解はDの85%だ。

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/quizzes/2007/news/energy_iq/index.html

exchanges.nyse.com

世の中、ブログが主流になった。以前なら、ホームページを作ってみました、といった表現だったが、最近は、ブログを始めました、と言う人がほとんだ。ところで、皆さんはニューヨーク証券取引所のブログをご存知だろうか?さっそくアクセスしてみよう。

http://exchanges.nyse.com/

目に飛び込んできたタイトルは、「スペシャリスト介入、大損から救われた投資者」、というものだ。AT&T、Wyeth、それにJefferies Groupの三銘柄に間違った買い注文が入ったが、それに気がついたフロアのスペシャリストのお陰で、大事に至ることがなかった。ここは、証券取引所の自慢話が専門だろうか?

多くのブログがそうであるように、ニューヨーク証券取引所のブログにも、読者が参加することができる。しかし、上の記事には、読者から何のコメントも残されていなかった。「すばらしいスペシャリストの活躍に、心から拍手をおくりたいと思います」、とでも書き込もうかと思ったが、あまりにも白々しいのでやめた。

少し真面目に読んでみよう。6月22日には、人気IPO(新規公開株)、ブラックストーン(BX)の話が載っていた。

初取引は9時52分39秒、36ドル45セントで1800万株だ。一回の取引としてテープには流れているが、この取引には、500人の売り手と買い手が一まとめにされている。こんなことは、IPOの初取引では珍しいことではない。場合によっては、初取引の出来高は、発行株数の10%を超えることもある。

ブラックストーンは、ニューヨーク証券取引所に上場されたわけだが、AP通信は、こんな報道をしていた。

ニューヨーク証券取引所で、正式にブラックストーンの取引が開始される前に、ADFはブラックストーンの45ドルでの取引を表示した。(ADFは、全米証券業協会(NASD)で稼動している呼び値システム)こんな事件が起きたのは、電子取引専門のナショナル・ストック・エクスチェンジのコンピュータが、間違って4回の取引をしてしまったためだ。総額は、10万ドル以下だった。

ナショナル・ストック・エクスチェンジの広報官は、直ぐにそれらの取引をキャンセルした、と述べているが、ADFシステムは、何故このような過ちが起きたかについて、説明することができなかった。

ここで、ニューヨーク証券取引所のブログに戻ろう。

ブラックストーンが、電子取引で、45ドルそして42ドルで売買されたことを、私も聞かされた。しかし、なんでそんな値段を払う必要があるのだろう?ニューヨーク証券取引所に来れば、36ドル45セントで買えたのに。

(参考にしたサイト: http://biz.yahoo.com/ap/070622/blackstone_electronic.html?.v=2

http://exchanges.nyse.com/

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