金には、5700年の投資歴史がある、とキットコ・ブリオンのジョン・ナドラー氏は言う。先週水木の二日間で、約9ドルの下落となった金だが、金曜の取引では、その下げ幅の三分の一以上を取り戻した。先ず、金価格に連動する、streetTRACKS Gold Shares (GLD)の日足チャートから見てみよう。
小売セクターの雇用状況が悪化している。CNNニュースによれば、2006年1月から2007年5月までの17カ月間を振り返ると、雇用者数が減った月数が、雇用者数が増えた月数を上回っている。同時期、低迷が続く不動産業界でさえ、2万4000を超える新規雇用があった。小売セクターは、不況に陥るのだろうか?
6月13日に発表された、小売売上(5月分)は、アナリストの予想を上回る+1.4%の好結果だった。PNCファイナンシャルのエコノミスト、スチュアート・ホフマン氏は、こう語っている。「3月、小売売上が強い数値を示したのは、感謝祭が大きく影響しています。4月、売上が悪くなったのは、ガソリンの値上がりです。今回5月の結果は、米国経済に明るいニュースです。低迷する住宅市場、高ガソリン価格にもかかわらず、個人消費に衰えの兆しはありません。」
個人消費に問題が無いのなら、なぜ小売セクターの雇用状況が悪くなっているのだろうか?「現在の状況を考えれば、どうして小売セクターが、もっと人を雇わないのかが不思議です。本当に、どう説明したらよいか分かりません。小売店経営者から、最近よく聞くのは、新しい従業員を雇うのが難しくなっている、ということです。労働力不足で、求人難が起きているのかもしれません」、とマイケル・ニーミラ氏(エコノミスト)は言う。
バーナード・サンズのアナリスト、リチャード・へースティングス氏は、こう見ている。「小売セクターの雇用が進まないのは、卸し売り値に近い値段で人気の、安売り店が成長しているのが原因です。特に、大型安売り店のビジネスモデルは、コストを節約するために、店員の数は最低限におさえられています。また、ソフトウェアが改善され、小売業者は、いつ従業員を増やすべきかを、統計的に把握しています。」
アウトソーシングも、従業員が伸びない一因だ。仕入れた品物は、小売店の従業員が店の棚に並べるのが普通だったが、最近は、品物の供給者にそれをやらせる店が増え始めた。「小売業者は、大量に在庫を抱え込むことを嫌います。注文する品物数を減らして、供給者に、ある程度の在庫管理を任せれば人件費を削減できます」、とへースティングス氏は言う。
ワコビアのエコノミスト、ジョン・シルバ氏は、オンラインショッピングも、従業員の数を減らす要素になっていると言う。最終的に、小売店に出向いて品物を購入する人でも、あらかじめインターネットで製品情報を入手していることが多い。これが意味するのは、消費者は何を買うかを既に決めているから、店員に聞きたいことは何もない。だから、店員の数を削減できる、とシルバ氏は説明している。
シルバ氏は、こんな質問をする。「皆さんは、最後に良いカスタマーサービスを受けたのは、いつだったか覚えていますか?おそらく、店員を見つけるのに苦労したことでしょう。おまけに、レジには長い列も出来ていたはずです。」
へースティングス氏の言葉を付け加えておこう。「小売業者は、いつも十分な数のレジを開けておく必要があります。少々悪いカスタマーサービスに消費者は我慢できても、レジの長い列を見て、店から出てしまう人もいますから、レジ係だけは、いつも十分な人数を配置することが重要です。」
(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/06/13/news/economy/may_sales/index.htm?postversion=2007061311
http://money.cnn.com/2007/07/05/news/economy/jobs_outlook/index.htm?postversion=2007070510)
原油が、1バレルあたり70ドルを突破した。航空会社には頭の痛い話だが、他には、どんな会社が影響を受けるだろうか?さっそく、幾つか見てみよう。
新聞社: ニューススタンドや、コンビニへの新聞配達はトラックが利用されている。主な銘柄は、Gannett Co., Inc. (GCI)、McClatchy Co. (MNI)。
McClatchy Co. (MNI) (日足) ベアフラッグが形成されている。
船旅(クルーズ): 豪華船は、言うまでもなく大量に燃料が要るから、高い原油は嫌なニュースだ。主な銘柄は、Carnival Corp. (CCL)、Royal Caribbean Cruises Ltd. (RCL)。
Carnival Corp. (CCL) (日足) サポートラインに迫る。
宅急便: 飛行機、トラックは宅急会社の必需品だ。主な銘柄は、United Parcel Service, Inc. (UPS)、FedEx Corporation (FDX)。
FedEx Corporation (FDX) (日足) サポートラインのテスト。
食品小売業: チェーン店への配達に、トラックが欠かせない。主な銘柄は、Starbucks Corp. (SBUX)、McDonald's Corp. (MCD)。
Starbucks Corp. (SBUX) (日足) ベアフラッグだ。
自動車: 原油高はガソリンの値上がりを引き起こし、トラックや大型自動車の販売数を減らす原因になる。主な銘柄は、General Motors Corporation (GM)、Ford Motor Co. (F)、Daimlerchrysler AG (DCX)。
Ford Motor Co. (F) (日足) トレンドラインを割った。
航空会社で注目されるのは、最近、会社更生手続きを終結させ、再起を狙うデルタ航空(DAL)だ。単に他社との競争が厳しいだけでなく、オイル高を、うまく乗り切ることができるだろうか?
デルタ航空 (DAL) (日足)
注: チャートは、7月5日、午後2時(ニューヨーク時間)時点のもの。
(参考にしたサイト: http://www.247wallst.com/2007/06/70-oil-who-gets.html)
高くなったガソリン。夏休みを待っていたように値上がった航空料金。全て欲の深い、オイル会社の責任だ、とアメリカの消費者は熱くなっている。しかし、米国石油協会の調べによれば、アメリカの消費者は、基本的なオイル業界の知識を欠くと言う。そこで、さっそくCNNマネーは、あなたのオイルIQに挑戦だ。
1、世界で上位10社の、オイルそして天然ガス会社の何パーセントは非米国系?
A、5%
B、50%
C、75%
D、100%
Dの100%が正解、と言ったら、皆さんは信じるだろうか?オイル会社の規模は、単に生産量だけではなく、まだ手のつけられていない、推定埋蔵量をどの程度保有しているかも考慮される。たしかにエクソンは、株が取引されている会社では世界最大に違いないが、世界の国有会社も含めると、トップ10リストに入ることができない。
2、化石燃料の枯渇、といったことが話題になるが、2030年には化石燃料で何パーセントのエネルギー需要を満たすことができるだろうか?
A、21%
B、41%
C、61%
D、81%
ほとんど人たちは、Cの61%を選ぶが、正解は81%のDだ。
3、米国で消費されるオイルの、何パーセントが海外からの輸入だろうか?
A、10から25%
B、25から40%
C、40から60%
D、60から80%
Dと答える人が最も多いが、正解は25から40%のBだ。
4、2006年、アメリカに最も多くのオイルを輸出した国はどこ?
A、サウジアラビア
B、ベネズエラ
C、カナダ
D、中国
正解は、おとなりの国カナダ。ほとんどの人は、サウジアラビアを選択している。カナダ、メキシコ、ナイジェリア、ベネズエラ、そしてサウジアラビアの順だ。
5、アメリカの東海岸西海岸沖には、大量な石油が海底に眠っているといわれる。しかし、米国政府は、その何%の開発を禁じているだろうか?
A、25%
B、45%
C、65%
D、85%
25%と思っている人が多いが、正解はDの85%だ。
(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/quizzes/2007/news/energy_iq/index.html)
世の中、ブログが主流になった。以前なら、ホームページを作ってみました、といった表現だったが、最近は、ブログを始めました、と言う人がほとんだ。ところで、皆さんはニューヨーク証券取引所のブログをご存知だろうか?さっそくアクセスしてみよう。
http://exchanges.nyse.com/
目に飛び込んできたタイトルは、「スペシャリスト介入、大損から救われた投資者」、というものだ。AT&T、Wyeth、それにJefferies Groupの三銘柄に間違った買い注文が入ったが、それに気がついたフロアのスペシャリストのお陰で、大事に至ることがなかった。ここは、証券取引所の自慢話が専門だろうか?
多くのブログがそうであるように、ニューヨーク証券取引所のブログにも、読者が参加することができる。しかし、上の記事には、読者から何のコメントも残されていなかった。「すばらしいスペシャリストの活躍に、心から拍手をおくりたいと思います」、とでも書き込もうかと思ったが、あまりにも白々しいのでやめた。
少し真面目に読んでみよう。6月22日には、人気IPO(新規公開株)、ブラックストーン(BX)の話が載っていた。
初取引は9時52分39秒、36ドル45セントで1800万株だ。一回の取引としてテープには流れているが、この取引には、500人の売り手と買い手が一まとめにされている。こんなことは、IPOの初取引では珍しいことではない。場合によっては、初取引の出来高は、発行株数の10%を超えることもある。
ブラックストーンは、ニューヨーク証券取引所に上場されたわけだが、AP通信は、こんな報道をしていた。
ニューヨーク証券取引所で、正式にブラックストーンの取引が開始される前に、ADFはブラックストーンの45ドルでの取引を表示した。(ADFは、全米証券業協会(NASD)で稼動している呼び値システム)こんな事件が起きたのは、電子取引専門のナショナル・ストック・エクスチェンジのコンピュータが、間違って4回の取引をしてしまったためだ。総額は、10万ドル以下だった。
ナショナル・ストック・エクスチェンジの広報官は、直ぐにそれらの取引をキャンセルした、と述べているが、ADFシステムは、何故このような過ちが起きたかについて、説明することができなかった。
ここで、ニューヨーク証券取引所のブログに戻ろう。
ブラックストーンが、電子取引で、45ドルそして42ドルで売買されたことを、私も聞かされた。しかし、なんでそんな値段を払う必要があるのだろう?ニューヨーク証券取引所に来れば、36ドル45セントで買えたのに。
(参考にしたサイト: http://biz.yahoo.com/ap/070622/blackstone_electronic.html?.v=2
http://exchanges.nyse.com/)