先週の話題は、何と言っても、予想を外したグーグルの決算発表だ。簡単にいつもアナリストの予想を上回るグーグルだけに、さすがに今回は、皆ビックリしてしまった。時間外取引から売りが殺到し、金曜の通常取引は、6%以上のギャップダウンで寄付いた。好決算を期待して、前日買った人たちは、さぞ後悔したことだろう。
決算シーズン真っ只中。今週も、多くの企業から四半期の結果が発表される。どんなことに注意を払ったら良いだろうか?ジム・クレーマー氏(マッド・マネー)の意見を聞いてみよう。
1、月曜には、 Texas Instruments(TXN)とNvidia(NVDA)の決算がある。注目したいのはTXNだ。もし決算発表後、TXNが売られるようなら、これは良い買いチャンスだ。決して、決算発表の前に買ってはいけない。
2、火曜は、Amazon.com(AMZN)の決算が控えている。おそらく、ほとんどのアナリストは悲観的な事を言うはずだから、株は下げることになるだろう。買うのは、下げが止まってからだ。
3、決算発表前に、躊躇することなく買えるのは、水曜に決算が予定されているCorning(GLW)だ。
4、アップル(AAPL)には、投資者を喜ばすのに十分なストーリーがある。しかし、現在の株価は太りすぎだから、持ち株の一部を利食うべきだ。(AAPLの決算は水曜)
5、Caterpillar (CAT)の一件があるから、Cummins (CMI)は要注意だ。少し利食っておいた方が無難だろう。(Cummins (CMI)の決算は木曜)
6、Exxon Mobil (XOM)とChevron (CVX)を持っているなら、利食いを考えるのは、決算発表が終わってからだ。このセクターは、まだまだ行ける。(Chevron (CVX)の決算は金曜、Exxon Mobil (XOM)は木曜)
更にクレーマー氏は、フランスのオイル会社、Total SA (TOT)の買いを勧めている。単にオイルだけでなく、化学ビジネス部門、それに製薬会社Sanofi-Aventis(SNY)の2.13%に相当する株も、Total SA は保有している。予想される利益を基準に計算された株価収益率は約11だから、株価の方は、まだ競争相手より割安ということだ。
(参考にしたサイト: http://www.cnbc.com/id/15838459/site/14081545/)
マクドナルドやKFCは除くが、近所にあるレストランは、最近どこも値上げをした。日本食専門の、テリーズさんのところも値上げだから、洋食だけが高くなっているわけではない。スーパーマーケットに行ってみれば、間違いなく1年前より、果物、野菜、肉の値段が高い。インフレだ。どう考えてもインフレだ。
やっとそんな事に気がついたのか、と呆れる方もいるかもしれないが、政府から公表される数値を見ている限り、インフレを心配する必要は無い。たとえば、17日に発表された生産者物価指数(6月分)はマイナス0.2%、そして18日の消費者物価指数は+0.2%だった。アナリストの言葉を借りれば、「良好な状態」、ということになる。
しかし、高くなっているのは食料品だけではない。車社会アメリカにとって、最も重要と言える、ガソリンも大きく値上がっている。経済理論によれば、物の値段が上がると、その消費量が減ることになる。ということは、この値上がりで、ガソリンの消費量は減るはずだが、実際はそうなっていない。なぜだろうか?ジム・ジューバック氏(MSNマネー)は、こう説明している。
・ガソリン高は一時的なもの、と思っている消費者が多いから、エネルギーを節約しようという考え方が定着しない。
・車で通勤する人は、ガソリンが高いからといって、ガソリンを買わないわけにはいけない。社会基盤が、必然的にガソリンを消費するように出来上がっている。
・ガソリンを節約するには時間がかかる。皆が燃費の良い車に買い換えるのは、そう直ぐにできるものではない。
・米国には、オイル消費を減らす具体的な対策が無い。
・イラン、ベネズエラ、それに中国などでは、政府からの補助金があるから、オイルやガソリン消費に神経質になることはない。
更に、国際エネルギー機関からのレポートによれば、向こう5年間、世界のオイル供給量は毎年1%の割合で上昇し、需要量は2.2%の割合で増えるという。
それでは、どのオイル銘柄を狙ったら良いだろうか。ジューバック氏が推奨するのは、アパッチ(APA)だ。
「オイルの増産に、大きく貢献できるのはアパッチです。アパッチには、古くなり諦められた油田に眠るオイルを発見する技術があります。そのため2011年までに、エジプト、オーストラリア、それにカナダは、毎日の生産量を10万8000バレル増やすことができます」、とジューバック氏は説明する。
(参考にしたサイト: http://www.nypost.com/seven/07192007/business/hey_baby__inflations_ugly_business_john_crudele.htm
http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/JubaksJournal/TheOilSqueezeHasJustBegun.aspx?page=all)
株投資には25のルールがある、とジム・クレーマー氏(マッド・マネー)は言う。第4番目のルールは、ファンダメンタルのしっかりした、叩かれた株を買え、というものだ。言い換えれば、株価を深追いしないで、いったん下げたところで買え、ということになる。基本的には、押し目買いになるのだが、とうぜん一つの疑問が生まれる。
アップトレンドの株が、新高値を記録したとしよう。予想されたとおり利食いが入って、株は下げ始める。もちろん、高値をつかんでしまった人も、しまったとばかり株を投げる。押し目を待っている人には嬉しい展開だが、ここで生まれる疑問は、これは単なる一時的な下げだろうか、というものだ。
そんなことを心配しても始まらない。株価が、トレンドラインや主要移動平均線を割れば、単なる戻しでなかったことが証明できる、と言う人たちもいる。しかし、プルバックが始まった時点で、これは単なる下げでないことを知る方法があるだろうか?
「そんなことが分かるはずがありません。もしそれが可能なら、だれでも天井で売って、底で買うことができるではないですか。ひょっとしたら、この下げはダウントレンドの開始になるかもしれない、といったことを頭に入れておくことは、トレーダーにとって有益なことです」、とアドバイザーのデーブ・ランドリー氏は語る。
そこで重要になるのが、押し目買いの成功する確率が高い銘柄を探すことだ。どうやったら、そんな銘柄を見つけることができるだろうか?結論は、「はっち3号」を利用することだ。
「はっち3号」は、週足も含めて、トレンドがしっかりしたものだけを拾い上げる。長いものに巻かれろ、という言葉があるように、マーケットに起きる小波は、結局大きな波動に呑み込まれてしまう。違った言い方をすれば、ある程度1分足や3分足で下げていても、長めのトレンドが強い上げ基調なら、目先の下落を心配する必要はない。
「はっち3号」を利用したトレードに興味のある方は、ぜひNet Aidの併用もお勧めしたい。
http://www.breakscan.com/index.htm
トレード心理の研究なら、なんと言っても、ブレット・スティーンバーガー氏が第一人者だ。臨床心理学者、大学助教授、とお堅い肩書きもあるが、氏は自らもS&P500指数のトレードをする。現在、主にヘッジファンドや金融機関のトレーダーコーチとして活躍される氏には、多くの人たちから相談のメールが届く。
株価が抵抗線を突破したら、それは買いシグナルだ。同様に、下降するトレンドラインをブレイクすれば、これも買いシグナルだ。別に難しい話ではないが、それに関する質問が、先日スティーンバーガー氏に寄せられた。
「株が安値圏で狭い値幅を作って横ばいしていました。しばらく動きを追っていると、株はサポートラインを割り、ブレイクダウンです。空売りだ、と思いましたが実行できませんでした。なぜなら、私の頭の中には、こんな安値で売るのはバカだ、という声が鳴り響いていたからです。」
さて、スティーンバーガー氏の返答を聞いてみよう。
「出来高に注意を払うことが大切です。株が狭いレンジ内で推移し、突然大きな出来高を伴ってブレイクすることは、投資心理の一転を示しています。もし上放れなら、投資者たちは、一段高い株価を受け入れた、という意味です。
絵画のオークションを思い出してください。最初の一人が値を付けたからといって、直ぐそこで落札するわけではありません。絵の値段は、最後の一人が残るまで上がっていきます。株価も似た理論で動きますが、それは著書の中で、ジム・ダルトン氏が詳しく説明しています。
毎日、S&P500、ナスダック、債券、と様々なオークションが開かれます。買い手と売り手のダイナミックな相互作用を通して、株価や指数の価格が決定されます。出来高を増大させながら、株価が一方的な方向に動いている時は、需給バランスの不均衡を表します。
ブレイクアウトを逃してしまった、と口惜しがるトレーダーに、その時の出来高はどうだったか、と尋ねると、ほとんどの場合、見ていなかった、という答えが返ってきます。ようするに、値動きだけに注目していたのです。」
こんな高いところでは買えない、こんな安いところでは売れない。皆さんにも経験があることだろう。具体的な理由はともかくとして、スティーンバーガー氏の指摘するように、人間心理がからむと、ブレイクアウトでの当たり前な買いが実行できなくなってしまう。当然な行動を取るために、出来高の利用は大いに役立ちそうだ。
(参考にしたサイト: http://www.brettsteenbarger.com/trader_performance.htm)