US Market Recap

マーケットは先週が天井?

空売りが専門の、ビル・フレッケンスタイン氏に非難が浴びせられている。事の始まりは、新高値を喜ぶ投資者の姿を、「2000年以来の傲慢な態度」、と表現したフレッケンスタイン氏のコラムだ。非難の声を代表する、ハワード・リンゾン氏(ヘッジファンド・マネージャー)の意見を聞いてみよう。

「フレッケンスタインさん、あなたはベアなのにCNBCを見ているのですか?それは、どう考えてもおかしい。頭が狂っているとしか思えない。なぜ、自ら自分を苦しめるようなことをするのですか?どんな薬でも、あなたの病気は治すことは無理です。」(注: CNBCは、最近強気な報道ばかりしている。)

リンゾン氏のブログから抜粋したものだが、非難というより、完全にケンカ腰だ。ここで、もう一度フレッケンスタイン氏のコラムを読み返してみたが、ベアとして当然のことが書かれているだけで、別に新しい内容は見当たらない。下がコラムの要旨だ。

ダウ指数は高値を更新したが、今日のマーケットには、最悪な材料が転がっている。

1、米国経済、それに株式市場の状況は、1929年によく似ている。

2、今日の派生金融商品市場、そしてLBO(レバレッジド・バイアウト)は、まるで1987年の時のようだ。

3、投資者たちは現在、1999年と2000年の時のように浮かれている。

なぜリンゾン氏が、あれほどカッカとしなければいけないのか分からないが、今度はマーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)の話を聞いてみよう。

「先週のマーケットを振り返ると、マイケル・バーク氏が言う、買いのクライマックスが展開された可能性がある。買いのクライマックスというのは、マーケットは12カ月の高値を記録するのだが、一週間全体を見ると、マイナスで終わってしまうことだ。バーク氏は、こんな現象は、機関投資家から個人投資家に株が移っている証拠だ、と警告している。」

(参考にしたサイト: http://howardlindzon.com/?p=2292

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/ContrarianChronicles/Dow14000ImSkippingTheParty.aspx

http://www.marketwatch.com/news/story/stock-market-acting-tired/story.aspx?guid=%7BECAA3B5E%2D946C%2D4766%2DBF26%2D73E1EF8081BA%7D

 

五つの心配事

先週木曜、ダウ指数は史上初めて14000ドル台で大引けをむかえた。新高値を祝う投資者の姿を、2000年以来の傲慢な態度、とビル・フレッケンスタイン氏は表現しているが、空売り専門の氏だから、別に驚く言葉ではない。もちろん、単に手放しで喜んでいたのでは、最終的にフレッケンスタイン氏のような売り手の餌食になってしまう。ということで、マーケットの心配材料を見てみよう。

1、企業収益

決算シーズンの真っ只中だが、先週のグーグル(GOOG)の結果には、さぞ驚いた人が多かったことだろう。予想を上回ることなど当たり前のグーグルが、予想未満の一株利益だったのだから、さっそく投資者はグーグルを投げた。

デービッド・スコット氏(チェイス・ファンド)は、こう語っている。「金融セクター、ヘルスケア・セクターの決算には、あまり期待することができません。それだけに、ハイテク銘柄の決算が重要です。大手ハイテク企業から、ガッカリな決算が続出する時は警戒です。」

2、個人消費

住宅市場の低迷にもかかわらず、今のところ個人消費に異常は無い。おそらく、低失業率が原因だろう。しかし、チャールズ・デュマス氏(ロンバード・ストリート・リサーチ)は、ガソリンの値上がりで、個人消費は下向きになると言う。更に、ピーター・シフ氏(ユーロ・パシフィック・キャピタル)は、クレジットカードの借金がかなり増えているから、ここから個人消費が大きく伸びるのは難しい、と述べている。

3、インフレ

スタンダード・アンド・プアーズ社の、サム・ストーバル氏によれば、現在1バレルあたり75ドルの原油は、80ドルを超える可能性がある。原油高は、とうぜん物価高の原因になり、対抗措置として、連銀が金利を引き上げることが考えられる。しかし、経済成長速度はおだやかな状態だから、金利引き上げは、米国経済を不景気に陥れる危険性がある。

4、サブプライム融資問題

長期金利の上昇で、変動利率住宅ローンの支払額が上がっている。そのため、月々の支払いが不能になって、差し押さえになる住宅が、これからも増えそうだ。また、サブプライム融資問題は、住宅市場だけなく、他のセクターにも広がり始めている、とビル・ラーキン氏(キャボット・マネー・マネージメント)は指摘しているから、この問題はしばらく消えそうにない。

5、楽観的すぎる投資者たち

大衆は、マーケットの天井で最も強気になる。同様に、マスコミも天井で、超強気論を徹底的に報道するものだ。大衆の浮かれ方を理解するには、マスコミのヘッドラインが大いに役立つ。

(参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/ContrarianChronicles/Dow14000ImSkippingTheParty.aspx

http://biz.yahoo.com/bizwk/070720/jul2007pi20070719957191.html?.v=1

今週の注目決算

先週の話題は、何と言っても、予想を外したグーグルの決算発表だ。簡単にいつもアナリストの予想を上回るグーグルだけに、さすがに今回は、皆ビックリしてしまった。時間外取引から売りが殺到し、金曜の通常取引は、6%以上のギャップダウンで寄付いた。好決算を期待して、前日買った人たちは、さぞ後悔したことだろう。

決算シーズン真っ只中。今週も、多くの企業から四半期の結果が発表される。どんなことに注意を払ったら良いだろうか?ジム・クレーマー氏(マッド・マネー)の意見を聞いてみよう。

1、月曜には、 Texas Instruments(TXN)とNvidia(NVDA)の決算がある。注目したいのはTXNだ。もし決算発表後、TXNが売られるようなら、これは良い買いチャンスだ。決して、決算発表の前に買ってはいけない。

2、火曜は、Amazon.com(AMZN)の決算が控えている。おそらく、ほとんどのアナリストは悲観的な事を言うはずだから、株は下げることになるだろう。買うのは、下げが止まってからだ。

3、決算発表前に、躊躇することなく買えるのは、水曜に決算が予定されているCorning(GLW)だ。

4、アップル(AAPL)には、投資者を喜ばすのに十分なストーリーがある。しかし、現在の株価は太りすぎだから、持ち株の一部を利食うべきだ。(AAPLの決算は水曜)

5、Caterpillar (CAT)の一件があるから、Cummins (CMI)は要注意だ。少し利食っておいた方が無難だろう。(Cummins (CMI)の決算は木曜)

6、Exxon Mobil (XOM)とChevron (CVX)を持っているなら、利食いを考えるのは、決算発表が終わってからだ。このセクターは、まだまだ行ける。(Chevron (CVX)の決算は金曜、Exxon Mobil (XOM)は木曜)

更にクレーマー氏は、フランスのオイル会社、Total SA (TOT)の買いを勧めている。単にオイルだけでなく、化学ビジネス部門、それに製薬会社Sanofi-Aventis(SNY)の2.13%に相当する株も、Total SA は保有している。予想される利益を基準に計算された株価収益率は約11だから、株価の方は、まだ競争相手より割安ということだ。

(参考にしたサイト: http://www.cnbc.com/id/15838459/site/14081545/

狙いはアパッチ

マクドナルドやKFCは除くが、近所にあるレストランは、最近どこも値上げをした。日本食専門の、テリーズさんのところも値上げだから、洋食だけが高くなっているわけではない。スーパーマーケットに行ってみれば、間違いなく1年前より、果物、野菜、肉の値段が高い。インフレだ。どう考えてもインフレだ。

やっとそんな事に気がついたのか、と呆れる方もいるかもしれないが、政府から公表される数値を見ている限り、インフレを心配する必要は無い。たとえば、17日に発表された生産者物価指数(6月分)はマイナス0.2%、そして18日の消費者物価指数は+0.2%だった。アナリストの言葉を借りれば、「良好な状態」、ということになる。

しかし、高くなっているのは食料品だけではない。車社会アメリカにとって、最も重要と言える、ガソリンも大きく値上がっている。経済理論によれば、物の値段が上がると、その消費量が減ることになる。ということは、この値上がりで、ガソリンの消費量は減るはずだが、実際はそうなっていない。なぜだろうか?ジム・ジューバック氏(MSNマネー)は、こう説明している。

・ガソリン高は一時的なもの、と思っている消費者が多いから、エネルギーを節約しようという考え方が定着しない。

・車で通勤する人は、ガソリンが高いからといって、ガソリンを買わないわけにはいけない。社会基盤が、必然的にガソリンを消費するように出来上がっている。

・ガソリンを節約するには時間がかかる。皆が燃費の良い車に買い換えるのは、そう直ぐにできるものではない。

・米国には、オイル消費を減らす具体的な対策が無い。

・イラン、ベネズエラ、それに中国などでは、政府からの補助金があるから、オイルやガソリン消費に神経質になることはない。

更に、国際エネルギー機関からのレポートによれば、向こう5年間、世界のオイル供給量は毎年1%の割合で上昇し、需要量は2.2%の割合で増えるという。

それでは、どのオイル銘柄を狙ったら良いだろうか。ジューバック氏が推奨するのは、アパッチ(APA)だ。

「オイルの増産に、大きく貢献できるのはアパッチです。アパッチには、古くなり諦められた油田に眠るオイルを発見する技術があります。そのため2011年までに、エジプト、オーストラリア、それにカナダは、毎日の生産量を10万8000バレル増やすことができます」、とジューバック氏は説明する。

(参考にしたサイト: http://www.nypost.com/seven/07192007/business/hey_baby__inflations_ugly_business_john_crudele.htm

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/JubaksJournal/TheOilSqueezeHasJustBegun.aspx?page=all

 

なぜ「はっち3号」は優れているのか?

株投資には25のルールがある、とジム・クレーマー氏(マッド・マネー)は言う。第4番目のルールは、ファンダメンタルのしっかりした、叩かれた株を買え、というものだ。言い換えれば、株価を深追いしないで、いったん下げたところで買え、ということになる。基本的には、押し目買いになるのだが、とうぜん一つの疑問が生まれる。

アップトレンドの株が、新高値を記録したとしよう。予想されたとおり利食いが入って、株は下げ始める。もちろん、高値をつかんでしまった人も、しまったとばかり株を投げる。押し目を待っている人には嬉しい展開だが、ここで生まれる疑問は、これは単なる一時的な下げだろうか、というものだ。

そんなことを心配しても始まらない。株価が、トレンドラインや主要移動平均線を割れば、単なる戻しでなかったことが証明できる、と言う人たちもいる。しかし、プルバックが始まった時点で、これは単なる下げでないことを知る方法があるだろうか?

「そんなことが分かるはずがありません。もしそれが可能なら、だれでも天井で売って、底で買うことができるではないですか。ひょっとしたら、この下げはダウントレンドの開始になるかもしれない、といったことを頭に入れておくことは、トレーダーにとって有益なことです」、とアドバイザーのデーブ・ランドリー氏は語る。

そこで重要になるのが、押し目買いの成功する確率が高い銘柄を探すことだ。どうやったら、そんな銘柄を見つけることができるだろうか?結論は、「はっち3号」を利用することだ。

「はっち3号」は、週足も含めて、トレンドがしっかりしたものだけを拾い上げる。長いものに巻かれろ、という言葉があるように、マーケットに起きる小波は、結局大きな波動に呑み込まれてしまう。違った言い方をすれば、ある程度1分足や3分足で下げていても、長めのトレンドが強い上げ基調なら、目先の下落を心配する必要はない。

「はっち3号」を利用したトレードに興味のある方は、ぜひNet Aidの併用もお勧めしたい。

http://www.breakscan.com/index.htm

 

ビジネスチャンスを生み出すインターネット

こんなサイトがあるとは知らなかった。説明するよりも、先ずhttp://www.singshot.com/index.htmlにアクセスしてほしい。系統としては、最近流行の、myspace.com、youtube.comのようなソーシャル・ネットワーク・サイトだ。違いは、singshot.comの場合、カラオケファンにターゲットがしぼられている。無料サイトだから、PLAYのボタンを押して、参加者たちの素晴らしい(?)歌声を聴いてみよう。

次々と新サイトが登場するインターネットだが、businessweek.comに、こんな記事があった。

エリック・ナカガワ氏は、ハワイに住むソフトウェア開発者だ。約1年半ほど前、ナカガワ氏はオンラインで見つけた、さも微笑んでいるかのような猫の写真に、「I can has cheezburger?」というセリフを付けてブログに載せた。とうぜん冗談のつもりで始めたわけだが、その後も、可愛い猫の写真に、面白いセリフを付けてブログに載せ続けた。

結局、これがビジネスに進展する。ブログのヒット数は、3月が37万5000、4月は75万、そして5月は150万という急ピッチな増え方だ。ページビューに直せば、一日の平均は50万ページビュー、そして毎日10万から20万のユニークビジターが、http://icanhascheezburger.com/にアクセスしている。

これだけ人気のブログだから、ナカガワ氏には、広告収入が手に入るようになった。全く予想外の嬉しい展開になっているわけだが、氏のブログに広告を載せるには、1週間最低で500ドル、高いものでは4000ドルに及ぶという。

さて、インターネット業界で苦境に立たされているのは、以前のスター、ヤフー(YHOO)だ。

火曜のマーケット終了後、ヤフーは第2四半期の決算発表をした。結果は、かなり低く予想された収益どおりだった。それだけで済めば良かったのだが、ヤフーは同時に、今年度の収益を下方修正した。とうぜん、掲示板はヤフーの非難であふれているが、internetoutsider.comは、こんな事を指摘している。

・ライバルに遅れをとったとは言うものの、ヤフーのキャッシュフローは素晴らしい。

・膨大なヤフーのユーザー数は増え続けている。現在のユーザー数は4億6300万。1年前と比較すれば、13%の上昇だ。言い方を換えれば、ヤフーのユーザー数に減少が始まる時、ヤフーの終焉がやって来る。

(参考にしたサイト: http://icanhascheezburger.com/

http://www.thestreet.com/s/yahoos-spin-fails-to-wash/newsanalysis/technet/10368606.html?puc=_tscana

http://www.singshot.com/index.html

http://www.internetoutsider.com/

http://www.businessweek.com/smallbiz/content/jul2007/sb20070713_202390.htm

CNBCの新スター

株のニュースなら、何と言ってもCNBCだ。内容はともかくとして、最高経営責任者が、CNBCに出演するというだけで、株価が上がることも珍しくない。デイトレードネットの代表取締役、馬渕氏からこんな話を聞いたことがある。

馬渕氏が、まだワシントン州に住んでおられた頃の話だ。証券会社に通って、氏はトレードをされていたが、テレビを見ながら株の売買をしている一人の男性が目についた。チャンネルはCNBCにセットされ、ニュースを材料にトレードをしていた。気がついた時には、彼の姿は既に消えていたが、小型テレビはフロアに残されたままになったという。

今さらここで、ニュースを基にしたトレードに関して書くつもりはない。それよりも、なぜ多くの男性はCNBCを見るのだろうか?一番の理由は、と言ったら大袈裟になるが、エリン・バーネット氏が、間違いなく大きな理由の一つだ。

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今年31才のバーネット氏は、マリア・バーティロモ氏を抜いて、CNBCナンバー1の人気女性レポーターの座についた。バーネット氏が担当する「Squawk on the Street」の視聴率は今年79%の上昇となり、25才から54才(おそらく9割9分男性だろう)の視聴者から、圧倒的な支持を得ている。

ニューヨークポストに載ったインタビューを、少し見てみよう。(Nはニューヨークポスト、Bはバーネット氏)

N:ファンから、とつぜん道で声をかけられることはありますか?

B:数回そんなことがありましたが、ここはニューヨークです。本物のスターが大勢います。

N:熱狂的なファンから、たくさんのメールが送られて来るのでしょうね?

B:中には、少し変なメールもあります。ヘッジファンド・マネージャーの方々からも、思慮に満ちたメールを、多くいただいています。

N:これからも、ビジネスニュースを担当していくつもりですか?

B:ビジネスニュースほど興味深いものは無いと思います。買収などの大きなビジネス取引、それに最高経営責任者に直接インタビューするのは、本当に心が躍る仕事です。

N:どんなレポートをするのが好きですか?

B:ニュース速報です。とつぜん起きたことを報道するわけですから、ぶっつけ本番です。とても刺激的です。

N:大学を卒業後、ゴールドマンサックスに勤められたようですが、なぜ辞めたのですか?

B:良い経験になりましたが、もう一つ刺激に欠けていました。

N:独身ですか?

B:結婚はしていません、と答えておきましょう。

(参考にしたサイト:http://www.nypost.com/seven/07152007/business/street_sweetie_business_.htm

 

2007年後半の投資テーマ

今日はソフトウェアが強い、半導体が売られている、といった言葉をよく耳にする。言い換えれば、今日のマーケット・テーマは何か、ということだ。デイトレーダーがホットな株を追うように、投資者も、間違ったセクターに資金を入れたのでは、なかなか利益が上がらない。今年後半のマーケット・テーマについて、ChangeWave Investingのトービン・スミス氏はこう語っている。

1、代替エネルギー

特に、風力発電が注目だ。風力発電機の製造業者には、向こう3年から4年分に相当する注文が、既に入っている。

2、軍事関連

ホットなのは、地雷から身を守る「Mine Resistant Ambush Protected (MRAP) vehicles」と呼ばれる特殊車両だ。

3、水

世界的に、水に対する考え方が変わっている。特に、汚染されていない、きれいな飲料水は一大投資テーマだ。

4、バイオテクノロジー

RNAiセラピーは、次世代のガン治療の主役になりそうだ。

5、Chindia

Chindiaは、中国(China)とインド(India)の合成語だ。近代化の進む両国では、中流階級の収入が、急速に増えていくことになるだろう。そのため、ラップトップ型コンピュータ、薄型テレビの売上が大きく上昇するだろう。

6、新型航空機

ボーイング社には、新型ジェット旅客機787の注文が、すでに2015年分まで入っている。

企業にとって、優秀な人材を確保することが、ますます重要になるが、下記が最も求めらる大卒者だ。

1、化学工学

2、コンピュータ工学

3、電気工学

4、機械工学

5、情報工学

見てのとおり、工学部の学生が引っ張りダコだ。

(参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/StrategyLab/Rnd16/P2/ChangeWaveJournal20070712.aspx

http://money.cnn.com/2007/07/11/pf/college/starting_salaries/index.htm?postversion=2007071218

ブレイクアウトの心理

トレード心理の研究なら、なんと言っても、ブレット・スティーンバーガー氏が第一人者だ。臨床心理学者、大学助教授、とお堅い肩書きもあるが、氏は自らもS&P500指数のトレードをする。現在、主にヘッジファンドや金融機関のトレーダーコーチとして活躍される氏には、多くの人たちから相談のメールが届く。

株価が抵抗線を突破したら、それは買いシグナルだ。同様に、下降するトレンドラインをブレイクすれば、これも買いシグナルだ。別に難しい話ではないが、それに関する質問が、先日スティーンバーガー氏に寄せられた。

「株が安値圏で狭い値幅を作って横ばいしていました。しばらく動きを追っていると、株はサポートラインを割り、ブレイクダウンです。空売りだ、と思いましたが実行できませんでした。なぜなら、私の頭の中には、こんな安値で売るのはバカだ、という声が鳴り響いていたからです。」

さて、スティーンバーガー氏の返答を聞いてみよう。

「出来高に注意を払うことが大切です。株が狭いレンジ内で推移し、突然大きな出来高を伴ってブレイクすることは、投資心理の一転を示しています。もし上放れなら、投資者たちは、一段高い株価を受け入れた、という意味です。

絵画のオークションを思い出してください。最初の一人が値を付けたからといって、直ぐそこで落札するわけではありません。絵の値段は、最後の一人が残るまで上がっていきます。株価も似た理論で動きますが、それは著書の中で、ジム・ダルトン氏が詳しく説明しています。

毎日、S&P500、ナスダック、債券、と様々なオークションが開かれます。買い手と売り手のダイナミックな相互作用を通して、株価や指数の価格が決定されます。出来高を増大させながら、株価が一方的な方向に動いている時は、需給バランスの不均衡を表します。

ブレイクアウトを逃してしまった、と口惜しがるトレーダーに、その時の出来高はどうだったか、と尋ねると、ほとんどの場合、見ていなかった、という答えが返ってきます。ようするに、値動きだけに注目していたのです。」

こんな高いところでは買えない、こんな安いところでは売れない。皆さんにも経験があることだろう。具体的な理由はともかくとして、スティーンバーガー氏の指摘するように、人間心理がからむと、ブレイクアウトでの当たり前な買いが実行できなくなってしまう。当然な行動を取るために、出来高の利用は大いに役立ちそうだ。

(参考にしたサイト: http://www.brettsteenbarger.com/trader_performance.htm

タイミングの話

株の統計で知られる、トレーダーズ・アルマナックを見ていたら、こんなデータが目についた。過去10年間、7月に金鉱銘柄を買って9月に売ると、年平均で18.6%の利益があった。ということは、ニューモント・マイニング(NEM)が行けるのだろうか?それはさておき、少し違った統計を紹介しよう。

株を買うのと同様に、ショッピングにも良いタイミング、悪いタイミングがある。何を何曜日に買ったら、一番安く買える可能性があるだろうか。米国内の話だが、さっそく見てみよう。

航空券:

水曜日の午前中に買うのが最も得。この業界に詳しい、ピーター・グリーンバーグ氏の話によると、航空会社は週末に安売りを発表する傾向がある。他社も負けずと更に安い価格を表示し、この価格競争が終わるのが、水曜の午前中ということだ。

本:

木曜が一番安い。大手書店、BordersとBarnes & Nobleは、毎週割引券を配布している。前者は木曜、後者は火曜に配布し、Bordersの方が割安だ。

自動車:

車を買うなら月曜だ。セールスマンの稼ぎ時は、何と言っても客の多い週末。月曜は打って変わったように来客が減り、価格交渉が、客に有利な方向で展開する可能性が高い。

衣料品:

服は木曜の夕方が安い。週末の安売りは、金曜ではなく、木曜から始める店が多くなった。しかし、品物が完全に並び終わるのは木曜の夕方だ。週末まで待っていたのでは、目的の服が売り切れている可能性がある。

レストラン:

値段はいつもと同じだが、レストランに行くなら火曜が一番、とケイト・クレーダー氏(Food & Wine誌)は言う。肉、野菜などを仕入れる店が、火曜に多いためだ。新鮮さを考慮すれば、日曜は避けた方が無難だ。

ガソリン:

木曜日の午前中が一番安い。できれば10時前に買いたい。もちろん、原油の先物市場にも左右されるが、ジェーソン・トーズ氏(GasBuddy.com)によれば、運転する人が週末に増えるから、木曜の午後に値上げするガソリンスタンドが多い。

(参考にしたサイト: http://www.smartmoney.com/dealoftheday/index.cfm?story=20070702

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