US Market Recap

目隠しをした幸運な男

一日中ナスダック銘柄をトレードできる、アメリカに住んでいる人たちが羨ましい、という声を時どき聞くことがある。しかし、ジェイ・ユー氏(undergroundtrader.com)の言葉を借りるまでもないが、デイトレードに最も適しているのは寄付きの一時間だ。四六時中モニターを見ていると、つまらないパターンに手を出してしまうだけだから、見方によっては、日本に住んでいる方が有利だ。

先日、オンライン証券会社のインタビューで、ジェイ・ユー氏は、こんなことを語っていた。

地雷地帯を無事に切り抜けた幸運な男がいた。いったい、どうやって地雷を避けたのか、という質問に対して、男はこう返答した。「あまりにも怖かったので、目隠しをして真っ直ぐに歩きました。」

残念ながら、多くのトレーダーは、この男によく似ている。具体的に、目隠しトレーダーを説明しよう。

1、一つの銘柄に、全資金を投入してしまう。

2、好決算、新製品などのニュースが出ることを期待して、一か八かの勝負をする。

3、頼むから上がってくれ、とトレンドが変わっているにもかかわらず、祈りに熱心なトレーダー。

4、思惑が外れると、突然トレーダーから長期投資者に変身してしまう人。けっして、こんなことを言ってはいけない。「この会社のファンダメンタルズはしっかりしている。長期的に持てば必ず上がる。」

5、払った手数料を取り戻してやろう、がいつのまにかトレードの目標になっている人。

6、負けを取り返すまではやめない、と復讐心に燃える人。

7、2倍、3倍の株数で難平買いをしてしまう人。

8、一日で、10%を超える資金を失ってしまう人。

9、絶好のチャンスを逃してしまうかもしれない、とモニターの前から離れることができない人。

10、単に祈りに熱心だけでなく、ほとんど毎回のトレードに祈りが必要な人。

さて、ここで最初に戻ろう。寄付きの一時間がデイトレードに適していることを記したが、ユー氏はもう一つの時間帯として、ニューヨーク時間の午後2時半から3時半をあげている。ようするに、トレードできるのは2時間だけだ。(注: マーケットは9時半に始まり午後4時に終了する。)

(参考にしたサイト: http://www.undergroundtrader.com/

バフェット氏は何を買っている?

PEGレシオ、という言葉を聞かれたことがあるだろうか?現在の株価が、割安か割高かを判断する指標なのだが、下記が計算方法だ。

PEGレシオ = 株価収益率 ÷ 利益成長率 (1以下が割安、2以上が割高、と一般的に解釈されている)

そこで今日は、割安株投資で有名な、ウォーレン・バフェット氏の保有する銘柄のPEGレシオを見てみよう。

Norfolk Southern Corp. (NSC): PEGレシオ 0.9

この銘柄を買っているファンド: Force Capital Management、Al Frank Asset Management、Mainstay ICAP Select 

Union Pacific Corp. (UNP) : PEGレシオ 0.96

この銘柄を買っているファンド: Blackstone Kailix Advisors LLC、Excelsior Value & Restructuring Fund、USAA Aggressive Growth

Burlington Northern Santa Fe Corp. (BNI) PEGレシオ 1.11

この銘柄を買っているファンド: Blackstone Kailix Advisors LLC、USAA Aggressive Growth、ING Corporate Leaders Trust B

ConocoPhillips (COP): PEGレシオ 1.11

この銘柄を買っているファンド: Rockefeller Financial Services、Excelsior Value & Restructuring Fund、Clipper Fund

Wells Fargo & Co. (WFC): PEGレシオ 1.16

この銘柄を買っているファンド: Adams Express、John Hancock Regional Bank Fund、State Farm Growth

Wal-Mart Stores Inc. (WMT): PEGレシオ 1.17

この銘柄を買っているファンド: Bridgewater Associates、Clipper Fund、Fidelity Advisor Equity Growth A

US Bancorp (USB): PEGレシオ 1.38

この銘柄を買っているファンド: John Hancock Regional Bank Fund、RiverSource Dividend Opportunity、T. Rowe Price Capital Appreciation

American Express Company (AXP): PEGレシオ 1.42

この銘柄を買っているファンド: Clipper Fund、Fidelity Advisor Equity Growth A 、

Bernard L. Madoff Investment Securities

Moody's Corp. (MCO): PEGレシオ 1.54

この銘柄を買っているファンド: Chinook Capital Management、PowerShares Dynamic Aggressive Growth Porfolio、Atticus Capital

Procter & Gamble Co. (PG): PEGレシオ 1.61

この銘柄を買っているファンド: Clipper Fund、Essex Investment Management、Monarch Captial Management

さて、皆さんの好きなチャートパターンが見つかるだろうか?

(参考にしたサイト: http://www.thestreet.com/s/mondays-daily-blog-watch/newsanalysis/blogwatch/10376442.html?puc=_tscrss&)

世界最大の債券ファンドも困り果てた!

16日の安値を境に、マーケットは好調な反発ラリーを展開している。もう、下げ相場は終わったのだろうか?証券業界で、高い評価を受けているニュースレター、ネッド・デービス・リサーチは、こう書いている。

「連銀に支援される形で、マーケットは超弱気論者が間違っていたことを証明した。しかし、サブプライム問題、それに混乱が続く社債市場を検討すれば、まだ株式市場が完全に上昇基調に戻った、と結論することはできない。

更に、Big Mo's Tape(ネッド・デービス・リサーチ社考案の、マーケット・トレンドを見る指標)は、下がったとはいえ、まだ48だ。本当にマーケットが底を打つ時は、この数値は40以下になる。今のような状況では、100%株に投資せよ、と断言するのは無理だ。」

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ダウ指数(日足)

マイク・シェドロック氏(SitkaPacific Capital Management)が、面白いことを指摘している。

「政府がクライスラーを救済したことがあったように、今こそ大統領は、自宅を失う危機に直面している、多くの米国市民を本腰で助けるべきだ。」これは、世界最大の債券ファンドマネージャー、ビル・グロース氏の言葉だ。もっともな意見なのだが、シェドロック氏は、グロース氏が指揮をとる、PIMCOトータル・リターン・ファンドを調べてみた。

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2005年は+2.9%、2006年は+4.0%、そして2007年(7月31日時点)は+1.6%、と全く冴えない。3年平均で見ると3.83%だ。いったいグロース氏は、何に投資しているのだろう。

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注目は40.20のMortgageだ。何と、40.20%の資金は、サブプライム融資問題で叩かれている、住宅ローン関連債券に投資されている。シェドロック氏は言う。「グロース氏は、大統領に国民を助けろ、と訴えているが、助けてもらいたいのはグロース氏自身だ。」

興味深い意見だ。

(参考にしたサイト: http://globaleconomicanalysis.blogspot.com/2007/08/bill-gross-wants-pimco-bailout.html

http://online.barrons.com/article/SB118741435478201935.html

47才の新人デイトレーダー

あなたは、なぜ現在の職業を選んだのだろうか?ブルライダーとしてロデオで活躍した、フレックレス・ブラウン氏は、こう語っている。「私がブルライダーになったのは、真面目に会社勤めをする気がなかったからだ。かと言って、泥棒になるわけにもいかないしね。」著名トレーダー、ラリー・ウィリアムズ氏は、冗談まじりに、こんなことを言う。

「私のトレード人生は、オレゴン州のポートランドで始まりました。メリルリンチの営業マンと知り合いになり、さっそく口座を開設しました。結果は半々でした。営業マンは手数料で儲けましたが、私の方は損ばかりです。」

なぜトレードをするのですか?デナリ・トレーダーとして知られるジェフさんは、こう回答している。

「初めて株を買ったのは18才の時です。証券マンから7銘柄ほど勧められ、その中から一つ買いました。3年後には、3倍以上になり完全に株中毒になりました。

大学にいる頃は、どうして株価は動くのだろう、という疑問を解決するために、毎日図書館へ通いました。6カ月で120冊のマーケットに関する本を読みましたが、全く成果が上がりませんでした。一株利益、売上成長率、配当利回り、といった知識は身につきましたが、単にそれだけの話です。ということで、行き着いたところはチャートです。チャートの読み方を習得したお陰で、株の儲けだけで、大学最後の年の授業料を全てまかなうことができました。

卒業後はハイテク企業に就職しました。とうぜん、スイングトレードが中心です。しかし、日に日にデイトレードに対する興味は募るばかりだったので、私はこんな計画を立てました。とにかく金を貯めて、娘の大学卒業を待とう。フルタイムのデイトレーダーになるのはそれからだ。」

離婚、両親の病気などで計画は遅れた。しかし、47才の今日、ジェフさんは念願のフルタイム・デイトレーダーとして、新しい人生を始めている。

トレードで独立しよう、と考えておられる方もいることだろう。ラリー・ウィリアムズ氏は、新人トレーダーに、こうアドバイスしている。

「トレードで成功したいなら、このことを良く理解してください。信号が、完全に青信号になるのを待ってはいけません。誰が見ても青信号なら、その株は既に天井近辺です。新人トレーダーは慎重すぎるあまり、チャート上に、これとあれとこれの条件が、全て揃ったら買おうとします。そんな全ての条件が出揃った状態では、大きく儲けることはできません。」

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ラリー・ウィリアムズ氏

(参考にしたサイト: http://trader-denarii.blogspot.com/

アメリカは休暇天国!?

アメリカ人は怠け者だ、とジェフ・コルビン氏(フォーチュン誌)は言う。もっと真面目に働かなければ、外国の競争相手に負けてしまう、と言うのだが、本当だろうか?

国連の調べによると、アメリカで週に48時間以上働く人は約18%だ。この数字だけでは大した意味はないが、韓国とペルーは50%の人たちが、週48時間以上働いている。もちろん、他の国より労働時間が少ないだけで、アメリカ人は怠け者と結論することはできない。

こんなデータがある。過去40年を見ると、今日のアメリカ人は、年間休暇日数が5週間から10週間増えている。専門家の話によれば、1965年、睡眠も含めて平均的なアメリカ人は、週に110時間を娯楽に当てた。そして今日、この数値は117時間に増大し、正にアメリカは娯楽の国となった。

とは言うものの、1965年と現在を比べると、今日のアメリカ人は経済的にずっと裕福になった。言い換えれば、汗をあまりかかずに、以前より良い生活ができるわけだ。これは悪いことだろうか?

何をコルビン氏は言いたいのだろう?「米国の労働者賃金は、他の国々と比べると、とても割高だ。このギャップは、いずれ狭まることだろうから、賃金が下降する可能性もある。」となると、アメリカ人の生活水準は下がってしまうから、コルビン氏は米国の将来を心配しているようだ。

面白いのは、読者からの反応だ。

「私はヨーロッパの労働者を自分の目で見た経験がある。ヨーロッパ人が10時間ですることを、アメリカ人なら2時間で出来る。」 (ゼイン・ザーケルさん)

「たしかにアメリカ人は怠け者になった。特に私のような若い世代がそうだ。私たちは、親の世代のようにアクセクと働くことを好まない。しかし、海外の競争相手を考えると、私たちは今こそ目覚めないといけない。」  (JTホークスさん)

「たしかに、労働者の賃金は頭打ちだと思う。しかし、企業の収益は大幅に増えている。」  (アレックスさん)

「怠け者?冗談を言ってもらっては困る。私は会計士だが、週に60時間以上働いている。」  (ドミニク・サモネさん)

「筆者は多くのことを見落としている。大切なのは生産性だ。労働時間は関係ない。」  (匿名さん)

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/08/22/news/economy/lazy_american_workers.fortune/index.htm?postversion=2007082306

http://talkback.blogs.fortune.com/2007/08/22/are-americans-a-bunch-of-lazy-bums/

必要なのは情報?

昔は、朝刊と夕刊で十分だった。しかし、テレビが台頭して、新聞では情報が遅すぎる時代が訪れた。そして今日、情報源のナンバー1は、急速に普及しているインターネットだ。テレビや新聞も、インターネットに進出しているのが現状だから、もはやテレビとインターネットの区別は無くなってしまった。

簡単に素早く情報を入手できるのは嬉しいが、その反面、インターネットにはやたらと雑音が多い。特に株をやる人なら、あちこちのサイトを回って、寄付き前に大量なニュースを読むことができる。本人はニュースを読んでいる、情報を収集していると思っているかもしれないが、もちろんそれらは単なる雑音にすぎない可能性もある。言うまでもなく、雑音を頼りに投資して、好結果を得ることは難しい。それでは、どう情報を集めるべきか?ドナルド・ラツマヒナ氏の意見を聞いてみよう。

1、こう質問してほしい。今、読んでいるニュースは歴史の教科書に載る価値があるものだろうか?答えは、9割9分ノーだ。ざっと記事に目を通す必要などない。ヘッドラインを見るだけで十分だ。

2、ニュースに時間を大きく割くのではなく、歴史を読んでみよう。歴史は雑音を省いて、背景、状況、事情などが詳しく説明されている。ある事件が起きた場合、重要なことは、その事件の背景をつかむことだ。それが理解できない限り、事件を正しく解釈するのは難しい。ほとんどのニュースは、単なる事件のレポートにすぎないから、肝心な背景を欠いている。

3、情報源を減らそう。もう一度サイトを検討して、本当に必要な情報源だけを、お気に入りに入れよう。

4、思想家たちの言葉を読もう。本を全部読む必要はない。便利なのはbrainyquoteだ。ジャンル別に分けられているから、興味のあるものを選んで、毎日少しずつ読んでみよう。思想家たちの言葉には、知恵が凝縮されているから、ニュースなどよりずっと役に立つ。

5、読む目的を設定しよう。面白そうなヘッドラインだ。何が書いてあるのだろう、と何の目的もなく、ニュースを読み始めてはいけない。たとえば、フォードの売上大幅減のヘッドラインがあったとしよう。なぜ減ったのだろう?どこがフォードのシェアを奪ったのだろう?といった疑問を持って読めば、受け身ではなく積極的な情報収集ができる。

6、目的を持って読むことと同様に重要なのは、実際に使えそうな情報があるかどうかを、気にしながら読むことだ。フォードの例に戻ろう。売上が減ったのは、小型トラックの販売数が大きく落ち込んだため、そしてシェアはトヨタに奪われた、ということが記事から分かったとしよう。それでは、それらの情報で、直ぐ投資行動に移ることができるだろうか?

直ぐ使える情報は、ハードインテリジェンスと呼ばれている。今日、インターネットに氾濫しているのは、雑音とソフトインテリジェンスが主流だ。特に、スパム・メールは雑音以下の悪質なものが多いから、スパム対策には力を入れたい。

(参考にしたサイト: http://www.lifehack.org/articles/productivity/eight-tips-to-find-your-information-oasis.html

ブルフラッグとベアフラッグ

「時代を超えたお金のルール」、というタイトルを見つけた。著名人の言葉を集めたものだが、なんと公民権運動の指導者、キング牧師が引用されていた。「良いことをするのに、間違った時間は無い。」なぜ、これが時代を超えたお金のルールなのだろう?説明によれば、この言葉は現代にこう応用できる。

困っている人たちを助けるために、お金を慈善団体に寄付することは良いことだ。しかし、慈善団体だからといって、電話で募金を求められた場合は注意しよう。コールセンターからの募金活動は、半分以上の寄付金が、経費として取られてしまうことが多い。

次は、「ガリバー旅行記」を書いた、ジョナサン・スウィフトの言葉だ。

「賢い人は、お金を頭の中にしまう。愚か者は、お金を心の中にしまう。」 説明を読まなくても、分かったような気がするが、まあいい、見てみよう。

お金を重要視する人ほど不幸なものだ。幸せな人は、愛や友人を大切にしている。ここで思い出すのは、米国第33代大統領、トルーマン氏の言葉だ。「ワシントンで友だちが欲しいなら、犬を飼うことだ。」そして、この言葉は映画「ウォール街」の中で、ゴードン・ゲッコーが、「友だちが必要なら犬を飼え」、という形で使っている。

トルーマン大統領は、こんなことも言っている。

「世の中に新しいことなど無い。こんなことは、いまだかつて見たことがない、と人々は言うが、それは単に歴史を知らないだけだ。」

チャートパターンで、最も信頼できるのは何ですか、という質問に、リンダ・ラシュキ氏はこう回答した。「ブルフラッグとベアフラッグです。どんなに時代が変わっても、これらのパターンは、今日も頻繁にチャート上に現れます。」

そして、次にラシュキ氏に向けられた質問は、「トレードに役立つ本を教えていただけますか?」というものだった。「Technical Analysis and Stock Market Profits (Richard Schabacker著)」がおすすめなのだが、出版されたのは1932年だ。中をパラパラと見てみると、4種類のギャップ、フラッグ、ペナント、それに三角形、と色々なパターンが載っている。

先物トレーダーとして最先端を行く、といった言葉で形容されるラシュキ氏だが、結構オーソドックスなスタイルだ。

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キング牧師

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/galleries/2007/moneymag/0708/gallery.20_rules.moneymag/index.html

両意見を聞いてみよう

先週だけで、約200億ドルの資金が、ミューチュアルファンドから流出した。世界的な株安を反映して、動揺した投資者は、資金を定期預金やマネーマーケット・ファンドへ避難させた。このタイミングが良いか悪いかは別として、最近6年間で、これほど解約者がミューチュアルファンドに殺到したことはない。

証券アナリスト、アマンダ・キッシュ氏は、こう語っている。「あの大惨事、ニューヨークがテロ攻撃を受けた時、ミューチュアルファンドの解約総額は160億ドルほどでした。先週の金額は、更にそれを上回り、投資者は完全にパニック状態です。」

だれの意見を聞くかで、とうぜん投資姿勢も変わってくる。そこで今日は、適切なアドバイスで定評のある、専門家たちの見方を紹介しよう。

マット・フェシバック氏(ヘッジファンド・マネージャー): 「相変わらずファンドによる売りが続いている。例を挙げれば、バークレーズ・グローバル・インベスターズのような、統計的裁定取引を専門にする会社だ。おそらく、売りは9月の終わり頃まで続くだろうから、買いを考えるのはそれからだ。」

ポール・デスモンド氏(テクニカル・アナリスト): 独特な方法で、売りと買い圧力を測定する氏は、こう警告する。「一時的なマーケットの上昇が来たら、それを持ち株処分に利用するべきだ。間違っても、新しい買いポジションを作ってはいけない。」

トム・マクレラン氏(テクニカル・アナリスト): 7月の中頃から8月の初週頃まで、弱気な見方をしていた氏だが、最近の株安で考えが一変している。マーケットは、単に売られ過ぎだけではなく、極端に売られ過ぎレベルに達した、と主張する氏は、こう語っている。「あと1回、2回と安値がテストされるかもしれません。しかし3カ月後、私たちは現在のレベルが底であったことに気がつくでしょう。」

ロバート・ドラシュ氏: 1月、2月、3月、底値拾いで有名な氏は、買いに消極的だった。正確に言えば、株には全く手を出していなかった。しかし、3月の底打ち確認で、氏は50%の資金を株に割り当てることを推奨し、世界的な株安の今日、100%の資金を株へ当てることを勧めている。ご存知のように、連銀は先週、公定歩合を引き下げた。ドラシュ氏は、「大々的な金利引下げ政策が始まろうとしています。株は素晴らしいラリーを展開するでしょう」、と述べている。

強気と弱気の両論を挙げたが、べつに皆さんを惑わすことが目的ではない。顕著なのは、同じマーケットを見ているのに、こうも意見に差が出る、という事実だ。それならば、専門家の意見など聞いても無駄だ、思われるかもしれないが、マット・フェシバック氏はこう付け加えている。「プロが語る、全体的な相場観を、そう気にする必要はない。重要なのは、どんなに悪い相場環境でも、買える銘柄が存在する、という事実だ。」

(参考にしたサイト: http://www.fool.com/investing/mutual-funds/2007/08/17/why-investors-are-wrong.aspx?source=mppromo

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/SuperModels/5StrategiesForASinkingMarket.aspx?page=2

平均回帰性

「たしかに、油断していたことは事実だ。今回の予期せぬ公定歩合引き下げで、買い手が一時的に有利になったが、状況は変わらない。マーケットはダウントレンドだ。しばらくすれば、また下げが再開される。」ベアたちの言い分だ。明らかに、しばらくの間は買い手優勢、と見ているようだが、どの銘柄を狙ったらよいだろうか?

輪ゴムを例に挙げて、株の値動きを説明する人たちがいる。皆さんも、こんな話を聞かれたことがあるだろう。

「引き伸ばした輪ゴムから指を離せば、とうぜん元の状態に輪ゴムは戻る。株も同じだ。急騰が続く株は、輪ゴムが極端に伸ばされている状態だから、必ずいつかは正常な株価に戻る。

正常と言っても、一株利益などを使って割り出した、正当評価額のことではない。株には、平均水準へ回復する習性がある。この平均回帰性を見るのに役立つのが移動平均線だ。

人によって使う移動平均線は違うが、多くのトレーダーのチャートには、20、50、200日移動平均線が入っている。3本もあっては分かりにくい、という人もいるだろうから、ここでは20日移動平均線だけを使うことにしよう。あなたの狙っている株は、20日移動平均線より上にあるだろうか、それとも下だろうか?

次に重要なのは、株が20日移動平均線から、どのくらい離れているかだ。言い換えれば、輪ゴムは極端に引き伸ばされているだろうか?乖離率は異常なレベルに達しているだろうか?

新高値、新安値を記録した株リストが注目される理由は、20日移動平均線から大きく乖離した銘柄が多数含まれているからだ。もちろん、新安値株の全てが買い、というわけではない。先ず、乖離状態を見て、反転を示すチャートパターンが出来上がるのを待つ。ようするに、ローソク足の反転パターンをいくつか頭に入れておく必要があるわけだ。」

ということで、平均回帰性を考慮すると、ジェームズ・アルトチャー氏は、金曜に大幅下落となった、次の銘柄が狙えそうだと言う。

ACCURAY INCORPORA(ARAY): 期待外れの決算発表で、株価は25.57%の下げ。

Home Solutions Of America(HSOA): 資金の調達に苦しんでいる、というニュースで、株価は23.46%の下落。

あとは反転パターンを待つだけだ。

(参考にしたサイト: http://www.financialarmageddon.com/2007/08/fed-panics-set-.html

http://www.thestreet.com/s/weekend-blog-watch/newsanalysis/blogwatch/10375052.html?puc=_tscrss

金融セクターを狙え!?

木曜のマーケット終了間際のラリーは凄まじかった。40分ほどで、ダウ指数は300ポイントを超える上げとなり、目先底打ちといった雰囲気があった。そして金曜の寄付き前、連銀は緊急会議を開いて、公定歩合を6.25%から5.75%に引き下げた。とうぜん、大幅高でマーケットは始まったが、胡散臭さを感じたのは、一人や二人ではなかったようだ。

公定歩合の引き下げで、状況は完全に一変し、ここからは積極的に株を買えるのだろうか?BMOネスビット・バーンズのエコノミスト、シェリー・クーパー氏は、こう書いている。「これで、金融市場の最悪な時は去った。今回の措置で、バーナンキ議長はインフレを一時的に無視して、信用収縮問題を優先させる柔軟性を示した。」

マネージド・フューチャーズのシニア・トレーダー、ザカリー・オクスマン氏は懐疑的だ。「たしかに上げていますが、慌てた売り手による買戻しが中心です。もちろん、経験の浅い人たちは、絶好の買いチャンスとカン違いして、さっそくマーケットに飛び込んでいることでしょう。」

ジェームズ・アルトチャー氏は、もっと具体的な話をしている。

とにかく、銀行株を買うことだ。

・バンク・オブ・アメリカ(BAC): 配当利回りの5.4%は魅力だ。既に報道されているように、大投資家のウォーレン・バフェット氏は900万株買っている。

・USB(USB): サブプライム融資に、ほとんど手を出していない。配当利回りは5.2%。

・ウェルズ・ファーゴー(WFC): バフェット氏が買い足している。配当利回りは3.7%。

・シティグループ(C): バフェット氏と同様に有名な投資家、エディー・ランパート氏が買っている。配当利回りは4.7%。

とここまで書いたところで、バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)の、こんな書き込み(木曜午後7時30分)を見つけた。

「今日の最もバカらしい噂は、連銀が秘密会議を計画している、というものだ。それに、連銀は来週中に利下げを実行する、という噂もあった。」

そんな噂があったのか。なるほど、昨日の引け間際の猛反発は、これが影響していたのか。

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バーナンキ連銀議長

(参考にしたサイト: http://www.marketwatch.com/news/story/feds-friday-rate-cut-work/story.aspx?guid=%7B7F1852B4%2DDC22%2D40BA%2DB624%2DD00C98E64091%7D

http://www.thestreet.com/s/rate-cut-mea-culpa-and-hats-off-to-cramer/newsanalysis/stockpickr/10374985.html

http://bigpicture.typepad.com/comments/2007/08/open-thread-has.html

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