US Market Recap

本当にドルは紙屑になるのか?

テレビでは、ドルが暴落する、と朝から騒いでいる。ニュースもビジネスである以上、センセーショナルな内容になってしまうのは仕方ないが、事の発端はサウジアラビアだ。

テレグラフ紙(英国)によると、常に連銀の後を追うことで知られるサウジアラビアだが、今回は連銀の金利引き下げに追従しなかった。これが意味することは、ドル建て中心の貿易から、サウジアラビアはユーロに切り替える確率が高い。となれば、この方針は他の産油国にも広がる恐れがあり、そうなれば当然ドルが売られることになる。

と聞くと、そうかもしれないと思ってしまうが、テレグラフ紙は先月もドル暴落の可能性に触れている。

もし、アメリカが対中貿易制裁を適用するなら、報復手段として中国は膨大に保有する米国債を売却するだろう。これは、単に国債市場を混乱させるだけでなく、ドル暴落、そして更なる住宅市場の下落を引き起こすことだろう。

うーん、やはりドルは暴落するしかないのだろうか?ここで紹介したいのは、バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)のコメントだ。

テレグラフ紙で、ドル暴落論を書いた本人は、ブログでこんなことを書いている。「ヒステリックな意見を無視してほしい。たしかにドル安が続いているが、今年ドルが暴落する可能性は無い。おそらく、10年以内、そして20年以内にも、ドルが暴落することは無いだろう。一体、どの外貨に対してドルが暴落するというのだろう。考えてほしい。世の中には、ドルに対抗できる通貨など存在しない。」

なるほど、記事は一般受けを多分に狙ったようだが、読者の声も聞いてみよう。

「連銀はドルを紙屑にしてしまった。おそらく、印刷されている紙の方が、ドルより価値があるだろう。もうドルが上昇する見込みは無い。こうなれば、頼れるのは金(ゴールド)しかない。」 poorbrokesoulさん

「今回の利下げで、ドルは大きな被害を受けた。新しい5ドル紙幣が発行されるようだが、出回る頃には、2ドル50セントの価値しかないだろう。」 onlyinamericaさん

「連銀は、住宅ローン業者を救うためにドルを犠牲にした。」 ネッド・シュミット氏(バリュー・ビュー・ゴールド)

「今さら不平を言っても始まらない。大切なのは現状を把握して、適切な投資を選ぶことだ。」 nordmannさん

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(参考にしたサイト: http://www.telegraph.co.uk/money/main.jhtml;jsessionid=FYKEBPIU4HTVJQFIQMFCFFOAVCBQYIV0?xml=/money/2007/09/19/bcnsaudi119.xml

http://bigpicture.typepad.com/comments/2007/09/fears-of-dollar.html

嫌な仕事を片付けるテクニック

好きなことなら何時間でもすることができる。しかし、会社の仕事となると、全てが面白いわけではない。もちろん、公務員、主婦、自由業、誰でも時々嫌なことをしなくてはいけない。嫌いなことはしない、と恵まれた環境にいる人なら話は別だが、今日はやりたくないことを成し遂げる方法を考えてみよう。

1、長期的な利益を考えよう

好例は大学だ。勉強が嫌いでも、大学卒業証書の威力考えれば、我慢して4年間大学へ行った方が良い。第一、高卒と大卒では就職で大きな差がつくだけでなく、収入の格差も顕著だ。今の仕事は退屈かもしれない。しかし、長期的に見れば何らかの恩恵があるはずだ。

2、前向きな人と仕事をしよう

職場を眺めると、いつも愚痴ばかりこぼす人がいる。そんな人の言うことを常に聞いていたら、自分も同様に悲観的な人間になってしまう。できるなら、いつも笑顔の前向きな人のそばで仕事をすることだ。退屈な仕事でも、明るい人といっしょなら、思ったほど気にせずに出来るものだ。前向きなエネルギーは、あなたにも感染することを覚えておこう。

3、好きな人のために働いていると考えよう

上司のため、会社のために働いているのではない。愛する息子、娘のために働いているのだ。とそんなふうに考えることで、つまらない仕事を片付けることができる。

4、否定的な考えを一掃しよう

あー、嫌だ嫌だ。こんな事ヤッテられるか、という言葉で頭の中がいっぱいでは、単にストレスがたまるだけだ。先ず肝心なのは、それらの否定的な言葉を、前向きな言葉と交換することだ。もちろん、楽しい楽しい、と無理して言う必要はない。それよりも、良い思い出のある地名、「京都」などを繰り返してみるのも一案だ。

5、良い職場の人間関係を築こう

自分の隣に座っている人だけでなく、できるだけ多くの人たちと話してみよう。たとえ仕事が面白くなくても、職場の人間関係がうまく行けば、つまらない仕事も乗り切ることができる。

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(参考にしたサイト: http://www.lifehack.org/articles/productivity/how-to-enjoy-what-you-are-doing-no-matter-what.html

どこに焦点を合わせるのか?

さて、予想どおり利下げが実施され、短期金利は4.75%になった。それでは、何を買ったら良いのだろうか?さっそく、エキスパートたちの意見を調べてみた。

ジム・クレーマー氏(マッド・マネー)

「金利が4.75%に引き下げられたからと言って、いきなり住宅建築銘柄を買ってはいけない。しかし、Hovnanian Enterprises Inc. (HOV)だけは別だ。なぜならHovnanianは、大手建築業者Toll Brothers Inc. (TOL)に買収される可能性があるからだ。

金利引き下げ有無にかかわらず、狙えるのはオイル、そしてオイルサービス銘柄だ。ご存知のように、多くのオイル銘柄は既に上げているが、Grant Prideco(GRP)が出遅れている。現在55ドルに満たない株価は超割安だ。」

マーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)

「ここ1カ月半の間に金は約50ドル上昇した。しかし、金専門のニュースレターは、逆に17%相当の金を利食うことを勧めている。これが意味することは、アドバイザーたちは、最近の金価格上昇を懐疑的な目で見ている、ということだ。

言うまでもなく、金価格上昇で、更なる買いを推奨するアドバイザーが増えるのが普通だ。しかし、今回の消極的なアドバイザーたちの態度は、彼らの不安感を明確に表している。マーケットは不安になる時ほど上昇するものだ。金に注目したい。」

ポール・ファーレル氏(投資コラムニスト)

「驚くような利益は無いが、安定したリターンを求めるなら国債に注目してほしい。歴史を振り返ると、金利引下げで恩恵を受けるのは国債だ。例を挙げよう。

・1989年ー1993年(金利引き下げ): 1992年、国債ファンドは平均で+7%、そして1993年は+12%の利益があった。

・1995年ー1998年(金利引き下げ): 国債ファンドは平均で+4%(1996年)、+10%(1997年)、そして+6%(1998年)のリターンがあった。

・2000年ー2002年(金利引き下げ): 2000年、国債ファンドは平均で9%増、そして2001年と2002年は8%の利益があった。」

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(参考にしたサイト: http://www.cnbc.com/id/15838459

http://www.marketwatch.com/news/story/three-blind-mice-helm-its/story.aspx?guid=%7B5E6CCC10%2DCE5A%2D4E31%2DA597%2D50DD66428134%7D

http://www.marketwatch.com/news/story/contrarian-analysis-current-gold-sentiment/story.aspx?guid=%7B8638EA67%2D508D%2D4C6B%2DB1E4%2DB2C6720111A1%7D

利下げよりも効果的な措置

皆、口を揃えたように、火曜のFOMC(連邦公開市場委員会)では、25から50ベーシス・ポイントの金利引き下げがあると言う。こんなに同じ意見ばかり聞こえてくると、とうぜん気になるのが、利下げは必要ないと主張する少数派だ。

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(短期金利)

17回連続で引き上げられた短期金利は、2006年6月以来、5.25%に据え置かれている。そもそも、執拗な金利引き上げは、インフレ抑制を目的に実施され、ここで利下げが実現すれば、多くの人たちがインフレ問題は消滅したと受け取るかもしれない。

しかし、現状はこうだ。

・80ドルを瞬時突破して、史上最高値を記録した原油。

・二桁の上昇率が続くヘルスケア・コスト。

・高くなったトウモロコシ、小麦、そして大豆などの農産物。特に大豆は3年ぶりの高値。

更に、朝食に欠かせないオレンジ・ジュースの急騰、約2倍になった乳製品価格などもあるから、家計に影響を与えるのは間違いない。

下は、農産物の価格を示す商品指数だ。

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こんな見事な上昇基調で、利下げは本当に必要だろうか?

briefing.comの、ディック・グリーン氏は、こう述べている。

「住宅市場、サブプライム問題、それに信用収縮などを考えれば、ここで利下げをしないと米国は不況に陥る、と多くのマーケット関係者は言う。たしかに、活気の無い経済活動だが、データを見る限り不景気の心配はいらない。もちろん、経済成長速度が鈍っていることは認める。とうぜん失業率も増えることになるだろう。しかし連銀は、インフレを抑制するために、利下げよりも経済停滞を選ぶ可能性があることを頭に入れておきたい。」

(参考にしたサイト: http://www.briefing.com/GeneralContent/Investor/Active/ArticlePopup/ArticlePopup.aspx?SiteName=Investor&ArticleId=NS20070917080147TheBigPicture

http://bigpicture.typepad.com/comments/2007/09/reports-of-the-.html

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/Dispatch/ShouldTheFedCutRatesOrNot.aspx

今年最大の空売りチャンス!?

今週の焦点は、何と言っても、火曜の連邦公開市場委員会(FOMC)だ。どのアナリストに質問するかで回答はマチマチだが、0.25から0.50ポイントの金利引下げが予想されている。とうぜんの疑問は、もし本当に利下げが実施されたら、はたしてマーケットはどう反応するかだ。

9月10日のコラムでDr.Duruは、「利下げ発表で、マーケットは一時的にラリーを展開するだろう。しかしこれは、今年最大の空売りチャンスになる可能性がある」、と指摘している。その理由はこうだ。

・7日に発表された、予想以上に悪かった雇用統計で、マーケット関係者は利下げが間違いなく実施されることを確信した。だが、それにもかかわらず、マーケットには買い手が押し寄せることはなかった。

・金利引き下げ予想は、もうかなり以前から出ているが、相変わらずマーケットは高値を更新できない。たしかに、8月の安値からは回復しているが、本当に利下げで経済に弾みがつくと信じているなら、マーケットは既にもっと大きく上がっているはずだ。

・ほんの一カ月前、連銀はインフレの危険性を強調していた。ここで、突然利下げに踏み切れば、連銀はいつも後手に回っていることが証明され、マーケット関係者の連銀に対する信頼感が減退するだろう。

・投資者は、あまりにも金利引き下げに、大きな期待をしすぎている。ご存知のように、往々にして、大きな期待は裏切られるものだ。

もう一つ、忘れてはいけないのは、大手証券会社の決算が今週ある。サブプライム問題が、実際にどの程度収益に影響しているかが見れるだけに、多くの投資者に注目されるだろう。下記が、アナリストの予想だ。

18日: リーマン・ブラザーズ(LEH) 一株利益は1ドル47セント。 

19日: モルガン・スタンレー(MS) 一株利益は1ドル53セント。

20日: ベア・スターンズ(BSC) 一株利益は1ドル78セント。

20日: ゴールドマン・サックス(GS) 一株利益は4ドル35セント。

(注: 一株利益の予想は、サブプライム問題を理由に、既に下方修正されている。たとえば、リーマン・ブラザーズだが、2カ月前には1ドル81セントが予想されていた。)

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バーナンキ連銀議長

(参考にしたサイト: http://www.247wallst.com/2007/09/forget-the-fomc.html

http://www.drduru.com/money/070910_FedForcedToCut.htm

トレーダーが経験する最も難しい問題

いよいよ、プロ野球シーズンも大詰めになった。大リーグでプレイする選手には、言うまでもないが、一つの共通点がある。チームの中には、3割打者もいれば、全く冴えない2割ギリギリの打者もいる。しかし、打率に大きな差があったとしても、彼らは皆、大学や高校ではスーパー・スターだった。

だれもが、バリー・ボンズやアレックス・ロドリゲズのような大打者になれるわけではない。現実は、メジャーに入ったものの、全く芽が出ないケースの方が多い。

野球の場合なら、高校、大学、マイナー・リーグ、そしてメジャー・リーグという順番で登っていく。言い方を換えれば、目的地に行き着くまでに、何回かのテストがある。しかし、デイトレーダーは違う。いきなり、プロたちの競うメジャー・リーグに参戦だ。

ここで、「The Psychology of Trading (トレードの心理)」の著者、ブレット・スティーンバーガー氏に届いたメールを紹介しよう。

トレードで、大きな成功をつかみたい、と思っていました。手数料や経費を引いた後、たしかに利益は出ていたのですが、現状の生活スタイルは、私の夢から大きくかけ離れています。それに、この程度の収入では、家族を満足させることもできません。

おそらく、これがプロのバスケットボール選手が感じていることなのでしょう。大学時代は、チームのスターとして活躍したのですが、プロの世界では、思ったような成績をあげることができません。ようするに、プロ・チームの中でエリートになれなかったのです。でも、だからと言ってプロでの成功を諦めたくはありません。

ここで思い出すのは、ボブ・ナイト氏です。氏は大学時代、バスケットボールのエリートでしたが、プロで大きな活躍をすることはありませんでした。結局プロ生活に見切りをつけ、結果的には、大学のバスケットボールコーチとして大成功をおさめました。このように、夢を実現できなかった人たちは、どこかで見切りをつけて、他の分野へ進んで行くのです。

私にとってトレードは、人生の縮図のようなものでした。単に欲や恐怖だけでなく、様々な感情を経験しました。しかし、トレードの夢が消えた今日、気が重くなっていることは事実です。問題は、トレードの経験をこれからの人生に、どう役立てるかです。

このメールに対する、スティーンバーガー氏のコメントを記そう。

「夢が死んだ時、私たちは現実に直面する。つらく厳しい経験だが、これを通して私たちは自分自身を発見する。本当の自分が見えた時、私たちは天職を知ることになるだろう。」

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スティーンバーガー氏

(参考にしたサイト: http://traderfeed.blogspot.com/2007/09/when-trading-dream-dies.html

 

こんなことに金を払う?

ニューヨーク市長、マイケル・ブルームバーグ氏は、貧困問題解決に向けて少し変わったプログラムを開始した。まだ試験段階だが、2500世帯が対象になり、年間最高で一世帯5000ドル(約57万7000円)までの補助金が支払われる。企業からの寄付が補助金として使われるのだが、早くもこのプログラムはニューヨークだけでなく、全米に論争を引き起こしている。

このプログラムの特徴は、単に貧しいだけでは補助金を受け取ることができない。サラリーマンが、一日8時間労働の報酬として給料を得るように、貧しい人たちも何かをすることで、補助金を手に入れることができる。問題なのは、その何かだ。

日常生活を考えてみよう。子どもがテストで100点を取った。今日も遅刻せずに時間どおりに学校へ行った。ゴミを、きちんと袋に入れて、指定された収集場所に置いた。忘れずに、家族のために夕食を作った。つまらないことを書き並べたが、もしこれらのことが実行されるなら、ブルームバーグ市長は補助金を払う。

それぞれの仕事や雑務には、25ドルから300ドルの報酬がある。たとえば、子どもが一週間休まずに学校へ行ったら50ドル、テストで80点以上なら25ドル、家の掃除をしたら50ドル、といったやり方だ。画期的な方法だ、と称賛の声も聞こえてくるが、不快感を抱く人たちも多い。

・「資本主義を利用した、すばらしいアイデアだ。これで、親が子どもの世話をするようになれば、結果的に家庭の向上に結びつく。」  buffy2k2k さん

・「このプログラムを批判する前に、考えてもらいたいことがある。全く何もしないで、多くの農業従事者たちは、政府から補助金を毎年得ている。それに、イラクを再建するという名目で、政府は非常識とも言える膨大な資金を大企業に支払っている。」  tomveblen さん

・「企業の寄付金が使われるらしいが、間違っても、こんなプログラムに税金を使ってほしくない。」  dl1965さん

・「ブルームバーグ市長のしていることは、無責任な親たちに褒美を与えるようなものだ。子どもが学校へ行ったかも分からないような人たちに金を払っても、家庭が改善することなど有り得ない。」  kpar12rnさん

・「ブルームバーグ市長、次は何をするのですか?今日あなたは、だれも殺さなかったから、これだけあげましょう、と犯罪者に報酬を与えるのですか?まったく信じられないプログラムです。親が子どもの面倒を見るのは当たり前なことです。そんなことに金を支払う必要などありません。」  dark fallさん

・「こんなプログラムは無意味です。人生の目的が無い人たちを助けたところで、いったい何の役に立つのですか?子どもを学校へ行かせた、というようなことに金を払っていたのでは、貧困者たちはますます補助金を目当てにするだけです。」  Mommargaritaさん

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ブルームバーグ市長

(参考にしたサイト: http://empirezone.blogs.nytimes.com/2007/03/29/ceo-to-the-poor/

http://abcnews.go.com/WN/comments?type=story&id=3593976

自社株買い戻しは誰のため?

自社株買い戻しは、本当に良いニュースだろうか?企業が、市場から自社株を買えば発行済み株数が減り、結果的に一株あたりの利益が向上する。と聞くと好材料のように思えるが、こんな報道があった。

ファイナンシャル・ウィークは、50の最も規模が大きい自社株買い戻しを調べた結果、次のようなことが分かった。

1、2006年1月、ディズニーは102億ドルにおよぶ、自社株買い戻しを発表した。その日以来、最高経営責任者ロバート・アイガー氏は、4160万ドル相当の持ち株を売却している。買い戻しが発表される前年、アイガー氏が売った持ち株は560万ドルだった。

2、EMCは1年前、30億ドルの自社株買いを発表した。その日以来、ジョセフ・トゥッチ氏(最高経営責任者)は、475万ドルにおよぶ持ち株を手放している。自社株買い戻し発表以前、トゥッチ氏は持ち株を売却したことは無い。

3、2006年8月、ヒューレット・パッカードは、60億ドルの自社株買い戻しを発表した。それ以来、マーク・ハード氏(最高経営責任者)は、1180万ドル相当の持ち株を処分している。買い戻しが発表される前年、ハード氏が手放した持ち株は100万ドルに達しなかった。

4、メーシーズは、2006年8月、60億ドルの自社株買いを発表した。テリー・ランドグレン氏(最高経営責任者)は発表以来、1290万ドルにおよぶ持ち株を売却している。買い戻しが発表される前年、氏が手放した持ち株は940万ドルだ。

5、2006年5月、ペプシコーラは85億ドルの自社株買い戻しを発表した。その日以来、最高経営責任者(インドラ・ヌーイ氏)は1200万ドルにおよぶ持ち株を売却している。発表の前年、ヌーイ氏が処分した持ち株は、10万ドルにも満たない。

6、バレロ・エネルギーは、2006年10月、60億ドルの自社株買いを発表した。ウィリアム・クリース氏(最高経営責任者)は、総額1810万ドルにおよぶ持ち株を、買い戻し発表以来売っている。買い戻し発表前、クリース氏は、持ち株を手放したことはない。

メガン・ジョンストン氏(ファイナンシャル・ウィーク)は、こんな感想を述べている。

「行動は言葉より雄弁、と言われます。大企業の最高経営責任者は、持ち株を処分するという行動で、自社株買い戻し発表を全く価値のないものにしてしまいました。」

ここで最初の質問に戻ろう。自社株買いは、本当に好材料だろうか?

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ロバート・アイガー氏(ディズニー最高経営責任者)

(参考にしたサイト: http://www.financialweek.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20070910/REG/70907026

グーグルに追いつけ!?

ヤフー・ファイナンスが新しくなった。「なかなか興味深いコンセプトだ」、とバリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)は言うが、先ず、その「興味深いコンセプト」を見てみよう。

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「Community Sentiment」、というアイデアだが、ヤフーはこう説明している。

コミュニティ・センチメントは、掲示板の書き込みが、極めて強気(BULLISH)になった銘柄、そして極端に弱気(BEARISH)になった銘柄を示したものだ。(実際には、過去30日間の各銘柄の掲示板状況と、最近24時間以内の書き込みを比較して、意見の大きな変化をつかんだもの。)

上の実例(9月11日、マーケット終了1時間前時点)を説明しよう。

ここ24時間以内に、強気(BULLISH)な書き込みが極端に増えた銘柄: Imclone Systems Inc. (IMCL)、Euro Tech Holdings Co. Ltd. (CLWT)、Versar Inc. (VSR)

ここ24時間以内に、弱気(BEARISH)な書き込みが大幅に増えた銘柄: Digi International Inc. (DGII)、Applied Digital Solutions Inc. (ADSX)、Juniper Networks, Inc. (JNPR)

とうぜんの疑問は、この情報が本当に投資やトレードに役立つだろうか、というものだ。stocktradingtogo.comの、ブレイン・ラインケンズマイヤー氏は、こう述べている。

「ヤフーの掲示板は、デマや中傷で溢れています。もちろん、株価のつり上げを狙った大袈裟な書き込みも多数あります。そのような情報を基にした、コミュニティ・センチメントには、大した価値があるとは思われません。」

(参考にしたサイト: http://finance.yahoo.com/newfp

http://www.stocktradingtogo.com/2007/09/11/yahoo-finance-launches-investor-sentiment/

http://bigpicture.typepad.com/comments/

他条件も揃った低PER銘柄

株価の割安、割高を判断する一方法として、株価収益率(PER)が多くの投資者に利用されている。低PER=割安、と一般的に解釈されているが、もちろんPERだけに頼った投資は危険だ。そこで今日は、ビンセント・マオ氏(インベスターズ・ビジネス・デイリー)が選んだ、有望低PER銘柄を紹介しよう。

注: 下記の銘柄は、次の条件が揃っている。

・PERは15以下。

・一株利益成長率はトップ10%に属すること。

・株価成長率はトップ30%に属すること。

・機関投資家に買われていること。

・株価は15ドル以上であり、一日の平均出来高は20万株以上あること。

1、Teekay Corporation (TK): PER15

過去4四半期、売上が10%のペースで伸びている。株価は、10週移動平均線付近で横ばい中。

2、Philippine Long Distance Telephone Co. (PHI): PER15

株価は、8月の急落から簡単に回復した。過去4四半期の売上は、16%から26%のテンポで成長している。

3、Pride International Inc. (PDE): PER15

ヒューストンに本拠地を構える石油採掘業者。過去3四半期の、一株利益成長率は90%を超えている。

4、Amtrust Financial Services Inc (AFSI): PER14

2四半期前、12社のミューチュアルファンドがAFSIを買っていたが、現在その数は30社を超えた。

5、Partner Communications Co. Ltd. (PTNR): PER14

チャートには、二番底が形成されているようだ。

6、Schnitzer Steel Industries Inc. (SCHN): PER13

7月18日の高値は射程圏内。

7、Superior Energy Services Inc. (SPN): PER13

4四半期連続で、一株利益、そしてキャッシュフローが伸びている。

(参考にしたサイト: http://biz.yahoo.com/special/ibd091007_article1.html

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