US Market Recap

ドル安を嘆く米国消費者

先物市場で買っていた人なら、原油の史上最高値記録は嬉しいニュースだろう。しかし、ガソリン高に結びつく原油の値上がりは、消費者にとって迷惑な話だ。トリプルAの調べによると、1リットル当たりのレギュラー・ガソリン全米平均は79.3セント(約91円)になり、4カ月ぶりの高値だ。

高くなったと騒いでみても、お粗末なバスや電車を考えれば、やはり自分の車で通勤するしかない。そこで今日は、米国消費者の嘆きを聞いていただこう。

「ドルが下がる度に、原油を含めた輸入品が値上がりだ。」 drowe さん

「忙しく紙幣を印刷する政府だが、それと同じ熱心さでエネルギー問題に取り組んでいたら、今日のようなガソリン高は起きていなかったことだろう。」 LukeWarm さん

「1リットルあたり150円を超えなければ、私たちは真剣に節エネを考えることはないと思う。」 Bill T.さん

「今こそ、不当な利益をむさぼる石油会社をストップさせるべきだ。一社を選んで、値下げするまで、その会社からガソリンを買うのをやめよう。皆が団結してボイコットすれば、きっとガソリン価格は下がるはずだ。」 NEWS COMMENTATOR さん

「ガソリンが、ここまで高くなったのは私たちの責任だ。政府は代替エネルギーを提唱しているが、単なるリップサービスで、現実には何もしていない。自動車メーカーも、相変わらず燃費の悪い車を生産し続けている。いつまでも外国の石油に頼ることは、結果的にアメリカの安全を脅かすことになるだろう。」 jg4okcさん

「金持ちは更に金持ちになり、貧困者には社会福祉制度がある。いつも損をするのは中流階級だ。」 LadyJoさん

「マーケットは、ドル安など気にしません。強い者が生き延びる、それがビジネスのルールです。もしあなたが、このガソリン高を乗り越えることが不可能なら、今から食料と弾薬を買いだめすることを勧めます。」 SnwbMarineさん

「休暇シーズンの前は、いつもガソリンの値上がりです。子どもたちの送り迎え、それに車椅子も載せなくてはいけませんから、我が家は大きな車が必需品です。こんな状態ですから、ガソリンの節約は無理です。」 WaitingFor Truthさん

「高い高い、と不平ばかりですが、私はこう思います。今から数年後、あの頃はガソリンが安かったね、と私たちは今日を振り返ることでしょう。」 David H. Grishamさん

「原油価格を決定するのはオイル会社ではない。先物市場に参加している投機家たちだ。」 litleace1さん 

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(参考にしたサイト:http://www.marketwatch.com/news/story/crude-oil-rallies-new-record/story.aspx?guid=%7B3C5E2306%2D4D8D%2D4D81%2DAA76%2DFD40213833F8%7D

http://www.usatoday.com/money/industries/energy/2007-11-05-gasoline-three-dollars_N.htm

サブプライムの次は何だ?

思えば、評判の悪い最高経営責任者だった。辞めるのも時間の問題、と言われていたが、とうとうシティグループのチャック・プリンス氏が辞任した。サブプライム、そして不動産担保証券で、評価損が更に80億から110億ドル増えるというのだから、正に退任するしか他に道は無かったわけだ。

職を失ったと言っても、プリンス氏を、米国の一般サリーマンと比較することはできない。過去4年間で得た報酬は5310万ドル(約60億円)、それに9400万ドル相当(約107億円)のシティグループ株も保有しているから、貧困生活に陥る可能性は皆無だ。

usatodayに寄せられた読者のコメントに、こんなものがあった。

「覚えてますか?高金利クレジットカードを始めたのはシティグループです。こんな会社は倒産してしまえば良いのです。」 jtwtさん

フォーチュン誌の報道によれば、現在米国消費者が抱えるクレジットカードの借金は、史上最高の9150億ドルに達している。金額的には、問題になっているサブプライムと、ほぼ同額だ。ドイツ銀行のアナリスト、マイケル・メーヨー氏は「クレジットカードは、先天的時限爆弾のようなものですから、状況を慎重に監視しなくてはいけません」、と述べている。

最悪のシナリオを、ピーター・ガンベル氏(フォーチュン誌)は、こう説明している。

不動産担保証券や債務担保証券のように、消費者によるクレジットカードの借金も証券化されている。既に、月々の支払いが不可能になった人たちの数が増え始めているが、これが急ピッチに増え続けると、単に銀行が損をするだけでなく、債務担保化された証券価格が下がる。担保化された証券の下げが進めば、投資していたヘッジファンド、ミューチュアルファンド、それに年金ファンドが損を出すことになり、場合によってはサブプライムと同等の混乱になるだろう。

このシナリオは現実性を欠く、と非難するアナリストは多い。しかし、ガンベル氏はこんな例も挙げている。

アメリカとイギリスの状況がよく似ている。違いは、住宅市場のピークが早かったイギリスは、金融周期的には、アメリカより約18カ月先を進んでいることだ。2005年の終わり頃から、イギリスでは、クレジットカードの支払いが不可能になった人たちの数が50%以上増え、銀行の評価損も大幅に上昇した。

更に、先月のアンケートによれば、イギリスの住宅保有者の6%は、クレジットカードで月々の住宅ローンを払っている。言うまでもなく、自殺的な行為だと思う。こんなイギリスでの状況が、大西洋を越えて、アメリカに上陸しないことを願うばかりだ。

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(参考にしたサイト:http://www.usatoday.com/money/companies/management/2007-11-04-citigroup-prince_N.htm

http://money.cnn.com/2007/10/29/magazines/fortune/consumer_debt.fortune/index.htm?postversion=2007103013

手数料が上がった!?

現在アメリカには、売りに出されている中古住宅が440万件ほどある。全米不動産業協会の調べによれば、これらの住宅が全て売り尽くされるには10.2カ月の期間が必要になり、これほどの高水準に達するのは1998年の2月以来だという。住宅ブームの頂点、2005年の1月は、たったの3.6カ月だったから、いかに今日の住宅市場が落ち込んでいるかが分かる。

単に家が売れないだけではない。第3四半期、月々の支払いが不可能になり、差し押さえになった住宅は44万6000件にのぼり、去年の同時期を約100%も上回っている。 

RealtyTrac 社の調査によれば、現在の全米平均は、196件に対して1件の割合で住宅が差し押さえになっている。特に深刻なのは、ネバダ州の61件に対して1件の割合だ。

住宅販売件数の減少を、最も身近に感じているのは不動産のセールスマンだが、CNNにこんなヘッドラインがあった。

Real estate commissions rise 「不動産手数料上昇」

記事を要約しよう。

1991年、住宅販売時における手数料の平均は6.1%、2001年は5.4%、そして2005年は5.02%だった。2006年には、オンラインの不動産業者も台頭し始め、Re/Max社の会長デーブ・リンダー氏は、5年以内に手数料が4%台に落ち込むことを予測した。

しかし、住宅市場がスランプの今日、平均手数料は逆に5.18%に上がっている。なかなか住宅が売れない現状は、やり手のセールスマンが求めらる結果となり、売り手は高めの手数料にこだわることが無くなった。「一年ほど前なら、二日もあれば物件は売れました。ですから、たった二日間の仕事に高い手数料を払うことを売り手は拒みました。しかし、今日状況は完全に変わりました」、と不動産業者のジム・ロング氏は言う。

いったい、いつになったら住宅市場は上向きになるのだろうか?専門家たちの声を代表する、マーク・ザンディ氏(Moody's Economy.com)は、こう語っている。

「とにかく膨大な数の住宅が売れ残っています。それに、信用収縮問題も片付いていない状態ですから、まだ先を読むことはできません。」

その他にも、建築業者は状況を無視して、あまりにも家を建てすぎたなどの批判もあり、責任のなすりあいも始まっている。

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(参考にしたサイト:http://money.cnn.com/2007/10/24/news/economy/builders_forecast/index.htm

http://money.cnn.com/2007/10/30/real_estate/commissions_rise/index.htm?postversion=2007103113

http://www.businessweek.com/bwdaily/dnflash/content/oct2007/db20071024_022437.htm?chan=top+news_top+news+index_best+of+bw

http://centralvalleybusinesstimes.com/stories/001/?ID=6871&ref=patrick.net

 

最も嫌われているセクターを見てみよう

佐藤新一郎氏(投資顧問)が、こんなことを書いておられた。「不思議なもので、300円の株が350円になったときはなかなか買えないものが、連日上昇し、900円になるとまだまだ上がるような気がして、非常に買いやすくなります。」大衆心理を、的確に言い表した言葉だと思う。

急騰する株は、マスコミにも取り上げられ、更に人気化が進んで行く。新聞、ラジオ、テレビしかなかった時代とは違い、今はインターネットがあるから、話題の銘柄を見つけるのも簡単になった。

「300円の株が350円になったときはなかなか買えない」、と同様に、安値更新銘柄も買いにくいものだ。安く買って高く売る、と一口で言っても、叩かれた株はいつ上がるかサッパリ見当がつかない。しかし、一桁台まで売られたアップル(AAPL)が、現在180ドル台で取引されているのを見ると、完全に売り叩かれた株を無視するのも勿体ない。

現在アメリカで、嫌われている株と言えば住宅建築銘柄だ。先月24日の報道によれば、9月の中古住宅販売件数は8%減になり、1999年以来最悪のレベルに落ち込んだ。いつになったら回復するのか、全くめどの付かない状態だが、ここでハリー・ドマッシュ氏(winninginvesting.com)の話を聞いてみよう。

毎日のように、下げ止まらない住宅価格、などといったニュースを聞いていたら、誰でも買う気がなくなってしまう。ようするに、消費者は住宅価格の下落にブレーキがかかり、安定の兆しが見えるのを待っているわけだ。

多くの住宅建築銘柄が半値以下になっている。今直ぐは無理としても、カムバックできるのは時間の問題だ。もちろん、全ての住宅株が生き残る保証は無い。大切なことは、条件の揃った成長を見込める株だけを買うことだ。

条件として、ドマッシュ氏は次の要素をあげている。

・負債資本比率は業界平均より低いこと。

・投資利益率は、過去5年平均で10%以上あること。

・アナリストの格付けは、平均で3以上あること。(5が強い買い、そして1が強い売り推奨。)

以上の条件が揃う銘柄は現在4つある。

(注:これらは投資アイデアであり買い推奨ではない。)

・Lennar Corp. (LEN)  ・MDC Holdings Inc. (MDC)   ・NVR Inc. (NVR)  ・Toll Brothers Inc. (TOL)

ドマッシュ氏は、更にこんなことを指摘している。「Lennar Corp. (LEN)とMDC Holdings Inc. (MDC)は、下落の著しいカリフォルニア州で営業していることを考慮すると、現在投資対象になるのは、NVR Inc. (NVR)とToll Brothers Inc. (TOL)の二社だけだ。」

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ドマッシュ氏

(参考にしたサイト:http://biz.yahoo.com/rb/071024/usa_economy.html?.v=4

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/SimpleStrategies/BetNowOnTheRealEstateRebound.aspx?page=1

投資者は考え過ぎ?

あと二カ月を残すのみとなった2007年だが、小売店にとって最も重要な、クリスマスのショッピングシーズンがやって来る。既に、アナリストたちは暗い売上を予想しているが、これは消費者に好都合だ、と言う人たちもいる。

売上不振を予測する、マイケル・ニーミラ氏(ショッピングセンター協会)は、こう語っている。「スランプの続く住宅市場が、クリスマスの売上に一番の悪影響になります。下げの止まらない住宅価格は、個人消費を低下させることでしょう。」

最近のニュースを見てみよう。

・高級ハンドバッグで有名なCoach (COH)は、10月23日、クリスマスシーズンの売上予想を下方修正した。過去5年間、毎年二桁台の伸びを記録していたが、今年は一桁台の成長になるようだ。

・先日、冴えない9月の売上を発表した高級百貨店Nordstrom(JWN)は、第3四半期の利益も下方修正した。

・大型ストアTarget(TGT)は、10月の売上予想を下方修正した。(Targetは、ウォルマートのように割引で有名。)

小売セクターの暗い見通しが、消費者に好都合という理由を説明しよう。上記したように、高級店からディスカウント・ストアまで、既に下向きの様子が見え始めている。こんな状況を打破するために、各小売店は、大きな値下げを実行して、買い物客の獲得に必死になるだろう。

話は変わるが、昨日の「マッド・マネー」で、ジム・クレーマー氏は、こんなことを言っていた。

「投資者たちは、現在のマーケットについて考え過ぎだ。急騰する原油価格は、株に悪影響を与える、と心配し始めているが人が増えているが、そんなことは忘れてほしい。専門家たちが、あれこれと考えて色々な意見を発表するが、先ずマーケットがその通りに動くことはない。極端に言ってしまえば、大きな資金の向かう株は上がる。だから、悪い経済ニュースなど関係ない。もちろん、割高割安などを気にするのも間違いだ。とにかく、投資者たちは考え過ぎだ。」

いつも強気なクレーマー氏だが、更に強気になったようだ。ひょっとしたら、ポートフォリオに占める現金の割合を増やした方が良いかもしれない。

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クレーマー氏

(参考にしたサイト: http://biz.yahoo.com/cnnm/071031/103007_fedrate_holidaymoney.html?.v=3&.pf=banking-budgeting

http://www.thestreet.com/_tscnav/funds/madmoneywrap/10387675.html

http://biz.yahoo.com/ibd/071026/general.html?.v=1&.pf=family-home

 

決算、株価、抵抗線

予想どおり、連銀は0.25ポイントの金利引下げに踏み切り、短期金利の指標となるフェデラル・ファンズが4.5%に設定された。

ネットエイドに参加された方ならお分かりのように、マーケット開始前、馬渕氏はトレード候補銘柄のチャートをチェックする。目的の一つは、条件を十分に満たさない株を、リストから削除するためだ。デイトレーダーには、デイトレード用の銘柄選択方法があるように、スイングトレーダーにもそれなりの方法がある。そこで今日は、ジェフ・ホワイト氏(スイングトレーダー)の話を聞いてみよう。

最終的な銘柄リストを作成するためには、次の五項目を検討する必要がある。

1、チャートパターン

トレードを可能にする、チャートパターンが出来上がっているだろうか?言い方を換えれば、適切なチャートパターンが無ければ、買いや売りのタイミングをつかむことができない。

もちろん、全てのチャートパターンを習得する必要は無い。たった一つのパターンでも、それを完全にマスターすれば、トレーダーとして成功することができる。

2、株価と出来高

どんなに魅力的なチャートパターンでも、出来高が少なくては話にならない。最低でも、一日の平均出来高は75万株以上ほしい。資金の少ないトレーダーは、株数を多く買えるという理由で、株価の低い銘柄を選ぶ傾向がある。しかし、低位株は一日の値幅が狭く、結果的に利益を上げるのに時間がかかってしまう。30ドル未満の株は避けよう。

3、決算

オーバーナイトで株を保有する場合は、決算発表日を必ずチェックしよう。また、決算の直前直後には、アナリストによる格上げ/格下げも頻繁に出されるから注意だ。

4、銘柄の習性

良いパターンが見つかると、私たちは、その部分だけに注目してまう欠点がある。銘柄によっては、パターンができても2、3日で直ぐダメになることがあるから、少しさかのぼってチャートを見てみよう。

5、抵抗線/支持線

明確に分かる場所だけでなく、週足なども調べて、見落としている重要なサポートやレジスタンスラインがないかを確認しよう。

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(参考にしたサイト: http://www.thestockbandit.net/2007/10/31/stock-trade-worthy/

自分の敵になるな!

トレーダーなら、毎日をプラスで終えたいと思うのは当然だ。しかし、現実はマイナスで一日を終わることも度々あるから、気分転換が重要になる。そこで今日は、フレッシュな気持ちで、トレードに臨む方法を探ってみよう。

1、今日のトレードを振り返って、客観的に評価してみよう。

損を出して一日を終えると、この嫌な雰囲気を明日に持ち込む可能性がある。それを防ぐには、必ず今日中に今日のトレードを復習することだ。トレードのどこが間違っていたのだろうか?エントリーのタイミングが悪かったのだろうか?それとも、重要なレジスタンスラインを見落としていたのだろうか?とにかく、今日中に反省をして、翌日に今日のムードを持続させないことだ。

2、間違った質問をしないこと。

トレードを振り返る時、「なぜ俺は、こうも馬鹿なミスを繰り返すのだろう?」、などといった自己批判をするような質問をしないこと。それは単に、自信を消失させるだけだ。自問自答する場合は、「どこが間違っていたのだろう?」、といった形にして、どんな事があっても、自分を傷つけるような言葉を吐いてはいけない。

3、必ずノートに書くこと。

一日の復習は、必ず日記のようにノートに書きとめよう。もちろん、ただトレードのことだけを書くのではなく、やる気を起こさせる言葉なども記しておこう。

4、今日は終わった。

トレードの復習が終わったら、「これで今日は終わった!」、と自分に強く言い聞かせよう。どんなに間違いを悔やんでみても、過去を訂正することはできない。知人から、こんな聖書の言葉をおしえてもらった。「だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。」

5、嫌な雰囲気を再現しないこと。

トレードの前に、昨日つけたノートを読み返して、守るべきルールをチェックしよう。することは、それだけだ。昨日の、嫌な気分を再現などしてはいけない。

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(参考にしたサイト: http://www.lifehack.org/articles/lifestyle/getting-rid-of-yesterday-how-to-start-your-day-fresh.html

選択肢は三つ

30日、31日の二日間にわたって、FOMC(連邦公開市場委員会)が開かれる。既に0.25ポイントの利下げが予想されているが、これは積極的な態度ではなく、仕方なくやるといった消極的な姿勢のようだ。

先ず、USA TODAYが、53人のエコノミストから取ったアンケート結果を紹介しよう。

・10月31日のFOMCで、連銀は

金利を据え置きにする: 45%

0.25ポイントの利下げをする: 51%

0.5ポイントの利下げに踏み切る: 4%

経済ニュースでは、ほとんどの専門家が、0.25ポイントの利下げを予想している、と報道されているが、どちらかと言えば半々に近い内容だ。ウィリアム・ハンマー氏(ウェイン・ハンマー・インベストメント)は、こう説明している。「現時点で、先を読むことは極めて難しい状態です。特に、低迷の続く住宅市場の先行きが中々つかめません。不透明な要素が多いだけに、ここで更なる利下げを実施することは、投資心理に好影響になると思います。」

ライトソンICAPのチーフ・エコノミスト、ルイス・クランドール氏は、連銀は更なる利下げに消極的だと言う。「しかし、金利を据え置きにしてしまうと、金融市場を動揺させる可能性があります。ですから、それを防ぐ意味で、0.25ポイントの利下げを決定するのではないでしょうか。」

話をまとめて、TCWグループの、コマル・シュリ・クマー氏はこう語っている。「連銀の出来ることは三つあります。1、金利を0.25ポイント引き下げる。2、金利を0.5ポイント引き下げる。3、金利を据え置きにする。正しい選択は1番です。

暗い住宅市場、それに弱さが見え始めた企業収益を考えれば、金利を据え置きにすることはできません。0.5ポイントの金利引下げもありえません。そんな大幅な利下げを実行してしまえば、ドル安が急速に進み、米国内にインフレを引き起こしてしまいます。

となると、残っているのは0.25ポイントの金利引下げしかありません。これなら、たしかに予想どおりになってしまいますが、投資者を一安心させ、前回のような大きな上昇は無理ですが、マーケットラリーに期待できそうです。」

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(参考にしたサイト: http://www.usatoday.com/money/economy/2007-10-28-economy-outlook-fed_N.htm

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601109&sid=aEnZejdWUzMk&refer=home

http://www.nytimes.com/2007/10/28/business/yourmoney/28mark.html?_r=1&oref=slogin

持ち株が大きく下げている。さて、どう対処する?

先週のマーケットで、一番大きな被害を受けたのは、おそらくウェルケア・ヘルス・プランズ(WCG)に投資していた人たちだろう。先ず、説明する前に週足チャートを見てほしい。

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128ドルから、一気に30ドルまで転落してしまった。こんな下げ方だから、トレンドラインを割り始めたところで逃げることができたはず、と思われるかもしれないが、それは無理だったことが下の日足チャートで分かる。

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(大きなギャップダウン。寄付いた時点で、既に膨大な損が出ていた。)

まだ詳細は発表されていないが、この暴落は、FBIによるウェルケア・ヘルス・プランズの強制捜査が原因だ。さっそく、株主たちは弁護士を雇って、集団訴訟を起こしている。

不幸にも、もしあなたがこの株を持っていたとしたら、ギャップダウンの寄付きで直ぐ持ち株を処分するべきだろうか。多くのスイングトレーダーたちは、こんなやり方をしている。

1、寄付き直後の5分間は、何もしないで株の動きを見る。

2、5分過ぎたら、最初の5分間の高値と安値に線を引く。

3、次の25分間で、最初の5分間の安値を割った場合は、少なくとも持ち株の半分を売る。

4、30分経過したら、30分間の安値に線を引く。

5、30分間の安値も割るようなら、残りの持ち株を全て処分する。

6、もし、一日中30分の安値を割るようなことがなければ、大引けで残りの株を売る。(または、トレーリングストップを使って処分する。)

(参考にしたサイト: http://biz.yahoo.com/rb/071026/wellcare_connecticut_probe.html?.v=1

原油高を作り上げた五つの要因

サブプライム問題を象徴する金融機関、カントリーワイド・ファイナンシャルの決算発表は、思ったとおり惨たんたる結果だった。しかし、「最悪の事態を既に乗り切り、第4四半期は黒字に持っていけると思う」、という会社側からのコメントで、金曜のマーケットは強い寄付きになった。

これで、サブプライムは過去のものとなった、と一安心する投資者だが、もちろんまだ他にも不安要素はある。例を挙げれば原油だ。

金曜午前中の取引で、原油価格は瞬時92ドルを突破して、新高値が記録された。バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)は、こう語っている。「たしかに原油は高値更新だが、インフレを考慮して計算すると、最高値は1980年4月の101ドル70セントになる。だからと言って、今日のレベルが安いわけではない。この52週間で、原油価格は47.3%の上昇、そして2001年から511%の上昇だ。」

なぜ原油価格は、こうも上がったのだろうか?別に天才でなくても原因は誰でも分かる、とリットホルツ氏は言うが、氏の指摘する五つの要因を見てみよう。

1、世界的な需要の増大

急成長を続ける中国だけでなく、インド、韓国、ロシア、ブラジル、そしてオーストラリアでの原油需要が増加している。

2、ドル安

主要経済国家通貨に対して、ドルは15年ぶりの安値を記録した。財務長官が、「強いドル政策」と言うたびに、ピノキオのように鼻が伸びたら、さぞ楽しいことだろう。

3、イラク、アフガニスタンでの戦争

言うまでもなく、戦争は中東情勢を極めて不安定な状態に陥れる。不安定=高リスクだから、中東からの原油には高い割増料金が要るわけだ。

4、制限された供給量

輸送に必要なタンカー、それにパイプライン、石油製油所が世界的に不足し、需要を十分に満たすことができない。

5、武力を誇示して、イランを威嚇するアメリカ

更に中東問題を悪化させるだけだから、とうぜん先物市場で原油が買われる材料になった。

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(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/10/26/markets/markets_1215/index.htm?postversion=2007102612

http://bigpicture.typepad.com/comments/2007/10/crude-oil-above.html

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