US Market Recap

過渡期のスターバックス

ヤフー・ファイナンスが、訪問者からアンケートを取った。「スターバックスが、52週間ぶりの安値に転落しましたが、これは買いチャンスでしょうか?」回答は、43%が「イエス」、57%が「ノー」のほぼ半々だ。それでは週足チャートをチェックしてみよう。

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下降する、20週平滑移動平均線がレジスタンスになっている。MACDを利用している人なら、1のクロスで空売って2のクロスで買い戻し、そして最近3のクロスで空売っている。

何故こうも下げたのだろうか?簡単に説明すれば、売上や一株利益が、アナリストの予想をいつも上回る株には買い手が集まる。(好決算発表後のギャップアップは良い例だ。)しかし、今日のスターバックスには以前のような成長力が無く、当然の結果として、アナリストは来年度に見込まれる収益を下方修正だ。

ドイツ銀行のアナリスト、マーク・グリーンバーグ氏は、こう述べている。

「来年度は、更に1600店舗増やします。新しい飲み物もメニューに加えます。そして、テレビのコマーシャルも積極的にする予定です。しかし、売上はしばらく横ばいになりそうです。これは、経営陣が実際に語ったことです。ようするに、スターバックスは難問を抱えているのです。」

ジョセフ・バックリー氏(ベア・スターンズ)によれば、スターバックスは創業以来初めて、マクロ経済要因の影響を受けていると言う。「米国経済の動向は、スターバックスの利益に全く関係ありませんでした。しかし、店舗数が大きく増えた今日、客層も多様化しました。あまり裕福でない人たちは、物価値上がりなどの経済要因に敏感に反応します。経済成長が下向きですから、スターバックスから一定の客層が遠のいています。」

テレビのコマーシャルをする、ということなのだが、スターバックスは今まで一度もテレビでコマーシャルをしたことが無い。「これは事件に値する出来事です」、とハワード・ペニー氏(アナリスト)は言う。「コマーシャルを嫌っていた経営陣の態度が一転ですから、いかに会社の状況が悪化しているかが分かります。もちろん、コマーシャルは短期的には収益に好影響となるでしょう。」

さて、皆さんにも同じ質問をしよう。「スターバックスが、52週間ぶりの安値に転落しましたが、これは買いチャンスでしょうか?」

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参考にしたサイト: http://www.businessweek.com/bwdaily/dnflash/content/nov2007/db20071116_906751.htm?campaign_id=rss_daily

http://www.marketwatch.com/news/story/starbucks-shares-scalded-lowered-targets/story.aspx?guid=%7BF9267B15%2DD258%2D4F9B%2DA61D%2DB2B92675F857%7D&siteid=yhoof

http://www.forbes.com/2007/11/16/starbucks-stock-earnings-markets-equity-cx_ml_1116markets23.html?partner=yahootix

気分を調整しよう

皆さんには、毎日トレードを始める前に、必ず実行していることがあるだろうか?言い換えれば、最高に近い気分でトレードに臨む準備だ。たとえば、知人のYさんは、マーケット開始5分前に、この音楽を聴いて気分を高めているという。

http://www.youtube.com/watch?v=IWcNiebYGuo

音楽でなくても、やる気を起こさせる言葉を、大きな声を上げて読む人たちも多い。それでは、早速いくつか見てみよう。

・毎朝、アフリカのジャングルでガゼルが目を覚ます。今日一日、無事に生き延びるためには、最も速く走るライオンより、更に速く走らなければならない。毎朝、ジャングルでライオンが目を覚ます。今日も食料を手に入れるためには、最も遅いガゼルより速く走らなくてはいけない。あなたがライオンか、それともガゼルかは問題でない。とにかく、目を覚ましたからには走ることだ。

・「クライシス」という言葉を中国語で書くと、「危機」という二文字で表される。最初の文字は「危険」を示し、二番目の文字は「機会・チャンス」だ。 (ジョン・F・ケネディー)

・たとえ途中でコロンブスが引き返したとしても、おそらく、それを非難する人は少なかったことだろう。もちろん、途中で挫折していれば、今日コロンブスの名を知る人は一人もいない。

・自分のすることなど、全く世の中に影響することはない、と思っている人たちがいる。とんでもない間違いだ。考えてほしい。たった一匹の蚊が、布団の中へ入ってきただけで、あなたは大騒ぎすることだろう。

・何も間違いを犯したくなければ何もしないことだ。 (セオドア・ルーズベルト)

・忍耐強く待つ人には良いことが訪れる。しかし、挑戦し続ける人には、もっと良いことが訪れる。

・マーケットをコントロールすることはできない。いかに適切に対応するかを考えろ。

・間違った、と気がついたら直ぐに正しい行動に移ろうとするのではなく、先ず間違ったことをやめることだ。 (ジェシー・リバモア)

・成功しているトレーダーの勝率は60%だ。偉大なトレーダーの勝率は61%くらいだ。 (ギャリー・スミス)

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参考にしたサイト: http://www.nevblog.com/2006/03/favorite-quotes.html

http://tradingquotes.blogspot.com/

相変わらず強気なニュースレター

Bespoke社の調べによると、大型株は10月の高値から平均で20.35%の下げ、そして小型株は28.5%の下落だ。原油の値上がりで、エネルギー株が注目されていたが、これも平均で17%ほど下げている。不安なマーケットだが、トップクラスの株ニュースレターは、どんな見方をしているだろうか?

・Blue Chip Investor: 強気

編集長のスティーブン・チェック氏は、株の一株利益成長率と債券の利回りを比較した場合、株の方がまだやや割安だと言う。現在、ポートフォリオの88%が株に割り当てられている。

・Bob Brinker's Marketimer: 強気

発行されたばかりのニュースレターには、こう書かれている。「米国市場が、ベアマーケットに陥る可能性は無い。来年も、高値が繰り返し更新されるだろう。」

ポートフォリオの100%が株に割り当てられている。

・Chartist and Chartist Mutual Fund Timer: 強気

99%が株だ。

・Investors Guide to Closed-End Funds: やや強気

ポートフォリオの49%が株。

・Medical Technology Stock Letter: 強気 (医療技術関連銘柄が中心のニュースレター)

株式市場のリスク上昇を理由に、最近少し利食ったが、それでもポートフォリオを占める株の割合は75%だ。

・No Load Fund Investor: ニュートラル(中立的見方)

相変わらず、7割の資金が株に割り当てられているが、マーク・サルジンガー氏(編集長)は、やや慎重な意見を今月号で発表している。

・Timer Digest: 強気

54%が株。

・Vantage Point: 強気

しばらくマーケットは横ばいするが、中期長期のアップトレンドに崩れは無い、と編集長のジョン・ハリス氏は述べている。100%が株に投資されている。

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(参考にしたサイト: http://bespokeinvest.typepad.com/bespoke/2007/11/average-stocks-.html

http://www.marketwatch.com/news/story/market-timing-newsletters-best-long-term/story.aspx?guid=%7B96DE738E%2D8B93%2D4026%2D81A8%2D4912ABA763AF%7D

 

トレーダーの敵

トレード心理の研究で有名なブレット・スティーンバーガー氏は、先日のコラムで、時おりトレーダーが経験する精神的な疲れについて触れている。先ず、症状から見てみよう。

1、やる気が無い

単に気が進まないというだけでなく、意識的にトレードを避けようとする。

2、不信感

うまく行く筈がない、またマーケットに裏切られるに決まっている、とトレードを始める前から悲観的な考えに支配されてしまう。

3、疲労感

積極的にトレードに臨まなくてはいけないのは分かっているが、肉体的心理的な疲労感で、全くテキパキとトレードができない。

4、睡眠障害

よく眠れない、または十分過ぎる睡眠時間なのに、爽快な気分で起きることができない。

5、薬物乱用

酒、タバコ、睡眠薬を使って気分を晴らそうとする。

解決方法

気が進まない、やる気が無いというのは、あなたの意志が弱いからではない。どんなに自分自身を励ましても、精神的な疲れがたまっていると、なかなかやる気を引き起こすことは難しい。そんな時はトレードから離れて、適度な運動、そして十分な休憩を取ることが大切だ。それでも疲れがとれないなら、医師に診てもらうことを勧めたい。

あなたのトレードを見直してみよう。適切なゴールが設定されているだろうか?たとえば、3万ドルの口座で、毎日5000ドルの利益を上げるといった実現不可能な目標では、単に精神的な負担になるだけだ。

だらだらとトレードしていないだろうか?トレードも仕事なのだから、きちんと時間を守らなくてはいけない。マーケット開始から終了まで、絶えずトレードチャンスがあるわけではないから、トレードは最初の2時間だけ、といった形で自分のスケジュールを作ろう。毎日長時間モニターを見ていたのでは、言うまでもなく、必要以上の疲れをためてしまう。

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スティーンバーガー氏

(参考にしたサイト: http://traderfeed.blogspot.com/2007/11/psychological-burnout-and-trading-five.html

Eトレード、一夜明けて

アナリストのコメントで、昨日60%近い下げとなったEトレードは、どこに買収されるだろうか、と早速話題になっている。競争相手のオンライン証券会社には、TD Ameritrade、Charles Schwab、optionsXpress Holdings、それにTradeStation Groupなどがある。

膨大な評価損を理由に、シティグループのアナリストはEトレードを格下げしただけでなく、倒産の可能性についても言及し、投資者をパニックに陥れる結果となった。

話は先週の金曜に戻るが、Eトレードは、第4四半期の評価損は予想以上に悪くなることを発表した。不動産ブームに目をつけ、Eトレードは住宅ローンも積極的に展開していたのだが、最近の著しい住宅市場の低迷で、不動産担保証券が大幅に下がっているようだ。

住宅ローン部門を除けば、Eトレードのオンライン証券業務は順調だ。10月、一日の平均取引回数は22万7344回におよび、これは前月を23%ほど上回った。更に、顧客口座残高も、計2270億ドルに達している。

買収うんぬんはともかくとして、さすがにあれだけ下げた後だから、Eトレードにはバーゲンハンターが殺到している。現在の株価は4ドル88セント、37.61%の上昇だ。ここで、一般投資家たちの声を聞いてみよう。

・いくらなんでも、昨日の下げ方は異常です。完全なパニック売りです。Eトレードは、順調に口座数を伸ばしていますから、昨日の下げは絶好の買い場であったと思います。 Andreasさん

・サブプライムで、大損を出しているシティグループのアナリストに、Eトレードを格下げする資格はありません。私は、Eトレードに4つの口座がありますが、他社へ移すつもりは全くありません。 PMさん

・パニックしてはいけません。Eトレードの口座は安全です。全ての口座は、証券投資家保護公社の保険がありますから、あなたの資金が無くなってしまうことはありません。Eトレードは倒産しません。 InvestingAttorneyさん

・超売られ過ぎレベルです。私はEトレードを買い足します。6週間後には、きっと大きな利益が出ていることでしょう。 Araskogさん

・パニックするな?口座を他社へ移す必要は無い?私もEトレードに口座がありますが、心配材料があることは確かなのですから、資金の大半を他社へ移す予定です。 drunkinvestorさん

・絶好の買いチャンスです。かなり割安ですから、賢い投資家ならEトレードを買っているはずです。 johnpさん

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(参考にしたサイト:http://www.thestreet.com/s/etrade-woes-renew-buyout-chatter/newsanalysis/wallstreet/10389853.html

http://www.forbes.com/2007/11/13/etrade-mortgage-brokerage-markets-equity-cx_er_1113markets12.html?partner=yahootix

http://www.marketwatch.com/News/Story/investor-assets-e-trade-accounts-said/story.aspx?guid=%7B07DF25B1%2D350B%2D460C%2D9D49%2D665E9DFB5DD9%7D

なぜこんな意見を頼りにするのか?

11月7日、747ドル24セントの高値を記録したグーグルは、現在636ドルで取引されている。約15%の下落だ。この下げ率が、大きいか小さいかは別として、先ず日足チャートを見てみよう。

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もし、あなたがグーグルに投資していたら、持ち株を既に売って、利益を確定していることだろう。トレンドライン割れ(A)、それにMACDからは売りシグナル(B)も出ているから、少なくとも二つの警報があったわけだ。

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(資料:ザックス

上は、1カ月前(1 Month Ago)、1週間前(1 Week Ago)、そして今日現在(Today)のアナリストの意見を表にしたものだ。1カ月前、グーグルに強い買い推奨(Strong Buy)を出していたアナリストは17人、1週間前も17人、そして今日も17人だから、何も変化は無い。見てのとおり、売り推薦(Sell)は相変わらずゼロを示し、アナリストが頼りの投資家は、いまだにグーグルを持っているわけだ。

それでは、Eトレードの日足チャートに移ろう。

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明確なダウントレンドだ。

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これだけEトレードは下げているのに、売りを主張するアナリストは一人もいない。おっと、明日この表には、少なくとも一人のアナリストが売り推奨として登場するようだ。

月曜、プラシャント・バティア氏(シティ・インベストメント・リサーチ)は、EトレードをHoldからSellに格下げし、目標株価を13ドルから7ドル50セントに引き下げた。更に氏は、Eトレードが倒産する確率は15%、と述べている。(24/7より

そう言えば、ハリー・ドマッシュ氏が「Fire Your Stock Analyst(あなたの株アナリストを首にしろ)」、という本を書いていたな。(日本では、「プロの銘柄選択法を盗め」、というタイトルで販売されている。)

資金はどこへ向かう?

二週間連続の嫌な下げ方で、さすがに不安になり始めた人たちが多いようだ。既に11月、強い相場で知られる年末が近いが、もう4年以上も続いたブルマーケットを考えると、今回は例外かもしれない、と思ってしまっても仕方ない。さて、投資家たちは、どうポートフォリオを調整するだろうか?

1、国債の比重を増やす

「経済が下向きになれば、多額の資金が、株式市場から国債市場へ移動することでしょう。ですから、国債10年物を買い足すことを考えてください。」 バーナード・バウモール氏(The Economic Outlook Group)

2、高配当銘柄に注目

「巨大国際企業は、ある程度経済が悪くなっても、高い配当金を継続することができます。例をあげれば、ExxonMobil(XOM)、Chevron(CVX)、IBM(IBM)、American International Group(AIG)といった銘柄です。」 ボブ・ドール氏(BlackRock Inc)

3、外国株

米国経済に冷えこみが見られる今日、海外の株が、よりいっそう魅力的になった、と言うアナリストもいる。

「フランスが第1候補です。Total SA(TOT)、France Telecom(FTE)は有望な銘柄です。アジアなら、韓国のPosco(PKX)、それと台湾のTaiwan Semiconductor(TSM)です。」 オードリー・カプラン氏(Federated InterContinental Fund)

4、エネルギー・セクター

原油の上げが止まらない。引き続き、エネルギー株が投資対象になりそうだ。チャールズ・ロットブルット氏(Zacks)は、次の銘柄を買い候補にあげている。Schlumberger(SLB)、National Oilwell Varco(NOV)

5、金融セクター

銀行、証券会社、保険会社と言えば、サブプライム問題で最も嫌われているセクターだ。かなり売り叩かれた銘柄が多いから、そろそろ買いを検討する人たちが現れるだろう。

「現段階では、金融銘柄の積極的な買いは控えています。しかし、2008年の第1四半期あたりから状況は大きく変わってくるでしょう。」 コーマル・スリ・クマー氏(TCW) ということで、シティグループ(C)やメリルリンチ(MER)は来年の注目銘柄だ。

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(参考にしたサイト:http://www.marketwatch.com/news/story/story.aspx?guid=%7BAAFDCAFC%2DFF06%2D492F%2DBFD2%2D022B960E93C4%7D

会社を休む理由あれこれ

ドル安、サブプライム問題、不況の住宅市場、信用収縮、まったくロクなニュースが無い。悪い時には悪いことが重なる、と言われるが、これだけ暗いニュースが多いと、投資者たちも滅入ってしまうことだろう。そこで、今日はくだらない明るい話題を探してみることにした。

だれでも、時には会社を休みたいと思う。二年前の少し古いデータになるが、病気でもないのに、社員が欠勤する理由は、寝不足なので休養したい、が一番多いようだ。

もちろん、上司に電話して、「すいません、眠いので休みます」、とは言えない。それなりの言い訳がなければ、上司を説得することは無理だから、真剣に筋の通った話を用意する必要がある。しかし、中には信じられない欠勤理由を言う人たちがいる。いくつか見てみよう。

・「すいません、二日酔いがひどくて車の運転ができません。」

・「間違ってカギをトイレに流してしまいました。」 流したのは、通勤用の車のカギだったのだろうか?

・「実は、急いでいたもので、車庫のドアを開けずに、車を発車させてしまいました。」 それで車が壊れて、会社へ行けない、という意味だろうか?

・「夫の飼っているヘビが見つからないのです。見つかるまでは、怖くて寝室から出られません。」

・「爪を短く切りすぎて、ひどい出血です。これから病院に行かなくてはいけません。」

・「忘れていました。今日は、私の結婚式です。」

・「子どもが、間違って乾いていないセメントの上で寝てしまいました。足が抜けなくなって困っています。」

・「家のドアの取っ手が壊れてしまい、ドアを開けることができません。」

・「昨日、工事の様子を見ていたのですが、覗き込んだとき、あやまって足を滑らせて、穴の中へ落ちてケガをしてしまいました。」

・「牛に噛まれてしまいました。病院へ行かなくてはいけません。」

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(参考にしたサイト: http://careerbuilder.com/share/aboutus/pressreleasesdetail.aspx?id=pr195&sd=10/4/2005&ed=12/31/2005&cbRecursionCnt=3&cbsid=250b85e948bd48218ebb231b6ddad9fc-247930457-JB-5

ベアがブルになった

バーナンキ連銀議長は、木曜、急騰する原油価格などが原因となって、インフレ率の上昇と経済成長が減速する可能性があることを議会で証言した。早速、これは売り材料になり、現在S&P500指数は約1.2%ほど下げている。

特に、インッターネット銘柄に売りが集中し、このセクター指数は3%を超える大きな下落だ。さて、インターネットと聞くとグーグルを思い浮かべる人が多い。最近では、11月5日、オッペンハイマーのアナリストは、グーグルの目標株価を700ドルから850ドルに引き上げている。

ブレット・アレンズ氏(ファイナンシャル・コラムニスト)は、こんなことを書いている。

投資者は、100、200、といった区切りの良い数字が好きだ。そこで、グーグルが1000ドルになったと仮定すると、時価総額は約3100億ドルになる。巨大企業であることは言うまでもないが、エクソン(4860億ドル)、ゼネラルエレクトリック(4120億ドル)、マイクロソフト(3440億ドル)の規模には及ばない。しかし、アップルのほぼ2倍だ。

さて、グーグルが1000ドルを達成できるかどうかは別として、株価が上げやすいのは、マーケット全体が好調なブルマーケットだ。相場のムードが冷え込んでいては、少しくらい良いニュースを発表しても、大して買い手は集まらない。11月に入ってから、パッとしない米国株式市場だが、弱気論だったダグ・カシュ氏(シーブリーズ・パートナーズ)が、年末ラリー予想を発表した。

年末年始は、季節的に株が強いことで有名だが、なぜベアのカシュ氏がブルになったのだろう?氏は、こう説明している。

・経済

下向きになった個人消費、それに更なる悪化が予想される住宅市場だが、それらはあまりにも語り尽くされ、既に株価に織り込み済み。

・サブプライム

強気な見方をしていた人たちのほとんどが、金融業界からの悪い決算を見て、サブプライム問題は、予想以上に深刻であることを認めた。したがって、この材料も株価に織り込み済みだ。

・投資心理

ヘッジファンドによる空売りが、目だって増えている。これだけ、皆が弱気なのだから、一時的な底が近い可能性がある。

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(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/11/08/news/economy/bernanke/index.htm?postversion=2007110814

http://www.thestreet.com/s/1000-google-sure-but-why-bother/newsanalysis/investing/10388795.html

http://www.thestreet.com/s/kass-this-bear-sees-a-year-end-rally/newsanalysis/newsonthego/10389050.html

ドル安、原油高、さて何を買う?

「海外の中央銀行は、金利を引き上げているのに、米国は逆に最近二度も金利を引き下げた。これが意味することは、ドル安やインフレを懸念する連銀の態度は、単なる見せかけだったのだ。」いつもストレートな、投資アドバイザー、ギャリー・カルトバウム氏の言葉だ。更に氏は、こう続ける。

「政府は、アメリカにインフレは存在しないと言う。正に、その通りだ。もし、あなたが何も食べず、ガソリンを使わず、タバコを吸わず、保険料金を払わず、ヘルスケア製品も買わないなら、たしかにアメリカにインフレは存在しない。ようするに、あなたが既に死んでいるなら、インフレの心配をする必要は全く無い。」カルトバウム氏は、石油、資源、金、銀、太陽エネルギー関連銘柄への投資を推奨している。

最近、多くのアナリストが言うことは、ドル安は更に進む、原油は1バレルあたり100ドルに達する、という二つだ。言い換えれば、原油を買ってドルを売れ、ということになる。しかし、ご存知のように、皆が同意見の時は、株価が目先の天井/底であることが多い。もちろん、今直ぐに逆張りをしよう、という話ではなく、先ずチャートパターンから確認シグナルを得なくてはいけない。

先物用の口座が無くても、株の口座があれば、ドル、原油の動きに連動する上場投信に投資することができる。少し変わった上場投信を紹介しよう。

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長い名前だが、上は、PowerShares DB US Dollar Index Bullish (UUP)の日足チャートだ。Bullish(強気)、という言葉で分かるように、この投信は、米ドルが主要通貨(ユーロ、円、英国ポンドなど)に対して強くなると、上がる仕組みになっている。底を形成し始めたら、抵抗線やトレンドラインを使って、買いのタイミングを計ってみよう。

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UltraShort Oil & Gas ProShares (DUG)

DUGは、原油価格が下がると上がる仕組みになっている。個別銘柄オプションに例えて言えば、株価が下がると思う時に買う、プットオプションのようなものだ。見てのとおり、レンジ内での動きが続いているから、ブレイクアウトでの買いを考えている人が多いことだろう。

(参考にしたサイト:http://seekingalpha.com/article/50863-jeffrey-saut-long-the-dollar-short-the-crude

http://www.tradingmarkets.com/.site/stocks/commentary/fivesftm/-71729.cfm

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