US Market Recap

大幅利下げ、、、確かに定期預金の利息は下がった、、、

この勢いで利下げを続ければ、米国の金利は直ぐ日本に追いつく、という書き込みが掲示板にあった。更に読み進んで行くと、数回に分けて利下げをするよりも、最初から金利をゼロにしてしまえばよいのだ、という乱暴な意見もあった。どちらにしても、積極的な連銀による利下げで、直接影響を受けたのは定期預金だ。

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(資料: Bankrate.com)

上は、先週(LAST WEEK)の定期預金の利息と、今日(TODAY)の利息を比較したものだ。上から3つ見てみると、6カ月の定期は先週3.75%、今日は3.39%。1年定期は先週3.83%、今日は3.47%。5年定期は先週3.80%、今日は3.47%、ということで、どれも利息が下がっている。

下は、自動車ローンの利子だ。

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(資料: Bankrate.com)

こちらは、逆に上がっている。

36カ月の新車ローンは、先週6.91%の利子だったが、今日は7.03%になっている。48カ月の新車ローンは6.98%から7.14%に上がり、60カ月の場合も、6.98%から7.14%に上昇している。

住宅ローンに移ろう。

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(資料: Bankrate.com)

一番上は、固定金利型の30年ローンだが、先週は5.25%、そして今日は5.52%だ。二番目、三番目、と見ていくと分かるが、どれも、先週より今日の利子の方が高い。もちろん、住宅ローンの利子は、国債利回りから影響を多分に受けるから、短期金利の動きに従うとは限らない。

米国消費者の立場になって上の表を見るなら、おそらく皆さんも、腹立たしくなることだろう。いったい、利下げは誰のために実施されたのだろう?

(参考にしたサイト:http://www.bankrate.com/

好材料、悪材料、どう判断する?

連銀は0.5ポイントの追加利下げを実施し、FF金利は3.0%、そして公定歩合は3.5%に設定された。

買っておけば良かった、という声が聞こえてくる。1月8日の終値は2ドル25セント。現在の株価は4ドル56セント。正に、短期間で倍だ。しかし現実は、上がると思うから買え、と言われても、ほとんどの投資家は1月8日に、この株に投資することはなかっただろう。なぜなら銘柄名は、倒産の噂までされたEトレード証券(ETFC)だからだ。

日足チャートを見てみよう。

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1月8日、株価は安値を更新し、大きく膨れ上がった出来高(A)で分かるように、買うどころかパニック売りといった様相だ。この日、安値を更新した直接的な理由は、少なくとも二つある。

1、前日の7日、シティグループのアナリストは、Eトレードの目標株価を4ドル50セントから2ドル75セントに引き下げ、売り推奨の再発表をした。

2、ロイターは、Eトレードが機関投資家向けのサービスを中止する計画があることを報道した。

しかし、結果的には、この日が底になった。

次に注目してほしいのは、今朝の窓(B)だ。威勢の良いスタートは、別にアナリストによる買い推奨があったからではない。もちろん、不動産ローン関係で、膨大な損を出しているから、好決算などということもありえない。理由は、インサイダーによる自社株買いが報道されたためだ。

SEC(証券取引委)に提出された書類によると、内部関係者たちは、1月29日(昨日)、下記のように自社株を買っている。

・Hayter氏(役員) 4ドル6セントで4917株

・Layton氏(役員) 4ドル6セントで24万5800株

・Fisher氏(役員) 4ドル6セントで3万1806株

・Randall氏(役員) 4ドル6セントで2万9500株

・Parks氏(役員) 4ドル6セントで2万4586株

・Raffaeli氏(役員) 4ドル6セントで1万2293株

・Lilien氏(最高経営責任者) 4ドル6セントで7376株

・Weaver氏(役員) 4ドル6セントで6万8843株

・Brewster氏(役員) 4ドル6セントで2万4586株

・Willard氏(役員) 3ドル98セントで1万1942株; 3ドル99セントで1万3058株

それでは、インサイダーによる買いニュースを全く知らない、という前提で、もう一度日足チャートを見てみよう。

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まだ大引けまで1時間ほどあるが、この状態で終了したとしよう。

ギャップアップのスタートだから、何か好材料が発表された、という見当がつく。しかし、これで陽線は三本連続、買われ過ぎレベルに入ったRSI(A)、そして邪魔な50日平滑移動平均線(B)を考えると、そろそろ利食いの売り物に注意だ。それにしても、「インサイダーが買ってますよ」、というのは相変わらず魔法の言葉だ。

(参考にしたサイト: http://www.247wallst.com/2008/01/etrade-insiders.html

プロが推奨する12冊

「最もトレードに役立った本は何ですか?」、とstocktickrが、成功しているトレーダーに尋ねた。さっそく結果を見てみよう。

1、「魔術師たちの心理学」 バン・K・タープ著: タープ氏は、トレード心理の研究およびトレーダー・コーチとして有名。副題は、トレードで生計を立てる秘訣と心構え。

2、「オニールの成長株発掘法」 ウィリアム・J・オニール著: オニール氏は、米国でCANSLIMという投資方法を有名にした。

3、「欲望と幻想の市場」 エドウィン・ルフェーベル著: 伝説の投機王リバモアの物語。

4、「マーケットの魔術師」 ジャック・D・シュワッガー著: リチャード・デニス、ブルース・コフナー、ラリー・ハイト、といったトレード界のリーダー達へのインタビュー。

5、「ウエンスタインのテクニカル分析入門」 スタン・ウエンスタイン著: ウエンスタイン氏は、「プロフェッショナル・テープ・リーダー」の編集長を務める。

6、「マーケットのテクニカル百科 入門編」 ロバート・D・エドワーズ、ジョン・マギー著: チャート分析に関する書物の最高峰、という評判がある。

7、「投資苑」 アレキサンダー・エルダー著: マインド、メソッド、マネーを基盤にした独自の方法論。

8、「ゾーン 相場心理学入門」 マーク・ダグラス著: 本書は、トレーダーが一貫した結果を出せない隠れた秘密を明らかにする。

9、「ピット・ブル」 マーティン・シュワルツ著: こんな説明書きがある。チャンピオン・トレーダーに上り詰めたギャンブラーが語る実録「カジノ・ウォール街」

10、「私は株で200万ドル儲けた」 ニコラス・ダーバス著: ダーバス氏は、40年以上も前に「ボックス理論」を実践し、当時の金額で200万ドルという大金を稼いだ伝説の人物。

11、「精神科医が見た投資心理学」 ブレット・スティンバーガー著: 心理学とトレードを合体させた必読の書、とトレーダー・コーチとして有名な、ビクター・ニーダーホファー氏は絶賛している

12、「市場間分析入門」 ジョン・マーフィー著: 「この本には、私でも知らない新しい視点が盛り込まれている。プロとビギナー投資家のどちらにも本書を強く推奨する。」 マーチン・プリング氏(マーチン・プリング・ドット・コム)

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(参考にしたサイト: http://blog.stocktickr.com/2007/07/09/what-books-do-successful-traders-recommend/

居直った米国消費者

現在アメリカが経験している住宅市場のスランプは、ここ20年間で最悪だ、と多くの業界関係者は言う。2008年度も低迷が続く、という意見が既に主流になり、「不動産投資」という言葉は死語になってしまったようだ。

ロサンゼルス・タイムズの記者に、住宅ローンの支払いが困難になったレアンドロ・ヘルナンデズさんは、こんなことを語っている。

住宅ローンから解放されるために、自宅を売りに出しましたが、買い手は全く現れませんでした。仕方ないですから、ローンのことで、銀行へ交渉に行くつもりです。もし、満足できる回答が得られないなら、私は銀行にこう言います。「物件を差し押さえてください。」

住宅ローンの支払いが、一カ月や二カ月遅れているからといって、銀行が家を直ぐに取り上げることはない。ほとんどの場合、住宅が完全に差し押さえになるには、約12カ月の時間が必要だ。ヘルナンデズさんは、当然このことを知っているから、銀行との交渉がうまくいかない場合は、向こう12カ月間無料で現在の自宅に住むつもりだ。

下は、ワコビア銀行の電話会議から抜粋したものだ。

支払い能力があるにもかかわらず、住宅ローンの支払いを意図的に中止する消費者が増えている。理由は、住宅価格の下落で、住宅ローンの残高の方が、現在の住宅市場価格より高いためだ。

バンク・オブ・アメリカの最高経営責任者、ケネス・ルイス氏は、こう述べている。

クレジット・カードの支払いを毎月忠実にしている人たちの間で、住宅ローンの支払いが遅れている人たちが目立ち始めている。こう簡単に、自宅を手放す態度には、ただ驚くばかりだ。

支払うよりも差し押さえを選ぶ、こんな消費者の増加は、言うまでもなく銀行にとって嬉しいニュースではない。しかし、考えてみれば、銀行も消費者と大して違いはない。ご存知のように、サブプライム問題で、多くの金融機関が損を出している。自らの誤った判断であったにもかかわらず、全ては連銀が悪い、といった態度なのだから恐れ入ってしまう。

ある消費者の言葉を記しておこう。

「安い家が見つかったので、信用にキズがつくに前に買うことにしました。引越しが済んだら、古い家のローンの支払いをするつもりはありません。もちろん、そんなことをすれば私の信用歴の汚点になりますが、これでお金を大きく節約できます。」

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差し押さえになった住宅

(参考にしたサイト: http://www.latimes.com/business/la-fi-foreclosures23jan23,1,6863107.story?coll=la-headlines-business

http://biz.yahoo.com/ap/080128/economy.html

http://calculatedrisk.blogspot.com/2008/01/wachovia-homeowners-just-walking-away.html

12のチェックポイント

ナスダック・ドット・コムをご覧になったことがあるだろうか?情報がたくさんありすぎて、どこから見てよいのか迷ってしまうが、The NASDAQ Dozen(直訳するとナスダックの1ダース)なるものを見つけた。銘柄を選ぶ上で、重要なポイントを12にまとめたものだが、さっそく見てみよう。
 

先ず、ここがホームページだ。

http://www.nasdaq.com/

そして、下記がThe NASDAQ Dozenになる。

http://www.nasdaq.com/reference/dozen/dozen-intro.stm

必要になるSummary Quotesは下をクリックしてほしい。

http://quotes.nasdaq.com/asp/SummaryQuote.asp?symbol=goog&symbol=&symbol=&symbol=&symbol=&symbol=&symbol=&symbol=&symbol=&symbol=&selected=goog

(グーグルを例にした。)

それでは、12のルールを簡単に説明しよう。

1、50日平均出来高 (50 Day Avg. Daily Volume): 25万株以上なら合格。グーグルは6,138,018だから合格だ。

2、短期値動き: 今日の株価が、3カ月前よりも高ければ合格。グーグルは、3カ月前より低いから、このテストは失格。

3、長期値動き: 今日の株価が、1年前より高ければ合格。グーグルは合格。

4、収益: 過去4四半期の収益 (Revenue)が上昇していること。グーグルは合格。このデータは、ここで見れる。EPSの上がRevenueだ。

5、一株利益 (Earnings per Share (EPS)): 過去4四半期の一株利益が増えていること。(これも、4と同じ場所で確認できる。EPSがその数字だ。) グーグルは失格。

6、純利益(Net Income): 過去4年間の純利益が伸びていること。このデータはここを参照。下から二番目がNet Incomeだ。グーグルは合格。

7、アナリストの推奨状況 (Analyst Recommendations): このデータはここを参照。ほとんどのアナリストが、Strong BuyとBuyなら合格だ。グーグルは合格。

8、1年間の目標株価(12ーMonth Price Target): 目標株価が、今日の株価より高ければ合格。グーグルは合格。(このデータはここを参照。12 Month Price Target RangeのConsensusを見てほしい。)

9、利益がアナリストの予想を上回る (Positive Earnings Surprises): いつもアナリストの予想を上回っているなら合格。グーグルは合格。(ここを参照。Earnings Surpriseを見てほしい。黄色がアナリストの予想、そして緑が実際の利益。)

10、利益見通し(Earnings Forecast): 見通しが上向きなら合格。グーグルは合格。(ここを参照。一番下がConsensus Earnings Forecastsだ。)

11、同業界成長率との比較(Industry Earnings): 業界平均より上なら合格。(ここを参照。Consensus Earnings Forecastsの上にあるEarnings Growthがそれだ。)グーグルは合格。

12、同業界PER(株価収益率)との比較: 業界平均のPERより低ければ合格。(ここを参照。Consensus Earnings Forecastsの右上にあるPrice/Earningsがそれだ。)グーグルは失格。

さて以上のテスト結果、グーグルが失格したのは3項目だ。パーセンテージで言えば、75%の合格率だから、超優秀なスコアではない。

最後に一つ付け加えておこう。このホームページはナスダック・ドット・コムだが、IBMなどのニューヨーク銘柄の情報も載っている。さて、IBMの12項目を調べてみるとしよう。

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横ばいマーケットが始まる?

22日(火曜)、ここ20年間で最大の利下げを実施した連銀だが、いったいどこまで金利を引き下げるつもりだろうか?29、30日にはFOMC(連邦公開市場委員会)が予定され、マーケット関係者たちは、既に0.25ポイントの追加利下げを期待している。もし、それが実現となれば、FF金利は3.25%になる。

債券アナリストのキム・ルーパート氏(Action Economics)は、こんなことを指摘している。

更なる利下げは、インフレを引き起こす危険性がある。FOMCの二日後には、雇用統計が発表され、もし予想以上に良い数字なら、追加利下げは不必要な愚かな行為だった、と批判されることだろう。

掲示板に記された、一般投資家たちの声も聞いてみよう。

・「連銀は、ウォールストリートを優先させるのではなく、米国経済のために適切な判断をするべきだ。」 dhp7さん

・「米国消費者を本当に助けたいなら、連銀は金融機関に命じて、クレジットカードの金利を下げさせるべきだ。」 truckmanさん

・「連銀は、アルコール依存症者が安いワインをやめられないように、金利引下げ中毒になってしまった。問題は、金利引下げは米国経済のために実施されているのではなく、金融機関の利益のためだ。」 stillarfishさん

次に、ダグ・カシュ氏(シーブリーズ・パートナーズ・マネージメント)の見方を要約してみよう。

ここからの株式市場は、はっきりしない動きになり、強い上昇波動が始まることもなければ、暴落になることもないだろう。方向性を欠くマーケットが展開されるわけだから、適切な銘柄を選ぶことが重要になる。

では、どんな株に投資したら良いだろうか?手っ取り早く、候補銘柄を探す方法の一つに、ストックスカウターの利用がある。

先ず、ここをクリックしてほしい。

次に、下のように設定して、Goをクリックすると、上位10の銘柄が表示される。

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あとは、銘柄のチャートを一つ一つ検討して、出動のタイミングをつかもう。

(参考にしたサイト: http://www.usatoday.com/money/economy/2008-01-24-fed_N.htm

http://www.thestreet.com/s/kass-curb-your-joy-stocks-still-going-down/newsanalysis/investing/10400407.html?puc=_tsccom

種類豊富な上場投信

水曜に展開された、午後の猛反発を見て、ジム・クレーマー氏(マッド・マネー)は、早速マーケットの底打ち宣言をした。氏の意見が正しいかどうかは別として、あの勢いでまくし立てられると、何となくそうかもしれない、と思ってしまうから不思議だ。それでは質問しよう。今年ここまで、と言ってもまだ始まったばかりだが、一番成績の良い上場投信は何だろうか?

正解:

1、UltraShort Semiconductor ProShares (SSG): +51.6%

2、MACROshares Oil Down Tradeable Shares (DCR): +33.5%

3、UltraShort Russell MidCap Gr ProShares (SDK): +31.3%

上記3つには、一つの共通点がある。1のUltraShort Semiconductor ProShares は、半導体セクターが下がると上がり、2のMACROshares Oil Down Tradeable Shares は、オイルセクターが下がると上がり、そして3のUltraShort Russell MidCap Gr ProSharesは、中型株指数が下がると上がる仕組みになっている。要するに、三つとも空売り専門ファンドだ。

一般的に、空売りはやり難い、というイメージがある。しかし、空売り専門上場投信なら、普通の株に投資するように買えばよいだけだから、信用取引口座を作る必要は無い。

最近、為替取引に興味を持つ人たちが増えているが、もちろん為替専門の上場投信もある。繰り返しになるが、上場投信だから、特別な口座を開く必要はなく、普通の株口座で売買できる。下記が為替上場投信だ。

・CurrencyShares Japanese Yen Trust (FXY): 円

・CurrencyShares Euro Trust (FXE): ユーロ

・CurrencyShares Australian Dollar Trust (FXA): 豪ドル

・CurrencyShares British Pound Sterling Tr (FXB): 英国ポンド

・CurrencyShares Canadian Dollar Trust (FXC): カナダ・ドル

・CurrencyShares Mexican Peso Trust (FXM): メキシコ・ペソ\n

・CurrencyShares Swedish Krona Trust (FXS): スウェーデン・クローナ

・CurrencyShares Swiss Franc Trust (FXF): スイスフラン

どの上場投信も米ドルと比較され、円高を予想するなら、CurrencyShares Japanese Yen Trust を買うわけだ。

その他にも、多くの種類の上場投信があるが、それはまたいつかの機会に紹介しようと思う。

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(参考にしたサイト: http://www.etftrends.com/2008/01/short-etfs-shin.html

http://www.currencyshares.com/?gclid=CIbV8vvSj5ECFQw3YQoduRrMxw

トレーダーからのメッセージ

2007年度のトレードを振り返って、あなたが学んだ、最も重要なことは何ですか?これは、チャールズ・カーク氏(The Kirk Report)が、メンバーに向けた質問だ。さっそく、回答のいくつかを見てみよう。

・トレード手法を簡単にして、マーケットからのメッセージをよく聞くこと。

・確率が高いからといって、それが必ず起きる、という保証は無い。

・自分の得意なパターンだけでトレードすること。

・どんなに素晴らしいトレード方法でも、自分の性格に合っていなければ、そのやり方で利益を出すことはできない。

・マーケットは、大衆を惑わす方法を知っている。

・振るのはストライクだけにすること。たとえストライクでも、難しい球には手を出さないこと。

さて、下げ相場が続いているが、トップクラスのニュースレターは、どんな見方をしているだろうか。マーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)の、調査結果を見てみよう。

・Blue Chip Investor: 強気。 89%の資金が株に割り当てられている。

・Bob Brinker's Marketimer: 強気。 ポートフォリオの100%が株。

・Chartist and Chartist Mutual Fund Timer: 弱気。 100%が現金。

・Investors Guide to Closed-End Funds: やや強気。 49%が株。 

・No Load Fund Investor: 中立。 70%が株。

・Vantage Point: やや強気。 最近100%から75%に株の比重を減らしている。

もちろん、上記の情報だけで投資判断を下すことは無理だが、ハルバート氏は、去年の11月と比べると、ニュースレターは明らかに弱気になっている、と付け加えている。

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(参考にしたサイト: http://www.thekirkreport.com/2008/01/investing-tradi.html

http://www.marketwatch.com/news/story/contrast-between-best-worst-timers/story.aspx?guid=%7B9AFB865E%2D97C1%2D4837%2DB77D%2DE389BC7C430F%7D

連銀の使命は何だ?

先ず、アメリカでの金利引下げに関する、時事通信からの報道を見てみよう。

米連邦準備制度理事会(FRB)が22日、0.75%の緊急利下げを実施したことについて、日銀幹部は「減速感が強まっている米国経済の状況を深刻に受け止めているということだろう。考えが固まれば一刻も早くやった方がいいという判断だと思う」と平静に受け止め、適切な政策運営だとの見方を示している。

気になるのは、「一刻も早くやった方がいい」、という部分だ。バリー・リットホルツ氏(Ritholtz Research & Analytics)も指摘しているが、一週間後にFOMCを控えている段階で、何故わざわざ今日利下げをする必要があったのだろうか?

日経の記者は、こう書いている。

米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする米景気の悪化や世界同時株安や米景気の悪化に歯止めをかけるため、29、30日に開く定例のFOMCを待たずに大幅な追加利下げに踏み切った。

一つ細かいことを言えば、連銀から発表された公式声明の中には、「世界同時株安や米景気の悪化に歯止めをかけるため」に利下げした、という表現は無い。「悪化に歯止めをかけるため」、というのは記者の意見であり、実際の声明には、「経済成長下降のリスクが更に高まったため金利引下げを実施した」、と説明されている。

リットホルツ氏の話に戻ろう。

連銀は独立した機関であり、その任務は物価を安定させ、米国の雇用状況を健全な状態に保つ、という二項目だ。しかし、今日の利下げが明確にしたことは、連銀には株式市場を守る、という使命もあったのだ。ヘッジファンドや投機家を保護することは、そんなに重要なことだろうか?

連休でマーケットが休みだった月曜、PIMCO(大手債券ファンド会社)のポール・マカリー氏は、こんなことを言っていた。

大した病気でなければ、先ず予約をしてから、あなたは医者の所へ行く。しかし、緊急な場合なら、あなたは救急車で病院へ運ばれる。今、アメリカが直面しているのは緊急事態だ。米国経済のために、連銀は即刻利下げをするべきだ。

株のヘッジファンドだけでなく、債券ファンドも、不動産担保証券や債務担保証券で大きな損を出している。言い方は悪いかもしれないが、自分で失敗したにもかかわらず、だだをこねる子どものように、ファンドマネージャーたちは連銀に利下げをせがんでいたわけだ。

もちろん、今日の利下げをたたえる声もある。ディック・グリーン氏(ブリーフィング・ドット・コム)もその一人だ。

一見すると、0.75ポイントの大幅利下げは、連銀がパニックしてしまったように映る。しかし、これは適切な処置だ。株安で皆が狼狽しているのだから、どうしても今日のような思い切った方法が必要になる。

なるほど、リットホルツ氏の言うことは本当らしい。マーケット関係者は、連銀を単なる株式市場保護機関、と思っているようだ。

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バーナンキ連銀議長

(参考にしたサイト: http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2008012300028

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080122AT3K2200S22012008.html

http://federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20080122b.htm

http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/01/a-whiff-of-pani.html

http://ca.us.biz.yahoo.com/iw/080121/0351063.html

http://www.briefing.com/GeneralContent/Investor/Active/ArticlePopup/ArticlePopup.aspx?SiteName=Investor&ArticleId=NS20080122084545HeadlineHits

ボラティリティ指数の再検討

週足チャートを見たら直ぐ分かるが、ダウ指数は、4週間連続の下げだ。それも、陰線の長さを増大させながらだから、明らかに売りの勢いが加速している。怖くなり、持ち株を手放している人たちも多いと思うが、先ず、恐怖指数の異名がある、ボラティリティ指数のチャートを見てみよう。

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(ボラティリティ指数 週足)

ボラティリティ指数の特徴は、最近のように悪い相場の時は上昇することだ。言い方を換えれば、皆が安心しきった上げ相場では低い数字になり、売りが殺到する下げ相場では高い数値になる。それでは、上のチャートを、ダウ指数と見比べてみよう。

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(ダウ 週足)

1、2、3の円で分かるように、ボラティリティ指数が高値をつけると、そこがマーケットの一時的な底になる。それでは質問しよう。現在のボラティリティ指数は、ほぼ3と同レベルの高位置だが、この辺でマーケット(ダウ指数)は、一時的に下げ止まるだろうか?ここで役立つのがボリンジャーバンドだ。

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(ボラティリティ指数 週足)

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(ダウ 週足)

結論を先に言うと、まだ底打ちのシグナルは出ていない。1を見ると、ボラティリティ指数は、一旦大きく上限バンドをブレイクアウトしている。その後、陰線を描いて、またバンド内に戻り、これが分かりやすい、マーケットが一時的に底打ちになる時のパターンだ。(この現象が起きている時、ダウ指数(1)は、下限バンドにぶつかり、その後反転の陽線を形成して、底打ちが確認された。)2も同様に、ボラティリティ指数はバンドから一旦飛び出し、その後バンド内に戻って、マーケットの底打ちを示している。(注: ボラティリティ指数は、上限バンドを突破しなくても、そこに接触するだけでも構わない。)

さて、現在のボラティリティ指数は、上限バンドに迫っている段階で、まだ外に飛び出ていない。もちろん上記したように、必ずしもバンドを突破する必要はないから、次の線が陰線なら、一時的な底打ちシグナルになる。しかし、その場合だと、反発ラリーが中途半端なものになってしまう可能性が高い。とにかく、ボラティリティ指数は、先ず外へ一旦飛び出ること。そして、陰線の形成を待って、再度バンド内に戻ったところで買いを考えたい。

(チャートはstockcharts.comから)

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発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット