US Market Recap

ドル安は誰のため?

悪いニュースばかりが目につく。たとえば、第4四半期、米国世帯資産は5330億ドルの減少になり、2002年以来初めてのマイナスになった。そして、これも第4四半期になるが、差し押さえとなった住宅が、ここ22年間で最高のレベルに達した。まったく暗い話だが、こんな記事があった。

ドル安のおかげで、外国からの投資家が、低迷している米国不動産に目を付け始めている。たとえば、最も落ち込みが激しいフロリダ州では、リゾート地の物件を購入する人たちの64%が海外からの投資家だ。

Moody's Economy.comの、トゥー・パッカード氏は、こう語っている。「アメリカの不動産は、魅力的な投資対象として、いつも外国人が注目しています。ドル安、低金利、割安な物件、と三つも条件が揃った今日、外国人投資家にとって、米国不動産は更に魅力的になったことは間違いありません。」

この記事は結構反響があった。掲示板を見てみよう。

・なるほど、米政府はドル安政策を実行することで、外国人に米国不動産の再建を任せたわけだ。まるで倒産に瀕した企業のように、アメリカの資産は、外国人の手に渡って行く。とにかく、金のある人には何でも売る。それがアメリカだ。 (jesselv さん)

・米国経済は、全く痛ましい状態だ。信じられないことに、この6年間で、ドルは約50%の価値を失っている。こんな事態にもかかわらず、政府はイラク戦争で1兆ドルにもおよぶ金を無駄にしているのだから、本当に言う言葉が見つからない。 (DogLoverさん)

・不動産業界で働いている友人によれば、海外からの不動産投資家は、良い買い物が出来た、と皆かなり喜んでいるようだ。とにかくドルが安いから、物件は数年前より、5割ほど安く手に入るらしい。 (rmtradingさん)

・アメリカの不動産を外国人が購入することは、決して悪いことではない。なぜなら、外国人も固定資産税を払う義務があるから、これはアメリカのためになる。 (moneyloverさん)

・経済のグローバル化、という言葉があるが、グローバル化が顕著なのはアメリカだけだ。 (Agenericname さん)

・アメリカがこうなったのは、全てブッシュ大統領と共和党の責任だ。 (TSさん)

・外国人が、アメリカの不動産に注目し始めたとは思えない。現に、マンハッタンでは、外国人が物件を手放し始めている。 (Boom2Bust.comさん)

・ドルは紙くずだ。今日もバーナンキ連銀議長は、全速力でドルを刷っている。 (nobull さん)

・外国人が、アメリカの不動産を買っているのは、とても良いニュースだ。これで、損をするのは我々アメリカ人だけではなくなった。 (longjohnさん)

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(参考にしたサイト:http://www.marketwatch.com/news/story/americans-poorer-year-ago-fed/story.aspx?guid=%7BC5C59CEB%2DE4A2%2D48C7%2D86CF%2D4C49ABF3A1F0%7D

http://www.marketwatch.com/news/story/foreclosure-rates-hit-record-high/story.aspx?guid=%7BCCF46E10%2DFCB9%2D4ADC%2DB6C9%2DC60C595A8E15%7D

http://www.marketwatch.com/news/story/weak-dollar-lower-prices-attract/story.aspx?guid=%7B9D58CC62%2D40F0%2D4809%2D96E1%2D400A27CAA99F%7D#comments

ベアマーケットで狙える11銘柄

マーケットが不安定な今日、投資家はバリュー株に焦点を合わせた方が良い、とアドバイスする人たちが多い。ようするに、収益、成長などを考慮して割安な株を狙え、ということだ。しかし、ベアマーケットになってしまったら、バリュー株も叩かれるのではないだろうか?

マーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)は、こう語っている。

信じられないかもしれないが、ベアマーケットという状況で、バリュー株は下げ渋るだけでなく、実際に利益が出る可能性が高い。2000年から2002年の下げ相場では、マーケットは48.6%の下落となったが、この間、平均的なバリュー株は80%の上昇を見せた。1972年から1974年のベアマーケットでは、マーケットの下落幅は42%であったのに対し、バリュー株は約40%の利益が出た。

なかなか素晴らしい成績だが、バリュー株の欠点は、ブルマーケットにおける成長率がマーケットより劣ることだ、とハルバート氏は付け加えている。

それでは、バリュー株の条件を見てみよう。

・過去5年間の株主資本利益率は年平均で25%以上あること。

・投資利益率は15%以上あること。

・過去5年間の税引き前利益率は、業界平均の1.25倍以上であること。

・株価キャッシュフロー・レシオは、業界平均の80%以下であること。

・株価キャッシュフロー・レシオは0.1以上であること。

・負債資本比率は、業界平均の50%以下であること。

・従業員1人あたりの経常利益は、業界平均の1.5倍以上であること。

・株価は5ドル以上であること。

・アナリストの推奨状況は、平均でModerate Buy(控えめな買い推奨)以下であること。

以上の条件に当てはまる銘柄は、ここをクリック。(ブラウザはインターネット・エクスプローラを使ってほしい。)

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そして、Try It Now !の下をクリック。

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I See the Chartをクリックすると、下記のように、全ての条件を満たす銘柄が出てくる。

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といわけで、現時点では、CHKEを筆頭に11銘柄ある。もちろん、これらは買い推奨ではなく、単なる投資のアイデアであることをお断りしておきたい。

(参考にしたサイト:http://www.marketwatch.com/news/story/value-stocks-can-please-both/story.aspx?guid=%7B988D2782-62F9-49D8-BA32-7B034D82B543%7D

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/SimpleStrategies/WhatWouldAYoungBuffettDoNow.aspx

 

希な出来事

スタンダード・アンド・プアーズ社のアナリスト、サム・ストーバル氏によると、1945年以来、3月のマーケットが高くなる確率は約7割ほどある。しかし、4カ月連続で下げているダウ指数を見ると、今月も下げるかもしれない、と心配している人も多い。

マーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)は、こんなことを指摘している。

ダウ指数が、最後に4カ月連続で下げたのは、2000年から2002年のベアマーケットが終了する時だった。これよりも前となると、1982年まで、さかのぼる必要がある。更に調べてみると、ダウ指数が誕生して以来、この指数が4カ月たて続けに下げたのは、約5年に一度しか起きていないことも分かった。ようするに、現在のマーケットは、非常に希な下げ方をしているわけだ。

それでは、4カ月連続の下げは、マーケットにとってどんな意味があるのだろうか?言い換えれば、このような下げの後は、大きな反発ラリーが期待できるのだろうか?

結果は、驚かれる人もいると思うが、統計的に意味のある結論を引き出すことはできなかった。常識的に考えれば、これだけ連敗した後は、ラリーが展開されても不思議ではないのだが、データを見る限り、4カ月連続の下げは、マーケットにとって悪材料でも好材料でもない。

それでは、ストーバル氏が挙げる、今月注目できそうなセクターを見てみよう。

・輸送

米国の経済は下向きだが、海外の経済は、相変わらず輸出を中心にして伸びている。FedEx Corporation (FDX)、Expeditors International of Washington Inc. (EXPD)、United Parcel Service, Inc. (UPS)などが関連銘柄だ。

・農産物

商品市場で、トウモロコシ、麦、大豆などの値上がりが顕著になっている。農作物に投資する上場投信、PowerShares DB Agriculture (DBA)を利用すれば、先物口座が無くても商品市場に参加できる。

・一般消費財

このセクターに以前のような売り圧力が無くなった今日、資金の一部を、一般消費財銘柄に投資する上場投信、Consumer Discretionary SPDR (XLY)に回せそうだ。

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サム・ストーバル氏

(参考にしたサイト:http://www.marketwatch.com/news/story/march-become-fifth-down-month/story.aspx?guid=%7BF8E56950%2D1400%2D4983%2DA920%2D1DE58CEE8DE2%7D

http://www.marketwatch.com/News/Story/Story.aspx?guid=%7BC7C42C3A%2D1B1F%2D4835%2DB928%2DBA77703F91D1%7D&siteid=nwhpf&lsn=11

金利引下げに積極的すぎる連銀

どのサイトへ行っても、ドル安を伝えるヘッドラインが目につく。例を挙げれば、「ドル下落で原油は新高値」(AP通信)、「円急騰、東京株式市場大幅安」(ダウジョーンズ)、などがある。とうぜん疑問になるのは、なぜここに来て、ドルの下げ方が急ピッチになったのだろうか?

・金利引下げに、あまりにも積極的なバーナンキ連銀議長

ブレット・スティンバーガー氏(「精神科医が見た投資心理学」の著者)は、こう説明している。

A銀行の定期預金は2%の利息、B銀行の定期は6%の利息なら、あなたは迷わずB銀行を選ぶことだろう。それでは、各国々の金利を比較してみよう。

(注:数値は3カ月の金利)

アメリカ: 1.84%

英国: 5.25%

日本: 0.57%

ドイツ: 3.96%

ブラジル: 11.8%

上記を、3カ月の定期預金と見立てるなら、あなたはどの国を選ぶだろうか?言うまでもなく、利回りの低いアメリカは避けられ、ドルを売って魅力的な国へ資金が移動されているわけだ。

・打たれ強くなった海外の経済

米国経済の減速は、外国経済に悪影響を与えたものだが、最近その傾向が薄れている。その結果、米国経済が下向きになっても、アメリカに大して追従しない外貨が買われるようになった。

・スタグフレーションの危険があるアメリカ

モルガン・スタンレーの、スティーブン・ジェン氏は、こう述べている。

米国がスタグフレーションに襲われることは無いと思う。しかし、今日の減速する経済と上昇する物価を考えると、スタグフレーション懸念があることは否定できない。投資家は、景気後退、不況、インフレといった言葉を極端に嫌う傾向があるから、そのような懸念が存在することだけで十分なドル売りの材料になる。

さて、APのヘッドラインにもあるように、原油の高値更新が続いている。現在の需給を考慮すれば、原油は買われ過ぎ、と言うアナリストが多い。しかし、ナウマン・バラカット氏(マクアリー・フューチャーズ)は、ドル安の進む今日、インフレ対策として海外の投資家は原油買いを選んだ、と語っている。

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(参考にしたサイト:http://money.cnn.com/2008/03/03/markets/oil_record/index.htm?postversion=2008030312

http://traderfeed.blogspot.com/2008/03/abandoning-us-dollar-look-at-world.html

http://www.morganstanley.com/views/gef/index.html

家よりも大切なもの

アメリカの経済は、思っている以上に悪くなりそうだ、と考え直す人たちが増えている。100ドルを突破した原油、それにガソリンの値上がりが悪影響になるのは言うまでもないが、今回指摘されているのは物価ではなく、変化が明確になった消費者の態度だ。説明しよう。

ほとんどの消費者にとって、月々の支払いの中で、最も大きいのは住宅ローンだ。夫婦共稼ぎで、毎月コツコツと返済、という言葉があるくらいだから、住宅ローンは最優先された支払い、と言っても良いだろう。

しかし、USA TODAYの報道によると、今日の米国消費者が最優先している支払いは、もはや住宅ローンではなくクレジットカードだ。ファイナンシャル・コンサルタントの、アン・エステス氏は、こう語っている。

こんな現象は、いままで見たことがありません。住宅ローンを払わずに、クレジットカードの支払いを優先し続ければ、とうぜん家が差し押さえになる危険があります。それにもかかわらず、クレジットカードを優先させる理由は、現金の乏しい消費者は、クレジットカードを失うわけにはいかないのです。

景気の良い頃は、家具、テレビ、コンピュータなどの購入にクレジットカードが利用された。しかし、経済の落ち込みが顕著になった今日、消費者たちは、スーパーマーケットでの買い物などの生活必需品に、クレジットカードを頻繁に使い始めた。「失業、短縮された労働時間などが原因になって、収入の減る人たちが増えています。ですから消費者は、足りなくなった分を、クレジットカードで補っているのです」、とマーク・ザンディ氏(Moody's Economy.com)は言う。

ジェームズ・チェセン氏(米国銀行協会)は、こう述べている。

消費者に、住宅ローンの支払いか、それともクレジットカードの支払いか、と二者択一を迫れば、おそらくクレジットカードを選ぶことでしょう。支払いを怠って、クレジットカードが取り上げられてしまえば、食費や光熱費を払うことができなくなってしまいます。特に、既に住宅ローンが重荷になっている人なら、迷わずクレジットカードを選ぶと思います。

多くのアナリストは、こんな状態は長続きしない、と見ている。

多数の消費者が、クレジットカードの支払いが不可能になるのは、もはや時間の問題です。ようするに、住宅の支払いをが出来なくなり、家が差し押さえになるようなことが、クレジットカード業界で起きることになるのです。 ケン・マクエルダウニー氏(Consumer Action)

これからは、このような例が急増する可能性がある。

フィリス・コールマンさん(50才): 変動金利型住宅ローンの金利が大きく上がり、コールマンさんは、月々の支払いにクレジットカードを利用し始めた。数カ月間は何とかやりくりしたが、クレジットカードを、限度額まで使い切ってしまった。もちろん、住宅ローンはこれで払えなくなり、家は差し押さえられた。現在、コールマンさんは、クレジットカードの支払いも不可能になっている。

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(参考にしたサイト:http://www.usatoday.com/money/perfi/credit/2008-02-28-credit-cards_N.htm

最悪な株は買い!?

著名アナリストが、B社を格下げする可能性が高い、と証券業界に詳しい人から聞いたら、あなたはどうするだろうか?もちろん、仮の質問だから、内部情報といったことは気にしないで答えてほしい。言うまでもなく、人気アナリストには一時的に株価を動かす力があるから、ほとんどの人たちは、実際に格下げが発表される前に、その株を売ることだろう。

ニューアーク・インベストメントの最高経営責任者、ジェフリー・ミラー氏は、格上げ/格下げに関して、こんなことを述べている。

単に株価が大きく動くだけでなく、アナリストの格上げ/格下げは、出来高も大幅に上昇させる。なぜ、そうなるのだろうか?考えられることが三つある。

1、機関投資家が、アナリストの言葉に反応して、マーケットへ参入した。

2、個人投資家がマーケットに殺到した。

3、短期トレーダーが、手っ取り早い利益をつかもうとマーケットに押し寄せた。

問題は、誰が動いたか、ということではなく情報を適切に判断することだ、とミラー氏は言う。それでは、アナリストのレポートを、どのように理解するべきだろうか?レークビュー・アセット・マネージメントの、スコット・ロスボート氏は、こんな事を指摘している。

アナリストが、格付けを変更したからといって、同時に目標株価も変えたとは限らない。目標株価というのは、そこまで株価が上がるという意味ではなく、正当評価額のことだ。分析を徹底的にするアナリストなら、最高の場合、最悪の場合、そして平均的な場合を想定して、三つの目標株価を算出する。だから投資家は、それぞれの目標株価と現時点の株価を比較して、投資するメリットがあるかどうかを判断しなくてはいけない。

忙しくて、いちいち調べている時間が無い、という人には、こんな投資のヒントがある。

毎年、ダウ30銘柄の中から、アナリストの評価が最も悪い5銘柄を買ったとしよう。結果は、2001年以来48.2%増だ。逆に、毎年アナリストの評価が最も良いダウ5銘柄を買ったとすると、現時点では0.2%の損が出ている。 (Bespokeインベストメント・グループ)

もちろん、格下げが全て買い対象になる、という意味ではない。ジェフリー・ミラー氏の言葉を記しておこう。

「格下げは、短期的、中期的に株価に悪影響になることは間違いない。要点は、長期投資の立場から見れば、このような短期的な株価の落ち込みが、買いのチャンスになることもある、ということだ。」

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(参考にしたサイト: http://oldprof.typepad.com/a_dash_of_insight/2008/02/wall-street-res.html

http://www.thestreet.com/story/10378513/5/investment-research-ignore-the-ratings-read-the-reports.html

米国住宅市場は底打ちだ!?

ローンの支払いが不可能になり、差し押さえとなる住宅が急増していることは、既にニュースではなくなった。しかし、証券会社に勤める友人が、約10日ほど前に報道された、こんな記事をメールしてきた。ヘッドラインは、「差し押さえられた物件に住みつくホームレスたち」、というものだ。

ジェームズ・バータンさん、というホームレスの男性によると、差し押さえられた住宅は、電気やガスが切られていないことが多いので、とても便利だという。更に、バータンさんは、こう語っている。「ホームレスのシェルターは、あれこれ規則があるので面倒だ。しかし、無人となった差し押さえられた家なら、自分の好きなように使うことができる。」

シーラ・ウィルソンさんも、バータンさんのように、差し押さえられた家に住む一人だ。「シェルターからは何度も追い出されました。麻薬をやってはいけない、という規則がありますから、どこへ行っても私は追い出される結果になるのです。」

ホームレス問題に取り組む、マイケル・ストープス氏によれば、ホームレスの人たちが差し押さえられた物件に住み着くケースが増えている、ということを実証できるデータは無いという。しかし、ローソクなどが原因になって火災が発生する、といった事件が起きていることも事実だから、ホームレスが無人となった住宅を探していても不思議ではない、とストープス氏は付け加えている。

低迷状態から、なかなか抜け出せない米国住宅市場だが、ウェルズファーゴ銀行からのメモが話題になっている。要点を見てみよう。

下落する住宅価格、増える差し押さえとなる物件、といった現象は特定の地域だけに限られているのではなく、200以上の郡で起きている。2月29日より、当銀行の住宅ローンが変わる。条件は以前より厳しくなり、場合によっては、最高でも住宅価格の75%までしか融資できない。

このメモを読んだ、Bespoke Investment Groupのアナリストは、こんな感想を述べている。

ウェルズファーゴは、やっと住宅価格の下落に気がついたようだ。一先ず、おめでとう!2005年のピークから、住宅価格は既に大幅に下げている。言い方を換えれば、多くの住宅が割安になった、ということだ。こんな状況なのに、なぜ今さら厳しい条件を設定した住宅ローンを実施する必要があるのだろうか?

アナリストの言うとおりだと思う。やっと住宅が手の届く値段になり、購入を考えている若い人たちもいることだろう。しかし、条件が厳しくなってしまったのでは、けっきょく買い難くなったのと同じだ。とにかく、ウェルズファーゴのタイミングは悪すぎる。

Bespoke Investment のアナリストは、こんなことも言っている。「ウェルズファーゴは逆指標だ。住宅市場の底は近い。」

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ウェルズファーゴ銀行

(参考にしたサイト:http://www.breitbart.com/article.php?id=D8USLGL81&show_article=1

http://seekingalpha.com/article/66410-is-wells-fargo-s-latest-memo-a-sign-real-estate-is-bottoming

節約を始めた米国消費者

口座資金が減ってくると、攻撃的なトレードが出来なくなり、慎重なトレードを心がけるようになる。同様に、経済成長が下向きになった今日のアメリカでは、消費者たちの金の使い方も以前のようなわけにはいかなくなった。では、実際にはどう変化しているのだろうか?

・ジェーソン・ジェプソンさん(ヨット販売業者): スポーツクラブで運動を終えた後、パワー・バー(たんぱく質を多く含んだ、チョコレートのような形をした食品)を買うのをやめた。(パワー・バーは一つ1ドル79セント。約190円。)

・アンジェラ・ハリスさん(弁護士の秘書): スターバックスで、アイス・モカ・ラテ($3.46、約370円)を買うのをやめた。

・ウィリアム・マックケルロイさん(リサーチ・ディレクター): ボトル入りの水($1.29、約140円)をやめて、水道の水を飲むようにした。

タバコを週3箱から2箱に減らす、といった節約の仕方だが、USA TODAYの掲示板も見てみよう。

・1、割高なスターバックスへ行かないようにする。
 2、日用品は、安いウォルマートで買う。
 3、外食しないで弁当を持参する。
 4、積極的に割引券を利用する。
 5、もっと頻繁に近くの公園を利用する。
 6、コーラやソーダを飲まないようにする。
 7、使わなくなったものを、オンライン・オークションで売る。  (Tahoedreamerさん)

・レストランでの朝食をやめた。新聞の購読もやめた。次は、チャンネル数を厳選して、有線テレビ料金を節約する予定だ。 (rls151さん)

・何をどう節約するか、といったことは具体的に考えていないが、衝動買いをやめようと思っている。 (jr7501さん)

・買い物は現金でして、クレジットカードは使わないこと。 (cintomanさん)

・自分で料理して外食は一切しないこと。(robynne.hixsonさん)

・携帯電話をやめてインターネット電話を利用する。外食をしない。映画館へは行かない。コーヒーやジュースを買わないで、なるべく水道の水を飲むようにする。(parmenion さん)

・割高な冷凍食品をやめて、自分で料理する。(Stephanie47 さん)

・現金に徹して、クレジットカードを使わないようにする。(LMKさん)

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パワー・バー

(参考にしたサイト:http://www.usatoday.com/money/economy/2008-02-26-consumers-cut-small-luxuries_N.htm

地域に馴染んだ店作り

インフレを否定し続けていた人たちも、今朝の生産者物価指数で、考えを変えたことだろう。アナリストは+0.4%を予想していたが、結果は+1.0%という、25年ぶりの大幅上昇だ。特に食品価格の上昇が著しく、最近では、コーンフレークで有名なケロッグ社が値上げを発表している。

食品会社の名前を出したついでに、マクドナルドに関する話題を一つ紹介しよう。

ロサンゼルスから約40分ほど東へ行ったところに、ハシエンダハイツという、アジア人(特に中国人)の多く住む町がある。マクドナルドと言えば、金のアーチが目印になるが、そこにはそれが無い。そればかりか、店内は皮製の椅子まで用意され、竹の鉢植えや噴水まである。

なぜ、こんな高級な店作りにしたのだろうか?理由は風水だ。店長は、こう語っている。「たしかに、このマクドナルドの内装は、ファストフード・チェーンのコンセプトから大きく外れています。しかし、これでお客様に魅力的な環境を提供することができ、何度も来店していただけます。」メニューは、どこへ行っても同じだが、マクドナルドは、地域にフィットした店作りに力を入れ始めたわけだ。

マクドナルドの日足チャートを見てみよう。

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目先的には、50日移動平均線と、50%の値戻しレベル(12月12日の高値から1月22日の安値で測定)が壁だ。ここが突破できない限り、言うまでもなく、現時点では買えない。

アナリストの意見を調べてみよう。

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Strong Buyは5人、Buyも5人、そして買いでも売りでもないHoldが6人だから、10対6で買い推奨アナリストが優勢だ。

 

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平均目標株価は、現在の株価を約10%上回る62ドル。

 

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(青がマクドナルド。黄色は業界平均)

マクドナルドの利益成長率は10.06%が予想され、業界平均の7.1%を上回っている。

結論: テクニカル的には、現在挑戦している、レジスタンスレベルを越えない限り買うことはできない。しかし、10対6のアナリスト推奨状況で分かるように、極端に買いへ傾いているわけではないから、大して魅力のある投資ではない。

(参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/Extra/FengShuiFlowsAtMcDonaldsOutlet.aspx

アップルは10項目に合格、しかし

Google, Apple Won't Let Us Down, Says Fund Manager、というヘッドラインを見つけた。あるファンドマネージャーが、「アップルに裏切られることはないでしょう」、と発言したらしい。言い換えれば、現在の株価は魅力的、ということになる。さっそく、長期投資家になったつもりで、アップルの12項目を調べてみた。

(12項目の説明は、ここをクリック)

1、出来高(50日平均): 46,358,066株  25万株以上だから合格。

2、短期値動き: 今日の株価は3カ月前より低いから失格。

3、長期値動き: 今日の株価は1年前より高いから合格。

4、収益: 過去4四半期の収益は、着実に上昇している。 合格。

5、一株利益:これも4の収益と同様に、過去4四半期、たしかな伸びを見せている。合格。

6、純利益: 過去4年間、順調に伸びている。合格。

7、アナリストの推奨状況:ほとんどのアナリストは、Strong BuyとBuyだから合格。

8、12カ月の目標株価: 現在の株価は、アナリストの示す目標株価より低いから合格。

9、アナリスト予想と利益: 実際に発表された一株利益は、いつもアナリスト予想を上回っているから合格。

10、利益見通し: 2008年の利益は、2007年を上回ることが予想されている。合格。

11、同業者との利益比較: アップルの利益成長率は、業界平均を上回っている。合格。

12、同業種PERとの比較: アップルのPERは、業界平均より高いので失格。

結果は、12項目中10項目の合格だから、長期投資を考慮しても構わない、と結論できる。しかし、問題は2番目の、「短期値動き」に失格していることだ。日足チャートを見てほしい。

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(大引けまで1時間半)

青い線を入れたが、現時点では、下げ止まったかもしれない、といった程度のことしか言うことができない。要するに、チャート的には、まだ買えないわけだ。

個人投資家たちに人気のある、MSNマネーに、こんなことが書かれていた。

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短期見通し

向こう1カ月から2カ月間、成長株はニュートラル、大型株はニュートラル、そしてテクノロジー銘柄はニュートラル。

言うまでもなく、アップルは、上の三カテゴリーの全てにあてはまるから、短期的にはファンダメンタル的にも買えないわけだ。

(参考にしたサイト: http://www.thestreet.com/story/10404232/1/google-apple-wont-let-us-down-says-fund-manager.html

http://moneycentral.msn.com/detail/stock_quote?Symbol=aapl

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