US Market Recap

相手のペースで投資していないだろうか?

いよいよ、大リーグの公式戦が始まる。今年も、日本人選手たちの活躍が楽しみだ。週末のコラムで、投資家はチームスポーツから学べることが10ある、とジェフリー・ストレイン氏(SavingAdvice.com)が書いていた。いくつか見てみよう。

・いつも試合が計画どおりに運ぶとは限らない。投資も同様だ。思わぬ悪材料の出現で、株価が急落することがあるが、あなたはそんな状況に対する準備が出来ているだろうか?最悪なのは、相場のムードに負けて、皆といっしょに狼狽売りすることだ。必ず非常事態用のゲームプランを立てること。そして、逆境の中にもチャンスがあることを覚えておこう。

・負けている時は、相手のペースで試合をしているものだ。株投資でも、自分のペースでやらないと損が出てしまう。カーブが苦手な打者が、カーブに狙いを合わせることはない。嫌いなパターン、そして株価の動きが理解できない時は、無理して投資する必要は無い。

・負け試合を振り返ってみると、小さな間違いが、致命的な敗因になっていることが多い。3回表の遊撃手のエラー、2回連続の四球、スクイズのサインの見落とし、どれも些細なことだ。格下げや悪い決算発表は別として、株で大きな損を出してしまうのは、損幅が小さなうちに損切りが出来ないためだ。傷は浅いうちに治療しなければ手遅れになってしまう。

・強いチームは攻撃だけでなく守備も優れている。いつも強気に買っているだけでは肝心な守りが欠けている。投資で成功するためには、ポートフォリオを守ることが大切だ。あなたのポートフォリオは、うまく分散投資されているだろうか?もしもの時に備えて十分な現金があるだろうか?

・チームにはスター選手がいる。他の言い方をすれば、チームにはリーダーが存在する。リーダーはチームをまとめ、逆境の時はチームメートを励まし、スランプに陥っている選手には適切なアドバイスを与える。リーダーは、正に皆が頼れる存在だ。

あなたの投資にもリーダーが必要だ。言い換えれば、あなたには投資のコーチがいるだろうか?打者がコーチからのサインに注意するように、あなたには適切な次のプレイを教えてくれるコーチがいるだろうか?もちろん、他人に頼った投資を奨めているわけではない。経験豊富な投資家からの助言があるかないかでは、当然、投資結果が大きく違ってくる。

・一定のホームランバッターを除いて、ノーストライク3ボールなら、監督は次のボールを打者に振らせることはない。ノーアウト、ランナーは一塁、カウントが1ストライク2ボールなら次のプレイはヒット・アンド・ランだ。こんな形で野球には、この状況にはこれしかない、というプレイがある。

投資の場合も似たことが言える。買った株が、短期で40%も上昇したなら、迷わず半分、少なくとも三分の一は利食うべきだ。思ったような利益が出ていない株は、見切りをつけて処分する必要がある。もちろん、状況に応じた適切な行動をとるためには、投資プランが必要なことは言うまでもない。

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(参考にしたサイト:http://biz.yahoo.com/ts/080325/10408940.html?.v=3&.pf=banking-budgeting

一大上昇相場がやって来る!?

現在、米国のダウ指数は12215付近で推移している。信用収縮、インフレ、不景気、と心配材料が多いだけに、マーケットは本格的な下げ相場に入る、と言う人たちも多い。しかし、信じられない記事があった。リチャード・バンド氏は、早ければ年末までに、ダウ指数は16000に達すると言うのだ。

リチャード・バンド氏とは何者だろうか?先ず、本人の自己紹介から見てみよう。

・Profitable Investingという株ニュースレターを発行し、1984年以来、推奨銘柄は1100%の利益がある。

・1987年、株式市場暴落の4週間前、読者たちに株の比重を減らせと警告した。

・1998年8月、動揺する投資家とは対照的に、ここが底だ、と読者に積極的に株を買うことを奨めた。

・2000年3月、インターネット株ブームの終わりを宣言した。

・2002年、難しい相場にもかかわらず、マーケットの底と天井を正確に予想した。

とここまで読むと、さすがに本当かな、と少し疑問になってくる。他のサイトで、リチャード・バンド氏を調べてみた。

CVOアドバイザリー・グループに、Guru Stock Market Forcasting Gradesという、ニュースレターや専門家の予想の正確さが表で示されている。上位10人を見てみよう。(データは3月15日時点のもの)

名前 予想回数 正確な予想回数 間違った予想回数 予想的中率
デービッド・ナサー 44 30 14 68%
ケン・フィッシャー 76 50 26 66%
ジェームズ・オーバーワイス 34 22 12 65%
デービッド・ドレマン 32 20 12 63%
ジャック・シャネップ 41 25 16 61%
ジェーソン・ケリー 100 60 40 60%
ルイス・ナべリア 64 38 26 59%
スティーブン・リー 17 10 59%
ドン・ラスキン 144 81 63 56%
ダン・サリバン 93 52 41 56%


こんな感じで、50人の成績が載っているのだが、トップ10にリチャード・バンド氏の名前は無い。

バンド氏は第46位。予想回数は38回、正確だった予想回数は14回、間違った回数は24回、予想的中率は37%だ。(もちろん、予想的中率が低いからといって、株の成績も悪いと判断することはできない。)

バンド氏が、強気な理由はS&P500指数のチャートに、Inverse Head And Shoulders(逆ヘッド・アンド・ショルダーズ)という買いパターンが出来ているからだと言う。下がチャートだ。

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現在、もう一つの肩を形成中、ということになるのだが、少し分かりにくいので、別なチャートを載せよう。

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これが、Inverse Head And Shoulders(逆ヘッド・アンド・ショルダーズ)の教科書例だ。上のS&P500指数と見比べてほしい。私の見方が悪いのだろうか?同様なパターンが出来ているとは思えない。。。

(参考にしたサイト:http://www.marketwatch.com/news/story/dow-heading-16000-richard-band/story.aspx?guid=%7BEADD139D%2D1954%2D4FD6%2D979A%2DF6100F2E910F%7D

http://www.eyield.co.uk/myarea/introduction/price_patterns/inverse_head_and_shoulders2.htm

http://www.cxoadvisory.com/gurus/

http://www.rband.com/index.html

簡単に諦めすぎる投資家たち

プラス0.6%。これは、木曜に発表された、米国GDP第4四半期の最終結果だ。第3四半期は、年率換算で4.9%の成長があったから、いよいよ米国経済の失速が明瞭になった。

早速、米国経済を衰えさせたのはブッシュ大統領の責任だ、と批判の声が聞こえてくる。「ブッシュ政権は失敗だらけ!」、と民主党の政治家はまくし立てているが、どちらにしても今年は選挙の年。いつも以上に熱が入っているようだ。

さて、失敗という言葉で、ジョン・リース氏(バリディア・キャピタル・マネージメント)のコラムを思い出した。タイトルは、「投資家が失敗する8つの理由」、というものだ。いくつか要約してみよう。

・株投資に対する間違った見解

株にリスクは付き物、という事実を、都合よく忘れている人たちが多い。ハイ・リスク、ハイ・リターンという言葉があるように、リスクと利益には密接な関係がある。利益ばかりに気を取られるのではなく、損をする可能性があることも、よく理解してから投資を始めよう。

・簡単に諦めすぎる

少し損が出ると、「株はダメだ!」と簡単に結論して、投資をサッサとやめてしまう人たちがいる。こんな人たちに共通して言えることは、資金が適切に分散されていないことだ。100%の口座資金を、1銘柄だけに集中させるようなギャンブルをしてはいけない。正しく資金を分散投資することで、悪い相場環境を乗り切ることも可能になる。

・数字ばかりを気にする

長期投資と言えば、ミューチュアル・ファンドが主流だ。問題は、多くの投資家は、正しいミューチュアル・ファンドの選び方を知らない。ほとんどの場合、雑誌やウェブ・サイトに載っている、去年1番成績の良かったファンドに投資することになる。言うまでもなく、去年そのファンドが良かったからといって、今年も同様な成績を上げることができる、という保証は無い。重要なことは、なぜそのファンドが優秀だったのかを調べてみることだ。どのような相場環境が、そのファンドに好影響になったのだろうか?今年も、同じ環境が継続する可能性は高いだろうか?よく調べてみよう。

・半信半疑で投資している

自分の選んだ銘柄、自分の投資方法に自信が無いなら、最初から投資をしないことだ。半信半疑では、少しの損が出ただけで、せっかくのチャンスを放棄するような愚かな行動をしてしまうことだろう。

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(参考にしたサイト: http://biz.yahoo.com/ap/080327/economy.html

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/StrategyLab/Rnd17/P5/GuruInvestorJournal20080327.aspx

単なる騙し?

マーケットは底を打ったのだろうか、という質問を頻繁に聞くようになった。サブプライム問題、信用収縮、インフレ、不景気、と心配事は多いのだが、経営難に陥っていたベアー・スターンズの救済買収ニュースで、一先ず悪材料は出尽くした、と結論する投資家が現れ始めている。

ヤフー・ファイナンスの意見調査を見てみよう。

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質問: 最近、マーケットに回復の兆しが見えるが、今、株を買っても安全だろうか?

回答:

・マーケットは底を打った。株を買っても大丈夫。  25%

・マーケットは横ばいになると思う。  31%

・今、株を買うのは危ない。最近の上げは騙しだ。  44%

回答数: 126608

(注:ヤフーにアクセスして誰でも参加できるアンケートだから、条件を厳しく設定した科学的な調査ではない。)

株は買いだ、と答えたのは全体の四分の一に過ぎない。大衆は、株式市場に対して、まだ冷たい見方をしているわけだ。

フィデリティ・キャピタルで、7年間トレード・デスクの責任者を務めた、ケビン・ハガティ氏の見方を記しておこう。

「金融派生商品(デリバティブ)の下げは、ほぼ終わりに近づいた、などと結論するのはあまりにも早すぎる。連銀には、経済サイクルを変える力は無い。現在、金融市場が直面しているのは、いつものようなありふれた下げとは全く異質のものだ。連銀が、よほど画期的な救済対策を実施しないかぎり、S&P500指数が安値を更新する確率は高い。」 (注: ここで言う金融派生商品は、主に不動産担保証券のこと。)

ビジネス・ウィークに載せられた、読者からのコメントを一つ紹介しよう。

「極端に楽観的な意見、そして必要以上に悲観的な意見に正確なものは無い。同様に、この意見は100%正しい、と主張する人も間違っている。誰にも100%正確な経済予想をすることはできない。どんな意見やコメントも、単なる意見やコメントであり、要するにゴシップのようなものだから、それを使って適切な投資をするのは不可能だ。」 Ronさん

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(参考にしたサイト: http://www.tradingmarkets.com/.site/stocks/commentary/khview/-75983.cfm

http://www.businessweek.com/investor/content/mar2008/pi20080325_853616.htm?chan=top+news_top+news+index_businessweek+exclusives

超大幅航空料金値上げが実施される!?

原油の値上がりで頭が痛いのは航空会社だ。10月、1バレルあたり80ドル以下だった原油は、先週瞬時110ドルを記録し、現在100ドル70セントで取引されている。下が日足チャートだ。

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(チャートはINO.comより。 移動平均線は50日)

それでは質問しよう。もし、原油が100ドル台に定着した場合、航空会社は利益を上げることができるのだろうか?

下は、メリルリンチからの資料だ。

航空会社 75ドル 95ドル 100ドル 110ドル
アラスカ航空 $104 $14 ($9) ($54)
アメリカン航空 $797 ($538) ($872) ($1539)
コンチネンタル航空 $444 ($12) ($126) ($354)
デルタ航空 $538 ($100) ($260) ($579)
ノースウエスト航空 $488 $43 ($69) ($291)
ユナイテッド航空 $540 ($116) ($280) ($609)
合計 $2913 ($709) ($1615) ($3426)


(注:単位は100万ドル。カッコ内の数字は赤字を示す。)

簡単に、一番下のユナイテッド航空を使って説明しよう。

・もし2008年度、原油価格の平均が75ドルの場合、ユナイテッド航空は5億4000万ドルの黒字になる。

・もし原油価格が95ドルになると、ユナイテッドは赤字に転落し、その額は1億1600万ドルになる。

・原油が100ドルなら赤字額は2億8000万ドル。

・原油が110ドルなら赤字額は6億900万ドルに達する。

ようするに、原油が100ドル台に落ち着いてしまったら、全ての航空会社は赤字経営になるわけだ。

FTNミッドウエスト証券のアナリスト、マイケル・ダーチン氏は、こう語っている。

「航空業界は、厳しい適者生存の時代に入った。航空料金は大幅な値上げが実施され、現在国際線で適用されている燃油サーチャージが、国内線にも適用されることになるだろう。」

USA TODAYによれば、各航空会社は既に切り詰めるところまで切り詰め、これ以上の節約は難しい状態だという。そこで、少しでも機体を軽くして、ジェット燃料の消費量を減らそう、という動きが出てきた。たとえば、ジェット・ブルー航空は、エアバスA320型の航空機から座席を6つ取り外した。アラスカ航空の場合は、機内食に使うカートを軽いものに取り替えた。しかし、それらは微々たる節約にしかならないようだから、やはりダーチン氏の言うように、航空料金大幅値上げしか解決策が無いようだ。

(参考にしたサイト:http://www.usatoday.com/money/industries/travel/2008-03-24-jet-fuel-costs_N.htm

業界のチアリーダー、全米不動産業協会

ベアー・スターンズのニュースと並んで、もう一つ話題になったのは、2.9%増となった2月の米国中古住宅販売件数だ。さっそくジョエル・ナロフ氏(ナロフ・エコノミック・アドバイザーズ)は、「住宅価格の下げは続いているが、販売件数に底打ちの兆しが見える」、と慎重な楽観論を発表した。

たしかに、どのサイトも「7カ月ぶりの上昇」、というタイトルで販売件数の伸びを報道しているが、ここで引用したいのがバリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)だ。

全米不動産業界から発表された、2月の中古住宅販売件数が上がった、というのはフィクションにすぎない。1月と2月を比べるのは、単に季節差を見るようなもので、適切な比較方法ではない。正確に状況を把握するためには、前年度の同時期と比べる必要がある。事実はこうだ。2008年2月の中古住宅販売件数は、2007年2月を23.8%下回り、中間住宅価格は8.7%下がって19万3900ドルとなった。

グラフで見るとこうなる。

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(USA TODAYから)

1の1月より、たしかに販売数は上がっているが、去年の同時期(2)からは大幅下落だ。

掲示板の書き込みも見てみよう。

・中古住宅販売件数が上昇した、というのは信じられない。私自身、もう長いこと住宅を探しているが、去年の秋に売りに出されていた物件は、今日も相変わらず売りに出されている。販売件数が上がった、というのはウソだと思う。 全米不動産業協会に騙されてはいけない。彼らは、見せかけだけの良い数字を発表して、我々に住宅を買わせようとしているのだ。 chillynorthwindsさん

・2007年の2月と比べれば、実際の販売件数は23%も下がっている。全米不動産業協会は詐欺師だ。 sartreさん

・言うまでもなく、全米不動産業協会は、少しでも住宅市場を上向きにさせようと躍起になっている。 NAFTASUX さん

・全米不動産業協会によれば、住宅市場に好転が始まった、ということになる。しかし彼らは、去年から同じことを言い続けている。  longjohn  さん

・私は不動産業界で働いている。業界内部者として言えることは、現在の住宅価格は、まだ高すぎる。住宅市場が底打ちになるには、少なくとも、あと1年の月日が必要だと思う。 JonathanAlbertさん

・全米不動産業協会から発表されたデータは全く信用できない。 toratoraさん

・2月の販売件数が上がったのは本当かもしれない。大量に差し押さえとなった物件が、金融機関によって買い戻されたのではないだろうか? 0rbital さん

・住宅が売れないのは当たり前だ。たしかに住宅市場は低迷しているが、まだ住宅価格は高すぎる。 mercuriusさん

 

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(参考にしたサイト: http://www.usatoday.com/money/economy/housing/2008-03-24-home-sales-february_N.htm?loc=interstitialskip

http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/03/february-existi.html

さて、どんな反応を見せるだろうか?

月曜のマーケットで注目されるのは、大手証券ゴールドマン・サックス(GS)、そしてリーマン・ブラザーズ(LEH)だ。理由を説明する前に、まず両方の日足チャートを見てみよう。

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ゴールドマン・サックス

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リーマン・ブラザーズ

両銘柄とも、3月17日に大きく一転反発し、現在ゴールドマン・サックスは下降する50日移動平均線、リーマン・ブラザーズは50ドルに挑戦中だ。言うまでもなく、証券セクター底打ちと読んで、これら二銘柄を買った人は多数いることだろう。

両銘柄が注目される理由に移ろう。株式市場が休みだった金曜(21日)、247wallst.comのダグラス・マッキンタイア氏は、こんなことを書いている。

S&P(格付け会社)、ゴールドマン・サックスとリーマン・ブラザーズ(LEH)を格下げ。

金融セクターは最悪の事態を乗り越えた、という兆しが見え始めていたが、S&Pは、わざわざ休日の金曜を選んで、ゴールドマン・サックスとリーマン・ブラザーズを格下げした。このニュースに反応したくても、休日だから、ニューヨーク証券取引所には誰もいない。もしこの格下げが、先を見越したものであるなら、金融業界の悪材料は、まだ完全に出尽くしていないということになる。

長期的に見た、週足チャートも載せておこう。

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ゴールドマン・サックス

レジスタンスになる可能性がある、38.2%の値戻しレベル、それに下降するトレンドライン(赤)が近い。

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リーマン・ブラザーズ

既に38.2%レベルは突破したが、レジスタンスになりそうなレンジの下辺(赤)、そして50%の値戻しレベルが直ぐ上だ。

追伸: 週末のミミさんのブログに、こんなコメントがあった。「SPよ、そんな材料マーケットが休みの時に出さんといて?な。」

(参考にしたサイト: http://www.247wallst.com/2008/03/sign-of-more-ma.html

http://www.thestreet.com/story/10408862/1/sp-lowers-outlook-on-lehman-goldman.html

週末アクセスしたいこのサイト

聖金曜日、ということで株式市場は休み。株中毒の人には、辛い週末かもしれない。そこで、そんな人たちのために、一つ面白いブログを紹介しよう。少しは、中毒症状を和らげることができるはずだ。

先ず、下記をクリックしてほしい。

Fake Money. Real Stocks

10万ドルの架空口座を使って、ペーパートレード(実際のお金を使わないで売買判断をする)をしてみよう、というのがこのブログの目的だ。チャートを見る練習にもなるから、とにかくやってみよう。

簡単に使い方を説明しうよう。

チャートの上には、こんなものが見えるはずだ。

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1、$100,000.00は元手の10万ドル。

2、資金を、また最初の10万ドルに戻したい時はresetをクリックする。

3、What would you do with this stock?の下には、Buy、Skip、Sellの三つのボタンがある。チャートを見て、この株は買い、と思うならBuyをクリックする。空売りだ、と思うならSellをクリックする。よく分からない場合は、真ん中のSkipをクリックすると、別なチャートが表示される。

さて、あなたは10万ドルをいくらに増やすことができるだろうか?

追伸:

こんなものは楽すぎる、という人はHomeの右側にあるAdvancedをクリックして、上級者コースに挑戦しよう。 

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追伸その2:

クマーな投資ブログでは、アメリカのインフレを心配する、シーゲル教授の話が取り上げられている。

 

問題は第5位のエコノミスト

USA TODAYに、上位10人のエコノミストによる、米国経済の予想が載っていた。と言っても、単に二つの質問に回答しているだけだから、ごく簡単なものだ。質問1は、2008年、連銀はFF金利をどこまで下げるだろうか?(現在2.25%)質問2は、2008年、米国は不景気に陥るか、というものだ。

1、デービッド・バーソン氏 (PMIグループ)

質問1: FF金利は1.5%。

質問2: 不景気に陥る。

2、ナリマン・ベラベシュ氏 (グローバル・インサイト)

質問1: FF金利は2%。

質問2: 不景気に陥る。

3、ライル・グラムリー氏 (スタンフォード・ワシントン・リサーチ・グループ)

質問1: FF金利は2%

質問2: 不景気に陥る。

4、マーク・ザンディ氏 (ムーディーズ・エコノミー)

質問1: FF金利は1.5%。

質問2: 不景気に陥る。

5、ローレンス・ユン氏 (全米不動産業協会)

質問1: FF金利は2.25%。

質問2: 不景気にはならない。

10人中、上位5人を記したが、さっそく非難の声が聞こえてくる。問題になっているのは、第5位にランクされているローレンス・ユン氏(全米不動産業協会)だ。バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)を引用しよう。

USA TODAYは明らかに調査を怠っている。ローレンス・ユン・ウォッチを読んだことがないのだろうか?抜粋しよう。

「2005年9月、ユン氏はこう予想している。『ワシントン地域の住宅価格が下落する確率は0%に近い。逆に、ワシントンの住宅価格は、7%から10%の上昇が見込まれ、全米平均を上回ることになるだろう。』

ご存知のように、米国の不動産低迷は続き、ユン氏の予想は大きく外れている。S&Pケース・シラー指数によれば、2005年9月以来、ワシントンの住宅価格は8.4%の下落だ。

ユン氏自身、最近こんなことを言っている。『私は人々に間違いを指摘されることを気にしない。現に、私も、急激に変化する住宅市場が原因で、予想が外れてしまったことがある。』ユン氏は、いつも都合の良い言い訳ばかりだ。こんなユン氏を、第5位にあげたUSA TODAYが信じられない。」

事実、ユン氏の名前が、トップ・エコノミストとして紹介されているUSA TODAYの記事を疑問視する人は多いはずだ。ユン氏の属する、全米不動産業協会は、業界のチアリーダーとして有名なだけに、いつもバラ色な見方を発表する傾向がある。そんな定評のある機関のエコノミストを、なぜUSA TODAYはトップリストに加えたのだろうか?全く理解できない。

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ユン氏

(参考にしたサイト: http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/03/top-forecaster.html

http://lawrenceyunwatch.blogspot.com/2008/03/ridiculous-usa-today-names-lawrence-yun.html

なぜ、こんな状況でデビューしたのだろう?

待望された大型新規公開株、クレジットカードでお馴染みの、ビザの取引が始まった。公募価格は44ドル、59ドルの初値をつけて、好調なスタートを切った。上場先はニューヨーク証券取引所、Vという勝利を想像させる、縁起の良い一文字がビザのティッカー・シンボルだ。

ビザ(V)が注目される理由の一つとして、順調に株価を上げている、競争相手のマスターカード(MA)を挙げることができる。2006年に市場にデビューして以来、マスターカードの株価は約3倍の成長を遂げ、投資家はビザにも同様な伸びを期待しているわけだ。

IPOファイナンシャル・ネットワークのデービッド・メンロー氏は、この業界でビザほどファンダメンタルズの優れた企業は無く、今日の上場で、マスターカードは首位の座をビザに奪われた、と語っている。

しかし、株式市場が低迷している今日、なぜビザはこんな環境で新規公開に踏みきったのだろうか?MSNマネーのコラムで、マイケル・ブラッシュ氏は、こんなことを指摘している。

一言で言えば、金融収縮(クレジット・クランチ)が原因だ。ビザ(V)の新規公開株発行で、利益を得る企業のリストを見てほしい。JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、・シティグループ、USバンコープ、ウェルズ・ファーゴー、どれもサブプライム問題で大損を出した企業だ。今回の新規公開に関与することで、約102億ドルの収益を手に入れることができるから、是が非でもビザの新規公開を早急に実現させる必要があったわけだ。

と聞くと、何か嫌がるビザを皆で説得して、無理やり新規公開を承諾させた、というイメージがある。ファンダメンタルズでは超一流、とメンロー氏は言っているが、今この時点でビザに投資するのは正解だろうか?ブラッシュ氏の話に戻ろう。

クレジットカードの利用者数は毎年増え続け、スパーマーケットやガソリンスタンドでも、クレジットカードを使う人たちが増えている。JPモルガンの調べによれば、1992年以来、クレジットカードとデビットカードによる買い物は、毎年二桁の率で増加している。ビザの場合、去年の第4四半期、91億回に及ぶ利用回数があり、低調な経済状況にもかかわらず前年度を13%上回った。

ビザが好調な理由の一つは、アジアや南米の新興市場で現金離れが顕著になり、クレジットカードの利用者が年々増えていることだ。ニルソン・レポートによれば、全世界で使われているクレジットカードの63%がビザ、そして31%がマスターカードだ。2006年、ビザが扱った買い物回数は440億回にのぼり、この回数はマスターカード、アメリカン・エクスプレス、そしてディスカバー・カードの総合利用回数を45%も上回っている。

なるほど、ビザは世界的に利用されているのは確かなようだ。しかし、同じ質問になるが、今ビザに投資する意味はあるだろうか?ブラッシュ氏の結論はこうだ。

現在、ライバル会社マスターカードの予想PERは25ほどある。もし本当に、ビザの収益が20%上昇して、一株利益が2ドル40セントから2ドル50セントを達成できるなら、ビザの株価は1、2年で簡単に60ドル以上になるだろう。

大引けまであと10分弱。ビザは56ドル84セントで取引されている。

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参考にしたサイト: http://www.smartmoney.com/onedaywonder/?story=20080319-visa-ipo&afl=yahoo&hpadref=1

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/CompanyFocus/WhyVisasIPOShouldChargeYouUp.aspx?page=1

 

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