US Market Recap

テーマは石油・ガス探査

スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)は、星の数で株の格付けを表示することで有名だ。たとえば、星が1000個なら強い買い推奨(冗談)。真面目に書こう。強い買いは星が5個、買い推奨は星が4つ。だから当然の結果として、多くの投資家は星が4つ以上の銘柄に注目する。

週末、ビジネスウィークが、革新的な企業で、星の数が4つ以上の11銘柄を発表した。下記が、その表だ。

0503bw.gif

(数字が星の数を表す。表示されている銘柄は、単にアルファベット順に並んでいる。)

おい、グーグル(GOOG)が入ってないぞ、と言われる方もいると思うが、日足チャートを見てみると、高値圏で横ばい中のIBMはブレイクアウト候補だ。

0503IBM.gif

IBM (日足)

ストック・スカウター(MSNマネー)も、個人投資家に人気のサイトだが、5月1日に発表されたトップ50を見ると、あることに気がつく。

0503ss.gif

これが、上位10銘柄だ。セクター(Sector)の欄に注目してほしい。Oil and gas exploration(石油・ガス探査)で独占されている。

週末、面白かったのはこのニュース。

「拾った400万円で一杯? 路上で寝込み横領容疑で逮捕」 (asahi.com)

「現金約400万円の入った手提げバッグを拾いながら、警察に届け出ずに横領したとして、福岡県警折尾署は3日、住所不定の無職庄崎末雄容疑者(53)を遺失物横領の疑いで逮捕した。」

詳細は下記。

http://www.asahi.com/national/update/0504/SEB200805030012.html?ref=rss

(参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/Extra/StockScouterTop50.aspx

http://www.businessweek.com/investing/content/may2008/pi2008051_197801.htm?chan=investing_investing+index+page_top+stories

おかしな統計

金曜の雇用統計(4月分)によると、米国の失業率は、5.1%から5.0%に下がった。更に、非農業部門の雇用者数は、アナリストが予想していた7万5000人減を下回る2万人減だった。これは、米国経済が上向き始めた証拠だろうか?

バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)は、こう書いている。

いくつか指摘したいことがある。

・4月、パートタイムで働く人が30万6000人増えて、その総数は520万人になった。パートタイム人口が増加した理由は、会社側から労働時間の削減を言いわたされた、フルタイムの仕事を見つけることができなかった、などがある。言うまでもなく、たとえパートタイムでも、職が有るわけだから失業者ではない。

・不審なデータ。製造業の雇用悪化は更に加速し、他の業種も、現に5カ月連続で雇用者数が減っている。しかし、政府の発表によれば、去年の同時期と比べると、建築業の雇用は4万5000人増、そして金融業の雇用は8000人増えている。(この2業種は、サブプライム問題で最も低迷している業種。)

・雇用統計によれば、サービス業の雇用状況が大きく好転している。しかし、イアン・シェパードソン氏(High Frequency Economics)は、この好結果は季節的なものであり、単なる雑音にすぎないと言う。

掲示板の書き込みを見てみよう。

・「すばらしい雇用統計だ。米国経済は強い。もう金利引き下げは必要ない。全くデタラメな統計だ!」 Pertinaxさん

・「この統計は詐欺だ。ワシントンでは詐欺は罪にならないようだ。」 dryheavesdailyさん

・「失業率が減ったのは、たぶん選挙運動のために、ヒラリー・クリントンが大勢の人を雇ったのだろう。」 BobP863さん

・「雇用状況が良くなったのは、フルタイムの仕事を失った人たち、そして失業していた人たちが、マクドナルドでパートタイムの仕事を得たからだ。」 what000さん

・「アナリストたちも、今朝の雇用統計を全く信じていない。それよりも問題なのは、誰も政府から正確なデータを期待していない現状だ。」 Lakedweller2さん

・「政府が真実を隠すのは当たり前のことだ。」 JonathanAlbertさん

0502jobs.jpg

(参考にしたサイト:http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/05/reviewing-the-n.html

http://www.usatoday.com/money/economy/2008-05-02-jobs-april_N.htm#uslPageReturn

 

http://kabukeizainani.blogspot.com/

物価高で恩恵を受けるのは誰?

パン、牛乳、バター、アイスクリーム、どれもこれも高くなった。専門家の話によれば、食品価格に見られる5年周期を考慮すると、あともう2年ほど値上がりが続く可能性があるという。しかし、なぜこんなに食べ物が高くなったのだろうか?

1、中国、インド、マレーシアなどの途上国の消費者平均収入が上がり、以前よりも食べる回数が増えただけでなく、広範囲にわたる食品需要が上昇した。特に、肉、卵、ミルクの需要が大きく上がっていることを、パデュー大学のクリス・ハート氏は指摘している。

2、過去4年間の不順な天候で、オーストラリア、南ヨーロッパ、ウクライナ、そしてアメリカの農産物の生産量が減った。米国農業会連合の、ジム・スタートウェル氏は、こう語っている。

「麦と酪農製品の主要生産国であるオーストラリアが、長期間にわたる干ばつで、麦やミルクの輸出が大幅に減ってしまった。」

3、ドル安の影響で、海外への米国農産物の輸出が増大した。そのため、米国内の余剰農産物が減り、米国内の食品価格を上昇させる結果となった。

4、ヨーロッパとアメリカで、エタノールやバイオ燃料の需要が高まり、代替エネルギーの原料になる、トウモロコシ、大豆、サトウキビなどの値段を押し上げた。

食品に限らず、物価高が顕著になった今日、この状況で恩恵を受けているのは誰だろうか?グレース・チェン氏(GraceCheng.com)は、こう述べている。

「最近の好決算発表で分かるように、クレジットカード2社、ビザ(V)とマスターカード(MA)は、間違いなく物価高の恩恵を受けている。そして、原油やガソリンの値上がりが収益に好影響になったのは石油会社だ。たとえば、エクソン(XOM)の利益は17%増、シェルは25%増、そしてBPは63%増だ。

食品の値上がりで、農業経営者が利益を上げている、と思われるかもしれない。しかし、大幅なガソリンや灯油などの値上がりで、苦しくなっているのが現状だ。」

こんなことを、ハート氏(パデュー大学)は付け加えている。

「食品価格の上昇は、あと2年ほど続くと思われるが、米国が食糧不足に陥る心配は無い。」

と言われても、やはり物価高は頭が痛い。少しでも安い品物を求めて、ウォルマート(WMT)のような、ディスカウント店もインフレの恩恵を受けることだろう。

http://kabukeizainani.blogspot.com/

0501food.jpg

(参考にしたサイト:http://money.cnn.com/2008/04/30/news/economy/food_prices/index.htm?postversion=2008043016

http://www.gracecheng.com/stocks/2008/05/01/who-is-benefiting-from-high-commodity-prices/

コーヒーだけではやっていけないスターバックス

予想されたとおり、連銀は0.25ポイントの利下げを実施し、これでFF金利は2%ちょうどになった。FOMC終了直後の声明には、これが最後の金利引き下げになる可能性を示す一文があり、少なくともしばらくこの金利が据え置かれることになりそうだ。

マーク・ザンディ氏(Moody's Economy.com)は、こう語っている。

「これで、完全に利下げの可能性が無くなったわけではない。声明から読み取れることは、『我々はできるかぎりのことをした』、という連銀の態度だ。しばらく金利を据え置くことは正しい措置だと思う。米国経済は、たしかにまだ弱い。しかし、減速が鈍っていることも確かだと思う。」

他の話題をいくつか拾ってみよう。

・既に10種類以上の飲み物を揃えたスターバックス(SBUX)だが、この夏、二つの飲み物がデビューする。健康を意識した、フレッシュ・フルーツを使った飲み物、ということらしいが、早速こんな意見が出ている。「新ドリンクは売上に大した影響は無いだろう。指摘したいのは、スターバックスのコーヒー離れだ。新ドリンクが明確にしたことは、コーヒーだけではやっていけない、というスターバックスの苦しい状況だ。」 ダグラス・マッキンタイア氏(247wallst.com)

・CNBCのインタビューで、Tブーン・ピッケンズ氏(BPキャピタル・マネージメント)は、需給バランスを考慮すると、原油は1バレル125ドルに達する可能性がある、という以前と同様な見方を述べた。更に氏は、今日のエネルギー株は、1バレル70ドルから75ドルの原油価格が反映されているだけだ、とも語っている。(現在の原油価格は1バレル114ドル70セント。)

・「石油会社は儲けすぎだ!」、と消費者がますます苛立つ今日この頃だ。しかし、今日のエクソン(XOM)の増配発表は、更に消費者を怒らせる結果になってしまった。一株あたり35セントの配当金が40セントに引き上げられる、ということだから、約14%の上昇になる。決して悪いパーセンテージではない。だが、40セントで利回りを計算すると、たったの1.7%にしかならない。

・大手証券ゴールドマン・サックスが倹約ムードだ。ニューヨークのオフィスでは、無料だったボトル入りの水、それにコカコーラなどのソフト・ドリンクが有料になった。そして、ロンドンのオフィスは残業をする社員のために夕食とタクシーのサービスがあったが、経費削減のため取りやめになった。

0430BB.jpg

(写真:CNNから)

(参考にしたサイト: http://online.wsj.com/article/SB120951983067754945.html?mod=hps_us_whats_news

http://www.247wallst.com/2008/04/t-boone-pickens.html

http://wallstfolly.typepad.com/wallstfolly/2008/04/the-perks-keep.html

http://biz.yahoo.com/ap/080430/exxon_dividend.html?.v=1

http://money.cnn.com/2008/04/30/news/economy/fed_decision/index.htm?postversion=2008043014

http://kabukeizainani.blogspot.com/

米国住宅市場、更に2割の下落を予想する建築業者

火曜、水曜の二日間にわたる連邦公開市場委員会(FOMC)とあって、さすがに投資家たちは、模様眺めを決め込んだようだ。アナリストは、0.25ポイントの追加金利引下げ予測し、おそらくこれが最後の利下げになるだろう、という見方も多い。

なぜ、これ以上の利下げは不要なのだろうか?アーウィン・ケルナー氏(キャピタル・ワン・バンク)の意見を聞いてみよう。

金利をどんなに引き下げても、信用収縮問題を解決することはできない。住宅市場が下げ止まり、不動産担保証券が安定してこない限り、この問題は無くならない。

利下げ政策を、これ以上続けることは、米国経済に悪影響だ。9月以来、連銀は膨大な資金を市場に注入してきた。お陰でドルが溢れ、インフレを引き起こす結果となった。

米国消費者は、インフレの悪化を予想している。ミシガン大学の調べによると、3月、消費者は今年の物価上昇率は4.3%になる、という見方だった。しかし4月、この数値は4.8%に上方修正されている。このように、皆が同じ考えを持つことは、自己達成的予言になってしまう可能性がある。

金利引下げを終了させることは、心理的に好影響にもなる。なぜなら、そうすることで、連銀は最悪の事態は去った、というメッセージを消費者に伝えることができる。

米国住宅市場に関して、イーライ・ブロード氏(KBホーム、米国第5位の住宅建築業者)は、ブルームバーグTVのインタビューでこう語っている。

住宅市場の底は全く見えない。現在、市場に出ている住宅を完売するだけでも、3年から4年かかってしまうことだろう。それに、住宅ブームの頃、多くの消費者は収入以上の返済不可能な金を家を担保にして借りてしまった。正に、自宅をキャッシュ・マシーンのように扱っていたわけだ。もちろん、こんな事は長く続かなかったが、今日アメリカは大きな代価を払う結果になったことは言うまでもない。住宅価格が、ここから更に20%下がったとしても、それは不思議ではない。

掲示板の書き込みを一つ載せておこう。

「分かり切ったことだが、連銀が金利を引き下げたのは、株価を上げるためであり、ウォール街を助けることだ。それ以外の目的などない。もちろん、現在の連銀には、何のインフレ対策も無い。」 Hondo2AZさん

0429Ben.jpg

バーナンキ連銀議長

(参考にしたサイト: http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aNGtHO1tbzng

http://www.marketwatch.com/news/story/pause-refreshes/story.aspx?guid=%7B91D1145F%2DBF4A%2D47F8%2DA398%2DD686BF89731E%7D

http://kabukeizainani.blogspot.com/

35のルール

これらのルールを忠実に守ったら、トレードが向上した、と人気ブロガーのMarket Speculatorさんが書いていた。全部で35あるが、非常に短く簡単なものだから、さっそく見てみよう。

1、ストキャスティクスが、売られ過ぎになった強い株を買うこと。

2、買い/売りシグナルは出来高の裏づけがあること。

3、毎週日曜日、上位20と下位20のセクターの分析をする。

4、上放れ/下放れした銘柄リストを毎日アップデートする。

5、銘柄リストの銘柄数は、あまり増やさないこと。

6、毎週銘柄リストを点検して、不適当になったものを削除すること。

7、手法は簡単に。複雑なやり方は単に時間の無駄になるだけ。

8、OBV(オン・バランス・ボリューム)のデバージェンスに注目する。

9、アップトレンドには大きな出来高が伴っていること。

10、毎月トレードの復習をする。

11、投資心理を把握すること。

12、S&P500指数のサポートとレジスタンス・レベルに気をつける。

13、レンジ内におけるブレイクアウトを過大視しないこと。

14、損切りを設定したら、それを必ず守ること。

15、マーケットの環境に合ったトレードをするために、5から10のトレード手法を身につけること。

16、株を深追いしない。

17、ニュースやアナリストは無視。

18、自分の分析を信じること。

19、毎日のトレード計画をたてること。

20、重要なのは値動き、出来高、サポート、そしてレジスタンス。

21、全てのティック(値動き)を見る必要はない。

22、逆指値、損切り、目標株価を有効に利用すること。

23、トレードを管理しすぎないこと。

24、自分自身のトレード心理状態を正しく理解すること。

25、実トレードを始める前にペーパートレードを十分にすること。

26、トレードに関するものを多く読むこと。しかし、書いてあることを簡単に受け入れてはいけない。

27、数回の失敗だけで諦めてはいけない。

28、株数を調整してリスク度を減らすこと。

29、本当に納得できるトレードだけをすること。

30、毎日トレードチャンスがあるわけではない。

31、欲や恐怖に支配されないこと。

32、自分のトレードパターンが現れたら躊躇しないでトレードすること。

33、もう一度繰り返すが、重要なのは値動き、出来高、サポート、そしてレジスタンス。

34、株は一直線に上がらない。そして、一直線にも下がらない。

35、大きく上げた株、大きく下げた株のチャートを分析すること。

(参考にしたサイト: http://themarketspeculator.blogspot.com/2008/04/35-important-trading-tips.html

0428bull.jpg

週末のリンク

暑い。とにかく暑い。ロサンゼルスの現在気温は32度、そして最高気温は37度が予想されている。あと45分ほどでドジャースの試合が始まるが、この暑さでは、投げるのも打つのも嫌になる。

0427LA.gif

(LAの天気)

さて、ブックマークを見てみよう。

http://www.nytimes.com/2008/04/27/technology/27rim.html?_r=1&oref=slogin

ニューヨーク・タイムズ紙は、アップルのiPhoneのお陰で、Research In Motion Ltd. (RIMM)は、ますます苦しくなりそうだ、と報道している。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aVQlOCcurkiE&refer=home (ブルームバーグ)

2年物、そして10年物国債利回りの上昇は、連銀による金利引下げがほぼ終了したことを示している。

http://www.reuters.com/article/ousiv/idUSL2586888820080427 (ロイター)

労働者のストで、英国の一部のオイル・パイプラインがストップしてしまった。原油価格に影響しそうだ。

http://online.wsj.com/article/SB120914122109345153.html?mod=hps_us_at_glance_technology (ウォールストリート・ジャーナル)

米国は、ロシアと中国が海賊版撲滅に関して、消極的な姿勢であることを非難。

http://blog.afraidtotrade.com/dollar-and-the-dow-positions/ (Corey Rosenbloomさん(トレーダー)のブログ)

ドル指数の上昇が米株に好影響になっていることを指摘した強気論。

http://www.etftrends.com/2008/04/worldwide-water.html

世界的な水不足。この状況で注目される上場投信として、次の4つがあげられている。

PowerShares Water Resources (PHO)、Powershares Global Water (PIO)、Claymore S&P Global Water (CGW)、First Trust ISE Water (FIW)

http://www.doblog.com/weblog/myblog/79961/338#338 (ユーロ・セラーさんのブログ)

タイトルは「ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望」。

http://ameblo.jp/okamoto-blog/entry-10091787204.html (岡本さんのブログ)

「これらを買えば、宝くじに当たり、女にもてるようになるぞ」と化け猫ラオウ

http://www.candlestick.jp/archives/2008/04/post_866.html (こうめいさんのブログ)

「資金1.1倍計画」

http://blog.livedoor.jp/takahashikamekichi/archives/51995298.html (斉藤さんのブログ)

日本の高齢化は、日本人だけでは乗り越えられない。

http://plaza.rakuten.co.jp/mimistock/diary/200804250000/ (ミミさんのブログ)

節目だそうです。

0427BB.gif

買い?売り?一休み?

4月も終わりだ。この時期になると、米国投資家たちは「Sell in May and go away」という、5月に株を売って、相場からしばらく離れることを奨める諺を思い出していることだろう。しかし、最近回復の兆しが見え始めたマーケットを考えると、本当に5月に売ることは正解だろうか?

先ず、ここからは買える、という意見を要約しよう。

・決算は思ったほど悪くない。逆に、予想以上に内容の良いものが多い。

・金融市場の混乱は、最悪の事態から脱した。

・インフレの一原因となっていたドル安だが、最近ドルの上昇が始まった。

まだ買えない、という理由を、ジム・ジューバック氏(MSNマネー)はこう説明している。

・上昇が止まらない原油とガソリン価格。言うまでもなく、米国経済を支える消費者に、大きな重荷となる。

・インフレ。連銀は金利引下げ政策を終了させる可能性がある。

・下げが続く住宅価格。これ以上の住宅市場のスランプは、銀行などの金融機関が、更に大きな評価損を計上する結果になる。

・上昇する米国失業率。これでは、アナリストが予想するような、早い経済の回復は見込めない。

・顕著になった世界的な経済の減速。

・数回におよぶ挑戦にもかかわらず、S&P500指数は、なかなか1400を超えることができない。本当にマーケットが回復しているなら、このレベルを、簡単に突破できるはずだ。

・たとえ相場が好調な年でも、統計的に、5月から10月の相場は弱くなる傾向がある。

0425spx.gif

S&P500指数 (日足: 金曜大引けまで2時間の時点) 

(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2008/04/25/markets/thebuzz/index.htm?postversion=2008042511

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/JubaksJournal/DontTrustThisMarketRally.aspx

不況知らずの業界に異変

今回の不景気は、いつもと様子が違う。ひょっとすると、予想以上に傷は深いかもしれない。ピーター・バート氏(コラムニスト)は、アナリストは失業率、新規雇用、とさまざまなデータを分析しているが、肝心なものを見落としている、と言う。少し氏の話を聞いてみよう。

不況に左右されないはずのアダルト産業に異変が起きている。特に目立つのはアダルトDVDの売上だ。地域によってバラつきはあるが、平均で10%から30%ほど売上が落ちている。

オンラインのアダルト・サイトは、たしかに膨大なヒット数がある。しかし、売上の方は下降基調になり、サイト経営者は頭が痛い状態だ。こんな状況だから、とうぜんコスト削減が実施され、ただでさえ少ないアダルト映画の制作費も削られている。

アダルト業界が不振とは知らなかった。では、お馴染みのアダルト銘柄を見てみよう。

0424pla.gif

プレイボーイ(PLA)週足

萎えた感じだが、底固めをしているようだ。月足に移ろう。

0424plaW.gif

長期サポートレベルのテスト中だ。もちろん、これだけでは下げ止まったかもしれない、といった程度の結論しか出せない。

一つ面白い材料がある。

0424pla3.gif

(資料:moneycentral.msn.com)

上は、2007年12月31日にレポートされた、プレイボーイ株を保有する主な機関投資家リストだ。青で囲ったところに注目してほしい。0.0は持ち株数に変化は無く、8.0なら、その機関投資家は持ち株を8%増やしたことを示す。逆に赤の数字なら、その機関投資家は、持ち株を減らしたことになる。

見ての通り、機関投資家による買い足しが目立つ。株が、サポートライン(月足参照)を割らない、という保証は無い。しかし、機関投資家の動きを見る限り、長期投資として行けるかもしれない。繰り返しになるが、行けるかもしれない。これだけ無料動画サイトが氾濫すると、プレイボーイには、かなり画期的な案が必要だと思う。

(参考にしたサイト: http://www.variety.com/VR1117984246.html

破壊点を突破したアメリカ

先ず、ここ1年間の原油の動きを見てほしい。現在1バレル120ドルに迫り、特に2月に入ってからの上げ方が急激だ。とうぜん疑問になるのは、いったいいくらになったら、経済に決定的なダメージを与えるのだろうか?

0423oil.gif

それでは、マーケット・インサイダー(CNBC)を要約してみよう。

「米国経済が、まだ持ちこたえている原因は、ガソリンの値上がりが原油ほどひどくないためだ。しかし、この状態は長く続かないだろう」、とマーク・ザンディ氏(Moody's Economy.com)は言う。

ジョー・ラボーグナ氏(ドイツ銀行)の計算によれば、ガソリン価格が1セント上がると、消費者はエネルギー費として年間で更に10億ドルを使うことになる。だから、たとえ政府が経済刺激策を実施しても、ほとんどがエネルギー代に取られてしまう、とラボーグナ氏は強調する。

エネルギー情報局(EIA)は、米国のガソリン小売平均価格は、5月には1ガロン3ドル48セント、そして一部の地域では夏までに4ドルを超えると予想している。

ここで、もう一度ラボーグナ氏の話に戻ろう。「経済刺激策で、第3四半期のGDPは上向きになるだろう。しかし、私は、原油価格100ドル突破が、経済の破壊点になったと思う。」

ダン・ヤーギン氏(ケンブリッジ・エネルギー・リサーチ)は、こんなことを指摘している。「原油が100ドルを超えた今日、これは既に問題のある米国経済に多大な被害を与えることは間違いない。しかし不思議なことに、オイル高の悪影響が頻繁に討論されたのは、原油がまだ1バレル70ドル台の頃だ。」

0423gas.jpg

(参考にしたサイト:http://www.cnbc.com/id/23598210/

 

<< < 15  16  17  18  19  20  21  22 >>

本マガジンは客観的情報の提供を目的としており、投資等の勧誘または推奨を目的としたものではありません。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。

発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット