ハリウッドやショービジネスのおかげで、他州の人たちは、カリフォルニアは華やかで金持ちの州と思っているようだ。しかし現実は、経営危機に直面している政府系の住宅金融会社、ファニーメイやフレディマックと全く変わりが無い。
この顔を覚えている人も多いと思うが、アーノルド・シュワルツェネッガー氏(カリフォルニア州知事)は、州を財政難から救うために(事実上カリフォルニアは破産状態)次のような計画を発表をした。
約20万人の州政府職員の時給を、正式な予算が議会で通過するまで、法律で定められている最低賃金6ドル55セント(約700円)に引き下げる。(正式な予算が決まれば、失われた分の時給は払い戻される。)更に、1万9000人のパートタイマーの解雇、全職員に対する残業手当も廃止する。
この州知事の計画は、来月から実施される見込みだが、労働組合が裁判沙汰にする可能性があるとも報道されている。
ロサンゼルス・タイムズの掲示板に書き込まれた、読者の意見を、いくつか見てみよう。
・「州知事の計画に賛成!一般企業にとって、経営状態が悪くなれば、解雇や給料の削減は当たり前のことだ。この計画が実施されることで、州政府に勤める人たちも、やっと現実に直面することができるだろう。」 Grantさん
・「この6ドル55セントの時給は、州政府の議員たちにも適用されるのだろうか?しかし、何もしない議員に、6ドル55セントは払いすぎだ。」 FHBILLさん
・「ふざけた計画だ。州政府の職員には家族があり、家賃や食費、子どもの教育費を払わなくてはいけない。私たちは、シュワルツェネッガー州知事のような金持ちではない。」 alan winさん
・「私も州知事に賛成だ。州政府には無駄が多すぎる。教職員組合などは、州政府の金を使って、豪華リゾートで休暇をとっている。」 pete sommerさん
・「人間には、荷車を実際に押すタイプと、荷車に乗る二つのタイプがある。州政府の職員は、後者の荷車に乗るタイプであり、単に納税者の負担になっているだけだ。この際、徹底的に無駄な部門を切り捨てるべきだ。」 Mikeさん
・「6ドル55セントに引き下げ?それでも払いすぎだ!」 woodwoseさん
・「私は州政府の職員だが、皆さんが思っているような高級は取っていない。財政難を、職員の責任にする州知事は間違っている。それよりも、正式な予算が決まるまで、議員たちの給料を削減するべきだ。」 Charlesさん
・「そもそも、20万人の正規職員は本当に必要なのだろうか?不景気な今日、消費者たちは節約しているのだから、州政府も当然そうするべきだ。」 Allanさん
(情報源: http://www.latimes.com/news/local/la-me-budget24-2008jul24,0,7487129.story)
株の話、経済の話、何の話だろう?
マーケットは、7月15日に底を打った、と言う人たちが多い。大きく叩かれていた銀行、証券株は強力なラリーを展開し、たしかに投資家たちはホッとしている。ここで、必要以上に楽観的にならないために、バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)の指摘する現状リストを見てみよう。
・ゼネラル・モーターズやフォードに限らず、トヨタまでもが、2008年度の自動車販売台数は予想以下になると発表。
・iPodとiPhoneで好調なアップルだが、個人消費の下降を理由に、2008年度後半と2009年度の利益減少を予想している。
・高収入な客層で知られるアメリカンエキスプレスからの発表によれば、月々の支払いが不可能になる人たちが増えている。これが示していることは、信用度の高い消費者にも、経済低迷の悪影響が表れ始めているということだ。
・最近の原油価格下落で、多くの投資家が株式市場に対して強気になった。しかし、原油下落が意味するのは、世界的な経済スランプで原油需要が減るということだから、これは株の買い材料にならない。
・不況に耐えることができる、と言われていた大型ディスカウント店、コストコが売上の下方修正をした。リチャード・ガランティ氏(最高財務責任者)は、悪化するインフレ、特に予想以上に値上がったエネルギー・コストを指摘している。
・相変わらず住宅ローンの申込み者数は減り続け、住宅市場回復の兆しが見えない。
ジョン・マークマン氏(The Daily Advantage)は、こう述べている。
「これはベルキン氏から学んだことだが、株や指数が200週移動平均線を割ると、200月移動平均線まで下げてしまうことが多い。好例は、インテル、シスコ・システムズ、オラクル、そして銀行株指数だ。もう一つ知っておいてほしいのは、2002年、ナスダックが底を打った場所も200月移動平均線だった。」
現在、ダウ指数は11431、ナスダック指数は2300、S&P500指数は1261だが、どれも既に200週移動平均線を割っている。下記が、現時点における、気になる200月移動平均線の位置だ。
・ダウ指数 8360
・ナスダック指数 1771
・S&P500指数 981
ジョン・マークマン氏
(情報源: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/SuperModels/MarketAtBottomDontBelieveIt.aspx
http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/07/no-recession-no.html)
株の話、経済の話、何の話だろう?
さすがに夏休みの金曜日、トレーダーたちは、もう遊びに行ってしまったようだ。今週のマーケットを振り返ってみると、何と言っても目立つのが、金融セクターの強力な回復ラリーだ。先ず、銀行株指数の日足チャートを見てみよう。
(大引けまで2時間)
下降するトレンドライン(2)を突破して、V字型(1)の底が形成されている。順調に回復が進んだとしても、頭上には、レジスタンスになる可能性がある、50日移動平均線(3)と古いサポートライン(4)が控えている。
今日のローソク足には元気が無いが、実は既に、あるレジスタンスレベルにぶつかっている。
これは、5月2日の高値から、7月15日の安値を使ってフィボナッチの値戻しレベルを入れたものだが、現在銀行株指数が突破に苦労しているのは38.2%レベルだ。
(機会があれば、いつか説明しようと思うが、フィボナッチの専門家たちは2007年が終了した時点で、7月15日の安値を予測していた。)
ここで、ジェームズ・デポーレ氏(シャーク・アセット・マネージメント)を引用しよう。
金融市場は、最悪な事態から脱した、と判断した人たちが多いようだ。もちろん、その考え方が金融銘柄のラリーを作り上げたことは言うまでもない。問題は、このような強力なラリーが起きると、投資家はあまりにも楽観的になり、このラリーは下げ基調における単なる一時的現象である可能性を考えてみようとしない。
私自身、これが上昇トレンドに転換するサインかどうかは分からないが、金融市場を混乱させた要因がまだ存在する今日、やや懐疑的な目でマーケットを監視しようと思う。
「この上昇は続くだろうか?」というコラムに対して、marcusprattさんは、こんなことを掲示板に書き込んでいる。
1、今日のインフレは、ここ27年間で最悪だ。
2、住宅市場は相変わらずスランプ状態だ。
3、失業率が悪化している。
4、自動車産業、金融業界、航空業界は相変わらず難問が山積みだ。
5、貿易赤字は全く下がる気配が無い。
6、その他にも、まだまだ悪材料はある。
(情報源: http://www.usatoday.com/money/markets/2008-07-17-stocks-thursday_N.htm
http://www.thestreet.com/p/rmoney/revsharkblog/10427577.html 注:これは有料サイトです)
株の話、経済の話、何の話だろう?
米証券取引委員会(SEC)は、不安定な金融市場を考慮して、7月21日から7月29日まで、19の金融銘柄空売りを制限すると発表した。更に、証券取引委は、空売りの制限を株式市場全体に適用することも考えているという。
下記が、空売りが制限された19銘柄だ。(Daiwa Securities Group Inc 大和証券の名前も見える。)
実際に発表された、証券取引委からの文書を読んでみると、空売りを制限する理由の一つとして、破綻したベアー・スターンズ(投資銀行)が挙げられている。極めて簡単に要点を言えば、証券取引委は、ベアーを経営危機に陥れたのは、空売りの責任だと結論している。
ダグラス・マッキンタイア氏(247wallst.com)を引用しよう。
空売りは、投資家が利用できる有効な一手段だ。企業の経営陣は、株価を上げるために全力を尽くす。売り手(空売り)が暴き出すことは、王様は裸だ、という事実だ。
今回の措置は、マスコミ、投資家、そしてアナリスト達に影響を与えるのは売り手(空売り)であり、買い手にはそのような影響力は無いと仮定している。正に、武器を持っているのは一方だけだ、というわけだ。
ファニーメイ、そしてメリルリンチが問題を抱えていることは事実であり、ウソや作り上げられた話ではない。売り手がしていることは、経営陣の間違いに気付き、株を空売ることで利益を得ようとすることだ。空売りを制限することは、単に買い手を優勢にさせるだけにすぎない。
空売り制限期間は、7月21日から7月29日までと限定されているが、証券取引委は延長される可能性があることも付け加えている。
米証券取引委員会のマーク
(情報源: http://www.sec.gov/news/press/2008/2008-143.htm
http://www.sec.gov/rules/other/2008/34-58166.pdf
http://www.247wallst.com/2008/07/damaging-the-ma.html)