Pending home sales indexという指数がある。米住宅保留指数、 中古住宅販売保留指数、または住宅販売保留指数などと訳されているが、ようするに販売契約が結ばれているだけで、まだ所有権の移転が終了していない住宅数のことだ。
二年ほど前になるが、ダニエル・ソリンという人が、「The Smartest Investment Book You'll Ever Read: The Simple, Stress-Free Way to Reach Your Investment Goals」という、とても長い題名の本を書いた。意訳すると、「最も賢い投資方法、ストレス無しでゴール達成」ということになる。
経済が低迷する今日、ソリン氏はこんなアドバイスをしている。
・近くて便利、長いつきあいになる、といった理由だけで、一つの銀行に全財産を預けないこと。これは、ソリン氏の説明を聞かなくても理由は分かる。ここ数週間で、アメリカでは、3つの銀行が倒産している。
・持ち株を全て売って、マーケットが底を打つのを確認する!?言い換えれば、感情的な投資をするのではなく、状況に合わせて、ポートフォリオを調整することが大切だ。
・徹底的に叩かれた株を買う。日本流に言えば、「人の行く裏に道あり、花の山」、ということになる。最近の例で言えば、金融不安で大きく銀行株が下げた後、アナリストたちは口を揃えたように銀行株の売りを推奨した。もちろん、逆に言えば、アナリストが買いを奨める株は割高だ。
8月7日、ソリン氏は、こう書いている。
「原油が急騰すると、アナリストたちは、一斉にエネルギー株の買いを推薦する。そして、最近の原油価格下落で、エネルギー株は終わった、と態度を一変させる。こんな人たちの言うことを聞く必要はない。彼らは、何も分かっていないのだ。」
・ガソリンを節約する、という理由だけで、わざわざ高いハイブリッド車を購入する必要はない。普通の燃費の良い小型車で、十分ガソリンは節約できる。
・損を一回の投資で挽回しようとしないこと。そんな一か八かのやり方では、必要以上に大きなリスクを背負い込むことになり、先ず成功することはありえない。
・401K(企業年金制度)だからといって、安全なものばかりに投資しないこと。老後の生活を考えれば、適切な資金を株に割り当てることが重要だ。
ソリン氏\n
(情報源: http://www.walletpop.com/recession/12-things-not-to-do-now
http://www.bloggingstocks.com/2008/08/07/dumb-money-move-5-buy-some-stocks-that-have-fallen-dramaticall/)
7月中旬の安値は再テストされるだけでなく、マーケットは高い確率で、そこを割ることになるだろう、とスタンダード・アンド・プアーズ社のアナリスト、マーク・アーベター氏は言う。氏の意見を、数行で要約するとこうなる。
ジェット燃料価格が、ここ1年間で約2倍になってしまったのだから、航空券が値上がっても仕方ない。しかし、実際に数値を比較してみると、今年の夏休み家族旅行は一般家庭にとって大きな出費だ。
路線
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航空会社
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2007年7月
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2008年7月
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上昇率
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ダラス/マイアミ
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ユナイテッド航空
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128ドル
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413ドル
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223%
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ラスベガス/ロサンゼルス
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アラスカ航空
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118ドル
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308ドル
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161%
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シカゴ/ラスベガス
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コンチネンタル航空
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164ドル
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424ドル
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159%
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ホノルル/ロサンゼルス
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コンチネンタル航空
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370ドル
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897ドル
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142%
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デトロイト/ニューヨーク
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ユナイテッド航空
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176ドル
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418ドル
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138%
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シカゴ/デンバー
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コンチネンタル航空
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152ドル
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348ドル
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129%
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ロサンゼルス/ワシントン
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コンチネンタル航空
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272ドル
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578ドル
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113%
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(2007年7月と、2008年7月の割安往復航空券の比較、データはFareCompare.comから)
こんな状況だから、消費者たちは、旅行計画の変更を余儀なくされている。
・ティファニー・ウエストさん(ワシントン州在住): 5月、夫といっしょにハワイへ行く予定だったが中止した。いつも500ドルから700ドルで往復航空券を買うことができたが、今年は1000ドルだ。
・Travelocityによれば、今年の夏は、航空料金の高いロンドン、パリ、ローマへの旅行客が減り、ブエノス・アイレスのような中央アメリカへの旅行に変更する人が増えている。
掲示板は、悲観的、そして冷笑的な書き込みが目立つ。
・「飛行機での旅行は、金持ちだけの特権になってしまうかもしれない。」 BishopKingPawnさん
・「アメリカは第3世界の一員になってしまった。第3世界の国家で、自由に好きなことをできるのは金持ちだけだ。」 Fockomunchさん
・「こんなことになってしまったのは、新油田の開発を許さなかった、米国政府の責任だ。」 nateusaさん
・「家族に不幸があったため、ニューヨークからカリフォルニアに行かなければならなかったのだが、あまりにも高い航空券に驚いた。それに、機内でのサービスも悪い。今回は、こういう事情だったから仕方ないが、次からはよく調べてから航空券を買いたいと思う。」 Vetnam66さん
・「空の旅が金持ちの特権になることは良いことだ。そうなれば、庶民が飛行機に乗らなくなるのだから、空の旅がまた魅力的になる。」 First Classさん
・「これで、良き昔の時代が訪れる。機内は混雑しなくなり、うるさい子どもたちがいなくなる。」 Supreme Judgeさん
・「過去10年間を振り返ってみると、飛行機の旅は、バスと全く変わりが無い。下層階級の人が飛行機を利用できなくなるのだから、私は、この高い航空料金が継続することを願う。」 Patriot Jeffさん
・「本当の金持ちは、大衆といっしょに飛行機など乗らない。彼らは私用のジェット機を所有している。」 The Melting Way さん
混雑する空港
(情報源: http://www.usatoday.com/money/industries/travel/2008-08-03-fares_N.htm)
これは名案だ、これは行ける、と笑った人が多かったことだろう。今朝のデービッド・ワイドナー氏のコラムなのだが、要点を紹介する前に、先ず簡単に状況の復習をしておこう。
2007年12月20日、ビジネス・ウィーク誌は、2008年度のマーケット予想と、お気に入り銘柄をアナリストたちから聞いている。途中結果を見る前に、先ず、二つの数値を記しておこう。
・ダウ指数(2007年12月31日終値): 13264.82
・S&P500指数(2007年12月31日終値): 1468.36
ウィリアム・グレイナー氏(UMBファイナンシャル)
・2008年ダウ指数終値予想: 14400
・2008年S&P500指数終値予想: 1520
・お気に入り銘柄: スターバックス (2007年12月31日終値 $20.13、 2008年7月25日終値 $14.12)
「2008年の前半は、経済成長速度の減速で、マーケットは低迷することになるだろう。しかし、低金利や季節性(大統領選挙の年)などが原因となって、後半のマーケットはラリーを展開する。」
トビアス・レブコビッチ氏(シティグループ)
・2008年ダウ指数終値予想: 15100
・2008年S&P500指数終値予想: 1675
・お気に入り銘柄: 金融株 (金融セクターに投資する上場投信、XLFで見てみよう。 2007年12月31日終値 $28.93、 2008年7月25日終値 $20.87)
大きく叩かれた金融株以外では、小売銘柄の買いを、レブコビッチ氏は奨めている。
ジェーソン・トレナート氏(ストラテガス・リサーチ・パートナーズ)
・2008年ダウ指数終値予想: 15150
・2008年S&P500指数終値予想: 1680
・お気に入り銘柄: ハイテク株 (ハイテク株に投資する上場投信、XLKで見てみよう。 2007年12月31日終値 $26.66、 2008年7月25日終値 $22.36)
「ドル安環境ではハイテク株が最も有望だ。」
バーニー・シェーファー氏(シェーファーズ・インベストメント・リサーチ)
・2008年ダウ指数終値予想: 15300
・2008年S&P500指数終値予想: 1700
「連銀の積極的な金利引下げが、株、個人消費、経済成長に好影響となるだろう。更に、ドル安は多国籍企業の利益に好結果をもたらす。」 シェーファー氏は、資金の80%を株に割り当てることを奨めている。
デービッド・ビアンコ氏(USBインベストメント)
・2008年ダウ指数終値予想: 15250
・2008年S&P500指数終値予想: 1700
・お気に入り銘柄: オラクル(2007年12月31日終値 $22.58、 2008年7月25日終値 $20.95)
海外の経済スランプは、米国以上に厳しいことを予想するビアンコ氏は、大型米株投資を奨めている。
(情報源: http://www.businessweek.com/magazine/content/07_53/b4065044241066.htm
http://www.crossingwallstreet.com/archives/2008/07/what_did_expert.html)