「いくらなんでもここまで悪いとは、、、」ゼネラルモータースの決算発表に投資者たちは失望の色をかくせない。一株収益は3セントが見込まれていたが、結果はなんと予想を59セントも下回る56セントの損失だ。発表後のコンファレンスコール(電話での説明会)で会社側は、7月の売り上げは順調であること、また配当金を減らす計画はないなどのコメントをし、投資者たちを安心させようと懸命だ。
ニュースがニュースだっただけに、ゼネラルモータースは窓(ギャップ)を開けての下げで取り引きが始まった。しかし、往々にしてあることなのだが、今のところマーケット開始ベルと同時に投げた人たちが後悔する展開になっている。売り物が殺到するからといって、ニューヨーク証券所のスペシャリストたちは株の取り引きを停止させるわけにはいかない。それならいっそのこと思い切り安く寄り付かせて、需給バランスを速く回復させた方が得だ。
それではゼネラルモータースの日足チャートを見ていただこう。
まだマーケット終了までしばらくあるが、順調な反発ぶりが分かっていただけると思う。それにしても、ゼネラルモータースはとても面白い位置で取り引きが開始された。赤い線は200日移動平均線なのだが、ここで少しこの移動平均線について触れておこう。
アメリカには「200日移動平均線の上にブルが住み、200日移動平均線の下にベアが住む」という有名な言葉がある。ブルは「強気」ベアは「弱気」を代表するが、投資をする場合この移動平均線の下にある株を買ってはいけない、と信じる人たちが多い。またミューチュアルファンドなどの投資信託も、この移動平均線以下にある銘柄に手を出すことはめったにない。見てのとおりゼネラルモーターはブルとベアの境界線で寄り付いただけでなく、さらに御丁寧なことに、上昇するトレンドラインまで重なっている。今朝のニュースでは買えないが、テクニカルなら買えたというわけだ。
もう一つ付け加えておこう。慎重な人たちは二日前の陰線を見て売り逃げたはずだ。最近の高値を瞬時更新したが、けっきょく嫌な尻尾を作って失速してしまった。まさに弱気な「塔婆」に似た形が出来てしまったわけだ。