スカイプと言えばインターネット電話会社だが、この買収を狙ってイーベイが本格的に動き出した。買収価格は41億ドルと推定されているが、早くもイーベイはウォールストリートで笑いの種になっている。ルクセンブルグに本拠地を置くスカイプだが、2004年度の売上高は米ドルに換算すると約700万ドルだった。こんな会社に、イーベイは41億ドルまで払おうというのだから、正気の沙汰ではないと思われても仕方ない。
スカイプがイーベイの収益上昇に結びつくかは分からないが、インターネット電話の専門家、ジェフ・プルバー氏はこんな見方をしている。「イーベイで買った品物は、ペイパルを通して代金の支払いが行われますが、スカイプの買収が実現すると、イーベイは次世代のロイターになる可能性があります。」
次世代のロイター?意味不明な表現だが、コリン・バー氏(ザ・ストリート・ドット・コム)はこう皮肉る。「ロイターといえば、度重なるコスト削減にもかかわらず、ここ4年間まったく利益の無い企業です。最近2年間では20%ほど社員を減らしましたが、その効果はまだ見ることができません。株価は2003年の安値から回復ラリーを展開しましたが、5年前と比べれば、まだ半分以下です。」41億ドル、高い買い物になりそうだ。
高くつくのはハリケーン・カトリーナの後始末だが、保険会社は保険金の支払いに積極的でない。雨や暴風が原因なら問題ないらしいが、洪水での家屋破損は保険の対象外になる、というわけだ。「ケシカラヌ!」、と叫んだかどうかは知らないが、ミシシッピ州検事総長事務局のジム・フッド氏は保険会社5社を訴えた。告訴されたのは、オールステート、ステートファーム、ネーションワイド、USAA、そしてミシシッピファームビューローだ。
上記したように、雨や風が引き起こした被害なら、保険金は間違いなく支払われる。ただ、ミシシッピ州の場合、洪水保険は州政府が用意していた。暴風雨が堤防を破壊し、それが洪水となって多数の家屋を襲ったわけだが、保険会社から見れば、これは明らかに洪水の被害であり雨や風が直接原因ではない。しかし、州政府や家屋を失った人々は、「風津波が引き起こした災害だから、これは風が原因。だから保険対象になる」、と主張する。どちらにしても法廷で決着をつけることになるが、はたして被害者たちは判決が出るまで待てるのだろうか。