バリー・リットホルツ氏(ritholtz.com)は、こんなことを指摘している。
・ブラック・フライデイ(クリスマス・セールの始まる金曜は、ブラック・フライデイと呼ばれている)の売上高は、小売業界に友好的な団体によって用意されるため、実際の売上高より多めに報告される傾向がある。(注: 報告される数値は、売上高を合計したものでなく、単に意見調査をまとめただけ。)
・上の事実を知らないジャーナリストは、間違った報道をしてしまう。
ウォールストリート・ジャーナルの記事に関して、リットホルツ氏は、こう述べている。
週末の売上は予想以上に良かった、と報道されているが、これは3370人の買い物客に対して行われた、全国小売連盟による意見調査だ。この調査によれば、週末の買い物平均額は372ドル57セントにおよび、去年の同時期を7.2%上回った。
問題は3つある。
1、全国小売連盟は、小売業界の応援団的存在であり、偏見の無いデータを期待することはできない。
2、クリスマス・ショッピングに、どれくらいの金額を使う予定ですか、と聞かれても、正確に予想できる消費者は少ない。更に、意見調査の質問も、小売業者に都合の良い回答が得られるように作られている。
3、記事のヘッドラインと、本文が矛盾している。
リットホルツ氏は、こんなことも付け加えている。
他紙、例えばニューヨーク・タイムズは、 全国小売連盟が合計した週末の小売売上高という表現を使っているが、これも適切な報道ではない。繰り返しになるが、全国小売連盟が発表したのは意見調査結果であって、実際の売上高を総計したものではない。
ということで、全米不動産協会からのデータには気をつけなければいけないように、全国小売連盟からの発表にも注意が必要だ。
(参考にしたサイト: http://www.ritholtz.com/blog/2008/12/spinning-black-friday-retail-sales/ )