「私は米株を買っている」、という著名投資家ウォーレン・バフェット氏のコラムが発表されてから、約一カ月が過ぎた。その間、S&P500指数は更に14%の下落となり、超強気な人たちもいよいよ心配になってきた。
ドナルド・コックス氏(BMOファイナンシャル・グループ)は、先日のレポートで、こんな見方を発表している。
1、現時点で、株を売るのは既に遅すぎるが、まだ積極的に買うことはできない。今できることは、かなり割安になったと思われる銘柄を、試しに拾ってみる程度だ。将来、例えば2年後、今日のマーケットを振り返ってみると、こんなに株が安かったのだ、ときっと驚くことになるだろう。
2、本格的に買う時が訪れたら、金融危機を乗り切った銀行や他の金融株を中心に投資したい。世界的に経済が上向きになれば、異常なレベルまで売り叩かれた金融銘柄が、大きく伸びることだろう。
3、金融銘柄だけでなく、商品市場に関連した銘柄も買いだ。短期間で、予想以上に大きく下げてしまった商品市場だから、これも世界経済が回復してくれば上昇基調に戻る。とにかく、現在の商品価格は、かなりの売られ過ぎレベルまで下げている。
4、株の買いチャンスを待っている間に、優良企業の社債を買っておく手もある。株式市場が上向きになれば、売り叩かれていた社債も上昇が始まる。
5、金融株、商品関連株の他には、主要企業に技術や製品を提供しているハイテク株も狙いたい。景気回復の兆しが見えてくれば、とうぜん企業は設備投資をすることになるから、これらの銘柄も買われる筈だ。
6、鉄道銘柄にも注目したい。不景気の影響で、たしかに収益が落ちていることは事実だが、最近の大幅なエネルギーコストの減少は鉄道株にプラス要素だ。
7、金に投資した人たちは、かなり失望していることだろう。世界的な景気後退で、デフレ危機を唱える人たちが現れている今日、やはり金は避けられてしまう。逆に言えば、デフレ心配が消え去れば、金に人気が戻ることだろう。
慌てずに、次の買いチャンスを待つ、というコックス氏の姿勢が明らかだが、氏はこういうことも書いている。「金融市場を襲った大地震が、これほど長く続くとは、全く予想することができなかった。しかし、この恐怖と混乱の時世は、そろそろ終了するだろう。」
ドナルド・コックス氏