衰退するデトロイトの三大自動車メーカーを、公的資金を使って救済する必要は無い、と「裸の経済学者」のニックネームで知られるチャールズ・ホウィーラン氏は言う。理由は五つある。
・過去40年間、自動車メーカーは競争に勝ち抜いていけるだけの性能を備えた車を製造することを怠り、更に極めて非協力的な労働組合が効率的な自動車製造を不可能にしている。
・破産は悪い選択ではない。連邦破産法第11章の適用を申請することで、会社の体力を弱らせている労働契約、年金債務から逃れることができる。その結果、体質の改善が早くできるようになり、自動車業界への復帰が可能になる。もちろん、労働組合問題が解消されれば、三社が合併して巨大自動車会社の誕生というシナリオも有り得る。
・デトロイトの自動車産業を救うことは、米国消費者の生活を向上させることになるだろうか?言うまでもなく、救済資金の直接的な恩恵を受けるのは経営陣、社員、そして実際に工場で働く人々だ。例えば、大手銀行の破綻は様々な連鎖反応を引き起こし消費者に直接的な被害を与えるから、公的資金を使って救う意味はある。しかし、自動車会社の破綻は、そのような致命的な打撃になることは無い。
・現実を考慮すれば、デトロイトは燃費の良い小型車の生産に力を入れるべきだったが、自動車メーカーのしたことはロビイストを積極的に使って日本や海外からの自動車輸入制限をするという政治的解決だった。こんな有り様だから、当然新モデルの開発に力を入れることなどなく、要するにデトロイトの自動車メーカーは最悪な企業市民だ。
・オバマ新政権の最初の仕事がデトロイト救済では、国民が大きな失望をすることになる。
掲示板を見てみよう。
「三大自動車メーカーの救済を正当化するには、政府は全ての無能な企業も救う必要がある。もし、三大自動車メーカーを救って、他の同様な企業を見捨てるなら、それは単なる政治的配慮だ。長年にわたり、自らの手で会社を弱らせた企業など救済する意味は無い。」 Yahoo! Finance Userさん
「国民の税金を無能な経営陣、そして欲の深い労働組合を救うために使われるのは、決して許されるべき行為ではない。」 l3titanさん
「数年前、フォードの工場を見学した。ある作業員だが、彼のしていることは工具を使ってネジを締めるだけ。これだけのことなのだが、年収は7万ドル(約678万円)もある。こんな会社を、国民の税金で助けるのは間違っていると思う。」 attaboy_luther_etal さん
「破産は辛いことだと思う。しかし、そうしなければデトロイトが世界で競争できる企業には変身できない。」 Eyeballさん
(情報源: http://finance.yahoo.com/expert/article/economist/122606;_ylt=AljMZVey7vVxcyUQJN1bYmu7YWsA)