ジム・クレーマー氏は、金曜の「マッド・マネー」で、こう語っている。
GMの経営状況が、日に日に悪化しているのは誰でも知っていることだ。それに、政府が数十億ドルという救済資金をGMに貸しても、GMには返済能力が無いことも誰もが承知している。しかし、GMを破綻させてしまえば、それは米国経済に大きな悪影響を与えることは明らかだ。
GMの倒産は、単にGMが潰れるだけでなく、それに関連した企業の破綻を引き起こし、結果的に数百万人の失業者を生むことになる。そんなことになれば、ただでさえ冷え込んでいる個人消費が更に大きく落ち込み、ダウ指数は2000ポイントを超える下げになるだろう。
次期大統領のオバマ氏(民主党)、そして、議会の過半数を占める民主党議員はオバマ氏支持だから、GMが救済資金を受け取ることは、ほぼ間違いないのだが、やはり実際に可決されるまでは不安になる投資家が多い。そこでクレーマー氏は、こんな提案をしている。
はっきり言って、たとえ政府がGMの救済を決めたとしても、どう救済するのかという詳しい内容は現時点では分からない。投資家にできることは、政府からの決定を待って、今の段階では何もしないこと。または、ニュースが発表される前に持ち株を処分してしまうこと。どちらにしても、政府がGMを救済する、というはっきりした態度を示すまでマーケットに戻ることはできない。
最初に記したように、約半分の人たちは、GM救済に反対だ。救済反対者の一人、ラリー・マクドナルド氏(canadianbusiness.com)は、こう述べている。
国民の税金を使ってGMを救ったとしても、高い生産コストが改善されることはなく、GMの競争力が強化されることはない。要するに、今ここでGMを救済することは単なる短期的な対策であり、長期的な問題解決にならない。
GMにとって、そして米国消費者にとって一番良いのは、GMが連邦破産法第11章の適用を申請することだ。そうすることで、GMは極めて高い労働コストから解放され、会社再建に向けて一からやり直すことができる。
政治的に見れば、ここでGMを破産させるのは適切な措置ではない。もしGM救済が議会で可決するなら、労働組合は現状を正しく把握して、経営陣から要求されている労働コスト削減計画を受け入れる必要がある。世界の人々が厳しい経済状況に直面する今日、GMだけを特別扱いするのは理解できない。
(ジム・クレーマー氏)
(情報源: http://www.thestreet.com/story/10448166/1/cramers-mad-money-recap-nov-14.html?puc
http://seekingalpha.com/article/105960-better-to-let-automakers-go-bankrupt)