オッサン、といった感じのフィーハン氏だが、木曜のブログでこう語っている。(動画だから、書いているのではなくて、本当に語っている様子を見ることができる。)
「頭の切り換えをしなくてはいけない。投資家たちは、ベアマーケットという見方に固執してしまっているが、マーケットは底を打ったと思う。ブレイクアウトは時間の問題だ。」
更に氏は、買い候補として二銘柄を挙げ、実際にチャートを見ながら、なぜ買いなのかを簡単に説明している。下は候補の一つ、First Marblehead Corp. (FMD)の日足チャートだ。
(木曜の終了時点 終値1ドル41セント)
50ドル、100ドルといった株価に慣れている人には、この株価を見ただけで嫌になってしまうと思うが、First Marblehead Corp. (FMD)はニューヨーク証券取引所に上場されている。
繰り返しになるが、氏はチャートを使って、なぜ買えるのかを説明したわけだから、収益などのファンダメンタルズは全く考慮していない。しかし、これだけダウントレンドがハッキリした株が、どうして買い候補なのだろうか?
・先ず、明確なサポートレベル(1)が出来ている。
・買いパターンである、上昇トライアングル(3)が形成されている。
・買いは、木曜の終値(1ドル41セント)近辺。目標株価は4ドル50セント(2)。損切りはサポートレベル割れ(1ドル17セント)。
ということで、翌日金曜、この株を追ってみた。
(10分足)
・金曜の寄付きはAの陰線。(もしフィーハン氏が有名人だったら、大きな窓を開けて、取引が始まったことだろう。)
・最初の30分間は何もなかったが、抵抗線(赤)を上放れたBの陽線の終値(1ドル56セント)で買い。
・思惑が外れて、抵抗線(赤 1ドル49セント)を割ってしまったら損切り。
・上昇するトレンドライン(青)を割った、Cの終値で利食い(1ドル71セント)。
単純計算すると利益は9.6%ほどになるが、言うまでもなく、買い材料になるようなニュースは発表されていない。それに、この株を追っているアナリストは3人だけだから、証券業界では全く注目されていない銘柄だ。
しかし、だからと言って、日足チャートを見た全ての人に、フィーハン氏のように上昇トライアングルが見えたわけではない。おそらく、ほとんどの人たちは、アップトレンドが明瞭にならなければ買うことはないだろう。
ここで、ラリー・ウィリアムズ氏の言葉を思い出した。「誰が見ても、明らかに買いだ、という時点での買いは遅すぎる。買いは、黄信号が青に変わる寸前にするべきだ。」
(情報源:フィーハン氏のサイトhttp://www.tradingwithtk.com/2008/10/picking-up-bargains-2-new-ideas-jbl-fmd.html)