ということで、原油と同様に、ここ数カ月間で大きく変わってしまったものを見てみよう。
・6カ月前、ガソリンや食品の例で分かるように、消費者を悩ませていたのは上昇する物価だ。悪質なインフレを警報するアナリストも多かったが、状況が一変してしまった今日、国際通貨基金は「インフレの危険は無い」という見方を発表している。
・半年前、アナリストたちは、たとえ米国経済が下向きになっても、新興市場の景気は衰えることは無いと主張していた。経済活動の主導権は、西側諸国からアジアへ移るという意見も出ていたが、5月以来、多くの新興市場の株は50%近い下げになっている。
・6カ月前、トレーダーの間では、商品市場のスーパー上昇サイクルが通説になっていたから、トウモロコシ、銅、小麦、と無差別に商品が買われていた。しかし、多数の商品が7月にピークとなり、450を超えていたCRB商品先物指数は現在260台だ。
・6カ月前、ドルは異常な下げ方を続けていた。2000年以来、ユーロに対してドルの価値は半減し、下落がストップする様子は全く無かった。しかし、顕著になったヨーロッパ経済の低迷で、最近ドルが大きく回復している。(対円は除く)
さて、ここで米国株式市場に関する話題に移ろう。
(チャート:ウォールストリート・ジャーナルから)
上は、今年4月1日から10月17日までの、ダウ指数の動きを示したものだ。青い線は、この期間中にダウ指数が実際に下落した27.81%を表し、赤い線は、取引時間の最後1時間での下げ幅(12.96%)が表示されている。
これが意味するのは、約半分に相当するダウの下げは、取引終了の1時間に起きているということだ。ドリーン・モガベロ氏(Mogavero, Lee & Co)は、こう語っている。
「膨大な量の取引が終了間際の1時間に殺到し、株価に大きな差が生じる、という現象が起きている。もちろん、マーケットの開始にも大量な取引が押し寄せるが、終了直前のような混乱は起きない。とにかく最近顕著なのは、大きな注文が終了間際に異常に集中することだ。」
そういえば、ジェイ・ユー氏(undergroundtrader.com)が、こんなことを書いていた。「デイトレーダーは、終了間際の1時間を避けるべきだ。特に、午前中の損を取り戻そうなどと考えているなら、尚更最後の1時間は避けなくてはいけない。」