「金融安定化法案が、だれのために可決されたかが分かっていれば、このニュースに驚くことはなかった筈だ。」 Nulliusさん
「全く考えられない恥ずべき振る舞いだ。」 FosterJPannさん
思ったとおり、掲示板は非難の声で溢れている。とにかく、報道された内容が内容だっただけに、これでウォール街のイメージは落ちるところまで落ちた、という感じだ。
10月18日(土)、ガーディアンは、先日可決した金融安定化法案の10%の金額に相当する、700億ドルのボーナスがウォール街で支給されるという記事を発表した。
そもそも、ボーナスというものは、功績をたたえるために支払われるものであり、単に一年間通勤したというだけの理由で支払われるものではない。
ご存知のように、サブプライム住宅ローン、不動産ローン担保証券などでウォール街の金融機関は膨大な損を出し、功績どころか失敗に失敗を繰り返し、けっきょく政府(国民)に救ってもらうことになった。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件のような事態なら、国民は一致団結して、被害者たちを助けようという気になる。しかし、今回のように、訳の分からない投資に失敗した金融機関を救済する金融安定化法案に対して米国民は極めて批判的だった。
「私のレストランが経営に行き詰まっても、政府は何もしてくれなかった。それなのに、ウォール街の肥った猫が困ったとなると、政府はさっそく莫大な資金の注入だ」、という言葉を何回聞いたか分からない。ただでさえ国民の金融機関に対する反感が強いときに、ウォール街の決めたことは700億ドルのボーナス支給だ。
もっと具体的な話をしよう。
10月7日、ABCニュースは、AIG(大手保険会社)の経営陣の豪遊ぶりを報道している。政府から850億ドルという桁外れな救済金を受け取った直後、AIGの経営陣は1週間におよぶ、カリフォルニアの豪華リゾートで休暇を楽しんだ。使った部屋代は20万ドル(約2035万円)、食費15万ドル(約1526万円)、それにマッサージ代なども加えると合計金額は44万ドル(約4477万円)を超える。
マーク・スーダー氏(下院議員)は、こう語っている。
「全く無神経な経営陣だ。彼らは、我々国民の金を無駄使いしたのだ。」
(AIGの経営陣が豪遊したリゾート)
(情報源: http://www.abcnews.go.com/Blotter/story?id=5973452&page=1
http://www.guardian.co.uk/business/2008/oct/17/executivesalaries-banking)