ファイヤ・セール(fire sale)という言葉がある。「焼け残り商品の特売」、というのが元々の意味になり、現在は「格安」、「割安」などを表現する言葉として使われている。
ウォーレン・バフェット氏は、「今こそ米株を買うべきだ」、と金曜のコラムで力説していたが、バフェット氏は割安株の投資で有名だ。言い換えれば、「ファイヤ・セール」されている銘柄を見つけるのが上手い、ということになる。当然ここで疑問になるのは、今日の米株は本当に割安なのだろうか、というものだ。
土曜のコラムで、ブレット・スティンバーガー氏は、こう書いている。
・S&P500指数の過去30年間の平均数値は、この指数を構成する全銘柄の帳簿価額を合計した2.4倍に相当する。
・2000年の天井では、S&P500指数は帳簿価額を合計した約5倍に達し、1982年の低迷するマーケットでは帳簿価額以下になった。
・現時点のS&P500指数は、帳簿価額を合計した1.5倍のレベルだから、ネッド・デービス・リサーチが指摘する1.2の割安レベルには達していない。
・しかし、トレーダーの立場から見れば、現在のマーケットは明らかに売られ過ぎであり、短期から中期にわたるラリーが展開されても全く不思議ではない。
・もし今日の金融危機が、本当に恐慌以来最悪のものなら、マーケットは長期的な底を打つ前に、S&P500指数は帳簿価額まで下がることになるだろう。これは破滅論ではなく、過去30年のマーケットで、我々が既に経験したことだ。
さて、バフェット氏は、どの株を買っているかについてはコラムで全く触れなかったが、ロイターの報道によると、バフェット氏は氏が指揮をとるバークシャー・ハサウェイが投資している株を買う傾向があるという。
先月、バークシャー・ハサウェイは合計で80億ドルをゼネラル・エレクトリック(GE)、そしてゴールドマン・サックス(GS)に投資した。ゴールドマン・サックスの投資は優先株が対象になり、10%の配当金が支払われる。更に、バークシャー・ハサウェイはゴールドマン・サックスのワラントも手に入れ、ゴールドマン・サックス株を割引で買う権利も獲得した。
チャールズ・ガイスト氏(マンハッタン大学教授)は、こう述べている。
「今日の投資家は、長期的にマーケットを見ることはない。ほとんどの人たちは、下げマーケットは直ぐに終わって、強烈な上げ相場が来ると思い込んでいる。しかし、長引きそうな不景気を考慮すれば、今回はそう簡単に株式市場が回復するとは思われない。」
バフェット氏
(情報源: http://news.yahoo.com/s/nm/20081017/bs_nm/us_buffett_stocks_2
http://www.comstockfunds.com/files/NLPP00000\030.pdf
http://seekingalpha.com/article/100533-fundamental-valuation-how-low-could-we-go?source=headline1)