市場の安定化を目的に実施された、金融銘柄空売り禁止が先週解除されたばかりだが、早速こんなことが提案されている。
不当な株価の下落を防ぐために、ニューヨーク証券取引所とナスダックは、20%を超える下げとなった個別銘柄に対して、3日間の空売り禁止を実施することを計画している。
この草案を支持するジョー・ラターマン氏(Bats Trading)は、こう述べている。(Bats Tradingは、米国で第3位の証券取引所)
「言うまでもなく、株価は市場で決定されるべきだが、投資家がパニックしている状態では、何らかの規制があったほうが好ましい。今回のナスダックとニューヨーク証券取引所からの提案は、十分に実現可能なものだと思う。」
解除された金融銘柄空売り禁止に関して、ウォールストリート・ジャーナルは、こう書いている。
「一般的な意見は、空売り禁止は単にマーケットを混乱させただけであり、予想されたような効果は無かった。」
振り返ってみると、金融銘柄空売り禁止に対して、ヘッジファンド・マネージャーたちはこう反論していた。
「売り手を規制しようという政府の措置は完全に間違っている。売りの対象となっている金融株をよく見てほしい。悪いのは、これらの金融機関の経営陣だ。彼らは、無謀な不動産ローン担保証券投資で膨大な損を出したわけだから、こんな企業の株が売り対象になるのは当然だ。」
ブルームバーグから引用しよう。
「969の金融銘柄の空売り禁止期間中、平均で金融銘柄は9%の下落となり、S&P500指数は15%の下げだった。ナスダックのデータを調べて分かることは、空売り禁止はトレードの妨げになり、株価の乱高下という現象を引き起こした。特に顕著だったのは、売値と買値の差が通常以上に広がり、投資家にとって株の売買コストが極めて割高になった。」
掲示板に、こんな書き込みがあった。
「20%を超える下げとなった株を3日間空売ることができないなら、SEC(米証券取引委員会)は、20%以上の上昇となった株の買いを3日間禁止するのだろうか?」 クリスさん
「この草案が、いかに馬鹿げたものであるかを、どうやったらSECに分かってもらえるだろうか?」 Natobassoさん
(情報源: http://online.wsj.com/article/SB122351280409217645.html?mod=googlenews_wsj
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=azAW6yfRS3Rc&refer=home
http://www.thedisciplinedinvestor.com/blog/2008/10/13/unbeleivable-more-stupidity-from-the-sec/)