米議会は、金融安定化法案を却下し、ダウ指数は700ポイントを超える大幅な下げとなった。
USA TODAYが週末に行った意見調査の結果:
・米国経済は既に不景気だ 36%
・米国経済は既に恐慌だ 33%
・米国経済の成長速度が鈍っている 27%
驚くことは、現実離れした「恐慌」という言葉を使って現在の米国経済状態を表現する人たちが33%もいることだ。(調査は1011人の成人が対象になった。)
アーウィン・ケルナー氏(経済学者)は、こう語っている。
最近の報道で顕著なことは、「恐慌」という言葉が繰り返し使われていることだ。現在の米国経済に、「恐慌」という言葉は全くあてはまらない。もちろん、現状を楽観視しているわけではないが、30年代と現在を比べてみよう。
・1929年の暴落では、ダウ指数は2カ月間で40%の下落となった。現在、ダウは22%の下げ。
・1933年、失業率は25%の高レベルに達した。現在の失業率は6%を少し超えた程度。
・30年代の恐慌では、GDPが25%もマイナスになった。現在のGDPは+3%。
・恐慌時代、住宅価格は30%を超える下げになった。現在、住宅の下げは約16%。
・現在、消費者物価指数は、まだ上昇が続いているが、恐慌時代、消費者物価指数は30%ほど下落した。
・1934年、約40%の人たちが、住宅ローンの支払いが不可能になった。現在この数値は4%。
・30年代、9000を超える銀行が破綻した。最近2年間で破綻した銀行数は20未満。
それでは、USA TODAYの意見調査結果を、もう一つ見てみよう。
・大きな買い物を中止した 15%
・大きな買い物を延期しようと思っている 14%
現在、iPhoneでお馴染みのアップル株が10%を超える大幅下落になっているが、実は上記の理由で格下げされている。格下げを発表した本人、マイク・アブラムスキー氏(RBCキャピタル)によると、アップル社のコンピュータを向こう90日以内に買う予定は無いと回答した人の数が、2.5年ぶりの大幅上昇になったということだ。
クリスマスシーズンを控え、小売業者は、ますます頭が痛い。
(恐慌時代の風景 写真:AP)
(情報源: http://www.usatoday.com/money/economy/2008-09-28-poll-depression_N.htm