会社の経営内容を、一番よく知っているのはインサイダーだ。必ず上がるという保証は無いが、内部情報に詳しい彼らが、自らの資金を使って、自社株を買っているという情報は興味深い。月曜に受け取ったばかりのビッカーズ・ウィークリー・インサイダー・レポートによれば、インサイダーたちは1株の買いに対して、たったの1.3株しか売っていない。更に、ここ8週間の平均は1株の買いに対して1.69株の売りだから、インサイダーたちは強気だ。(注:通常この数値は、2対1から2.5対1の割合で売り株数が優勢になる。)
それでは7月の様子を見てみよう。ダウが安値をつけた週、比率は買い1株に対して1.38株の売りだった。そして、その時点における8週間平均は、1株の買いに対して1.63株の売りだった。言うまでもなく、これらの数値は現在の数値と同様に、強気なインサイダーを表している。
ここで強調したいのは、7月のようにインサイダーが強気だったのは、かなり前までさかのぼった、2000年から2002年のベアマーケットが終わりに近づいている頃だった。
インサイダーが強気でも、実際にこれがマーケットに反映されるには、約12カ月の時間がかかる。言い換えれば、今日の強気なインサイダーのデータが、マーケットの方向に現れるのは今から1年後になる。
このコラムの下は掲示板になっているのだが、批判的な書き込みが目立つ。2、3、見てみよう。
・「インサイダーたちは、良き時代は永遠に続く、という単なる妄想に取り付かれているだけだ。」 lax20cosさん
・「マイケル・ブラッシュ氏(金融コラムで有名)によれば、インサイダーはヘッジという手段を使って、持ち株を処分することができる。SEC(証券取引委員会)には、ヘッジとして登録されるだけだから、大衆にはインサイダーが売ったということは分からない。ということで、インサイダーの売買動向など信頼できない。」 F-T-Analysisさん
・「この混乱した今日のマーケットで、現在の下げを単なる下げと思っているインサイダーは何も分かっていない。」 bertoさん
・「インサイダーが強気でも、数カ月後に、いったい誰が株を買うのだろうか?とにかく、こんな経済状態だから、中産階級の人々には株を買う金など無い。」 sorbonneさん