明らかに、この報道が意味することは、数週間前まで存在していたウォール街の消滅だ。銀行持ち株会社に変身することで、両社はSEC(証券取引委員会)だけに監視されるのではなく、今後は他の政府機関からも取り締まりを受けることになる。
ニューヨーク・タイムズは、こう書いている。
これからのゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、市中銀行のような形で営業することになる。この結果、両社には、より多くの資本準備金が義務付けられ、以前のようなリスクの高い投資をすることができなくなる。
長年にわたり、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、ウォール街の憧れの的だった。外部からの制約を受けず、豊富な自社の資金を使い、高リスクな投資で膨大な利益を上げた。更に、企業の合併や買収、大企業の資産管理、とにかく両社の華やかな活躍は、いつも経済紙の一面を飾った。
しかし、金融ブーム時代に作られた難解な証券(一例は不動産担保証券)のおかげで、投資家は両社を信用することができなくなった。顧客たちは、相次いで口座から資金を引き出し、難解な証券の価格は暴落し、ついに証券業界を絶滅の危機に追いやる結果になった。
まだ議会を通過していないが、ブッシュ政権は、7000億ドルにのぼる金融機関救済案を発表した。これが承認されれば、金融機関が抱える多額の不良不動産担保証券を政府が買い上げることになるのだが、肝心な二つのことが明記されていない。
1、米政府は、一体いくらでこれらの不良不動産担保証券を買うのか?
2、具体的に、何月何日から買うのか?
7000億ドル、全く桁外れの膨大な金額だが、リットホルツ氏の掲示板にこんな書き込みがあった。
現在の時価総額を考慮すれば、7000億ドルもの金があれば、米政府は下記の金融機関を買収することができる。
・American Express
・Citi Group
・General Motors
・JP Morgan Chase
・Morgan Stanley
・Wachovia
・Goldman Sachs
・Bank of America
・Ambac
・Washington Mutual
・Wells Fargo
(情報源:http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008092200254&j1&m=rss
http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/09/the-paulson-pla.html)