イギリス、アメリカ、そして週末、もう一国がこのリストに仲間入りした。9月19日(金)、米国マーケット終了後、カナダ政府は10月3日まで金融株の空売り禁止を発表した。下記が対象になる13銘柄だ。
Aberdeen Asia-Pacific Income Investment Company Ltd. (FAP)、Bank of Montreal (BMO)、Bank of Nova Scotia (BNS)、Canadian Imperial Bank of Commerce (CM)、Fairfax Financial Holdings Ltd. (FFH)、Kingsway Financial Services Inc. (KFS)、Manulife Financial Corp. (MFC)、Quest Capital Corp. (QC)、Royal Bank of Canada (RY)、Sun Life Financial Inc. (SLF)、Thomas Weisel Partners Group Inc. (TWP)、Toronto-Dominion Bank (TD)、Merrill Lynch & Co, Canada Ltd. (MLC)
投資銀行業界で働くジョン・リー氏は、こんな感想を書いている。
次は、どの国が空売り反対運動に参加するのだろうか?全体的に見れば、空売りをする人たちは少数派であり、現在の金融危機を生み出した犯人ではない。空売りを禁止することは、世界の金融市場に大きな悪影響を与えることになるだろう。
空売りは、株式市場に欠かせない重要な流動性をマーケットに与える。特にベアマーケットの状況では、マーケットの一時的な底付近で、一斉に売り手たちが空売った株を買い戻すから、大衆に安心感を与える短期ラリーという現象が起きる。
下げ相場では、多くの投資家の持ち株に損が出ているから、更に株を買い足そうなどという気にはなれない。これでは買い手が不在になり、マーケットは下げる一方になってしまうが、空売りの買い戻しラリーが一直線の下げを防ぐ。
イギリス、アメリカ、カナダの空売り禁止令は、世界にどんなメッセージを送る結果になっただろうか?三国の行ったことは、市場のファンダメンタルズ、テクニカル要素を無視しただけでなく、自分たちの好き勝手にマーケットを操作しただけだ。
人気ブロガー、「トレーダー・マイク」が、こんなことを指摘している。
「さっそく、米証券取引委員会(SEC)によって、空売りが禁止された799の金融銘柄リストを見てみた。驚くことに、このリストには、金融株に投資する上場投信が含まれていなかった。」
ということは、金融上場投信の空売りは可能なのだろうか?ジョン・ガブリエル氏(モーニングスター)を引用しよう。
「政府は、金融株に投資している上場投信の空売りは禁止していない。だから投資家は、Financial Select Sector SPDR (XLF)、そしてUltra Financials ProShares (UYG)を空売ることができる。」
もちろん、金融上場投信も、空売り禁止リストに加えられるのは時間の問題かもしれない。
(SEC)
(情報源: http://weeklyta.blogspot.com/2008/09/global-war-against-shorts.html
http://news.morningstar.com/articlenet/article.aspx?id=253823&pgid=rss)