大引けまで約3時間。ダウ、ナスダックとも2%を超える大きな下げだ。新学期セールの売上が予想以上に悪かった、失業保険申請者数が跳ね上がった、と悪いニュースばかりが報道される中、空売りで有名なダグ・カシュ氏が強気な見方を発表した。
早速、氏が指摘する、いくつかの点を見てみよう。
・商品、特に原油、天然ガス、ガソリンなどのエネルギー関連商品の価格が大きく下がっている。これは減税と同じ効果があるから、個人消費に好影響となる。
・上記した商品価格が下げたところで安定すれば、心配された企業利益が受けるダメージが軽減され、これが株式市場の良い追い風になる。
・原料価格の下落、それに賃金インフレも存在せず、問題になっていた急騰する物価も、おそらく天井を打ったことだろう。
・マスコミは、副大統領候補に指名された、サラ・ペイリン氏(共和党)を過小評価している。昨夜のペイリン氏の演説はホームランだ。11月の本選挙に向けて、ペイリン氏は、マケイン陣営を引っ張る大きな力になることだろう。
・現在の米国経済を考慮すると、次期大統領は、減税などを実施して経済刺激策を優先させることだろう。
・金融問題の中心点となった住宅市場も、底打ちの兆しが見え始めている。どんな速度で回復するかは分からないが、住宅価格の下落に関しては、あと6カ月から9カ月で終わる可能性がある。
・ここ数年間、ヘッジファンドが、買いに対してこれほど消極的になったことはない。
正に売りの専門家が、「強気になれ!」と投資家に発破をかけているわけだ。カシュ氏は、最後にこう記している。
「金融危機、借金だらけの消費者、ガタガタなヘッジファンド業界、世界的に低迷する金融機関、低下する企業利益、と現状には難問が多数ある。もちろん、私は、それらを無視しているわけではない。しかし、現在の株価は、ほとんどの悪材料が既に織り込まれたようだ。トンネルの向こう側に見える光は幻ではないと思う。それよりも、まだトンネルの中にいる、という考え方が間違っているような気がする。」
(サラ・ペイリン氏) (写真:http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7588542.stm)
(情報源: http://biz.yahoo.com/ap/080904/wall_street.html
http://www.thestreet.com/story/10435762/1/kass-im-sprouting-bull-horns.html)