ここ17年間で最悪のインフレ、というセンセーショナルな報道に影響されたかのように、マーケットは下げでスタートを切った。S&P500指数に連動する、スパイダー(SPY)の5分足チャートを見てみよう。
Aで分かるように、マーケットはギャップダウンで開始となったが、見てのとおり簡単に回復してしまった。報道されたように、そんなに悪い消費者物価指数なら、なぜこうも急激な一転反発になったのだろうか?
9時58分、マーケット開始28分後、人気番組「マッド・マネー」を担当するジム・クレーマー氏は、今朝のインフレ・データは買い材料になるという内容の、短いコラムを発表した。要約するとこうなる。「こんな数字を見たら誰でも売りたくなる。しかし、悪いインフレ・データを見るのは、今回が最後になるだろう。」
もちろん、クレーマー氏の一言で、マーケットが反発ラリーを開始したと言うつもりはない。一転反発したマーケットについて、午後、APはこう報道している。
「最近のエネルギー価格の下落を考慮すれば、悪い物価指数は今日が最後になる可能性がある、というエコノミストの意見もある。ローリー・リサーチのアナリスト、リチャード・ディクソン氏は、『たしかに、今朝の物価指数はひどかったが、マーケット関係者は、これ以上悪くなることはないと判断したようだ。現に、寄付き直後、マーケットは反転している。投資家が恐れているのはインフレではなく、ラリーを逃してしまうことだ。』、と語っている。」
株式市場が無視したのは物価指数だけではない。マーケット開始前には、失業保険申請者数も発表され、予想を上回る45万人という高水準だった。ジョン・オグ氏(247wallst.com)によれば、40万を超える数字は、失業率を上昇させる結果になるということだ。
(情報源: http://biz.yahoo.com/ap/080814/economy.html
http://biz.yahoo.com/ap/080814/wall_street.html
http://www.247wallst.com/2008/08/the-smell-of-st.html
http://www.thestreet.com/story/10433332/1/cramer-inflation-number-creates-buys.html?puc=btlhome)