株をやっている人は、商品先物取引委員会(CFTC)と聞いても、あまり興味を示さないのが普通だ。しかし、最近の原油価格変動が株式市場に大きな影響を与えていることで分かるように、商品市場を完全に無視してしまうのは得策でない。
商品先物市場では、原油、大豆、トウモロコシだけに限らず、株と密接な関係がある、S&P500指数やダウ指数の先物も取引されている。先ず、ダウ指数の日足チャートを見てみよう。
(8月12日 大引けまで2時間)
7月15日(A)が底になり、切り上がる高値と安値で分かるように、ダウは短期アップトレンドを形成している。
ここで紹介したいのが、商品先物取引委員会(CFTC)から毎週発表される、大手投資家と小口投資家のポジション状況だ。(http://www.cftc.gov/marketreports/commitmentsoftraders/index.htm)
先週8月5日時点における、ダウ指数先物の、ポジション状況を見てみよう。
1のNONーCOMMERCIAL(ノン・コマーシャル)は大手投機筋、そして2のCOMMERCIAL(コマーシャル)はヘッジャーとも呼ばれ、実際に商品の受け取りもする大手投資機関。
(3)から(8)は、コマーシャルと、ノン・コマーシャルの持っているロング(買い)とショート(空売り)ポジション(コントラクト数、枚数)を示す。コマーシャルと、ノン・コマーシャルを合計すると、ロングは28552(7)、そしてショートは23430(8)だから、買いコントラクト数が空売りコントラクト数を上回っている。
(9)から(14)は、7月29日のデータと比較したものだ。コマーシャルと、ノン・コマーシャルを合計すると、ロング数は776増え(13)、ショートは68減っている(14)。
上記から結論できることは、大手投資家は、空売りではなく買い方向に傾いていたということだ。
次に、小口投資家(NONREPORTABLE POSITIONS)の様子を見てみよう。
8月5日時点で、小口投資家の持つ買いポジション(ロング)は3936(1)、そして空売りポジション(ショート)は9058(2)だから、圧倒的に空売りが多い。更に、7月29日と比較すると、買いポジションは219(3)減り、空売りが625(4)増えている。正に、大手投機筋とは反対の動きだ。
商品先物取引委員会(CFTC)のデータは、一週間に一度更新されるだけだから、実際のトレードに役立たないという反論もある。しかし、相場の方向をつかむ一手段としてぜひ利用したい。