原油の下落が買い材料だ、とどのチャンネルも同じ報道が繰り返されているが、金曜の取引をあと2時間ほど残して、ダウ指数は2.55%の大幅上昇だ。先ず、原油に連動する、ユナイテッド・ステーツ・オイル(USO)の日足チャートから見てみよう。
サポートゾーン(1)を割り、その後、反発を見せたが、2で分かるように以前のサポートゾーンはレジスタンスゾーンになった。今日も陰線で終わりそうだから、これで、ユナイテッド・ステーツ・オイルは5連敗だ。
いったい、どの辺で下げ止まるだろうか?分かりやすいのは、赤い線(3)で示した200日移動平均線だ。200日移動平均線は、多くのトレーダーと投資家に利用され、ウォール街には、こんな言葉がある。
「ブルは200日移動平均線の上に住み、ベアは200日移動平均線の下に住む。」 言い換えれば、この移動平均線より下で推移する株は、買い候補にならないということだ。
「7月11日の高値で、ユナイテッド・ステーツ・オイルを空売った!」、と自慢する人たちが多いのだが、RSIやMACDを見ていた投資家たちは、天井が近いことを感じていたことだろう。
株価とテクニカル指標が相違する、ダイバージェンスという現象が起きている。株価は上げ(1)、しかし、RSI(2)とMACDのヒストグラム(3)は下げ方向になり、危険信号が灯っている。もちろん、これだけで空売るのではなく、他のタイムフレームのチャートも確認することが大切だ。
さて、7月11日から数日後に底を打ち、上昇を始めたのがドルだ。ご存知のように、原油高になった一因としてドル安がある。為替のトレードをしない人でも、最近の原油の下げ方を見たら、ドルが上げているのではないだろうかと推測したことだろう。
ここで、株の口座があれば取引できる、二つのETF(上場投信)を紹介しよう。(ETFは、株と同様に、いつでも自由に売買できる。)
・PowerShares DB US Dollar Index Bullish (UUP): これは、ドルが上がると上昇する仕組みになっている。下が日足チャートだ。
・PowerShares DB US Dollar Index Bearish (UDN): このETFは、ドルが下がると上がる仕組みになっている。下が日足チャート。
両チャートには、200日移動平均線が入れてあるが、これを見るかぎり、ドルのトレンドは下げから上げに変わった。