木曜のマーケット開始30分後、6月分の住宅販売保留指数が発表されたが、先ずロイターからのヘッドラインを見てほしい。
June pending home sales up unexpectedly 「6月の住宅販売保留指数、予期せぬ上昇」
これだけ読んだら、米国住宅市場は、とうとう上向きになったようだ、と判断した人がいたかもしれない。更に読み進むと、こんなことが書いてある。
「地域別に見ると、南部は+9.3%、西部は+4.6%、東海岸北部は+3.4%、そして中西部は+1.3%となっている。」 なるほど、全米的に調子が良かったようだ。やはり、住宅市場の底打ちは近いかもしれない、、、
住宅市場に朗報とも言える報道なのだが、実際は、あきれかえってしまった人が多い。例を挙げよう。
・全米不動産業協会からの発表を読めば分かることだが、住宅販売保留指数は12.3%の減少だった。マスコミが言う+5.3%は、6月は5月より5.3%良かった、という意味であり正しい比較の仕方ではない。数字は前年度の同時期と比べなければいけないから、2007年の6月と比較すると、今年の6月はマイナス12.3%だ。全米不動産業協会が+5.3%を強調しているからといって、それを簡単に鵜呑みしてしまうマスコミにはガッカリする。 バリー・リットホルツさん(リットホルツ・リサーチ)
・5月と6月の比較?本当のニュースは、去年の6月より12.3%悪かったということだ。 dasein211さん
・重要なのは、2007年の6月より12.3%下がったということであり、5月を5.3%上回ったということではない。どちらにしても、夏は季節的に販売数が増えるから、6月が5月より良くても当たり前だ。 lawdogOXさん
・そもそも、住宅販売保留指数など意味のない指数だと思う。肝心なのは、本当に販売が完了した数字だ。 Boom2Bust.comさん
・デニス・二ールは、さっそく住宅市場の底打ちを宣言している。なんてこった。 Scottさん
・フランスでもそうだが、ほとんどのジャーナリストは、統計を適切に把握することができない。 Mr Right Nowさん
(情報源: http://www.realtor.org/press_room/news_releases/2008/pending_home_sales_rise
http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/08/major-media-get.html