政府からの助けがなければ潰れてしまうような会社は倒産させるべきだ、というジム・ロジャーズ氏(投資家)のような意見もあるが、実際問題として、米国はファニーメイとフレディマックを倒産させるわけにはいかない。
両社は、単に大手住宅金融会社であるだけでなく、政府系機関でもあるから、たとえどんなに国民の重荷になっても、米政府は二社を救済することだろう。
ジム・ジューバック氏(MSNマネー)は、こう書いている。
米国の投資家だけでなく、海外からの投資家も含めて、政府系機関は米政府が100%保証しているから倒産することはないと思っている。それだけに、米政府は今回のファニーメイとフレディマック問題に対して、適切な措置方法を明確に示さなければ大変なことになる。
もし米政府が、確実性の低い救済計画を発表すれば、海外からの投資家はドル売りを実行することだろう。当然の結果として、更なるドル安が起き、原油や米国へ輸入される製品の値段が上昇する。もちろん、米国株式市場、国債市場も低迷となり、米政府は海外からの資金を得ようとして金利を上げることになるだろう。しかし、金利引き上げは米国経済に悪影響だ。
ビル・フレッケンスタイン氏(ヘッジファンド・マネージャー)の意見はこうだ。
一時的に資金を注入しても、フレディマックとファニーメイの長期的な負債問題を解決することはできない。既に、リーマンブラザーズ、ワシントン・ミューチュアル、シティグループなどの金融機関が連銀の窓口貸し出しを利用したが、経営を好転させるだけの効果は無かった。
現在、アメリカが直面しているのは悪化する不景気だ。住宅価格の下落は続き、住宅ローンの支払いが不可能になる人もいっそう増えることだろう。しかし、こんな現状にあっても、強気な株投資家が多い。おそらく、長く続いたグリーンスパン連銀の弊害だと思うが、投資家は何か起きても連銀が救ってくれると確信しているようだ。
始末の悪いことに、米国住宅市場の低迷で金融株が大きく下げたが、これは空売りの責任だ、という意見が支持されるようになった。例を挙げれば、破綻したベアー・スターンズだ。言うまでもなく、ベアーを潰したのは売り手ではなく、無謀なレバレッジを利用した投資に膨大な資金をつぎこんだ経営陣の責任だ。どんなに徹底して売っても、ファンダメンタルズの裏づけのない空売りなど成功しない。
こんな書き込みがあった。
「私は、ファニーメイとフレディマックなど倒産させるべきだと思っていましたが、ジューバック氏のコラムを読んで考え直しました。しかし、無責任な一部の人たちのために、消費者がこれだけ大きな犠牲を受けることは許すことができません。」 neohguyさん
(情報源: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/JubaksJournal/TheHugeThreatToTheUSEconomy.aspx?page=1
http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/ContrarianChronicles/FedsCantFixFannieAndFreddie.aspx)