まだ大引けまで2時間以上残っているが、見てのとおり、強かったのは寄付き(A)だけだ。買いが全く続かず、投資心理の冷えこみが顕著に表れている。
マネーニュース・ドット・コムを見てみると、著名人の批判的、そして悲観的な言葉の引用が多い。
・ジム・ロジャーズ氏 (投資家): 「ファニーメイとフレディマックを閉鎖せよ」 (注:ファニーメイとフレディマックが、今回経営危機に直面している、米国最大の住宅金融会社。)
既に、金融銘柄を空売りしているロジャーズ氏は、こう語っている。「政府の介入がなければ潰れてしまうような会社は倒産させるべきだ。」
・マーク・ファーバー氏 (投資アナリスト): 「連銀は悪い冗談だ」
「私たちは、連銀、特にバーナンキ議長の言うことを信じてはいけない。議長は、インフレ問題やドル安に真剣に取り組んでいるような姿勢を見せるが、実際は何もしていないだけでなく、中産階級の消費者のことなど全く考えていない。」
・ジム・クレーマー氏 (人気番組「マッド・マネー」担当): 「株は絶望的だ。持ち株を処分しろ。」
いつも強気で有名な氏だけに、この言葉を聞いて、マーケットの底は近い、と言う投資家たちもいる。クレーマー氏の話を聞いてみよう。
「25年間マーケットを見てきたが、こんなマーケットは一度も見たことがない。私は、株に対して、いつも長期的強気論者だった。どんなに状況が悪い時でも、探せば何か投資対象になるものがあったが、今回は違う。株、社債、吸収合併、投資銀行、全てのものが同時にスランプ状態に陥ってしまった。」
今日のように、株式市場が低迷する状況では、マネーニュース・ドット・コムのように悲観論ばかりを並べるサイトが多い。たしかに、「ファニーメイとフレディマックを閉鎖せよ」とロジャーズ氏は言っているが、氏の2金融機関に対する不信は昨日今日に始まったわけではない。同様に、ファーバー氏の連銀批判も、昨日今日に始まったわけではない。
ジム・クレーマー氏が、「株は絶望的だ。持ち株を処分しろ」、と言ったことも事実だが、この話には続きがある。金曜のマッド・マネーで、氏はこう語っている。
「オイル高、食品高の現状で、比較的影響されていないのがヘルスケア・セクターだ。ファンドマネージャーたちは、こんなマーケット環境でも何かに投資しなければならないから、おそらくヘルスケア銘柄が狙われることだろう。」具体的な例として、氏はCR Bard(BCR)を取り上げていた。 (ジム・クレーマー氏には、15年間のヘッジファンド・マネージャーとしての経歴があり、成績は年間24%だった。)
フィデリティ・インベストメントで、大口取引を担当していた、ケビン・ハガティ氏はトレーダーにこう勧めている。「マスコミの言うことは、単なる物語だ、と割り切って解釈するべきだ。」
クレーマー氏
(情報源: http://moneynews.newsmax.com/index.html
http://www.cnbc.com/id/15838459)