先ず、簡単にファニーメイ(FNM)とフレディマック(FRE)の説明をしよう。(Hatenaから引用)
ファニーメイ: 米国のGSEの一つ、FNMA(Federal National Mortgage Association)の通称。連邦住宅抵当公庫。1938年に住宅安定供給を目的に設立された特殊銀行。1968年に民営化され、NYSEに上場。民間金融機関から住宅ローン債権を買い上げた上で証券化を行ったり、保証業務によって収益を上げている。フレディマックとは競合関係にある。
フレディマック: 米国のGSEの一つ、FHLMC(Federal Home Loan Mortgage Corporation)の通称。連邦住宅金融抵当公庫。1970年に、フレディマックを補完する純粋な民間金融機関として設立。連邦議会及び政府機関による統制を受けているため、GSEの一種。NYSEに上場。民間金融機関から住宅ローン債権を買い上げた上で証券化を行うことで収益を上げている。ファニーメイとは競合関係にある。
現在、上記二社が抱える住宅ローン債権は5兆ドルにおよび、この金額は全米に存在する住宅ローン債権の約50%に相当する。もし両社、あるは一社が破綻するような事態が発生すれば、スランプの続く米国住宅市場の回復が大幅に遅れるだけでなく、他のセクターにも被害が広がり、米国を深刻な不景気に陥れる危険性がある。
ヘンリー・ポールソン氏(財務長官)は、直ぐに両社を国有化する計画は無い、と述べているが、マーケット関係者の声を聞いてみよう。
ブラッドレー・ボール氏(シティグループのアナリスト): 「ファニーメイ、フレディマックとも明らかに売られ過ぎであり、ここは買い場になる。今朝、フレディマックの経営陣から話を聞いたが、財務状況に大きな変化は無く、予定どおり資金も確保できるようだ。」 シティグループは、2005年11月以来、フレディマックの買いを推薦している。(現在、フレディマックは6ドル38セントで取引され、2005年11月の株価は60ドル台だった。)
ジョン・ナジャリアン氏(OptionMonster Inc ナジャリアン氏は、オプション・トレーダーとしても有名): 「両社の保有する、5兆ドルの住宅ローン債権をダメにするわけにはいかない。とうぜん政府が介入することになるが、その結果、両社の株価はゼロになることだろう。」
下記は、レックス・ナティング氏の、時事解説を要約したものだ。
ブッシュ政権は、二社が破綻する可能性は無いと言う。これは一大事だ。ここまでを振り返ると、大統領が予期していなかったことほど起きやすい、という傾向がある。例を挙げよう。
・予期していなかったベアー・スターンズの破綻。
・予期していなかった信用収縮。
・予期していなかった住宅市場のスランプ。
・予期していなかった、議会の共和党議員数の過半数割れ。
・予期していなかった、テロリストによるニューヨーク世界貿易センターの攻撃。
明らかに、ナティング氏の反ブッシュ姿勢が見えるが、要するにナジャリアン氏と同様に、フレディマックとファニーメイは国有化されるという結論だ。
では、国有化されれば問題は解決するのだろうか?もちろん、現時点では誰にも分からない。デービッド・マーケル氏(証券アナリスト)も指摘しているが、今回の事態は、ベアー・スターンズ(投資銀行)とは規模が全く違う。言い換えれば、連銀には、フレディマックとファニーメイを救う力が無いという事実だ。
(情報源: http://www.usatoday.com/money/economy/housing/2008-07-10-freddie-fannie_N.htm?loc=interstitialskip
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%d5%a5%a1%a5%cb%a1%bc%a5%e1%a5%a4
http://bigpicture.typepad.com/comments/2008/07/uh-oh-bad-sign.html
http://seekingalpha.com/article/84524-don-t-panic-gse-edition?source=wildcard)